実はたくさんある乳児湿疹の種類、月齢や時期による症状と原因

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実はたくさんある乳児湿疹の種類、月齢や時期による症状と原因

投稿日:2019年3月29日 更新日:

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乳児湿疹とは

乳児湿疹とは、主に生後6か月ごろまでの乳児にみられる、アトピー性皮膚炎以外の湿疹のことで、口の周りや頬、あごなどにできる赤い湿疹、または肌がカサカサになる症状を言います。

生まれたばかりの赤ちゃんの肌はスベスベでもっちりしていて、とてもうらやましいですよね。わたしも、赤ちゃんの肌はずっとスベスベなわけではありません。

うちの娘は、生まれて1か月半経ったころから、顔中にプツプツと赤い発疹が出てきました。初めは、「ベビーローションが合わなかったのかな?」と思い、違うものを試しましたが治りません。

わたしも夫も、昔は「アトピー性皮膚炎」だったため、娘のアトピーを心配して小児科を受診しました。結果は「乳児湿疹」ということで一安心。塗り薬を処方してもらい、しばらく通院していると、娘の肌の赤みや発疹も少しずつ落ち着いていきました。

ところで、赤ちゃんのころに起きる肌荒れやブツブツなどの「乳児湿疹」と「アトピー性皮膚炎」は何が違うのでしょうか。

今回は、乳児湿疹とアトピーの違い、乳児湿疹の種類などについて詳しくお話したいと思います。

赤ちゃんの肌に乳児湿疹が起きやすい理由

赤ちゃんは、わたしたちが思っている以上に肌トラブルが起きやすい状態で過ごしています。赤ちゃんに肌トラブルが起きやすいのは、以下の原因が考えられます。

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皮膚の厚さが大人の半分しかないため

大人の皮膚の表皮が0.2mmほどに対し、赤ちゃんの皮膚の表皮は0.1mmほどの厚さしかありません。そのため、細菌やほこりなどから肌を守るバリア機能の働きも弱く、常に刺激を受けやすい状態です。

水分量が少なく肌が乾燥しているため

赤ちゃんは皮膚が薄いため、水分を保つ角層が薄く、1年中肌が乾燥した状態です。大人と比較しても、肌の水分量は3分の1ほどしかありません。

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頭とおでこのみ皮脂分泌が多いため

生後2か月くらいまでの赤ちゃんは、頭やおでこなどTゾーンの皮脂分泌が多く、ベタベタしています。もちろん、皮脂分泌が多い部分は、余分な脂で汚れていますし、ほこりや雑菌なども付着しやすくなります。

全体的に皮脂と水分が少ないため

産後すぐの赤ちゃんの頭皮やおでこは皮脂が多いため、乾燥しているようには思えません。

ところが、頭皮やおでこ以外の部分は皮脂分泌が少なく、頬やあごを触ると乾燥していることがわかります。しかも、生後2か月以降はさらに皮脂分泌が少なくなります。

赤ちゃんの皮膚は皮脂分泌量が少ない

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乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

では、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎は何が違うのでしょうか。

アトピー性皮膚炎の特徴

アトピー性皮膚炎とは、肌が乾燥してカサカサしたり、湿疹ができる症状のことで、赤ちゃん特有の病気ではありません。

肌の乾燥や湿疹がひどくなると、赤みが増してジュクジュクした状態になり、血が滲むこともあります。また、患部に強い痒みも伴います。

日本皮膚科学会ガイドラインによると、以下の基準を満たすものがアトピー性皮膚炎だと定義づけられています。

1.瘙痒
2.特徴的皮疹と分布
(乳児期:頭、顔にはじまりしばしば体幹、四肢に下降)
3.慢性・反復性経過
(乳児では2か月以上、その他では6か月以上を慢性とする)
上記1、2および3の項目を満たすものを、症状の軽重を問わずアトピー性皮膚炎と診断する。

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乳児湿疹とアトピーの見分け方

アトピー性皮膚炎の特徴を見て分かる通り、肌の乾燥や湿疹の症状だけでアトピーと乳児湿疹を見分けるのはとても困難です。

しかし、前述した通りアトピー性皮膚炎は痒みが強く、慢性的な皮膚炎です。そのため、以下の症状を確認して、乳児湿疹とアトピー性皮膚炎を見分けてください。

乳児湿疹とアトピーの見分け方
1.赤ちゃんが痒そうにしているか、かきむしっていないか
2.湿疹が頭や顔から身体に移行し、さらに手足に移行していないか
3.生後6か月ごろに湿疹が増えていないか、乾燥肌が広がっていないか

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もし、赤ちゃんがあまり痒そうにしておらず、少しずつ治っているようならアトピーの可能性は低くなります。

乳児湿疹の種類

乳児湿疹にはいくつかの種類があり、それぞれ症状や原因、対策が異なります。

新生児ニキビ(新生児ざそう)

新生児ニキビとは、新生児の顔にできる吹き出物のことで、主に白い芯が入ったようなポツポツができます。赤いニキビができる場合もあります。

新生児ニキビの原因は、ホルモンの影響による過剰な皮脂分泌によって、皮脂線に皮脂が詰まってしまうことです。

そのため、毎日皮脂を洗い流し、肌を清潔な状態に保つ必要があります。また、汚れやすい寝具をこまめに洗ったり、汗をかいたり汚れたらすぐに着替えるなど、肌に触れるものも清潔に保ちましょう。

新生児ニキビは、生後2か月ほどで自然治癒することが多いのですが、症状が悪化したり膿んでしまった場合は小児科を受診しましょう。

乳幼児健診関連のQ&A | マーガレットこどもクリニック|渋谷区初台・参宮橋の小児科

乳児脂漏性湿疹(乳児脂漏性皮膚炎)

乳児脂漏性湿疹とは、新生児によくみられる湿疹で、頭や顔などに赤い湿疹や黄色いかさぶたができる症状のことです。お腹や背中に症状が出る場合もあります。

乳児脂漏性湿疹も新生児ニキビと同じく、過剰な皮脂分泌が原因です。また、皮膚の常在菌「マラセチア」が皮脂内部で細菌とともに繁殖することも原因だと考えられています。

脂漏性皮膚炎とは?赤ちゃんの症状を緩和する方法|パンパース

乳児脂漏性湿疹を治すためには、やはり皮脂を丁寧に洗い流した後に、肌を清潔な状態に保つことです。また、肌が乾燥しないように、十分な保湿も必要です。

余分な皮脂でできるかさぶたは、ベビーオイルでふやかしてからお風呂に入ると洗い流しやすくなります。肌が傷ついてしまうため、無理にかさぶたを剥がしたり、強くこすらないようにしましょう。

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乾燥性湿疹

乾燥性湿疹とは、生後3-6か月以降に皮膚が乾燥することで起こる湿疹のことです。

原因は、この時期の赤ちゃんの皮膚の脂肪分が少なくなることで、水分が蒸発して、肌が乾燥するためです。生後2か月を過ぎると、皮脂分泌を促していたホルモンの影響がなくなり、皮脂の分泌量が一気に減ってしまいます。

赤ちゃんの皮膚は薄く、バリア機能も未熟です。そのため、肌の水分が蒸発して乾燥した肌はとても敏感になり、少しの刺激でも痒みが出て、乾燥性湿疹が悪化します。

乾燥性湿疹の対策は、皮膚が乾燥しないように保湿を徹底することです。入浴後はもちろん、起床後やおむつ替えのタイミングなど、こまめに肌の水分を補って保湿をしてください。

ちなみに、うちではベビーローションで肌の水分を補ったあとに、ベビーワセリンを上から塗って肌水分の乾燥を防いでいました。

また、皮膚に強い刺激を与えるものも避けましょう。たとえば、低刺激のベビーソープを選んだり、肌に優しい素材の肌着にすると良いですね。

にしむら小児科 乳児湿疹(乳児アトピー)について

赤ちゃんの肌トラブルの時期と症状

赤ちゃんの肌トラブルは、時期によってできやすい湿疹や症状が違います。

生後3か月以内の肌トラブル

生後2週間ごろから生後3か月ごろまでは、「新生児ニキビ」や「脂漏性湿疹」がよくできます。原因は、前述した通りホルモンの影響で皮脂分泌が盛んになるためです。

また、この時期はうんちもゆるいので、おむつ替えを忘れてしまうと、おしっこやうんちでおむつが蒸れて「おむつかぶれ」が起こります。

さらに、赤ちゃんはよく汗をかくので、おしりや腰、顔、首周り、背中などに「あせも」もよくできます。

生後3-6か月ごろの肌トラブル

生後3か月以降は、これまで多かった皮脂の分泌が減り、肌が乾燥するため「乾燥性湿疹」が多くなります。乾燥で肌が弱くなるため、この時期も「おむつかぶれ」と「あせも」はよくできます。

また、赤ちゃんの離乳食準備が始まると、よだれが多く出るようになるため、口周りやあごなどに「よだれかぶれ」ができることもあります。

生後6か月以降の肌トラブル

乳児湿疹は、生後6か月までに自然治癒することが多いのですが、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎の場合は、生後6か月ごろが湿疹のピークです。

ピークを過ぎると湿疹は徐々に改善し、1歳ごろに症状が納まる場合が多いでしょう

また、離乳食が始まることでうんちも固形化するため、1歳に近づくほどおむつかぶれの発症も少なくなっていきます。ただし、あせもやよだれかぶれは、生後6か月以降も多い肌トラブルのため注意が必要です。

赤ちゃんの肌トラブル予防法

赤ちゃんの肌トラブルにはさまざまな症状がありますが、肌トラブルの基本的な予防、また肌トラブルが悪化しない方法として、普段から以下のことを実践しましょう。

赤ちゃんの基本的な肌トラブル予防法
・肌は毎日きれいに洗い、清潔な状態を保つ
・ベビーローションなどでしっかり保湿をする
・肌に優しい低刺激のベビーソープや肌着を選ぶ
・季節に合わせた適度な室温にし、湿度は60%を保つ
・患部を引っ掻かないように、定期的に爪を切る
・赤ちゃんの肌は傷がつかないように、丁寧に扱う
・肌着などは、汗をかいたり汚れたらこまめに着替える
・長時間、肌が汚れたままの状態を放置しない
・処方塗り薬がある場合は、勝手な判断で中断しない

赤ちゃんの肌はとても敏感で、刺激に弱いだけでなく、常に肌トラブルが起きやすい状態です。ただ、赤ちゃんが乳児湿疹になっても、日々のケアを徹底することで悪化を防ぎ、徐々に治すことはできます。

もちろん、乳児湿疹はケアをすればすぐに治るわけではありません。少し良くなってはぶり返し……少し良くなってはぶり返し……を繰り返して、徐々に良くなっていきます。

娘も生後1か月半ごろから乳児湿疹がはじまり、何度も繰り返しながら、生後6か月ごろにようやく肌が落ち着きました。初めは大変ですが、慣れると習慣になるため、やはり最初にできるだけの対応をすることが大切です。

ママは、「なぜ治らないんだろう……早く治してあげたい……。」と気持ちが焦るかもしれませんが、じっくりと根気強く肌ケアを続けてあげましょう。


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