保険者と被保険者の違いは?被扶養者とは誰?組合員の場合は?

医療保険制度

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公的医療保険制度でよく出る用語

日本は皆保険制度の国なので、誰もが健康保険や国民健康保険、共済組合などの公的医療保険制度に加入しています。

公的医療保険制度はとても大切な制度で、とくに妊娠・出産を経験した女性、育児を経験した女性は、公的医療保険制度の重要性を実感しているはずです。

では、健康保険、国民健康保険、共済組合がどのように違うものか理解しているでしょうか。

サラリーマンなどが加入する健康保険、自営業者などが加入する国民健康保険、公務員が加入する共済組合ということは知っていても、より理解を深めるためには「保険者」「被保険者」「被扶養者」という用語も合わせて知っておかなければいけません。

そこで今回は、公的医療保険制度のお話でよく出てくる保険者、被保険者、被扶養者の意味や違いについてお話したいと思います。

なお、健康保険、国民健康保険、共済組合の違いなど概要は以下を参考にしてください。

保険者(ほけんじゃ)とは

保険者とは、公的医療保険制度の運営主体のことです。 公的医療保険制度の保険者は、健康保険、国民健康保険、共済組合などでそれぞれ違います。

健康保険の保険者(運営者)
協会けんぽ|主に中小企業が組織する組合
組合健保|主に大企業が組織する組合
船員健保|複数の船員組合

国民健康保険の保険者(運営者)
市町村国保|市町村
組合国保|各業種の団体

共済組合の保険者(運営者)
共済組合|国家公務員団体、地方公務員団体、私学教職員団体

健康保険の保険者|全国健康保険協会

全国健康保険協会は、主に中小企業に所属する労働者を組合員(被保険者など)として、健康保険を運営管理している組織です。これを「全国健康保険協会管掌健康保険」と言い、通称「協会けんぽ」と呼ばれています。

健康保険の保険者|健康保険組合

健康保険組合には、企業単位で設立する健康保険組合、同種同業の企業が合同で設立する健康保険組合があり、それぞれの組合員(被保険者など)の健康保険を運営管理しています。

これを「組合管掌健康保険」と言い、協会けんぽの運営を真似て、健康保険組合の保険給付や保健福祉事業などの運営が行なわれています。健康保険組合を設立するためには、一定以上の被保険者数と厚生労働大臣の認可を得なければいけません。

国民健康保険の保険者|市区町村

国民健康保険の主な運営は市区町村が行っており、各市町村や特別区に住居登録者をしている一般的な自営業者、アルバイト、学生、無職者などのために公的医療険制度を提供しています。

国民健康保険の保険者|国民健康保険組合

国民健康保険組合は、土木業、理美容業、サービス業など特定の業種の自営業者などが集まって作られている組合のことで、国民健康保険をベースにした公的医療保険制度を提供しています。

共済組合の保険者|共済組合

共済組合とは、公務員および私立学校教職員を組合員(被保険者など)とした組合を運営しています。共済組合も国家公務員共済組合、各種地方公務員共済組合、私立学校教職員共済制度に分かれています。

被保険者(組合員)とは

被保険者とは、各種公的医療保険制度に加入して保険料を納めており、病気やけがなどをしたときに必要な給付を受けられる対象者を言います。共済組合の場合は、被保険者ではなく組合員と言います。

被保険者・組合員の資格条件

被保険者や組合員の資格条件は、公的医療保険制度の保険者の規約によって異なります。そのため、それぞれ所属する保険者のサイトで確認するか、担当窓口に問い合わせてください。

健康保険の被保険者の資格条件や除外条件は、協会けんぽや健康保険組合のサイトを確認してください。

参考|被保険者とは? | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

国民健康保険の被保険者の資格条件は、各市区町村役所のサイトを確認してください。たとえば品川区の場合以下になります。

参考|国民健康保険|品川区

国家公務員、地方公務員、私立学校教職員の組合員の資格条件は、以下のサイトを確認してください。

参考|国家公務員共済組合連合会 | KKR
参考|地方職員共済組合
参考|トップページ|私学共済事業(共済業務)|私学事業団

被扶養者(ひふようしゃ)とは

被扶養者とは、健康保険と共済組合に使われる言葉で、被保険者に扶養されている家族などのことです。扶養とは、ある人の生活を他者が援助することを言います。被扶養者は、扶養されているため「被」が付きます。

健康保険では、被保険者の病気・けが・死亡・出産などの際に保険給付が行われますが、被扶養者の病気・けが・死亡・出産についても保険給付が行われます。

健康保険の被扶養者は、被保険者の直系尊属・配偶者・子・孫・弟妹、および被保険者と同居をして家計を共にしている3親等以内の親族や、事実婚の配偶者の父母・子が対象になります。

被扶養者の図式

この図で言うと、本人(被保険者)から見て、これだけの人が被扶養者になり得ます。ただし、オレンジのマスは本人と同居をしていなくても被扶養者と認められ、黄色のマスは同居をしていなければ被扶養者とは認められません。また、被扶養者は、年収130万円未満でなければいけません。

一方、国民健康保険には被扶養者の概念はありません。国民健康保険を利用する人は、全て国民健康保険に加入しなければいけません。

つまり、家族に健康保険や共済組合の加入者がいない場合、働いていない配偶者も生まれたばかりの赤ちゃんも、国民健康保険に加入する義務があります。

国保の手続きはすべて自分でする

保険者、被保険者、被扶養者について説明しましたが、自分毎にならなければなかなかピンときませんよね……。最後に簡単にまとめておきます。

日本の医療保険の内訳

健康保険、共済保険、国民健康保険を考える際に重要なことは、被扶養者の概念があるかないかです。

旦那さんがサラリーマンから独立して自営業者になった場合、公務員を辞めて一般企業に務めだした場合、ある会社を辞めて他の会社への求職中に健康保険から国民健康保険に変わる場合などです。その前後に、妊娠・出産などの給付が絡むと、とてもややこしくなります。

たとえば、被扶養者の概念があるため、以下の給付金などの条件や考え方が変わってしまいます。

健康保険のときは会社の指示に従うだけで良いのですが(そうでない会社もあります)、国民健康保険は全て自分で理解して手続きをする必要があるため、万が一に備えて違いを知っておいた方が良いと思います。