女性が子供を産める年齢は?妊娠適齢期と出産限界年齢とは

ベンチに座る妊婦

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芸能人も高齢出産は多い

一般的な高齢出産は何歳からかと言うと、初産婦は35歳以上、経産婦は40歳以上とされています。

芸能人でも高齢出産は多く、第1子の高齢出産では坂上みきさん(53歳)、金田朋子さん(44歳)、長山洋子さん(42歳)、はしのえみさん(41歳)、山下久美子さん(41歳)、相田翔子さん(41歳)、松嶋尚美さん(40歳)、中澤裕子さん(39歳)、梨花さん(38歳)などたくさんいます。

第2子の高齢出産もたくさんいそうですが、調べるのはやめておきます。ちなみに、出産年齢が50歳を超えていると、「超高齢出産」と呼ばれることもあります。

これだけ高齢出産の多さを目の当たりにすると、「女性は40歳でもまだまだ現役!むしろ50歳でも妊娠・出産イケるよ!」と考える人も増えそうな気がしますが、それは良いことなのでしょうか。

今回は、妊娠と出産は何歳までできるのか、妊娠適齢期と出産限界年齢についてお話したいと思います。

妊娠適齢期、出産適齢期とは

妊娠適齢期、出産適齢期とは、言葉の通り妊娠に適した年齢、出産に適した年齢のことです。

このあたりの話をすると「女性の人権が~」という人も一部いますが、決して適齢期に合わせて妊娠・出産が強制されるわけではありません。

妊娠適齢期は、女性が妊娠しやすく安全な妊娠時期を過ごせる確率が高い年齢、出産適齢期は、母子ともに安全な出産が行える確率が高い年齢という意味で使われます。

実際、日本周産期・新生児医学会は「ライフプランを考えてみましょう─妊娠・出産には適した年齢があります─」という資料を公開しています。※現在は見られない

資料では、女性の加齢と共に卵子の質・量が低下し、30歳から妊娠可能性が低下し始め、35歳前後からは流産率の上昇などリスクが高まり、男性でも加齢で精子の状態が低下すると説明。避妊をしていないのに2年以上妊娠に至らない「不妊症」は約10%の確率で起こり、その原因は男性側24%、女性側41%、両方24%、原因不明11%と説明。不妊治療を受けても必ずしも妊娠できるわけではなく、夫婦で検査と治療をどこまで受けるかを考えることが必要と指摘している。

引用|「妊娠・出産適齢期」国が啓発|日本周産期・新生児医学会|医療情報サイト m3.com

妊娠適齢期(出産適齢期)の年齢は?

前述の「医療情報サイト m3.com」の引用で触れた通り、女性は30歳から妊娠の可能性が低下し始め、35歳前後から流産率のリスクが高まり、男性も加齢で精子の状態が低下します。

妊娠機能の変化1.卵子の数

たとえば、妊娠機能の変化の1つとして、年齢による卵子の数の変化を見ると明らかに違いがあるとわかります。35歳や40歳がダメなのではなく、卵子の数はずっと減り続けているんです。

女性の各年齢における卵子の数の変化

出典|「共同参画」2014年2月号 | 内閣府男女共同参画局

では、卵子の数が多く健康な思春期に妊娠・出産をした方が良いかと言えば、もちろんそうではありません。人間には社会生活を健全に営む知識や経済力を基盤とした生活力が必要であり、それらを思春期に身につけることは難しいでしょう。

妊娠機能の変化2.妊娠率(妊孕率)と流産率

以下は、”不妊治療”における年齢別の妊娠率と流産率の変化を表したグラフです。

不妊治療における年齢と生産分娩率
不妊治療における年齢と流産率

出典|「共同参画」2014年2月号 | 内閣府男女共同参画局

まず「生産分娩率」を見ると、30歳の19.9%を堺に徐々に確率が下がっていることがわかります。40歳には30歳から4割減の7.7%、45歳には33分の1の0.6%まで落ちています。

生産分娩率とは、妊娠をして分娩まで至った確率のことです。不妊治療における生産分娩率とは、1回の不妊治療(着床)で出産に至った確率を言います。

次に「流産率」を見ると、35歳の20.3%を堺に確率がどんどん右肩上がりなことがわかります。40歳には35歳から1.7倍の35.1%、45歳には3倍以上の66.0%にまで高まっています。

つまり、これらの数値を見る限り、「妊娠しやすい・流産しにくい・出産に至りやすい」という面で考えれば、やはり30-35歳を区切りとして、それ以前に妊娠・出産できることが望ましいと考えた方が良いのでしょう。

出産限界年齢とは

さて、妊娠適齢期(出産適齢期)以外に、出産に適した時期を表す言葉として「出産限界年齢(しゅっさんげんかいねんれい)」があります。

こちらも言葉通りの意味で、出産できる限界の年齢のことです。妊娠可能年齢(出産可能年齢)と言い換えても良いかもしれません。

まず、妊娠を考えると、50歳以上でも僅かながら卵子は作られています。そのため、閉経までは妊娠できると考える人は多いと思います。ところが、浅田レディースクリニックのサイトには以下のように記載されています。

生理があるうちは妊娠できると思っている人がとても多いのですが、とんでもない勘違いです。だいたい閉経の10年前から妊娠できなくなります。排卵がなくなった後も、卵の周囲の細胞が10年ほどホルモンをつくり続けるので、それで生理があるだけです。

肝心のまともな卵はなくなっているので、妊娠には至りません。だいたい51~52歳で閉経しますから、41~42歳が妊娠の限界のところです。

引用|妊娠適齢期ご存知ですか?/妊娠適齢期を知っていますか?-浅田レディースクリニック

つまり、生理が来ていても実際は無精卵の可能性があるため、41-42歳は妊娠がギリギリ可能な年齢だということです。もちろん、出産は妊娠に準します。

さらに、先程の妊娠適齢期(出産適齢期)を考えるなら、41-42歳は母子(とくに赤ちゃん)にとって、リスクが高い出産になる可能性があります。

40代の妊娠・出産は簡単ではない

今は昔よりも出産年齢は上がっています。と言っても、2015年の第1子の平均出産年齢は30.7歳で、前述した40代で第1子を出産した芸能人よりも10歳以上も若いんです。

平均初婚年齢と出生順位別母の平均年齢の年次推移

出典|婚姻・出産の状況 婚姻件数、婚姻率の推移 – 内閣府

もし40歳で待望の赤ちゃんを授かったら、万全の準備をして出産に臨むことは良いことだと思います。ただ、初めから「40歳でも十分に妊娠はできる!」と考えるのは、言うは易し行うは難しだと肝に命じなければいけません。

リスクがある高齢妊娠・高齢出産に臨む行為をことさらに賞賛したり、女性の権利と主張するのは個人的には賛成できません。

色々事情はあると思いますが、あと5年早く準備をして挑戦すれば、胎児の負担だけでなく、妊婦本人の体の負担も軽く済むはずです。ひいては、それを心配する家族の負担も軽減します。

ちなみに、ギネスブックに掲載されてる世界最高齢の出産は、スペイン人の66歳(しかも双子!)で、日本人の出産は60歳が最高齢だそうです。もちろん、どちらも自然妊娠ではなく、体外受精(IVF/in vitro fertilization)です。みなさんは、世界記録に挑戦しませんよう。