子供が非行に走る原因は?一般少年との比較・家庭環境の違い

仲の良い友達グループ

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非行に走る子に特徴はある?

子供が社会常識を守らずに他人に迷惑をかけたり、法律を犯す行為を「非行(ひこう)」と言いますが、子供が非行に走る背景に一元的な理由付けはできません。

とは言え、「ママ大好き!」が「うるせぇ!クソババア!」に変わらないように何か対策したいと思うのが、わたしを含めた親の心情です。

内閣府では、定期的に「非行原因に関する総合的研究調査」を行い、子供が非行に走る原因を把握し、非行対策をしようとしています。

そこで今回は、平成22年3月に発表された「第4回 非行原因に関する総合的研究調査」から小学生に関する箇所を抜き出して、「一般少年」と「非行少年」の置かれている環境や状況に違いがあるかを見ていきたいと思います。

なお、調査対象となる「一般少年」は全国の小学校30校の5-6年生3,184名、「非行少年」は補導少年(小学生)32名となっています。

ちなみに、「一般少年」と「非行少年」の違いを比較していますが、通常「不良行為少年」は「一般少年」に分類されます。

非行少年とは
犯罪少年|刑法犯である14歳以上20歳未満の少年
触法少年|刑法犯である14歳未満の少年
虞犯少年|将来的に刑犯の可能性を持つ20歳未満の少年
特別法犯少年|特別法犯で警察に検挙された14歳以上20歳未満の少年

不良行為少年とは
非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜徘徊など、自分や他人を害する行為をする少年

以下参考|第4回 非行原因に関する総合的研究調査|内閣府

家族に関する調査

家族に関する調査では、家庭での子供の環境や家族と子供の関わりについて調査しています。

家族1.自分の持ち物

持ち物に関して、一般少年と非行少年に大きな違いは見られません。非行少年の対象数が32名であるため、多少の違いは誤差の可能性が考えられます。

本箱
一般少年|56.1%
非行少年|43.8%

自分の机
一般少年|88.1%
非行少年|62.5%

自分だけの部屋
一般少年|42.6%
非行少年|62.5%

きょうだいと一緒の部屋
一般少年|59.4%
非行少年|40.6%

辞書や図鑑
一般少年|65.6%
非行少年|65.6%

学習百科や参考書
一般少年|27.5%
非行少年|21.9%

衣類のタンスあるいはクローゼット
一般少年|62.7%
非行少年|50.0%

自分専用のテレビ
一般少年|11.1%
非行少年|6.3%

CDコンポ
一般少年|16.4%
非行少年|0%

携帯用音楽プレイヤー
一般少年|18.3%
非行少年|3.1%

テレビゲーム機携帯用ゲーム機
一般少年|65.8%
非行少年|68.8%

自分専用のパソコン
一般少年|6.7%
非行少年|3.1%

自分専用の携帯電話
一般少年|18.8%
非行少年|15.6%

どれも持っていない
一般少年|0.7%
非行少年|3.1%

家族2.親子関係

親子関係に関して、非行少年の父母に対する意識は、一般少年が父母に対する意識と変わらず、憧れや好意を持っています。ただ、親からの愛情を感じる割合が少なかったり、より面倒を見て欲しい(かまって欲しい)、叱って欲しい意識が高いことがわかります。

父のような人になりたいと思う
一般少年|49.9%
非行少年|46.9%

母のような人になりたいと思う
一般少年|61.4%
非行少年|53.1%

親から愛されていないと感じる
一般少年|13.5%
非行少年|18.8%

親がきびしすぎると思う
一般少年|19.9%
非行少年|21.9%

親は家の中で暴力をふるう
一般少年|14.2%
非行少年|25.0%

小さい時に親から暴力をふるわれた
一般少年|7.7%
非行少年|6.3%

お父さんといろいろな話をしたいと思う
一般少年|60.6%
非行少年|50.0%

お母さんといろいろな話をしたいと思う
一般少年|76.0%
非行少年|62.5%

お父さんやお母さんが私の面倒をもっとみてくれるとよいと思う
一般少年|19.8%
非行少年|62.5%

お父さんやお母さんにもっと叱ってほしいと思う
一般少年|7.3%
非行少年|12.5%

家にいても、楽しくないと思う
一般少年|15.7%
非行少年|25.0%

家族3.友達についての親との会話

親子の会話において、一般少年と非行少年では、自分の友達の事を親に話す頻度が異なります。一般少年は「よく話す」45.8%に対して、非行少年は9.4%と大きな差があります。

友達についての親との会話

家族4.自分に対する親の評価

親が自分のことを「ふまじめで、少し悪い子だと思っている」割合が、一般少年は10.0%であることに対して、非行少年は28.1%もあり、より親の自分に対する評価が低いと感じています。

自分に対する親の評価

友人に関する調査

友人に関する調査では、子供の友人との関わりについて調査しています。

友人1.親友の数

一般少年と非行少年に、親しい友達の人数の特徴的な違いは見られません。

親友の数
親友の数_

生活に関する調査

生活に関する調査では、子供の家族との生活について調査しています。

生活1.起床の様子

一般少年と非行少年に、起床の様子における特徴的な違いは見られません。

起床の様子
起床の様子_

生活2.朝の家族へのあいさつ

朝の家族へのあいさつに関して、一般少年は「毎朝する」が47.0%に対して、非行少年は「毎朝する」が9.4%とかなりの差があることがわかります。やはり、あいさつは大切だということがわかります。

朝の家族へのあいさつ
朝の家族へのあいさつ_

生活3.朝食の頻度

朝食の頻度に関して、一般少年は朝食を「毎朝食べる」85.6%に対して、非行少年は53.1%で差があります。朝のあいさつ同様、朝の生活態度に特徴的な違いがあることがわかります。

朝食の頻度
朝食の頻度_

生活4.夕食を家族とともにする頻度

夕食を家族とともにする頻度に関して、一般少年と非行少年に特徴的な違いは見られません。どちらも7割が「いつも一緒に食べる」と回答しています。

夕食を家族とともにする頻度
夕食を家族とともにする頻度_

生活5.決まった家事の手伝い

決まった家事の手伝いに関して、一般少年は「ほとんど手伝わない」が9.6%に対して、非行少年はが31.3%と多くなっています。

決まった家事の手伝い
決まった家事の手伝い_

生活6.外出先の告知

どこに遊びに行くのか外出先の告知に関して、一般少年は「いつも言う」が64.8%に対して、非行少年は25.0%と少なくなっています。また、「ほとんど言わない」も、一般少年が8.1%に対して、非行少年は25.0%と差があります。

外出先の告知

生活7.門限の有無

門限が決まっているかどうかは家庭のルールによります。一般少年と非行少年の家庭において、門限の有無における特徴的な違いは見られません。

門限の有無

生活8.こづかいの使途

こづかいの使途に関して一般少年と非行少年に差があるのは、「食べ物、飲み物」「学用品」「スポーツ」「ゲーム、ゲーム機、ゲームソフト」「プラモデル、おもちゃ」「貯金する」です。

傾向としては、非行少年の方が「食べ物、飲み物」「ゲーム、ゲーム機、ゲームソフト」「プラモデル、おもちゃ」など一過性の使い方が多く見られます。

食べ物、飲み物
一般少年|41.2%
非行少年|75.0%

学用品
一般少年|16.1%
非行少年|6.3%

マンガ、雑誌、本
一般少年|44.3%
非行少年|34.4%

スポーツ
一般少年|6.9%
非行少年|0%

ゲーム、ゲーム機、ゲームソフト
一般少年|27.3%
非行少年|40.6%

音楽、映画
一般少年|6.5%
非行少年|6.3%

プラモデル、おもちゃ
一般少年|8.2%
非行少年|18.8%

切手、シール、バッジなどを集めるため
一般少年|3.1%
非行少年|3.1%

衣料、装飾品、化粧品
一般少年|7.3%
非行少年|3.1%

プリクラ、写真
一般少年|11.5%
非行少年|12.5%

貯金する
一般少年|49.3%
非行少年|25.0%

その他
一般少年|7.8%
非行少年|0%

こづかいはない
一般少年|10.9%
非行少年|9.4%

生活9.塾や習いごと

塾や習いごとに関して、一般少年は「習っているものは無い」が17.7%に対して、非行少年は59.4%と差があります。また、「野球、サッカーなどのスポーツ」「剣道、柔道などの武道」「スイミング教室」など、スポーツ系の習い事にも差が見られます。

塾や習いごと

学校・勉強に関する調査

学校・勉強に関する調査では、子供の学校生活や勉強態度などについて調査しています。

学校・勉強1.クラスの中での成績

一般少年と非行少年では、クラスの中での成績の良し悪しの感じ方にかなりの差があるようです。一般少年が「良い方」14.4%、「ふつう」66.2%、「悪い方」18.7%に対して、非行少年は「良い方」3.1%、「ふつう」46.9%、「悪い方」46.9%となっています。

クラスの中での成績
クラスの中での成績_

学校・勉強2.クラスの中でのスポーツ能力

一般少年と非行少年に、クラスの中でのスポーツ能力の良し悪しの感じ方に特徴的な違いは見られません。

クラスの中でのスポーツ能力
ラスの中でのスポーツ能力_

学校・勉強3.学校の授業のおもしろさ

一般少年と非行少年に、学校の授業のおもしろさの感じ方に特徴的な違いは見られません。

学校の授業のおもしろさ
学校の授業のおもしろさ_

学校・勉強4.クラスの中での人気

一般少年と非行少年に、クラスの中での人気の感じ方に特徴的な違いは見られません。

クラスの中での人気
クラスの中での人気_

学校・勉強5.家での勉強時間

家での勉強時間に関して、一般少年は「ほとんどしない」が18.2%に対して、非行少年は43.8%と差があることがわかります。

家での勉強時間
家での勉強時間_

学校・勉強6.学校でのいやなこと

学校でのいやなことに関して、一般少年は「勉強がきらい」が14.9%に対して、非行少年は34.4%という差があります。

学校でのいやなこと
学校でのいやなこと_

学校・勉強7.テストの点が悪い理由

テストの点が悪い理由に関して、以下6問の選択肢として「あてはまる」「だいたいあてはまる」「あてはまらない」「無回答」で回答しています。

テストの点が悪い理由_

非行少年は全ての質問に対して、一般少年よりも「あてはまる」を選択する割合が多く、自分のせいにする、人のせいにする、運のせいにするなど、テストの点が悪い理由は決めつけが多い傾向が見られます。

頑張って勉強しなかったから 能力が足りなかったから テストの問題が難しすぎたから 先生の教え方が悪かったから 運が悪かったから

学校・勉強8.勉強の意義

勉強の意義に関して、以下5問の選択肢として「あてはまる」「だいたいあてはまる」「あてはまらない」「無回答」で回答しています。

テストの点が悪い理由_

一般少年と非行少年に差が見られたのは、一般少年は勉強の意義を「よい学校に入りたいから」だと思っている傾向があり、非行少年は勉強の意義を「親にしかられたくないから」だと思っている傾向があることです。

よい学校に入りたいから いろいろなことを知りたいから テストで悪い点をとりたくないから 親にしかられたくないから

学校・勉強9.学校の楽しさ

一般少年と非行少年に、学校の楽しさにおける特徴的な違いは見られません。

学校の楽しさ

非行に関する調査

非行に関する調査では、子供の行動に不良行為などが見られないかについて調査しています。

非行1.今までの経験

一般少年と非行少年には、今までの経験において差があることがわかります。非行少年の特徴的な回答は、友達とゲームセンターで遊んだ経験が70%近くあり、夜遅くまで遊んだ経験も50%を超えています。

また、親のお金を黙って持ち出した経験が50%近くあり、親に強く反対した経験も70%を超えています。

あなたは今までに、テレクラに電話をしたことがありますか あなたは今までに、授業中にじっとしていられなかったことがありますか あなたは今までに、インターネット上の掲示板等で他人の悪口等の書き込みをしたことがありますか あなたは今までに、友だちとゲームセンターで遊んだことがありますか あなたは今までに、友だちとカラオケボックスで遊んだことがありますか あなたは今までに、おおぜいで1人の友だちをいじめたことがありますか あなたは今までに、おおぜいにいじめられたことがありますか あなたは今までに、親のお金をだまって持ち出したことがありますか あなたは今までに、親にひどく反抗したことがありますか あなたは今までに、友だちと夜おそくまで遊んだことがありますか

地域活動に関する調査

地域活動1.地域活動への参加

地域活動への参加に関して、以下6問の選択肢として「何回もある」「1~2回はある」「ない」「無回答」で回答しています。

地域活動への参加_

非行少年は全ての地域活動に対して、一般少年よりも不参加の傾向が見られます。

柔道、剣道、サッカーなどのスポーツ活動 お祭や盆踊りなどの行事 ハイキング、田植え、いもほりなど、自然に親しむ活動 公園の掃除や、花を植えるなど地域をきれいにする活動 竹馬、たこ、わら細工などを自分で作る活動 お年寄りの家庭や施設でのボランティア活動

地域活動2.地域社会の状況

地域社会の状況に関して、以下5問の選択肢として「あてはまる」「だいたいあてはまる」「あてはまらない」「無回答」で回答しています。

地域社会の状況_

地域社会の状況に見られた特徴として、非行少年は一般少年に比べて「地域の中で、エッチな雑誌やDVDを買うのは簡単だ」「地域の中で、酒やたばこを買うのは簡単だ」と考える傾向が強いことがわかります。つまり、軽犯罪法違反などルールを破りたい衝動があるということになります。

エッチな雑誌やDVDを買うことは簡単(あてはまる)
一般少年|1.1%
非行少年|9.4%

酒やたばこを買うのは簡単(あてはまる)
一般少年|2.6%
非行少年|9.4%

近所の大人の人は、道で会ったら、私に声をかけてくれる 地域の中で、エッチな雑誌やDVDを買うのは簡単だ 地域の中で、酒やタバコを買うのは簡単だ 子供がなぐりあいのけんかをしていたら、まわりの人は注意をしてやめさせるだろう 子供がなぐりあいのけんかをしていたら、まわりの人は学校や警察に連絡するだろう

一般少年と非行少年の家庭環境差は大きくない

より詳細な家庭環境や親子関係を見なければわかりませんが、内閣府の調査結果を見る限り、一般少年と非行少年の家庭環境や生活態度に少々の違いはあっても、全体的に特筆するほどの違いはありません。

非行少年は親に反抗的な態度を取ることもありますが、親子関係は特別悪いわけではなく、むしろもっと親に関わってほしいと思う子供も多いようです。

また、生活面では朝のあいさつや朝食が少ない傾向があり、これは親が少し生活を見直すだけで改善できそうな内容です。

学校は嫌いではなく授業に面白さも感じており、スポーツ能力や人気面でも一般少年と変わりませんが、やはり勉強が嫌いで苦手意識が強い傾向が見られます。

この調査は小学生に対する調査のため、子供の生活態度や学習態度などは、まだ親の影響力が強く出るはずです。周囲の影響よりも、家族の関わり方や家庭環境が大切になってくる時期です。

とは言え、刑法犯少年(触法少年ではない)の親の態度としては、放任以外は父親も母親も過干渉・気紛れ・溺愛という特徴の割合は低く、「該当なし」が最も多い、つまり多くの親がいたって普通の親だという事実もあります。

刑法犯少年の保護者の態度の状況

出典|少年の補導及び保護の概況(平成25年度)|警察庁

さて、みなさんの家庭では子供はどのような環境で、どう人間関係を築き、社会生活を送っているでしょうか。

もちろん、この調査結果の傾向に照らし合わせて子育てをすれば、全て良い結果が出るわけではありませんが、非行に走らない子供の育て方のヒントは見つかるかもしれません。