年齢別・妊娠週数別の流産確率・割合は?初期流産は予防できる?

妊婦さん

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流産は妊娠初期が多い

妊婦にとって流産はとても怖いものです。なかなか子供を授からず、高齢になってからようやく妊娠できた妊婦にとっては、日々のちょっとした体調の変化でドキドキします。

妊娠初期流産の原因の多くは、受精卵が子宮内膜に着床したにもかかわらず、胎児の染色体異常によって胎内から流れてしまうことです。

日本医師会雑誌undefined第139巻・第10号によると、もともと卵子や精子には染色体異常が一定量あり、受精卵の時点で全体の45%が染色体異常を持っています。

染色体異常のある受精卵が着床に至るのは全妊娠の約25%の確率ですが、そのうち10%が化学流産を起こし、残りの15%が初期流産を起こしてしまいます。

流産と染色体異常

出典|化学的流産・ケミカルアボーションの原因や症状とは? [流産の基礎知識] All About

そのため、もし流産したとしても、仕方がなかったと割り切るしかありません。とはいえ、赤ちゃんが欲しい人にとっては、少しでも流産を予防する方法を見つけたいと思うものです。たとえ眉唾でも、安心材料を集めたいはずです。

先にお話をしてしまうと、少しでも流産の確率を低くしたいのであれば、流産を予防する意識は妊娠前と妊娠初期に集中するべきです。なぜなら、妊娠初期までの流産確率は全流産の8-9割を占めるためです。

そこで今回は、年齢別の流産確率・妊娠週数別の流産確率を理解して、妊娠初期の流産確率を少しでも減らす予防行為についてお話したいと思います。

年齢・年代別の流産の確率

まだ妊娠を経験していない女性やパートナーの男性にとって、流産はなかなか起こらないイメージを持っている人も多いかもしれません。

ところが、以下の厚生労働省の「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書という資料を見ると、年齢別の流産の確率は割と高いことがわかります。

母の年齢と自然流産率

出典|「不妊に悩む方への特定治療支援事業等のあり方に関する検討会」報告書について |報道発表資料|厚生労働省

出産サンプル数にはバラつきはありますが、

・24歳以下の流産率は16.7%
・25-29歳の流産率は11.0%
・30-34歳の流産率は10.0%
・35-39歳の流産率は20.7%
・40歳以上の流産率は41.3%
・全体の平均流産率は13.9%

となっており、やはり40歳以上の高齢妊娠での流産確率は41.3%とかなり高い数字になっています。また全体を均しても流産率は13.9%もあり、妊婦の7-8人に1人が流産を経験する計算です。

女性の妊娠・出産年齢は以前に比べて高齢化しており、平成27年においては第1子出産時の女性の平均年齢は30.7歳でにまで上がっています。

日本産科婦人科学会によると、高齢出産とは35歳以上の初産婦による出産を指すため4.3歳しか差がありません。もちろん、経産婦でも年齢が上がるほど流産確率は上がるため、第2子、第3子を出産したいと考えるなら、やはり早めの妊娠・出産を検討した方が良いでしょう。

妊娠週数別の流産の確率とグラフ

妊娠週数別での流産の割合には明確なデータはなく、以下のように数値がバラバラなため、どれを参考にすれば良いかわかりませんが、分かりやすい数値を参考にしたいと思います。

流産の頻度は、全体の妊娠の8~15%と言われ、妊娠週数では、妊娠5~7週の期間に全流産の22~44%、妊娠8~12週に34~48%、妊娠13~16週では6~9%と言われています。

引用|花林レディースクリニック●女性の医学●

流産の割合は時期によって異なり、妊娠0週から3週目で約1割、妊娠4週から7週目で約5割、妊娠8週から11週で約3割と言われています。そして、残りの1割は妊娠中期に起こります。

引用|【流産の確率はどれくらい?】流産の原因や予防法など元気な赤ちゃんを産むために知っておきべきポイント|welq [ウェルク]

仮に妊娠週数別の流産確率(ウェルクの値を参考)と年齢別の流産確率を複合グラフにすると以下のようになります。

妊娠週数別流産確率を以下とする
・妊娠0週-3週|1割
・妊娠4週-7週|5割
・妊娠8週-11週|3割
・妊娠12週-21週|1割

年齢と妊娠週数による流産の確率

このグラフを見ると年齢が高くなると流産の確率がぐんと上がること、妊娠8-11週までの流産の確率が異常に高いことがわかります。

注目したいのは、妊娠12週未満の妊娠初期流産の確率です。妊娠初期流産の確率は流産全体の9割もあるため、どの年代の妊婦にとってもまずは妊娠12週に入ることが安心できる1つのハードルです。

流産原因の染色体異常は誰のせい?

流産の主な原因は染色体異常で、その割合は70%ほどです。ただし、流産の自覚症状がない化学流産を含めると、染色体異常による流産の割合はさらに多いと考えられます。

ここで言う染色体異常とは、卵子や精子を構成する染色体、精子と卵子でできる受精卵を構成する染色体の異常のことですが、前述した日本医師会雑誌の通り、これらの染色体異常は一定の割合で必ず発生します。

染色体異常は、わたしたちの身体の細胞にも一定の割合で存在していますが、たとえば皮膚細胞の一部で異常が起こっていても、その他の細胞が正常であるため身体の機能には影響がありません。

ところが、受精卵は細胞の数が少なく、これから細胞分裂を繰り返して胎児に育っていくため、染色体異常を持つ細胞が1つでもあると成長に重大な欠陥を招いてしまいます。

つまり、染色体異常を持つ卵子や精子がたまたま受精をすることは仕方がないことで、わたしたちには避けようがありませんし、その流れを予防することもできません。

参考|流産を経験された方へ | 出生前診断の胎児生命科学センター

妊娠初期流産の予防法はある?

流産は受精卵の染色体異常を察知して起こるものです。もし、この段階で染色体異常を察知できなければ、今よりも圧倒的に身体に障害をかかえた子供の出産確率が高くなってしまうでしょう。

それくらい赤ちゃんが元気に生まれてくることは難しいことであり、人間が持っている染色体異常の察知機能は優れていると言えます。

いくら流産の総数が減ったところで、生きることさえ難しい赤ちゃんの出産は、より悲しみを大きくしてしまうかもしれません。

そのため、残念ながら染色体異常が原因で起こる妊娠初期の流産を予防する方法はありません。では、どうやっても流産の確率を減らすことができないんでしょうか。

流産は、妊婦のストレスや悪い生活習慣など染色体異常以外の原因で起こる場合もあります。そのため、生活習慣の改善を心がけることで、染色体異常以外の流産確率は減らすことができます。

まずは、妊娠でストレスや不安を抱える原因を理解しましょう。妊娠中にストレスを感じることは仕方ないのですが、以下のようにストレス原因が何かを知っておかなければ対策が取れません。

妊婦の心理的変化
1.生活の変化による不安
2.体と心の変化による不安
3.夫に対する不満と不安
4.出産に対する不安
5.子育てに対する不安
6.経済的な不安
7.コミュニティが変化する不安

また、妊娠後の喫煙や飲酒をやめることは当然ですが、より健康な妊娠を望むなら、妊娠前から喫煙や飲酒は控えた方が良いでしょう。

流産は一定の確率で必ず起こるため、1回でも多く妊娠できる方が最終的に赤ちゃんを産める確率が上がります。ところが、妊娠前の生活習慣によって、妊娠する確率が下がってしまう可能性があります。

とくに、妊娠前の女性の喫煙や受動喫煙は、女性ホルモンの分泌が損なわれるだけでなく、卵胞が作られなくなり、閉経が早まり、妊娠しにくい身体になってしまいます。

その他にも、身体を冷やさないこと、過度な運動を避けること、ストレスが発散できる趣味や時間の使い方をすること、栄養バランスに気を付けた食事をすることなどが、健康な妊娠の確率を上げるために必要な生活習慣です。

流産確率を減らすために地道に当たり前のことを続ける

もちろん、流産の確率を減らすために生活習慣を改善しても、ストレスを減らす努力をしても、流産率の改善が数値で目に見えるわけではありません。

そして、いくら医学が進歩しても、高齢になるほど卵子が作られにくくなり、卵子に染色体異常の数が増えることで不妊や流産の確率が増加することも避けられません。

そのため、赤ちゃんが欲しい女性は、なるべく早い時期に生活習慣を改善し、早めの妊活を行って出産確率を上げるしかありません。そして、結果的に流産をしても、自分を責めずに次のチャンスを見据える切り替えが必要です。

また、妊婦は流産の心配だけでなく、妊娠後の自分の身体のことも心配になると思います。とくに高齢出産の場合は、自分の身体に万が一を考えることもあるでしょう。

妊産婦死亡も流産と同じように、妊娠前、妊娠初期の生活習慣を改善することで、リスクを減らせることがわかっています。

これから赤ちゃんを作りたい人、今妊娠真っ最中の人は、妊娠のさまざまなリスクを理解したうえで健康な赤ちゃんを授かるようにがんばりましょう。