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運動・スポーツは早いうちに始めるとメリットが大きい
親としては、子供にはできるだけ小さいころから身体を動かすことの楽しさを教え、後の自発的な運動行為につなげてあげたいですよね。
子供が2-3歳ごろから身体を動かすと、その後の運動神経に大きな影響を与える「ゴールデンエイジ理論」、幼児期のスポーツが子供の身体や精神にさまざまな良い影響を与えることを知っているママもいるでしょう。
では、ある程度の年齢(3-5歳ごろ)から始めた方が良い、具体的なスポーツ教室、運動系の習い事はあるのでしょうか。
今回は、わたしの経験から、子供にやらせるとさまざまな良い影響・効果があると思えるおすすめのスポーツ教室・習い事をご紹介したいと思います。
おすすめの運動系習い事1.水泳教室(スイミングスクール)
子供の運動系の習い事で昔から人気が高いのは、水泳教室(スイミングスクール)です。
心肺機能が高まる
ママたちの間でも、水泳は心肺機能を高めるため風邪をひきにくくなったり、基礎体力が上がるという効果は有名ですね。
骨格の負担が少ない
骨格や筋肉の成長度、強度は子供によって違います。そのため、成長期に無理な運動をして骨格を痛める子もいます。スイミングは、水の中で行う全身運動のため、身体への負担が少ないだけでなく、骨格を守る筋肉をバランス良く鍛えられます。
全身の連動した動きが身につく
どのようなスポーツでも運動神経の発達に役立ちますが、スイミングは手足など全身を使わなければ泳ぐことができません。そのため、効率的に全身を連動させて使う動きを覚えられます。
小児喘息に適した運動
運動をすると、小児喘息の発作が起きる子がいます。このような「運動誘発喘息(うんどうゆうはつぜんそく)」に効果が高い運動がスイミングです。
水泳は陸上スポーツに比べて埃の少ない環境で、呼吸が規則正しく、過呼吸になりにくく、横になって行う運動であり、また、水スポーツのため湿度が高いので、気道からの水分の喪失が少なく、運動誘発喘息になりにくいとされています。さらに、1~2ヶ月以上続けることによって、運動能力の向上や気道過敏性の改善がみられます。
もちろん、スイミングで全ての喘息が改善するわけではありませんが、小児喘息の子供に楽しくスポーツをさせる方法として、スイミングは適していると言えます。
水に対する恐怖心がなくなる
3歳までお風呂で頭を洗ったり、シャワーをかけると嫌がっていた娘が、水泳教室に通い始めるとすぐに1人で頭を洗えるようになりました。また、お風呂の中で何秒潜れるかを息子と競うようになりました。
水泳教室(スイミングスクール)の注意点
スイミングで気を付けたいことは、プールに大量の塩素が入っていることです。塩素が身体に良くないことはわかりますね。
一般的には、健康に大きな影響は与えませんが、皮膚が弱い子は皮膚に炎症を起こすことがありますし、アトピー持ちの子は悪化する場合もあります。どちらにしても、プールから出た後は塩素をしっかり洗い流すことが大切です。
また、プール熱、結膜炎、手足口病、ヘルパンギーナ、とびひ、水いぼなど、プールで感染しやすい感染症にも気をつけなければいけません。これらはプール内で感染すると言うよりも、肌の接触やバスタオル、ビート板などを共有した際に感染の原因になります。
おすすめの運動系習い事2.体操教室(体育教室)
体操教室(体育教室)は、幼児期特有の習い事です。水泳教室が近くにない場合は、体操教室がおすすめです。
柔軟性が維持できる
子供は身体が柔らかいものですが、年齢とともに徐々に堅くなっていきます。
体操教室ではまず柔軟体操をきっちり行うため、柔軟性を維持しながらストレッチの基本を覚えられます。柔軟性が維持できれば、大きなケガをしにくくなります。
友達との遊び方の基礎が身につく
教室によって変わりますが、体操教室のプログラムはかけっこ、縄跳び、跳び箱、ボール遊びなど、普段友達と遊ぶような身体の動かし方が基本です。
子供同士の遊びと言っても慣れは大切です。子供に外で元気に走り回って欲しいと思うなら、基本的な運動方法、遊び方を身につけられる体操教室はメリットがあるでしょう。
小学校の体育で役立つ
体操教室では、鉄棒やマット運動、跳び箱、縄跳びなども行うため、小学校に入ってからの体育で役に立ちます。これらの器械体操的な運動が苦手な人もいますね。
リズム感が身につく
体操教室では、音楽や笛などのリズムに合わせて身体を動かすことも教えています。そのため、音に合わせて身体を動かすリズム感も身につけられます。
体操教室(体育教室)の注意点
体操教室で注意することはとくにありませんが、跳び箱や縄跳びなどで擦り傷、出血、骨折など、子供がケガをする要素もあるので覚悟だけはしておきましょう。
年齢を考えると自重が少なく、まだ柔軟性があるため大きなケガは少ないとは思いますが、普段から柔軟体操の大切さを教えておかなければいけません。
また、子供が通う体操教室が、「体操教室」「器械体操」「新体操」のどれなのかを確認してください。もちろん、体操教室に比べると、器械体操や新体操はレクリエーション要素が少なく、専門的な要素が増えるなど、運動の目的が異なります。
おすすめの運動系習い事3.サッカー教室
サッカーは、とくに男の子に人気のスポーツです。子供のサッカー人口も急激に増えていますね。
下半身の強さやスタミナが身につく
サッカーは、走ってボールを蹴るスポーツなので、下半身の強さが身につきます。下半身の強さは、そのまま走ったり、飛んだりなどの子供の基礎運動能力に影響を与えます。
また、サッカーは長い時間走る競技のため、体力も身につきます。
瞬発力・判断力が身につく
サッカーは、常にボールや人が早く動くため、身体の瞬発力や脳の判断力が身につきます。瞬発力や判断力は、今後行うどのスポーツにも必要な大切な要素です。
本格的なスポーツのルールが理解できる
サッカーはスイミングや体操と比べて、ルールが複雑です。つまり、サッカー教室は子供が本格的なスポーツをするうえで、競技としてルールがあることをを覚える基礎になります。
チームとしての協調性が身につく
サッカーはチームスポーツなので、協調性が身につきます。初めは誰もがゴールに快感を覚えますが、そのうち良いパスを出したり、シュートを防ぐことにも重要な役割があると気付くと、より自分の役割とチームプレイの重要性を考えるようになります。
目的に対する向上心が養われる
基本的にボールさえあれば、1人でどこでも(安全な場所なら)練習ができるのもサッカーの良いところです。そのため、うまくなりたい子は1人で練習をすることで、目的に対する向上心が養われます。
パパが協力的になる
今どきのパパなら、サッカーが好きな人は多いでしょう。スイミングスクールや体操教室には積極的じゃなかったパパも、子供のサッカーの試合があれば見に行き、休日はいっしょに練習する風景が見られるかもしれません。
サッカー教室の注意点
サッカーは、人やボールとの接触が多いスポーツです。そのため、子供にケガが増えることは覚悟しましょう。
また、普段は温厚な子でも、お友達と接触してケンカになることもあります。もし子供がケンカをして帰ってきても、どちらが悪いとは決めつけずに、ちゃんと話し合うように促してあげてください。
子供が早く運動を始めるとプロスポーツ選手になれる?
スポーツは、幼児期など早いうちに始めるとメリットが大きいことはわかってもらえたと思いますが、早く始めるほどトップアスリートなど、プロスポーツ選手になれる可能性も高くなるんでしょうか。
子供が早いうちから運動を始めることと、将来のトップアスリートを目指して専門的なスポーツに打ち込むことは全く意味が違います。
プロになるには同じ動作の精度を上げることが重要
専門的なスポーツでプロになるためには、サッカーにしろ、水泳にしろ、野球にしろ、同じ動作の精度を上げることが重要です。そのため、小さいころから反復練習を繰り返すほどプロになれる可能性が高くなる、と考える親がいても不思議ではありません。
ところが、筋肉や骨格がまだ未発達な子供は、専門的なスポーツの繰り返しの動作によって、身体が成熟した成人に比べて怪我をする頻度が高く、身体を痛めてしまう可能性が高いそうです。
「でも、小さい頃からスパルタでプロスポーツ選手になった人はいっぱいいるじゃん。」
たしかにプロスポーツ選手の中には、小さい頃に親からスパルタ教育を受けて大成した人もいて、テレビで取り上げられますね。ただ、同じようにスパルタ教育を受けて、大成できなかった人の方が圧倒的に多いことを無視していないでしょうか。
早くから特定のスポーツだけに取り組むのは避けるべき
早稲田大学スポーツ科学学術院の広瀬統一教授は、早くから専門競技を開始することは科学的な根拠に欠けていると指摘しています。
筋肉や骨格が未発達な子どもは、繰り返しの動作によって障害が引き起こされる可能性が成人に比べて高い。それを回避するには、専門的なトレーニングにかける時間を他の運動に使って、さまざまな部位に負荷を分散させることが有効な手段と考えられます。
(中略)
複数のスポーツ経験は、物の捉え方の幅を広げ、将来に対する的確な見通しを持つ力を養います。この点からも、早くから特定のスポーツの世界に没入してしまうことは避けた方がいいといえるでしょう。
子供に運動をさせるのは、身体を動かす楽しさを伝え、自信を持ってもらい、将来の可能性を広げるためです。決して親が敷いたレールに乗せるためではありません。
まぁ、そもそも親が勘違いしてしまうほど、素人目にわかるほどの素晴らしい才能を持った子はなかなかいないわけですが。