赤ちゃんが息してない!周期性呼吸と無呼吸発作症状の違いと対処

195486bb5fb9b429a4d5b87440af1f6a_s

この記事の読了時間は約 6 分です。

赤ちゃんはよく呼吸が止まる!?

夜中に寝ている赤ちゃんをふと見て、「可愛いなぁ(´ε` )」としみじみ思うのはよくあることです。次の瞬間、「ブハッッ!」と大きく息をする赤ちゃん……。「あれ?今息してた?」

母乳を夢中で飲む赤ちゃんを見ていると、「ママになって良かったぁ(*´ω`*)」としみじみ思うのはよくあることです。次の瞬間、「ゴホッゴホッ!」と咳こむ赤ちゃん……。「がっつきすぎて息止まってたかも……。」

機嫌が悪いのか激しく泣く赤ちゃんを見て、「もうかんべんしてよ(´Д`)ハァ…」としみじみ思うのはよくあることです。次の瞬間…………顔真っ赤!「息ッ!いきーーーッッ!!」

こんなに赤ちゃんが息をしていない、呼吸が止まる状況が何度も続くと、ママは気が気じゃありません。ちょっと目を離したとき、夜寝ているとき、赤ちゃんの呼吸が止まっていたらと考えると、おちおち眠ることもできません。

赤ちゃんが、これほど呼吸が止まる原因は何でしょうか。また、対処法はあるんでしょうか。

今回は、赤ちゃんの呼吸が止まってしまう原因と症状、その際の注意点や対処法などについてお話したいと思います。

赤ちゃんが無呼吸の原因1.周期性呼吸(しゅうきせいこきゅう)のため

赤ちゃんが呼吸をしないで咳こんだり、「ゴヒュー」という変な呼吸音を出したり、顔を真っ赤にすることで心配するママは多いと思いますが、大半は赤ちゃんが「周期性呼吸(しゅうきせいこきゅう)」のためです。

わたしたち大人は、無意識に呼吸のリズムを作り、必要に合わせて呼吸を早くしたり大きくしたりしていますが、産まれたばかりの赤ちゃんは、まだ呼吸の大小や速さの調整がうまく行えません。

呼吸は脳の「延髄(えんずい)」で行われており、これを「呼吸中枢(こきゅうちゅうすう)」と言います。また、延髄に呼吸の命令を出す橋(きょう)があり、これを「呼吸調節中枢(こきゅうちょうせつちゅうすう)」と言います。

呼吸中枢が発達するのは生後2-3か月ごろで、それ以前は呼吸のリズムが整わないため、赤ちゃんの呼吸は早くなったり、遅くなったり、無呼吸の状態になることもあります。

これを周期性呼吸と言い、無呼吸の場合5-10秒程度呼吸が止まってしまうことがありますが、酸素が不足してきたことを脳が感じると呼吸中枢が命令を出して呼吸を開始するため、基本的には心配はいりません。

赤ちゃんが無呼吸の原因2.無呼吸発作(むこきゅうほっさ)のため

周期性呼吸は、新生児なら誰にでも見られる現象のため心配する必要はないのですが、無呼吸が20秒以上続く場合は「無呼吸発作(むこきゅうほっさ)」の可能性があります。

無呼吸発作の定義とは、一般的には20秒以上呼吸停止が続く状態、もしくは呼吸停止が20秒未満でも徐脈またはチアノーゼを伴うものを言います。

参考|無呼吸発作|東京都病院経営本部

チアノーゼとは酸素欠乏症状態のことで、初めに顔が赤くなり徐々に唇が紫がかっていくことです。赤ちゃんが無呼吸発作を起こす原因は主に3つあります。

無呼吸発作の原因1.未熟性無呼吸(みじゅくせいむこきゅう)

赤ちゃんは、妊娠34週ごろに未熟ながら呼吸中枢が発達して、ある程度の呼吸の規則性をコントロールできるようになります。

ところが、赤ちゃんが早産(妊娠22週0日-妊娠36週6日)で産まれてしまうと、呼吸中枢がより未発達なままの可能性があり、無呼吸発作を起こす確率は高くなります。これを「未熟性無呼吸(未熟児無呼吸発作)」と言います。

妊娠28週未満で出産した赤ちゃんの場合、90%以上の確率で未熟性無呼吸が発症するそうです。

無呼吸発作の原因2.閉塞性無呼吸(へいそくせいむこきゅう)

閉塞性無呼吸とは、気道が狭く空気の通りが悪い場合に発生する無呼吸発作のことです。

気管軟化症(きかんなんかしょう)、喉頭軟化症(こうとうなんかしょう)、咽頭軟化症(いんとうなんかしょう)などの呼吸器の病気、扁桃腺肥大やアデノイド肥大などののどの病気が原因で気道が狭まり、無呼吸が起こります。

扁桃腺肥大やアデノイド肥大はいびきの原因になり、子供の「睡眠時無呼吸症候群」につながる恐れもあります。

また、唾液や鼻水(痰)がうまく飲み込めず、唾液がのど奥に溜まって無呼吸を起こしてしまう場合もあります。

このように上手く飲み込めないことを「嚥下障害(えんげしょうがい)」と言いますが、赤ちゃんが起きているときに頻繁に嚥下障害を起こす場合は閉塞性無呼吸の疑いがあるため、医師に相談してください。

無呼吸発作の原因3.症候性無呼吸(しょうこうせいむこきゅう)

低血糖、低Ca血症(低カルシウム血症)、低Na血症(低ナトリウム血症)、高アンモニア血症などのさまざまな病気が原因で、無呼吸発作が起こることがあり、これを症候性無呼吸と言います。

無呼吸発作の見極め方と対処法

もし、赤ちゃんに無呼吸発作の症状が見られる場合は、必ず小児科を受診してください。以下、無呼吸発作の見極め方と対処法です。

無呼吸発作の対処法1.呼吸を確認する

とくに、授乳時や泣いているときに無呼吸発作の症状が出やすいため、赤ちゃんの無呼吸が20秒以上続いたかどうか、また、無呼吸によってチアノーゼが起こったかを確認します。

もし無呼吸発作が起こっていると思われる場合は、背中や足をさすったり、叩いたりするなどの皮膚刺激を与えて呼吸中枢を覚醒させる必要があります。

脈拍数の低下(徐脈)によっても無呼吸発作はわかりますが、慣れていなければ判断が難しいため、無呼吸状態とチアノーゼで判断する方が良いでしょう。

無呼吸発作の対処法2.病院の受診

赤ちゃんに無呼吸発作が見られたら、すぐに病院に連れていきます。受診では、赤ちゃんの血中酸素濃度や無呼吸発作時の刺激に対する反応を確認します。

赤ちゃんが未熟性無呼吸だとわかった場合は、成長によって完治することがほとんどのため、低濃度の酸素や呼吸を促進する薬剤を投与しつつ経過観察を行います。

閉塞性無呼吸や症候性無呼吸だと診断された場合は、それぞれの症状(低血糖、低Ca血症、低Na血症、高アンモニア血症、中枢性無呼吸など)に合わせた治療や薬剤投与が行われ、場合によってはNICUでの治療が必要になります。

参考|無呼吸発作 – MyMed 医療電子教科書※リンク切れ

無呼吸発作と乳幼児突然死症候群(SIDS)との関係性

赤ちゃんの無呼吸発作と乳幼児突然死症候群(SIDS)には、関係性があると言われています。

もし、赤ちゃんに無呼吸発作の症状や無呼吸状態が見られる場合、ママは無呼吸からの回復の遅れや呼吸の未再開に注意してください。場合によっては、これらの呼吸障害が乳幼児突然死症候群(SIDS)につながることがあります。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症可能性を下げるための基本的な予防法(行動)は以下の通りです。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防法
1.赤ちゃんのうつ伏せ寝をしない
2.ソファやイスでは寝かせない
3.寝返り防止におくるみをしない
4.妊娠中と出産後は禁煙する
5.妊娠中と出産後は禁酒する
6.赤ちゃんに過度に服を着せたり、暖めすぎない
7.赤ちゃんのストレスを軽減する
8.なるべく母乳で育てる
9.アロマなど匂いが強い環境を作らない
10.赤ちゃんが小さいうちの添い寝は控える
11.1歳までは同じ部屋で寝る
12.寝かしつけ時におしゃぶりを与える
13.妊婦健診を受ける
14.定期予防接種は必ず受ける
15.安全な睡眠習慣をつける

無呼吸発作のその他の症状

無呼吸発作のその他の症状としては、「ひきつけ」があります。とくに、赤ちゃんが激しく泣いた後に上手く呼吸ができなくなり、痙攣などの発作症状を起こします。これを「泣き入りひきつけ」と言います。

泣き入りひきつけは、他の痙攣に比べて危険なものではありませんが、痙攣が1分以上続いたり、チアノーゼによって意識を失ってしまう場合は、すぐに救急車を呼ぶなどの対処をしましょう

すでに子育てをしているママならわかると思いますが、赤ちゃんはよく咳をして激しくむせたり、母乳を夢中で飲み過ぎて息をしなかったり、泣き声の間に「ふひゃぁぁぁぁーー」と息継ぎが入ったりします。

5-10秒程度のちょっとした無呼吸であれば、見ている側も「おいおい、息ぐらいしないと……(^_^;)」程度で見ていられるんですが、問題ないと言われている10-15秒ほどの無呼吸でもママは心配になります。

たとえ無呼吸がある場合でも、周期性呼吸であれば問題はありません。まずは赤ちゃんが何秒無呼吸状態なのかを確認してから、次の行動を取るようにしましょう。


参考|無呼吸発作|大津赤十字病院新生児科
参考|研修医のための必修知識|日本産科婦人科学会