逆子の原因や種類・姿勢は?逆子の割合と出産までに治る確率

妊婦の臨月のお腹

この記事の読了時間は約 7 分です。

わたしは逆子で帝王切開

「赤ちゃんは自然分娩で産みたい!パパにも立ち会って欲しい!」

そう考える女性は割と多いでしょう。わたしも妊娠したときはそう考えていましたが、実際は「逆子」のため予定帝王切開になり、立会い出産もできませんでした。

妊娠30週ごろに逆子だと聞かされたわたしは、逆子を治そうと色々試しましたが、結果治らず半ば諦めモード……妊娠35週過ぎに「帝王切開になるから、準備しておいて。」と医師から告げられたときは、すでに悟りの状態でした。

同じように、妊娠30週を過ぎに逆子と聞いて「なるようになる。」と諦めてしまう人もいれば、妊娠35週でも「まだ自然分娩を諦めたくない……。」と思う人もいるでしょう。

ちなみに、必ずしも逆子の出産が帝王切開になるとは限りませんが、高い確率で帝王切開になります。また、帝王切開になっても立会い出産が認められている病院もあります。

なぜ、胎児は逆子になってしまうのでしょうか。また、逆子になる割合、治る確率はどれくらいなのでしょうか。

今回は、胎児が逆子になる原因やその確率についてお話したいと思います。

逆子とは

逆子とは、骨盤位(こつばんい)の別称のことで、妊娠後期(妊娠28-39週)に入っても、子宮内の胎児の頭が出産準備に向けて下を向いていない体勢を言います。

通常、胎児は子宮内で羊水の中をプカプカ浮きながら、頭を下にした状態で安定しています。これは胎児の頭が身体に比べて重く大きいためで、この状態を頭位(とうい)と言います。

ただし、胎児は妊娠期間中ずっと頭位なわけではなく、妊娠20週前後に胎動が始まると、子宮内をぐるぐる動き回ります。そのため、妊娠中期(妊娠16-27週)は胎児の頭の位置は安定しておらず、どこにあるかわかりません。

そして、胎児が成長して子宮内が狭くなり始める妊娠28週から、徐々に頭位の体勢に落ち着いていきます。

妊娠初期・中期・後期
妊娠超初期|妊娠1か月(妊娠0週0日-妊娠3週6日)
妊娠初期|妊娠2-4か月(妊娠4週0日-妊娠15週6日)
妊娠中期|妊娠5-7か月(妊娠16週0日-妊娠27週6日)
妊娠後期|妊娠8-10か月(妊娠28週0日-妊娠39週6日)

ところが、妊娠後期になっても頭位の体勢をとらない胎児は、成長して手狭になった子宮内で徐々に動きが取りづらくなり、頭位になること自体が難しくなっていきます。

その結果、出産前に逆子になり、頭を骨盤の入り口に収める第一回旋が行えなくなります。胎児が出産時に行う正しい回旋は以下を参考にしてください。

胎児が逆子になる原因

胎児は頭が重いため、重力によって頭が自然に下になりますが、頭が下になる流れを邪魔する原因があると逆子になってしまいます。以下は胎児が逆子になる原因の一例です。

逆子の原因1.多胎妊娠(たたいにんしん)

双子や三つ子などの多胎妊娠をすると、子宮内が狭くなってしまい胎児が逆子になることがあります。

逆子の原因2.狭骨盤(きょうこつばん)

妊婦の身長が150cm以下の場合に、狭骨盤がよく見られます。狭骨盤とは、骨盤が一般的なサイズよりも小さく狭いことで、胎児の頭に対して骨盤腔が狭いため頭が入らず、逆子になる可能性があります。

逆子の原因3.巨大児

胎児の発育が良く巨大児になった場合、子宮内で動くスペースが確保できず、逆子になる可能性があります。

逆子の原因4.前置胎盤

前置胎盤とは、胎盤が子宮の低い位置に形成された状態のことで、胎盤の位置によっては分娩の邪魔になります。また、胎盤の位置が低いため頭位の体勢の邪魔になり、逆子になる可能性があります。

逆子の原因5.子宮奇形

妊婦の子宮奇形によって、子宮の形が変わっていたり、子宮に壁ができることで子宮内が狭くなり、胎児が逆子になる可能性があります。子宮奇形の種類は、双角双頚子宮、双角単頚子宮、単角子宮、中隔子宮などがあります。

逆子の原因6.子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮内にできる良性の腫瘍(しゅよう)のことです。腫瘍が良性であっても、筋腫が肥大することで子宮内が狭くなり、胎児が逆子になる可能性があります。

逆子の原因7.羊水過少症

羊水過少症とは、前期破水や胎児の尿生産機構の障害が原因で、子宮内の羊水量が100mlを下回っている状態を言います。羊水量が少ないと胎児が子宮内で動き回れなくなるため、逆子になる可能性があります。

逆子の原因8.羊水過多症

羊水過多症とは、胎児の発育不全や臓器異常によって羊水を吸収できなかったり、胎児の多尿が原因で、子宮内の羊水量が800mlを上回っている状態を言います。

羊水過多の場合、胎児は妊娠30週を過ぎても頭位で安定せずに胎動を繰り返すため、胎児が逆子になる可能性があります。

逆子の原因9.過短臍帯

過短臍帯とは、臍帯の長さが25cm以下の臍帯を言います。臍帯が短すぎると子宮内で胎児が動き回れなくなるため、逆子になる可能性があります。

逆子の原因10.水頭症(すいとうしょう)

水頭症とは、頭蓋骨(ずがいこつ)内に水が溜まってしまう胎児の病気です。水頭症の胎児は頭が大きくなるため、子宮内で動き回れなくなり、逆子になる可能性があります。

逆子の種類(胎位)

逆子には、態勢によっていくつか種類があります。胎児の姿勢(胎位)によっては自然分娩を行える場合もありますが、一般的には帝王切開を行う可能性が高いと考えた方が良いでしょう。

逆子の種類1.単臀位(たんでんい)

単臀位とは、胎児の頭が上を向き、おしりが一番下にあり、両足は上に上げたV字姿勢のことです。「骨盤位のうちでは単臀位の場合が70~80%を占め※」ています。

※引用|日本大百科全書|小学館

単臀位の分娩はおしりから娩出されますが、身体が折りたたまれているため産道を通りにくくなります。

逆子の種類2.全複臀位(ぜんふくでんい)

全複臀位とは、胎児のおしりと膝を曲げた足の裏が一番下にある体育座りの姿勢のことです。

全複臀位の分娩はおしりから娩出されるのですが、出産前に足が伸びて単殿位にならない場合はほぼ帝王切開になります。

逆子の種類3.不全殿位(ふぜんでんい)

不全殿位とは、全複臀位の姿勢から片足だけを上げている姿勢のことです。

全複殿位と同じく、出産前に足が伸びて単殿位にならない場合はほぼ帝王切開になります。

逆子の種類4.全膝位(ぜんしつい)

全膝位とは、胎児の両膝が一番下にあり、膝立ちをしている姿勢のことです。

足が曲がった状態は分娩の際に引っかかりやすいため、ほぼ帝王切開になります。

逆子の種類5.不全膝位(ふぜんしつい)

不全膝位とは、胎児の片膝と片足が一番下にあり、片膝立ちをしている姿勢のことです。

こちらも全膝位と同じく、足が曲がった状態の分娩になるため、ほぼ帝王切開になります。

逆子の種類6.全足位(ぜんそくい)

全足位とは、胎児の両足の裏が一番下にあり、胎児が立っている姿勢のことです。

足からの娩出は胎児の回旋が難しいため、一般的には帝王切開を行うことになります。

逆子の種類7.不全足位(ふぜんそくい)

不全足位とは、胎児の片足の裏が一番下にあり、もう片足は曲げている片足立ち姿勢のことです。

全足位同様、足からの娩出は胎児の回旋が難しいため、ほぼ帝王切開になります。

逆子の種類8.横位(おうい)

横位とは、胎児が横に寝てしまっている状態のことで、足を曲げているか伸ばしているかは関係ありません。

横位が確認された場合は娩出ができないため、帝王切開を行うことになります。

逆子になる確率・自然に治る確率

医師によって多少前後しますが、妊婦が胎児の逆子を告げられるのは妊娠28-30週ごろです(早い場合は妊娠24-25週ごろだそう)。

妊娠中に胎児が骨盤位の姿勢を取るのは珍しいことではなく、妊娠中期は胎児の30-50%が骨盤位です。プレママタウンが行った妊娠中の逆子に関するアンケート調査でも、一時的でも逆子と診断された妊婦は50%ほどいます。

逆子と診断されたことがなかった|51.6%
逆子と診断されたことがあった|48.4%

妊娠中に逆子と診断されことがあるか

出典|骨盤位・逆子(さかご)|プレママタウン

ただし、この時期の逆子は十分に治る可能性があり、最終的に予定帝王切開の決定は妊娠35-36週ごろになることが多いようです。

逆子の場合、出産予定日よりも早い妊娠37-38週を目安に帝王切開を行いますが、「37週以降の骨盤位分娩の頻度は3~5%」で、日本では逆子の多くが帝王切開を行います。

※引用|日産婦誌60巻5号|12.骨盤位娩出術 – 日本産科婦人科学会

つまり、妊娠28週前後に逆子だと診断された妊婦のうち、9割の逆子が治るということです。まれに、妊娠37-38週以降で逆子が治ったり、反対に妊娠37-38週で逆子になってしまう場合もあります。

逆子の予防や治す方法はある?

逆子を確実に予防したり、治すことはできませんが、逆子体操や軽い運動、鍼灸治療などによって妊婦の身体の改善を行い、胎児を動きやすくして逆子を治そうとする試みはあります。

もともと、出産前の胎児の体勢は頭位が自然なため、胎児が子宮内で動くスペースが確保できれば、妊娠30週を過ぎていても逆子が治ることは珍しくありません。

また、そのような逆子の予防法や治療法を妊婦が実践することで、ストレスを解消したり、良い出産にしようという気持ちを持つことは良いことです。

妊娠生活を順調に過ごして、もう少しで出産という妊娠28週過ぎに逆子と告げられるのは、冷静な妊婦でもショックを受けるものです。

もちろん、わたしもショックを受けて、「え……逆子……。治らないの……?帝王切開……?怖い……。わたしのせいかも……ごめんね……。」と色々な感情が湧いてきました。

ただ、赤ちゃんは出産間近です。ママがストレスを溜め込んだり、不安を抱えることは、赤ちゃんの健康な出産に少なからず影響を与えます。

現在、出産全体の20%以上の赤ちゃんが帝王切開で娩出されています。そのため、「逆子が治らなければ予定帝王切開の可能性が高い。」という事実は時間をかけて受け止めましょう。

もちろん、逆子の事実を受け止めつつ、逆子を治すための最善の努力も行ってください。