妊娠で理想の体重増加は何キロ?増えすぎで妊婦と胎児に悪影響が

体重を気にする妊婦

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妊娠したら赤ちゃんの分まで食べる?

女性は、妊娠をするとほぼ体重が増えるものです。でも、それは当たり前のことです。

ぽっこり出たお腹やうっすら顎に乗った脂肪を見て、「あの体型は嫌だから、妊婦体型にならないようにしよう!」なんて恐ろしいことを考える人はいないですよね……?

反対に、どんどん食べて、「赤ちゃんを大きく健康な子に育てたい!」と考える人は多いかもしれませんね。

ただ、妊婦のお腹が大きいのは太っているからではなく、お腹の中に赤ちゃんがいるからです。そのため、「がんばって赤ちゃんの分まで2人分食べなきゃ!」と考えるのは間違っています。

妊婦の食事管理で大切なことは、食事の量よりも栄養の質を高めてバランス良く食べることです。

そこで今回は、妊婦が増えても問題ない理想的な体重は何キロなのか、また、体重が増えすぎることで何か影響があるのかについてお話したいと思います。

妊娠しても体重が増えない、痩せてしまった人にどのような影響があるかは以下を参考にしてください。

妊娠中に体重が増えない…食べられない…妊婦や胎児への影響は

出産前の妊婦の増加体重内訳

妊娠36週以降の臨月に入った妊婦は、妊娠前に比べて何キロ体重が増加しているのでしょうか。出産前の増加体重のおおよその内訳は以下の通りです。

・赤ちゃんの重さ|3kg
・胎盤と羊水の重さ|1kg
・母体必須体重増加分
  血液などの水分の重さ|1-2kg
  必要な脂肪の重さ|1-2kg
———-
・余分な脂肪の重さ|2kg前後

妊娠前と出産直前の体重を比べると、およそ7kg前後増えていることが理想的な増加体重です。

「余分な脂肪」の2kg前後は、これくらい余分な脂肪があったとしても出産に大きな影響があるわけではなく、産後も(がんばれば……)すぐに落とすことができる許容範囲ですね。

妊婦はさまざまな理由で体重が増えすぎてはいけませんが、一般的な体型の妊婦であれば、7kg(±2kg)ほどに増加体重を調整すると、良い出産、良い産後を迎えることができると言います。

もちろん、妊婦の理想的な体重は妊娠前の体型・体重・体質などによりますが、身長に合わせた標準体重であれば、この程度の体重増加が良いでしょう。わたしは……完全にやっちまった系です。

妊娠中に体重が増えすぎたときの影響

妊婦が妊娠前から出産直前までに増える体重は7kg前後ですが、赤ちゃんに必要なものなので体重が増えることは仕方がありません。

ところが、女性の身体は妊娠をするとエネルギーとして脂肪を蓄えたり、脂肪によって赤ちゃんを守ろうとするため、脂肪が身体に付きやすくなります。

そのため、気を付けないと必要以上に太ってしまい、以下の病気や体調不良など悪影響の原因になってしまいます。

体重増えすぎの影響1.妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から産後12週の間で高血圧が見られる場合、または高血圧の際に蛋白尿を伴う妊婦特有の症状を言います。

妊娠高血圧症候群が重症化すると、脳出血、腎機能障害、肝機能障害や溶血を伴うHELLP症候群などを起こす場合もあります。

妊婦の妊娠高血圧症候群の原因や症状とは?予防や治療は可能?

また、胎児は、胎盤から栄養供給がうまく行なわれずに胎児発育不全になったり、胎盤が子宮から剥がれる常位胎盤早期剥離などにより、胎児ジストレスや死産につながる可能性もあります。

死産リスクが高い常位胎盤早期剥離の症状は?原因と予防・治療法

※妊娠中毒症は2005年以前の名称で、現在は使われていない

体重増えすぎの影響2.妊娠糖尿病

妊娠糖尿病とは、糖尿病と同じような症状が見られる糖代謝異常を伴った妊婦特有の病気を言います。

妊娠糖尿病にかかると、妊娠高血圧症候群を発症する可能性が高くなるだけでなく、胎児も高血糖による栄養過多になり、巨大児の可能性が高まったり、胎児の糖尿病が発症する恐れもあります。

妊娠糖尿病で妊婦や胎児への影響は?治療法や予防について

体重増えすぎの影響3.腰痛・肩こりなど

妊婦が妊娠によって急激に体重が増加すると、腰痛や肩こりの原因になります。余分な脂肪をつけるほど、腰痛や肩こりはひどくなるでしょう。

体重増えすぎの影響4.胎内脂肪による産道の圧迫

妊婦の体重が増えすぎると、体内脂肪がついて産道を圧迫する可能性があります。産道が圧迫されると胎児の分娩が困難になり、時間もかかるため、難産になってしまいます。

難産になりやすい妊婦の特徴は?9つの原因と難産予防法

体重増えすぎの影響5.微弱陣痛

妊婦の体内脂肪が増えると、子宮を圧迫することで陣痛が弱くなる可能性があります。陣痛が弱くなると、子宮が胎児を押し出す力(娩出力)が弱くなるため、難産の可能性が高まります。

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体重増えすぎの影響6.産後の成人病

妊婦が妊娠時に余計な脂肪を付けると、出産後に糖尿病、腎臓病、高血圧などの成人病に移行する可能性があります。

体重増えすぎの影響7.年齢的に脂肪が落ちにくい…

20代、30代、40代と年齢を重ねるごとに体重コントロールは難しくなります。たったの2-3kgでも、付いてしまった脂肪を落とすのは大変です。

体重が増えやすい妊娠時に「どうせ7-8kgほど増えるんだから、あと2-3kg増えても変わらないかなぁ。」と思っていると、後でとても後悔します……。

妊婦の理想体重の計算

では、妊婦の理想体重はどれ位なのでしょうか。それは体重と身長から肥満度を示す体格指数「BMI(Body Mass Index)」で算出できます。

BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}

仮に身長が156cm、体重が54kgの女性の場合、BMIは「54kg÷(1.56m×1.56m)=22.2」で、以下に照らし合わせると標準体型になります。

・BMI18未満(痩せ気味体型) 10-12kgの体重増加
・BMI18-24未満(標準体型) 7-10kg程度の体重増加
・BMI24以上(太り気味体型)5-7kgの体重増加(体重制限指導もある)

参考|日産婦誌58巻5号研修コーナー|妊娠高血圧症候群|日本産婦人科学会

現在太り気味体型の人は、すでに妊娠に必要な脂肪を持っているため5kgほどの体重増加に抑え、痩せ気味体型の人は脂肪が少ないため10kgほど体重増加するなどの調整が必要かもしれません。

妊娠が発覚した時点で、医師に確認をしてから体重コントロールを心掛けると良いですね。

体重が増えすぎても急激に減らさない

妊娠をすると早い段階で急激に体重が増えてしまう妊婦もいます。もちろん、妊娠中の体重の増えすぎは良くないのですが、急激なダイエットは胎児に悪影響です。

もし体重が増え過ぎだと感じたら、栄養バランスが良い食事を心掛けつつ、少しずつカロリーを減らして数か月かけて体重を減らす(増やさない)よう心がけます。

たとえば、栄養バランスが良いとされる野菜スープは具材を大きく多めにすれば、腹持ちが良い1食になります。妊娠中は家事も少しずつ制限していくため、レンジでチンするだけなど簡単な食事の方が良いですね。

また、食事の注意とともに妊婦体操やストレッチ、散歩など軽い運動をしてリラックスをし、体力・筋力を徐々につけていくとより効果的です。このあたりも医師に相談すれば、アドバイスを貰えると思います。

妊婦の運動はいつから?妊娠中おすすめ&してはいけない運動

太りやすい時期は、妊婦によって変わります。太りやすい環境や誘惑のイベントはいくつもあるので、体重管理には十分に注意してください。今の体重に執着しすぎず、長い妊娠期間で計画的に体重をコントロールできると良いですね。

妊娠中に体重が増える理由は?妊婦が太りやすい時期と管理のコツ

また、妊婦は妊娠中に身体がむくみやすくなります。そのため、むくみによって体重が増える場合もあります。むくみの解消は、体重管理と分けて考えなければいけません。以下を参考にして、むくみの解消にも取り組みましょう。

妊婦のひどいむくみ原因と症状は?食べ物・運動等効果的な解消法


参考|妊娠初期~後期の理想の体重増加は?妊婦さんの体重管理│AMOMA
参考|あなたは何kgまで太ってだいじょうぶ? – gooベビー※リンク切れ