言葉の発達

滑舌・発音の悪さ、どもり、言葉の遅れは病気?構音障害の原因は

投稿日:2016年5月23日 更新日:

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赤ちゃん言葉・発音できないなど言葉の遅れは構音障害かも?

・赤ちゃん言葉が治らない
・発音できない音がある
・滑舌が悪い
・しゃべると鼻に息が抜ける

など、年齢によって原因は変わりますが、子供の言葉がこのような状態の場合、「構音障害(こうおんしょうがい)」の可能性があります。

子供の構音障害は、日常会話からは気付きにくい場合があり、5-6歳になっても舌っ足らずな話し方だったり、発音できない音があったり、言葉の言い間違えが直らないと感じたときに、ようやく「あれ?うちの子の言葉遅れてる?」となります。

もちろん、多少どもりがあったり、言葉の発音に違和感があっても、家庭での日常会話に支障をきたすことは少ないでしょう。

ただし、多感な小学生になると、からかい半分のいじめの原因になったり、英語など新しい言語を学習するときのハードルになる可能性もあります。

また、構音障害を放置することで、言葉の遅れだけでなく、その他の運動機能や発達に影響を及ぼしてしまうかもしれません。

そこで今回は、よくある構音障害の原因と構音障害の対応方法についてお話したいと思います。

なお、構音障害ではない場合に、子供の赤ちゃん言葉・言い間違え・おかしな発音を治す方法や対処法は以下を参考にしてください。

構音障害(こうおんしょうがい)とは

構音障害とは、口や喉の筋肉がうまく動かないため、発声や発音が正しくできない症状を言います。

子供の場合は、発音が正しくできないことで舌っ足らずな話し方になったり、言葉を間違えて覚えている(言い直せない)など、構音障害が言葉の遅れにつながり、会話などコミュニケーション不足に陥る原因になることがあります。

このような構音障害は、原因によって「器質性構音障害」「運動障害性構音障害」「機能性構音障害」の3つに分けられます。

言語機能と構音障害 - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

器質性構音障害とは

器質性構音障害(きしつせいこうおんしょうがい)とは、構音器官の形態に障害を抱えている構音障害を言います。

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)など生まれつき唇、舌、口蓋、声帯などの器官に形態異常があるため、上手に声を出せない・発音できない場合、後天的な事故や病気で器官の形が変わったため、声を出せない・発音できない場合があります。

運動障害性構音障害とは

運動障害性構音障害(うんどうしょうがいせいこうおんしょうがい)とは、発声に関わる神経や筋肉の病気による構音障害を言います。

発声をコントロールする脳神経や発音を促す筋肉の硬直によって、思い通りに舌・顎・唇などを動かせないため、上手に声を出せない・発音できない場合があります。

機能性構音障害とは

機能性構音障害(きのうせいこうおんしょうがい)とは、器質性構音障害、運動障害性構音障害以外の原因によって起こる構音障害を言います。

機能性構音障害は、個人差による言語発達の遅れや発音に対する誤った習慣によって、上手に声を出せない・発音ができない場合があります。

さまざまな構音障害の原因と対処法

では、構音障害の原因とはどのようなものでしょうか。対処法と合わせてご紹介します。

舌小帯強直症

舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)とは、舌の裏のすじ(舌小帯)が通常より癒着した状態を言います。癒着しているため、舌の可動域が狭くなり、構音障害の原因になります。

舌小帯強直症

このように舌を上げたときに、舌先が凹んでハート形になったら治療が必要だと判断できます。舌小帯強直症は、小児歯科、歯科口腔外科などで、舌小帯の伸展術処置が受けられます。乳幼児医療の対象になるため、まずは医師に相談してください。

口唇口蓋裂

口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)とは、「口唇裂(こうしんれつ)」と「口蓋裂(こうがいれつ)」の総称を言います。

口唇裂とは先天的に唇の一部が裂けて形が変形している状態、口蓋裂とは先天的に口蓋(口腔と鼻腔を分離している口腔上壁)の一部が裂けて口から鼻にかけて変形している状態のことです。

口唇口蓋裂

Cleftlipandpalate - 口唇口蓋裂 - Wikipedia

口周りの先天性形態異常は、言葉に影響を与えるだけでなく、哺乳も上手く行えない可能性があるため、口唇口蓋形成術によって形を整える必要があります。

口唇裂口蓋裂などの先天異常|口腔外科相談室|日本口腔外科学会

富山大学附属病院歯科口腔外科 口唇口蓋裂

鼻咽腔閉鎖機能不全

鼻咽腔閉鎖機能不全(びいんくうへいさきのうふぜん)とは、言葉を話す際に鼻に空気が抜けてしまったり、咳払いのように詰まった破裂音がする状態のことです。

たとえば、「ば」という音は、軟口蓋(なんこうがい)と咽喉(いんこう)が鼻腔(びくう)の入り口を閉じることで発音できますが、鼻咽腔閉鎖機能不全だと、軟口蓋が鼻腔の入り口を閉じることができないため、空気が鼻に漏れて「ば」の音が「ま」に聞こえてしまいます。

鼻咽腔閉鎖機能不全は、口唇口蓋裂の手術後に空気の鼻漏れが改善しない場合、先天的な原因で空気の鼻漏れがある場合に見られます。

鼻咽腔閉鎖機能不全の治療には、構音の補助装具、言語療法、手術があり、構音の補助装具をつけた言語療法で言葉の改善が見られない場合は、「咽頭弁作成術」や「再プッシュバック法」などの手術を行う可能性があります。

もちろん、手術だけで構音障害が完治するわけではなく、術後も口周辺の操作や使い方を覚えたり、筋肉を付けるための言語療法が必要になります。

日本形成外科学会|鼻咽腔閉鎖機能不全

幼児性難聴

幼児性難聴(ようじせいなんちょう)とは、先天的に耳が聞こえない病気のことで「先天性難聴(せんてんせいなんちょう)」とも言われます。

子供は、周りの人が話す音を聞いて言葉を覚えるため、耳の聞こえに問題があれば、言葉の発達に影響が出ます。

先天性難聴には中度から高度の難聴が多く、中度以上の難聴は補聴器による聴能訓練をしなければ耳の聞こえがより悪くなります。

片耳の難聴であれば耳が聞こえないわけではないため、言葉の発達に影響が出ることは少ないのですが、正式な検査を行わなければ難聴だと気がつかない可能性もあります。

現在は、新生児期スクリーニングという聴力検査も一般的に行なわれているため、健診などで確かめるようにしましょう。

子供の難聴は先天性難聴以外にも、中耳炎、外耳道閉鎖症、頭部外傷など多くの原因があるため、以下でチェックしてください。

歯並びによる舌癖

舌癖(ぜつへき)とは、乳歯の生え変わり時期に抜けそうな前歯が気になって歯を舌でつつくなどの舌の癖のことです。また、指しゃぶりなどで変形した歯並びが気になって舌癖がつく場合もあります。

舌癖が出ると、その影響で舌の位置が普段より低い場所に定着してしまい、その結果歯並びが悪くなり、正しい発音ができなくなってしまいます。

舌癖

子供のしゃべり方、舌の使い方が不自然だと感じたら、小児歯科などで診てもらいましょう。小児歯科、または矯正歯科などで舌癖を治すためのトレーニングを行えます。

また、舌癖とともに子供の歯並びが悪いと感じたら、歯の矯正も含めて早めの対策を行いましょう。歯並びが悪いと虫歯や歯周病が増える、発音が悪くなる、口臭の原因になる、顎関節症になる、顔が変形するなどの影響を受ける可能性があります。

舌癖は歯並び意外にも、のどの病気(扁桃肥大、アデノイドなど)、鼻の病気(アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症など)も原因と考えられます。

構音障害の言語療法

さて、子供の構音障害の原因を取り除いたら、次は正しく言葉を話せるようにトレーニングをしていかなければいけません。

言葉を話すトレーニングのことを「言語療法」と言い、治療は主に「言語聴覚士」が行いますが、構音障害の原因によっては発音を補う装置が必要になる場合があります。

言語機能と構音障害 - 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

ブローイング訓練

言葉を話す際に空気が鼻に抜けてしまう場合は、ブローイング訓練によって口から息を出す練習をします。口から息を出す練習はおもちゃの風車を回したり、ろうそくの火を吹き消したり、以下のようにペットボトルに入った水をストローで吹くなどを行います。

以下は、日本訪問歯科協会が公開しているブローイング訓練の動画です。

口腔筋機能療法

話す時に舌が前に出る舌癖や指しゃぶり、頬杖、口呼吸の習慣が付いている場合は、口腔筋機能療法によって舌の筋肉の訓練、舌の運動訓練、舌の位置の矯正訓練、口唇の運動訓練などを行います。

口腔筋機能療法には、舌を尖らせたままスポット(普段何もしていないときに舌がある位置)を触るスポットポジション、口を開けてスポットに舌全体を吸い付けてから舌を打ち下ろすホッピング、上顎の犬歯の後にストローを咥えて舌の力でストローを押し上げるボスチャーなどがあります。

構音訓練法

言葉の発音に誤りがある場合は、音を聞かせて正しく真似をさせる「聴覚刺激法」、誤った言葉を修正して正常な言葉に近づける「漸次接近法」などを用いて、音の発声方法を訓練し、正しく発音できるようにします。

一音が正しく発音できたら、単語単位で正しく発語できるように練習し、徐々に長文での発声、会話での発声ができるように訓練を行なっていきます。

子供の発音・発声が正しいか観察

子供の言葉の発達・発音の発達に悪影響を及ぼす病気や障害は意外と多いのですが、発達障害などでなければ、正しい治療と発声のための器具、言語療法によって、徐々に正しい言葉の使い方に修正することは可能です。

まずは、普段の子供の言葉遣いを注意深く観察するようにしましょう。3-4歳の子供で発音が悪い、滑舌が悪い、ろれつが回らない、どもりが多いからといって、すぐに構音障害だとは決めつけないでください。

ママは2歳、3歳、4歳と成長する子供の言葉の使い方・発音を観察して、発音が悪い、滑舌が悪い、ろれつが回らない、どもりが多いなどが、徐々に治っているかを見極めましょう。

また、子供の発音や滑舌に問題がある場合、構音障害以外にも原因も考えられます。ママは1つ1つの原因をつぶしながら、子供の言葉が発達しているかどうかを確認してください。

子供の言語機能は1日2日で発達するものではないため、焦らないことが大切です。子供の言葉の間違いを正すときも、子供の心を傷つけないように優しく教えてあげましょう。

何度も発音や言葉を正して、それでも子供の言葉の様子がおかしいと感じたら、医師に相談してください。


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