赤ちゃんの歯磨き・虫歯予防はいつから?乳歯が虫歯になる原因は

赤ちゃんの歯磨きは何か月から

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赤ちゃんも歯磨きが必要?

生まれたばかりのほとんどの赤ちゃんには、歯が生えていません。赤ちゃんに初めて生える歯(乳歯)が、いつどのように生えてくるかは気になりますね。

初めての乳歯は、「乳中切歯(にゅうちゅうせっし)」という下顎に生える前歯で、生え始めの目安は生後3-9か月ごろと個人差が大きいものです。そのため、少々乳歯の生える時期が遅くても、焦る必要はありません。

ただし、ママは赤ちゃんの歯磨き開始が遅れないように、乳歯の生え始めを定期的にチェックする必要があります。もし、乳歯の生え始めに気付かずに放置すると、赤ちゃんは虫歯になるかもしれません。

「え……赤ちゃんも虫歯ができるの……?」

平成23年度の厚生労働省の調査によると、0-1歳の虫歯は0%、2歳で7.5%、3歳で25%となっていますが、0-1歳の虫歯が0%だから安心して良いわけではありません。

平成23年度 1-14歳の虫歯の有無とその処置状況

出典|平成23年歯科疾患実態調査 統計表|厚生労働省

0-1歳でもまれに虫歯はできますし、2歳以降の子供の虫歯は、0-1歳の虫歯予防を怠ったことが原因でできてしまうんです。

そのため、乳歯が少しでも見えたら歯磨きを開始するのですが、ママは赤ちゃんの虫歯予防のために知っておく乳歯の特徴があります。

今回は、赤ちゃんや子供の虫歯を防ぐために、赤ちゃんの乳歯の特徴と虫歯の原因についてお話したいと思います。

赤ちゃんの乳歯が生える本数や順番は、以下を参考にしてください。

赤ちゃんでも虫歯になる原因

虫歯ができる原因は口の中に虫歯菌がいるためです。虫歯菌は生まれたときから口内にいるわけではなく、成長の過程で外部から感染します。

つまり、赤ちゃんが生まれたままの口内環境で、虫歯菌に感染しなければ虫歯にはならないわけです。ただし、虫歯菌に一生感染しないことは不可能です。虫歯菌を持っていない大人はいません。

虫歯菌の感染経路は主に接触感染で、ママやパパが赤ちゃんの前で話すときにつばが飛び、それが口の中に入ることで虫歯菌に感染してしまいます。そのため、虫歯菌が多い・少ない、感染時期が早い・遅いの差はありますが、何れ口内に虫歯菌がいる状態になります。

ちなみに、最も有名な虫歯菌は「ミュータンス菌」で、これは虫歯のもとを作る菌です。他にも「ラクトバチラス菌」や「ソブリヌス菌」などがあります。

ミュータンス菌は、口内の糖類(ショ糖など)の摂取量が一定以上になると、歯の表面に粘質性のある膜(プラーク)を作り、膜の中で増殖します。

さらに、ミュータンス菌は増殖しながら酸を作って歯を溶解します。同じく、ラクトバチラス菌やソブリヌス菌も、歯を溶解して少しずつ虫歯を進行させます。

乳歯と乳歯の虫歯の特徴

赤ちゃんの虫歯は、大人に比べて発見しにくいと言われます。それは、乳歯にいくつかの特徴があるためです。

特徴1.乳歯は永久歯よりも柔らかい

歯は、歯髄を覆う象牙質、象牙質を覆うエナメル質で構成されています。エナメル質とは、体の中でもっとも硬い成分です。

ただし、乳歯のエナメル質・象牙質は永久歯の半分ほどの厚さしかなく、歯が溶けやすいため、虫歯の進行が早い特徴があります。

特徴2.乳歯の虫歯は黒ではなく白い

虫歯の色と言えば”黒”をイメージしますが、乳歯の虫歯の色は、黒ではなく白っぽい色をしています。

通常、永久歯の虫歯は時間をかけて歯を溶かすため、黒ずんでいきます。ところが、乳歯は永久歯に比べて柔らかいため、虫歯菌(ミュータンス菌)が活発でなくても、簡単に歯が溶けてしまいます。そのため黒ずみができにくいんです。

特徴3.虫歯に痛みが出にくい

赤ちゃんは言葉が話せないうえに、虫歯の痛みの感覚を表現できないため、虫歯があってもなかなか気付きにくい場合があります。

そのため、ママが「何か様子がおかしいなぁ。」と思い始めたころにはすでに乳歯の虫歯が進行し、歯ぐきが腫れることでようやく気付く……ということになります。

特徴4.食事の変化が虫歯に影響

母乳に含まれる乳糖や粉ミルクに含まれるオリゴ糖は、虫歯菌が分解しにくく、虫歯になりにくい糖類です。

そのため、母乳だけの間はそれほど虫歯の心配をしなくても良いのですが(歯磨き習慣は必要!)、生後6か月ごろから離乳食が始まると、赤ちゃんの口内環境が変わります。

離乳食や赤ちゃん用のお菓子には、ショ糖(砂糖)、果糖ブドウ糖などが含まれるため、ミュータンス菌が増殖して虫歯になりやすい環境ができてしまいます。

特徴5.哺乳瓶も虫歯の原因になる

離乳食が始まってから哺乳瓶でミルクやジュースなどを長く飲み続けると、上顎の前歯の間に虫歯ができることがあります。これを「哺乳瓶虫歯」と言います。

哺乳瓶虫歯は1歳半-2歳半ごろにできやすい虫歯で、とくに唾液の分泌が減少する寝かしつけ時の授乳や不規則な授乳が多いと虫歯になりやすく、これを防ぐためには授乳を控えるしかありません。

もちろん、虫歯予防のためだけに断乳、卒哺乳瓶が必要なのではなく、虫歯ができやすいため注意が必要だということです。断乳にはそれ以上のデメリットを伴う場合があります。

断乳によるデメリット
・言葉で意思表現ができない早期の断乳は、癇癪を起こす可能性がある
・断乳に慣れるまで、夜泣きやぐずりがひどくなる可能性がある
・断乳をした罪悪感で、ママが余計にストレスを感じる可能性がある
・断乳との因果関係は分からないが、甘えが強くなる可能性がある
・断乳後しばらくの間、おっぱいが張って苦しくなる可能性がある
・子供の情緒が不安定になり、離乳食を嫌がる可能性がある
など

赤ちゃんの虫歯予防と生活習慣

ママは、乳歯の特徴を理解したら、赤ちゃんの虫歯予防のために注意すべき生活習慣があります。生活習慣に気をつければ、赤ちゃんが虫歯になりにくい環境を作ることができます。

虫歯予防1.キスはしない

赤ちゃんが可愛くて仕方がない気持ちはわかりますが、あまりチュッチュすることは控えましょう。なぜなら、虫歯菌は接触頻度が高いほど、口内で増殖する可能性が高いからです。

赤ちゃんの口の中に虫歯菌が定着するのは、1歳から2歳半ぐらいの間です。そのため、せめて2歳を過ぎるまではほっぺにチュにしておきましょう。パパにも伝えて、がっかりさせてあげて下さい。

虫歯予防2.家族が歯磨きをしっかり

虫歯菌は唾液で感染するため、咳、くしゃみ、つばなどが赤ちゃんへの感染原因になります。とは言え、赤ちゃんの前で話さないことは不可能ですよね。

そのため、パパやママは普段からしっかりと歯を磨き、口の中をなるべく清潔にして、虫歯菌が少ない状態を保つようにしましょう。

虫歯予防3.同じ食器を使わない

同じ理由で、赤ちゃんのためを思うなら、安易に赤ちゃん用の食器を家族が共有しないようにしましょう。神経質過ぎる必要はありませんが、なるべく虫歯菌の感染は少ない方が良いですよね。

虫歯予防4.歯科医で定期健診

乳歯の虫歯は白っぽく発見が難しいため、定期的に歯科健診を行なわなければ、虫歯を見逃してしまう場合があります。

虫歯はいつ始まるかわからないため、3-6か月毎に定期歯科健診に行きましょう。赤ちゃんの定期歯科健診は、乳幼児医療費助成が利用できる場合が多いので、歯科医に相談してみてください。

虫歯予防5.丁寧な歯磨き習慣が大切

いくらパパやママが気をつけていても、虫歯になる子はいます。とはいえ、あまり念入りに毎日ゴシゴシ乳歯を磨くと、赤ちゃんも歯磨きが嫌になってしまいます。

ママは歯磨きに力を入れすぎるのではなく、赤ちゃんが歯磨きに慣れることを意識して、楽しいコミュニケーションを心がけましょう。

赤ちゃんの歯磨きは最初が肝心

ママは赤ちゃんの乳歯が生え始めたらすぐに歯磨きを開始しますが、本当に虫歯予防に気をつけるのは離乳食開始後です。

そのため、生え始めた歯の虫歯予防に力を入れすぎるのではなく、赤ちゃんが歯磨きに慣れること、口開けに慣れること、そしてママ自身が「子供の自然な歯磨き習慣 」を意識できるようにすることが大切です。

ママが赤ちゃんの歯磨きに気合を入れすぎると、乳児期の歯磨き体験のせいで、子供が歯磨き嫌いになる可能性が高くなります。

また、ママが毎日子供の口の中を見る行為、仕上げ磨きをする行為は最低でも8-9歳、できれば10-12歳ごろまで続ける必要があるため、サボらずに習慣化することが大切です。

具体的な赤ちゃんの歯磨き方法と注意点は、また別途お話したいと思います。


参考|1. 乳歯の“むし歯の特徴” | 乳歯期の歯みがきQ&A (0〜6歳) | オーラルケア情報 | クリアクリーン | 花王株式会社
参考|子供の乳歯が虫歯になった時に知っておいて欲しい8つのこと