子供の理想の就寝時間・平均睡眠時間は?仕事で遅いときの対応は

笑顔で眠る赤ちゃん

この記事の読了時間は約 7 分です。

子供の寝る時間が決まっていない家庭

「ねぇ先生、うちの子お休みの日はお昼寝ばっかりなんですけど変なんですかね?」

以前に、子供のお昼寝時間と夜の就寝時間について、2歳-3歳のお昼寝時間は1-2時間で、15時-16時位に起こすと夜の睡眠に影響しづらく、就寝時間がバラバラになると、お昼寝時間もバラバラになり、生活リズムが崩れて成長に影響があるというお話をしました。

わたしがこれまで受け持った子は3-5歳が多いのですが、3-5歳のお昼寝時間は個人差があり、たくさんお昼寝をする子もいれば、お昼寝時間がほとんどいらない子もいます。

ただ、「休みの日だけお昼寝ばっかり」はあまり良い傾向とは思いません。このようなママに「○○ちゃんは夜何時ごろに寝かせてますか?」と聞くと、「え?決まってません。」という回答が多かったり……(^_^;)

子供が3-5歳になると、随分成長したように感じるかもしれませんが、まだ大人の生活リズムに合わせられるほど心身が成長していません。お昼寝の有無にかかわらず、夜は20-21時には就寝して朝6-7時に起きる生活リズムを作ることが理想です。

では、なぜ子供は睡眠時間、就寝時間を決めて、生活リズムを作らなければいけないんでしょう。また、仕事などでどうしてもママが夜遅くなる場合は、どうしたら良いでしょうか。

今回は、子供にとって夜の睡眠時間と就寝時間が大切な理由、規則正しい生活リズムを作ることが大切な理由についてお話したいと思います。

年齢別の睡眠時間の目安

まずママは、”規則正しい生活リズム”を理解するために、月齢別、年齢別の子供の睡眠時間の目安を把握しましょう。

子供は睡眠で成長します。とくに乳幼児期の睡眠は単純に体が大きくなるだけでなく、睡眠によって身体機能や脳が育つ大切な時期です。そのため、必要な睡眠をとらなければ、心と体の成長が阻害される可能性があります。

1.生後0-3か月児の睡眠時間と注意点

新生児から生後3か月ごろの赤ちゃんの睡眠時間は、1日15-18時間前後です。この時期は「○時に寝かせなければいけない」「○時間はお昼寝をしなければいけない」という概念はありません。

ひたすら赤ちゃんのペースで眠らせて、赤ちゃんが起きた時に授乳やおむつ替えなどをする時期です。

2.生後4-11か月児の睡眠時間と注意点

生後4-11か月ごろの赤ちゃんの睡眠時間は、1日12-15時間前後です。この時期は昼夜の区別をつけ、夜の睡眠時間を明確にしていく時期です。

また、夜泣きの時期でもあるため、夜に無理に子供を寝かせずにお昼寝で補おうとするママがいますが、お昼寝はあくまでも長い1日を元気よく過ごす一時休憩の役割です。

成長ホルモンのメラトニンも太陽の明るさを感じて、夜の睡眠中に大量に分泌される性質があります。そのため、夜の睡眠時間を十分にとれるように、昼間の遊び方・過ごし方をコントロールする必要があります。

3.1-2歳児の睡眠時間と注意点

1-2歳児の子供の睡眠時間は、1日11-13時間前後です。この時期はひとり歩きができるようになり、元気に外を走り回るようになる時期です。そのため、昼間にたくさん遊ぶと夜はぐっすり眠りやすくなります。

ただし、子供が疲れ過ぎるとお昼寝時間が長くなったり、夕方以降に眠ってしまい、夜の睡眠に影響が出ることがあります。このあたりは子供によるため、まさに「生活リズム」を作ってあげる必要があります。

4.3-5歳児の睡眠時間と注意点

3-5歳児の子供の睡眠時間は、1日10-12時間前後です。この時期の子供の夜の睡眠時間は9-10時間ほどで、ここから10歳過ぎまでに、大人の理想的な8時間睡眠に近づいていきます。そのため、夜に十分な睡眠時間をとると徐々にお昼寝がいらなくなります。

後述しますが、もし夜の睡眠時間が8時間程度しかとれない子は、規則正しいお昼寝をすることで睡眠時間を補助し、夜の睡眠のリズムを崩さないようにする必要があります。

規則正しい就寝時間が大切な理由

なぜ子供には、規則正しい就寝時間が必要なのでしょうか。

理由1.メラトニンが正しく分泌されるため

メラトニンは身体の成長だけでなく、睡眠を促すホルモンです。メラトニンには、体温、脈拍、血圧を下げる働きがあり、寝付きを良くしてくれます。

夜中に大量に分泌されたメラトニンは、朝の明るい太陽の光を感じると分泌量が減少し、睡眠からの覚醒を促します。そして、また日中に太陽の光を浴び、夜になるとメラトニンの分泌……と繰り返します。

この昼夜に感じる光の変化によってメラトニンが規則正しく分泌されることで、規則正しい睡眠をとることができるようになります。

また、メラトニンが分泌され始めるのは覚醒の約14-16時間後からのため、子供が朝7時に起きたなら午後8-9時頃に就寝しなければ、メラトニンの分泌時に睡眠を合わせられず、質の高い睡眠・効率の良い成長を阻害する可能性があります。

参考|体内時計と睡眠のしくみ | 体内時計を調節するホルモン、メラトニン | 体内時計.jp|武田薬品工業

理由2.レム睡眠の波をきっちり捉えるため

子供の睡眠時間は全体的に眠りが浅く、レム睡眠は50-60分周期でやってきます(以下子供の年齢による)。

レム睡眠とは、体は眠っていても脳が動いている状態のことで、夜中に脳を動かして昼間の情報整理を行い、それを効率的に身体の成長につなげます。FQ JAPANのレム睡眠のグラフがとてもわかり易かったため引用します。

レム睡眠とノンレム睡眠

出典|新米パパのための夜泣き対策講座 | FQ JAPAN 男の育児online

新生児|40-50分
生後2-4か月|40-50分
生後3か月|50-60分
生後5-6か月|50-60分
生後7か月-1歳|50-60分
1歳以降|60-90分に移行していく

画像を見る限り、子供のレム睡眠の周期は幼いほど短く、1歳前後でおよそ60分、2-5歳で60-80分、5-10歳には90分と大人のレム睡眠の周期に近づいていきます。

3歳以降で集団生活が始まると、決まった時間に起きなければいけなくなりますが、レム睡眠の周期を把握していないと眠い状態の子供を無理やり起こすことになり、昼間の生活に影響を及ぼしてしまいます。

子供の不規則な睡眠や遅い時間に寝る影響

規則正しい就寝時間を習慣化することで、正しいメラトニン分泌と正しい睡眠周期は持続できるようになります。しかし、メラトニンが効率良く分泌されず、正しい睡眠周期が崩れると子供に以下の影響があります。

不規則な睡眠による子供への影響
・体力を回復できないため、疲れが残ってしまう
・病気を予防する免疫の働きが鈍ってしまう
・ストレスを解消できず、イライラが残ってしまう
・記憶中枢である海馬の発達を妨げてしまう
・成長ホルモンの効果をバランスよく受けられない
・血流が悪くなり代謝が落ちてしまう
など

不規則な睡眠の悪影響があるため、子供には以下のことが起こる可能性があると考えられます。

・発達の遅れ、学習障害、構音障害などにつながる
・落ち着きが無く、行動が衝動的になったり多動になる
・身長が伸びなくなる、体重が増えなくなる
・太りやすくなる
・筋肉量が十分でなく、骨がもろくなってしまう
・抵抗力が弱くなり、病気にかかりやすくなる
・集中力や記憶力を維持できない
・やる気が無くなり、うつ症状が出てしまう

これらは、0-2歳までの子供がお昼寝をしないときに受ける影響と同じです。お昼寝は夜の睡眠の補助のためにするものです。0-2歳ごろの子供にとって1日は長いため、お昼寝を何度か挟んで、規則正しい睡眠リズムを整えなければいけません。

子供の寝る時間が遅くなる場合の対応

共働きやシングルマザー、シングルファザー(シングルファーザー)の家庭、仕事が夜メインの家庭では保育園のお迎えが遅くなり、夜8-9時に子供を寝かせることができない場合もあるでしょう。

家庭環境が違うため、親の努力だけではどうしようもないことはあります。

その場合は、「今日は遅くなってしまった。」「今日は早く寝かせることができた。」ではなく、なるべく子供を同じ時間に寝かせて、同じ時間に起こすようにしましょう。

たとえば、3歳の子を夜11時に寝かせた場合、7-8時間寝かせて朝6-7時に起こします。足りない睡眠は保育園の規則正しいお昼寝で補います。

もちろん、家事の時短・効率化で子供をあと30分早く寝かせる努力は必要です。少しでも就寝時間を早くできるなら、工夫した方が良いと思います。

また、子供を寝かせたい時間にちょうどパパが帰ってきてしまい、子供が興奮して寝れなくなることもあります。

パパも起きている子供と会うと、疲れた体と心が癒やされるとは思いますが、子供の就寝時間近辺に帰宅することは控えましょう。子供の生活リズムを壊して成長を阻害したくはないですよね?

子供の就寝時間が決まっていれば、パパは帰宅時間をずらせます。ママがLINEやメールなどでメッセージを送っておけば、30分は時間を潰せるはずです。

夜のワクワク感もたまにはOK

「お休みの日はお昼寝ばっかり」というママは、子供の就寝時間が毎日バラバラな可能性があります。たとえば、親や子供が休みの前日の夜は、何らかの理由で遅くまで起きていることが予想できます。

このような習慣は早めに修正して、仮にママが土日に夜更かししても、子供はいつもと同じ時間に寝かせ、朝の目覚めは子供に合わせることが理想です。

また、子供が「明日はお休みだから起きてたい!」と言っても、いつもと同じ時間に寝かせ、同じ時間に起こすことが理想です。子供の成長を考えるなら、(仕事以外で)夜が遅い親に子供の就寝時間を合わせたり、子供の一時的なワガママを許してはいけません。

ただ、ごくたまに(うちは1年に1-2回ほど)、子供がどうしても起きていたいと望んだときは、いつもよりも2時間ほど長く起きていることを許す場合もあります。

子供にとって、夜は「大人の時間」という意識があるため、起きているだけでワクワクします。わたしも小学生のころは、夜起きているだけで興奮した記憶があります。

ただ、せめて大人の睡眠のリズムに近づく10歳ごろまでは、子供のために質の良い睡眠と規則正しい就寝・起床を維持できるよう、夜8-9時の就寝時間のコントロールをがんばってみてください。