上の子にイライラ…二人目妊娠・育児中の赤ちゃん返り対処法

赤ちゃんのお世話をするお兄ちゃんたち

この記事でお伝えしたいこと

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赤ちゃん返りの一番の原因は弟妹の存在

「もう、いい加減にしなさい!」
「言うことを聞きなさい!」
「何でそんなにイタズラするのっ!」
「ママに甘えるな!」

子供はママをイライラさせたくて、赤ちゃん返りをするわけではありません。大好きなママに構ってもらいたい、認めてもらいたい欲求が強すぎて、感情を抑えることができないだけです。

保育園ではしっかりしている子も、お家に帰ると「わがままで、甘えん坊で、癇癪がひどい……。」と悩むママは多いでしょう。子供が急にわがままを言ったり、過剰に甘えたり、感情をコントロールできないのは、強いストレスを受けているからです。

そんな赤ちゃん返りの最も多い原因は、二人目、三人目ができること、つまり上の子に弟妹ができることです。子供は弟妹の存在によって、独占していたママと自分の関係が変わることを恐れています。

子供は、ママに叱られたり物事が上手くいかないストレスを感じても、最終的にママに甘えることでストレスを発散してきましたが、ママが自分より弟妹を優先していると感じたり、甘えられない環境があると、ストレスで赤ちゃん返りを起こします。

そんな上の子の赤ちゃん返りに対して、ママはどのように対応すれば良いのでしょうか。どうすれば、ママがストレスを抱えずに上の子をケアできるでしょうか。

今回は、下の子の妊娠から育児期に起きる上の子の赤ちゃん返りの対処法・ケアについてお話したいと思います。

上の子に赤ちゃん返りが起きる時期
・二人目(下の子)を妊娠したとき
・出産で入院したとき
・二人目(下の子)の授乳時期
・上の子に(お兄ちゃん・お姉ちゃんの)自覚が芽生えるとき

上の子の赤ちゃん返りが起きる時期と特徴

時期1.二人目妊娠中

妊婦は安定期に入る妊娠16週-20週過ぎまでは、無理をしないよう注意が必要です。そのため、上の子を抱っこしたり、身体を使った遊びは控えなければいけません。

ところが、2-3歳になるとやんちゃな子もいます。いつも通りママにどーんと突っ込むと、「お腹の中の赤ちゃんがびっくりするから、どーんはしないでね。」「ごめんね。お腹の中に赤ちゃんがいるから抱っこできないんだよ。」とママがいつもと違う反応……。

子供は、まだ赤ちゃんの存在を理解できません。さらに、ママが遊んでくれないことが不満で反抗的になったり、やたら甘え始めます。上の子が甘えられる環境が減ると、「赤ちゃん」という言葉に嫌な感情を抱く子もいます。

時期2.出産の入院前後

普段から年下の子に触れ合ってきた子の場合、弟妹ができるワクワク感が強く、ママが妊娠中でも赤ちゃん返りが起こりにくいでしょう。

ところが、ママが入院でいなくなることがわかると、入院直前や入院中に赤ちゃん返りが起こります。上の子は、赤ちゃんの出産とママの入院を結び付けられません。

このときに家族が上の子を納得させようとして、「ママは赤ちゃんを産むためにお出かけするんだから。」と我慢を強要すると、「赤ちゃんのせいでママと離れなければいけない。」と感じる子もいるので注意が必要です。

時期3.二人目の授乳中

無事に赤ちゃんが産まれて、ママが帰ってきました。上の子は「ママに遊んでもらえる!」と期待しますが、出産後は満足に動けません。それでも、上の子は大好きなママが心配なので、自分なりに我慢しようとしています。

ところが、ママが赤ちゃんの授乳や寝かしつけばかりの状況を見ると、「なぜ赤ちゃんは抱っこされてるの?」「なぜ自分のおっぱいを赤ちゃんが咥えているの?」という気持ちに変わり、ストレスで赤ちゃん返りが起こってしまいます。

時期4.二人目の幼児期

ママや家族の努力のおかげで、上の子は赤ちゃんの存在を理解できたため、たまに怒ることはあっても、ひどい赤ちゃん返りは起きませんでした。また、赤ちゃんにも興味を持ち、お世話するお兄ちゃん・お姉ちゃんらしさも見えてきました。

ところが、赤ちゃんが1歳を過ぎて身体機能が発達してくると状況が変わります。赤ちゃんは、抱っこをせがみます。赤ちゃんは、上の子のおもちゃで勝手に遊びます。そして、ママには「お兄ちゃんなんだから、我慢して。」と言われるようになりました……。

「ママは、自分よりも赤ちゃんの方が大切なの……?」そんな感情を爆発させて、赤ちゃん返りが起こります。ママは、「お兄ちゃん」という言葉で成長を促そうとしますが、赤ちゃん返りを起こす子は「お兄ちゃん」と言われることが嫌いになってしまいます。

上の子の赤ちゃん返り対処法1.二人目妊娠中

対処法1.赤ちゃんの存在を理解させる

ママは妊娠中に、上の子に赤ちゃんの存在を理解させましょう。「○○もママのお腹の中から産まれてきたのよ。」と写真を見せたり、赤ちゃんはお世話しなければ何もできないことを何度も教えます。

対処法2.上の子に助けを求める

妊娠中のママは体調が悪く、動けないことがあります。そんなときは、上の子の相手ができません。

そのため、上の子に赤ちゃんの存在を認識させた後に、「ママはお腹が痛くなることがあるから、そのときは助けてね。」と促しましょう。実際は助けて欲しいわけではなく、そっとしておいて欲しいだけですが……(^_^;)

対処法3.パパに遊んでもらう

妊娠中の体調のせいでママとの外出が減ると、上の子はストレスが溜まります。そのため、パパに上の子と外で遊ぶ時間を作ってもらいましょう。

腰が重いのでさすって欲しいところですが、その時間を上の子と遊んでもらい、上の子のストレスを発散させてくれた方が後から必ず楽になります。

上の子の赤ちゃん返り対処法2.出産の入院前後

対処法1.出産で家にいないことを教える

臨月に入ると、いつ赤ちゃんを出産するかわかりません。そのため、妊娠後期には上の子に「赤ちゃんを産むために病院にお出かけしないといけないんだよ。」と教えます。

上の子は、初めは不安に感じますが、何度も繰り返し教えると、徐々に「わかった。」と言えるようになります。まぁ、よくわかっていないことが大半ですが……。

対処法2.ママがいない予行演習をする

ママは、通常出産で5-6日、帝王切開で10日前後入院します。上の子がこれだけママと離れることは今までなかったので、何が起こるか誰にもわかりません。

とくに、祖父母の家などに預ける場合は、事前に1人で泊まれるかを確認しながら上の子を慣らしましょう。

対処法3.ママのがんばりを強調する

病院に向かうときは、「○○(上の子)のために、可愛い赤ちゃんを産んでくるから待っててね。」と正直に伝えます。

また、入院中はパパや家族が、「ママも早く○○に会うために病院でがんばってるからね。」とママのがんばりを伝えてください。ごまかしたり、一時的に忘れさせるよりは、上の子にママを応援する気持ちを作りましょう。

対処法4.出産後はありがとうを言う

赤ちゃんを出産したママは、その喜びを上の子に伝えたいはずです。

でもその前に、妊娠中と入院中に我慢した上の子に、「○○が我慢して待っててくれたから、可愛い赤ちゃんが産まれたよ。我慢できてすごいね。ありがとう。」と感謝の気持ちを伝えましょう。

それだけで上の子は誇らしい気持ちになり、赤ちゃんを可愛がる心の準備ができます。

上の子の赤ちゃん返り対処法3.下の子の出産後

対処法1.赤ちゃんが似ていることを伝える

上の子に赤ちゃんの興味を持ってもらうために、「ほら、○○が赤ちゃんのころにそっくりで可愛いね。」と写真を見せながら話しましょう。「自分も昔は赤ちゃんだったんだ。」と上の子が感じることが大切です。

対処法2.いっしょにお世話をすることを伝える

上の子には、赤ちゃんの育児はママといっしょに行うものだと意識させましょう。

「赤ちゃんはいっぱい泣くから、おっぱいをあげたり、たくさん抱っこしなきゃいけないんだよ。いっしょにお世話しようね。」と促し、赤ちゃんを通じたコミュニケーションを図りましょう。

対処法3.出産後の体調不良を伝える

ママの入院期間を乗り切った上の子は、ママのためなら我慢ができる子です。そのため、もし出産・育児疲れでママの体調が悪いときは、はっきり伝えましょう。

ただし、具合が悪いからといって邪険にせず、「ごめんね、ママ近くにいるから○○が遊んでいるところ見せて。」などと言ってください。

対処法4.抱っこできない場合は抱きしめる

上の子に赤ちゃん返りが起きると、ママが授乳中でもかまってオーラを出しまくり、ときには癇癪を起こすこともあります。今までは抱っこで落ち着いていたのに、授乳中は抱っこができません。

「おっぱい終わるまで待ってて。」が通用しないときは、赤ちゃんをフットボール抱きなどして、空いた片手で上の子を抱きしめましょう。

対処法5.パパの方がすごいと強調する

妊娠中や入院中に上の子と遊んでもらっていたパパにもうひと踏ん張りしてもらい、上の子のストレス発散をお願いしましょう。「パパが前よりすごい遊び教えてくれるって!」と、パパにしかできない身体を使った遊びを強調するのが良いですね。

対処法6.赤ちゃんを抱っこさせる

赤ちゃんの首がしっかりすわったら(目安は生後3-4か月過ぎ)、上の子に赤ちゃんを抱っこさせて、哺乳瓶で授乳を体験させましょう。

「ママが○○にご飯を食べさせてたみたいに、赤ちゃんにミルク飲ませてあげて。」と背伸びしたお兄ちゃん・お姉ちゃん感覚を与えます。もちろん、ママは後ろからフォローしてください。

対処法7.赤ちゃんといっしょに撮影会

上の子と赤ちゃんを毎日いっしょに撮影しましょう。写真を見て、上の子と赤ちゃんの似ている部分を話しながら、「毎日仲が良い写真いっぱい撮ろうね。」と促します。上の子に赤ちゃんの撮影をお願いしても良いですね。

対処法8.赤ちゃんに優しく触る理由を教える

もし上の子が赤ちゃんの手を引っ張ったり、叩いたら、強く叱らずに「○○は赤ちゃんより力が強いから、優しく触ってね。」と教えます。ママは上の子の手を少しだけ強く握り、「ママも力が強いから、○○に触るときは優しくしてるんだよ。」と理解を促してください。

対処法9.赤ちゃんが寝たら上の子の時間

赤ちゃんが寝たら上の子を抱きしめて、「待っててくれてありがとう!」と言い、「赤ちゃんが寝たら自分の時間だ!」という意識を植え付けます。そうすると、「待っててね。」で納得してくれる子もいます。

対処法10.上の子を優先する

自分が1番でなければ満足できない子は、「待っててね。」の言葉で癇癪を起こすこともあります。そのため、赤ちゃんを抱っこであやしていても、一度ベッドに寝かせて上の子をギュッと抱きしめましょう。

対処法11.上の子に絵本を決めさせる

ママが赤ちゃんに読み聞かせをする場合は、絵本を上の子に決めさせましょう。「○○が好きな絵本で、赤ちゃんに読んであげる本を決めてね。」というと、お兄ちゃん・お姉ちゃんの自覚が生まれます。

対処法12.お風呂は上の子と入る

お風呂に入るときは、ママは上の子と入り、パパが赤ちゃんと入るように役割を分担しましょう。パパが赤ちゃんの扱いに慣れるため、一石二鳥です。

対処法13.お散歩は上の子と手をつなぐ

家族でお散歩をするときは、ママが上の子と手をつなぎ、赤ちゃんはパパが抱っこして散歩するようにしましょう。

対処法14.ないしょの話を作る

上の子に「○○が夜遅くまで起きてるのは赤ちゃんにはないしょだよ。」など、ないしょ話をする設定で特別感を出しましょう。

「ないしょだけど、○○のことが一番好きだよ。」という赤ちゃん返り対処法を見かけることがありますが、個人的に好き嫌いの優劣はおすすめしません。大きくなって兄弟喧嘩したときに、「ママは俺の方が好きだって言ってたからな!」という発言が出てしまいます。

対処法15.おんぶ育児をする

上の子は、常にママに抱きしめて欲しいと思っています。手と胸を空けておくために、下の子の首がしっかりすわったら、おんぶ育児をするようにしましょう。

対処法15.いつでも上の子を褒める

赤ちゃんの妊娠・入院・育児の時期関係なく、上の子をたくさん褒めましょう。褒める理由は何でも構いません。「ママが認めてくれている!」と上の子が感じれば良いのです。

よく3歳までは褒めて自己肯定感を育て、3歳からしつけを開始すると言いますが、これは3歳から褒める回数を減らす意味ではありません。3歳は褒めて自己肯定感を育てつつ、物事のルールを少しずつ教えていく時期です。

対処法16.イライラ感情で叱らない

赤ちゃん返りを起こした子を叱ってはいけない……なんてことはありません。甘えたり、泣いたりなどをママのイライラで叱ってはいけませんが、赤ちゃんへの暴力、他人に対する癇癪、注意されたことを繰り返す場合は厳しく叱ってください。

赤ちゃん返りのタイプで対応は変わる

二人目ができたことで上の子が赤ちゃん返りを起こす原因は、独占していたママが赤ちゃんに取られてしまう(と感じる)からです。

そのため、赤ちゃん返りを和らげるには、上の子を満足させる必要がありますが、子供が満足するには以下の3パターンがあります。

赤ちゃん返りで子供が満足するパターン
1.自分がママに大切にされていると感じれば満足する
2.自分がママの1番だと認識できれば満足する
3.弟妹がママといっしょにいなければ満足する

それぞれ赤ちゃん返り対策は違いますが、どう見ても3は厄介です。しかも、普段しっかりしている子ほど、「実は我慢してたけど、赤ちゃんがママといっしょにいることさえ嫌だ。」という場合があります。

赤ちゃん返りは一時的なことですが、「すぐ収まるでしょ。」とタカをくくらず、できる限り上の子の心に寄り添ってあげましょう。赤ちゃん返りの対処は、ママがストレスでイライラを溜めないためにも早めに行った方が良いですね。

また、赤ちゃん返りをしている子が可哀想でも、全く叱らないなどこれまでと違う対応は個人的には良くないと思います。

もちろん、ママが上の子を叱った後は、それ以上に褒めて触れ合う必要があります。要は上の子の気持ちを理解したうえで、メリハリのある対応が大切だということです。