妊娠リスクスコアとは?早産や帝王切開などを予見した病院選び

妊娠リスクのチェック

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妊娠リスクスコアとは

妊娠・出産が関係するドラマを見ると、妊娠をして嬉しいはずの妊婦がときどき不安な顔をして妊娠が怖いと言い出す場面があります。

もちろん、人によって妊娠に対する心情は異なりますが、妊娠を経験した女性であればさまざまな要因で妊娠時に不安を感じることは理解できますよね。

その中の1つが、胎児や自分自身の健康に関する不安です。早産や死産、緊急帝王切開、胎児の発育不全、未熟児、妊婦の病気など妊娠のリスクを挙げるとキリがありません。

たとえ日本の医療が素晴らしいものでも心配は心配……。妊娠リスクがゼロではないため、リスクを未然に防いだり対処するための準備が必要になります。その準備に使われるのが妊娠リスクスコアという点数です。

妊婦の妊娠リスクスコアによって、病院側は事前に少しでもリスク要因を把握し、さまざまな妊娠リスクを防ぐ努力をしています。

そこで今回は、妊娠リスクスコアで見る早産や帝王切開、NICU入院などの割合、妊娠リスクスコアが高い場合の対処について考えてみたいと思います。

妊娠リスクスコアの評価方法

日本では、愛育病院の中林医師が中心となって厚生労働科学研究班で日本の現状に合った項目や重み付けを検討し、妊娠リスクスコアを作成しています。妊娠リスクスコアの項目は以下を参考にしてください。

妊娠リスクスコアは初期と後半期に分かれており、判定にはそれぞれ専門的な用語や検査が必要な項目もあるため、自己評価は難しいと思います。そのため、医師と話し合ったうえで、妊娠リスクスコアを診断してください。

妊娠リスクスコアは、0-1点が低リスク群、2-3点が中程度リスク群、4点以上がハイリスク群として分類されています。

中林医師らが周産期センターの2804事例及び、診療所・個人病院の2808事例に対する妊娠リスクスコアをまとめたものが以下の表です。

妊娠リスクスコアの検討

出典|診療所、個人病院における「妊娠リスクスコア」の適応評価に関する調査報告|日本産婦人科医会母子保健部

妊娠初期までのスコアにおいては低リスク群が30.5%、中程度リスク群が40.0%、ハイリスク群が29.5%で、診療所・個人病院の事例においては低リスク群が59.5%、中程度リスク群が27.1%、ハイリスク群が13.4%となっています。

ただし、これだけでは低リスク群、中程度リスク群、ハイリスク群にどのような可能性、危険性があるのかわかりません。

妊娠リスクスコアによる周産期予後判別

では、妊娠初期の妊娠リスクスコアと妊娠後半期の妊娠リスクスコアの合計値から、低リスク群、中程度リスク群、ハイリスク群にそれぞれリスクが起こる確率を見ていきましょう。

妊娠リスクスコアによる周産期予後判別(初診時+妊娠後半期)

出典|診療所、個人病院における「妊娠リスクスコア」の適応評価に関する調査報告

以下のリスク群の比較を見ると、輸血率、早産率(28週以前)、超低出生体重児率(1000g未満)、極低出生体重児率(1500g未満)、重症新生児仮死率(APS4点以下)、児死亡率(死産+新生児死亡)において、低リスク群と中程度リスク群に明らかな違いはありませんが、それ以外は明確な違いがわかります。

そのため、妊娠リスクスコアは妊娠時のリスクの確率を測るために、ある程度理にかなった診断基準になっていると言えそうです。

帝王切開(予定+緊急)の割合

低リスク群|4.3%
中程度リスク群|15.7%
ハイリスク群|43.6%

緊急帝王切開の割合

低リスク群|3.4%
中程度リスク群|6.6%
ハイリスク群|17.8%

分娩時大量出血の割合

低リスク群|3.3%
中程度リスク群|9.4%
ハイリスク群|21.6%

輸血の割合

低リスク群|0.6%
中程度リスク群|0.9%
ハイリスク群|3.3%

早産(28週以前)の割合

低リスク群|0.4%
中程度リスク群|1.1%
ハイリスク群|4.1%

早産(36週以前)の割合

低リスク群|2.3%
中程度リスク群|8.2%
ハイリスク群|25.3%

超低出生体重児(1000g未満)の割合

低リスク群|0.4%
中程度リスク群|1.0%
ハイリスク群|3.9%

極低出生体重児(1500g未満)の割合

低リスク群|0.5%
中程度リスク群|0.6%
ハイリスク群|8.0%

低出生体重児(2500g未満)の割合

低リスク群|4.2%
中程度リスク群|12.0%
ハイリスク群|33.1%

重症新生児仮死(APS4点以下)の割合

低リスク群|1.3%
中程度リスク群|2.2%
ハイリスク群|7.3%

軽症新生児仮死(APS7点以下)の割合

低リスク群|4.3%
中程度リスク群|8.3%
ハイリスク群|18.8%

NICU入院の割合

低リスク群|2.8%
中程度リスク群|7.4%
ハイリスク群|21.6%

児死亡(死産+新生児死亡)の割合

低リスク群|0%
中程度リスク群|0.3%
ハイリスク群|1.6%

ハイリスク妊娠に対する考え方

わたしが「35歳で妊娠+帝王切開の既往」で中等程度リスク群だったこともあるせいか、意外と低リスク群で出産に臨める確率は高くない気がします。

ハイリスク妊娠に対して、どのように対処をすれば良いのかは以前お話しています。

ハイリスク妊娠の対処
1.自身の妊娠リスクを把握する
2.ハイリスク妊娠対応の病院に移る
3.普段の生活習慣に気をつける

とくに自身の妊娠リスクを把握するうえで、自分でもわかる妊娠初期スコア基準は妊娠前に知っておくと良いでしょう。その中では、40歳以上の高齢出産と100kg以上の肥満体型はリスクスコアが5点となり、初めからハイリスク妊娠が確定しています。

もちろん、妊娠がハイリスク群に分類されたとしても、それだけで妊娠・出産を諦める必要はありませんし、必要以上に妊娠リスクを恐れる必要もありません。

まずは、どれだけの設備がある病院で妊娠期間を過ごし、出産に臨めるのかを医師とよく話し合ってみましょう。