妊婦が虫歯・歯周病になる原因と早産リスク、妊娠中の治療について

投稿日:2019年3月17日 更新日:

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妊娠中は、体重管理や健康管理など注意することがたくさんあります。ところが、虫歯予防や歯周病予防などお口のケアがおろそかになってる人は多いです。

母子手帳と一緒にもらえる妊婦健診の受診券(補助券・受診票)は、妊婦健康診査受診票14枚、その他の検査用受診票2-3枚が一般的ですが、検査用受診票に歯科健康診査が含まれる地域は少なくないです。

なぜなら、妊娠中は虫歯や歯周病が増えるからです。そして、虫歯や歯周病は早産の原因になる可能性があります。

そんな妊婦の虫歯や歯周病の割合は、なんと6割以上……(妊婦歯科検診の受診割合が66.7%のため)。

妊娠してから虫歯や歯周病になった割合

妊娠中の歯科治療は不安?虫歯になる人は多いの?|ベビカム

なぜ妊婦が虫歯になると早産リスクが増すんでしょうか。また、妊娠中に歯の治療をしても大丈夫なんでしょうか。

今回は妊娠中に起きやすいお口のトラブルとその原因、また不安な妊娠中の歯科治療についてお話します。

妊婦の虫歯や歯周病などお口のトラブルの種類

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妊娠中はなぜ歯周病になりやすいの?|Straumann PARTNERS

虫歯

妊娠中はつわりのため、歯磨きがおろそかになりがち。また、口内の病原微生物を殺菌したり、歯の再石灰化を促す唾液の分泌量が減って、唾液の性質が酸性に傾くため口内環境が悪化しがちです。

他にも食べつわりで間食が増えたり、逆流性食道炎の影響で口内が酸性になるなど、妊娠中は普段の何倍も虫歯リスクが高くなります。

妊娠性歯肉炎

妊娠中は女性ホルモン増加の影響で歯周病菌が活性化して、歯茎の腫れや出血が増えます。この妊婦特有の歯茎の腫れや出血を「妊娠性歯肉炎」といいます。

女性ホルモンだけでなく、不十分な歯磨きや不規則な食生活も妊娠性歯肉炎の原因になります。

妊娠性エプーリス

妊娠中は歯茎が赤く腫れ、痛みや出血症状を伴った「妊娠性エプーリス(妊娠性歯肉腫)」という良性の腫瘍ができることがあります。妊娠性エプーリスは、ホルモンバランスの変化で起こります。

妊娠性エプーリス

妊娠性エプーリス【歯科大辞典】

悪性のエプーリスは切除が必要ですが、妊娠性エプーリスの多くは放っておいても出産後に自然に消えます。

ただ、妊娠性エプーリスの痛みで歯磨きがおろそかになると、エプーリスの隙間に汚れが溜まりやすくなります。エプーリスが悪化すると切除が必要になるため、口内を清潔に保つよう心がけましょう。

妊娠性エプーリスとは?治療が要らないって本当?|医療情報メディア【medicommi】

妊娠性歯痛

妊娠性歯痛とは、妊娠初期-中期に起こる妊婦特有の歯痛のことです。原因は、プロゲステロンの作用で神経過敏になるためです。

もし痛みが我慢ができなければ早めに歯医者を受診して、妊婦用の痛み止めを処方してもらいましょう。

口臭

妊娠中に口臭がひどくなる人もいます。妊婦の口臭の原因は以下が考えられます。対策はガムを噛んで唾液量を増やしたり、水をこまめに飲んで口の中を常に潤すなどです。

唾液量の減少(ドライマウス)

妊娠中はホルモンバランスの変化やストレスで唾液分泌量が減り、ドライマウスになります。口の中が乾くと細菌が繁殖して、口臭の原因になります。

また、唾液には口中の食べかすや汚れを洗い流す作用もありますが、唾液量が減ると汚れが残りやすく口臭が強くなります。

歯周病

歯肉炎などの歯周病にかかると「メチルカプタン」という口臭の原因物質が分泌されます。メチルカプタンは野菜が腐ったような強い悪臭を発します。

舌苔(ぜったい)

舌苔とは、口内の粘膜細胞や食べカスが舌の上に溜まり、細菌が繁殖した苔のような汚れのことです。唾液が減って口内の細菌が増えると、舌苔の量が増えて口臭の原因になります。

歯の動揺

妊娠後期にプロゲステロンの作用で骨盤の靭帯がゆるむと、体の各部分でも靭帯がゆるみます。同じく、歯とあごの骨の間の歯根膜という靭帯もゆるんで歯の動揺が起こります

歯の動揺は出産後に元に戻るため心配はいりませんが、素人では原因が判断できないので検査を受けましょう。

妊婦の患者様へ|てらした歯科・小児歯科

妊婦が虫歯や歯周病になりやすい原因

唾液の減少、粘り気

歯や歯茎の健康を守るために、適量の唾液が分泌されることはとても重要です。唾液には、以下のさまざまな働きがあります。

  • 口内の食べ物のかすを洗い流す
  • 虫歯菌によって酸性になった口内を中性に戻す
  • 口内の病原微生物が体内に侵入しないよう殺菌する
  • 食事のたびに溶け出す歯のミネラル成分を補う(再石灰化)など

ところが妊娠中は唾液が減少して、口内の食べかすを洗い流せません。そのため、プラーク(歯垢)が溜まって口の中が酸性に傾き、再石灰化もされないなど口内環境が悪化してしまいます。

唾液の8つの働き/唾液が減ると起こる歯や口への影響|おかざき歯科クリニック

吐きつわり

吐きつわりで嘔吐を繰り返すと、口の中が胃液で酸性に傾いて口内環境が悪化し、虫歯や歯周病が発生しやすくなります。

そんな口内を清潔に保つには、こまめな歯磨が一番なんですが、吐きつわりで気持ち悪いと歯磨きができません。

食べづわり

口内環境を良くするには、歯磨き習慣を徹底することが大切です。ところが、食べづわりになると空腹で胃痛や胸やけが起こるので、1日中食べ続けることになります。

すると、口内は食べかすが付着して汚れた状態になります。

逆流性食道炎

妊娠中期以降は子宮が大きくなって胃が圧迫され、胃酸が逆流して食道が炎症を起こす「逆流性食道炎」が起こりやすい時期です。

胃酸が逆流すると口の中が酸性に傾き、虫歯や歯周病リスクが高まります。

【医師監修】逆流性食道炎とは?妊娠中のつわりとの違いや症状・対策など|マイナビウーマン

歯周病や虫歯による出産・胎児への影響

歯科検診で虫歯や歯周病が見つかったら、早めに治療してください。虫歯や歯周病を放置すると、出産や赤ちゃんに影響を与える可能性があります。

早産になる可能性がある

American Journal of Obstetrics and Gynecology(196:135,2007)によると、7151人の妊婦を対象とした歯周状態と早産・低出生体重児の関係性の研究において、歯周病がある妊婦は歯周病がない妊婦と比較して、早産・低体重児出産の割合が2.83倍、早産児の割合が2.27倍、低体重児出産の割合が4.03倍多いことがわかっています。

早産・低体重児出産に対する歯周病の危険率

歯周病と妊娠|NPO法人日本臨床歯周病学会

また、1996年出版のJournal of Periodontology(67:1103-1113, 1996)には、アルコールや感染症よりも歯周病の方が早産や低体重児出産の可能性が高いことが記されています。

妊婦における早期低体重児出産の危険率

歯周病と妊娠|NPO法人日本臨床歯周病学会

歯周病が早産を引き起こす理由は、子宮の収縮を促したり炎症を抑える作用のある「プロスタグランジン」という物質が分泌されるためです。

プロスタグランジンは出産が近付くと分泌され、子宮収縮と子宮頸管の熟化を促します。ところが歯周病があると、炎症を抑えるために出産より早くプロスタグランジンが分泌されます。

つまり、虫歯や歯周病があると正産期前でも分娩時と同じように子宮収縮が起こりやすくなり、早産を引き起こす可能性が高まるんです。

妊娠中はなぜ歯周病になりやすいの?|Straumann PARTNERS

赤ちゃんに虫歯がうつる

赤ちゃんの口内にはもともと虫歯菌はいません。虫歯ができる原因は、家族との食器の共有やつばが飛ぶなどの「接触感染」のためです。

口内に定着する菌はある程度決まっていて、1歳7か月-2歳7か月までに虫歯菌の感染が多いと虫歯になりやすい口内環境ができてしまいます。赤ちゃんを虫歯菌から隔離するのは不可能なので、感染機会を少なくして感染時期を遅らせることが重要です。

親子のスキンシップは大切ですが、虫歯菌の感染リスクにもつながります。そのため、なるべく妊娠前・妊娠中に虫歯を治療する必要があります。

赤ちゃんの歯が生える時期に母親が注意すべき3つのこと|おかざき歯科クリニック

妊婦が歯科検診に行く時期、治療の注意点

普段から歯の健康に自信がある人も、つわり時期を過ぎたらまずは歯科検診に行き、口内環境を把握しましょう。

歯科検診の時期が遅くなると仰向けがつらくなりますし、治療に時間がかかると早産リスクが増すため、妊娠4-5か月ごろの受診が良いですね。

検査で異常が見つかったら、当然治療が必要です。歯周病の妊婦は健康な妊婦と比較して、早産・低体重児出産の割合が2.83倍、早産児の割合が2.27倍、低体重児出産の割合が4.03倍にもなります。

早産・低体重児出産に対する歯周病の危険率

歯周病と妊娠|NPO法人日本臨床歯周病学会

歯科検診で虫歯や歯周病が見つかって治療が必要な場合は、安定期に入った妊娠5か月以降に治療を行います。ただ、妊娠中に麻酔やレントゲンなどを行って赤ちゃんに影響がないか心配になる人もいると思います。

レントゲン撮影

レントゲンの撮影部分は口だけで、撮影時は専用のエプロンを着用する対策もとられるため、赤ちゃんに放射線が当たることはありません。

妊娠中のレントゲン撮影は、腹部に防護エプロンを着けて行うことから、胎児が被爆する心配はほとんどないとされています。
さらにデジタルレントゲンの場合、フィルムを使うレントゲンに比べ放射線量が約10分の1程度なので、より危険性が低くなります。

妊娠中でも歯医者さんに行っていいの?妊婦の虫歯治療とその方法|EPARK歯科

虫歯治療

虫歯を削ったり、詰め物をすることで赤ちゃんに影響が出ることはありません。

麻酔

神経や歯を抜く際は麻酔が使われます。麻酔は低濃度の局所麻酔なので、赤ちゃんに届いても影響はありません。

ただし、胎盤が形成される妊娠12週までは薬剤の影響をうけやすいため、治療はそれ以降に行われます。また、親知らずの抜歯は負担が大きい治療なので、妊娠中は行わないことが多いようです。

妊娠中の歯科治療は、安全か? | 原田歯科医院

抗生剤、鎮痛剤

治療後に処方される抗生剤や鎮痛剤も妊娠12週までは避けた方が安心です。また、抗生剤や鎮痛剤は妊娠中に使用できない種類もあります。

妊娠中の抗生剤

抗生剤はセフェム系、ペニシリン系、マクロライド系、クリンダマイシンは安全と考えられています。アミノグリコシド系、メトロニダゾール、ST合剤、グリコペプチド系は使用に注意が必要です。また、テトラサイクリン系、ニューキノロン系は、妊娠中は禁忌とされています。

日本化学療法学会雑誌第65巻第1号

妊娠中の鎮痛剤

鎮痛剤で有名なボルタレン(ジクロフェナク)は死産の報告例があり、ロキソニン(ロキソプロフェン)もその可能性が報告されているため、妊娠中は禁忌です。

医療従事者のための医療安全対策マニュアル|日本医師会

薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会 議事録(2014年11月14日)

比較的安全な鎮痛剤はカロナール(アセトアミノフェン)で、妊娠中は大抵この薬が処方されます。妊娠中は市販薬を使わずに、適切な薬を処方してもらいましょう。

妊娠中の虫歯・歯周病を予防するには

自分でできる虫歯・歯周病予防はこまめに歯を磨いたり、口内の乾燥を防ぐことです。ただし、つわりが辛いときは無理せず、体調の良いときにこまめに歯を磨いてください。

常に水で口を潤す

口内が乾燥すると細菌が繁殖しやすくなるため、定期的に水分で潤しましょう。口を潤すと口臭予防にもなります。ペットボトルやマグボトルで水を持ち歩くと楽ですよ。

キシリトールガムを噛む

キシリトールガムを噛んで唾液を分泌しましょう。キシリトールはプラークや酸の発生を抑えるだけでなく、歯の再石灰化を促進して虫歯の進行を防ぐ働きがあります。

キシリトールの基礎知識|日本フィンランドむし歯予防研究会

スーパーで見かけるものではなく高濃度キシリトール配合の歯科用ガムを選んでください。以下は、歯科用で100%のキシリトールが配合されています。

専用の歯磨き粉を使う

口内環境が悪いと、口を潤していても、キシリトールガムを噛んでいても、歯磨きをしていても虫歯を繰り返します。虫歯体質を改善するには、口内環境の改善が必要なんです。

そこでブリス菌という善玉菌を配合した口内環境を改善する歯磨き粉「ペリオン」で歯を磨いてください。ブリス菌は口内環境を根本から改善し、虫歯ができにくい環境を作る作用があります。

ペリオンは、殺菌剤、発泡剤、界面活性剤、研磨剤、合成着色料、保存料、添加物、酸化防止剤などを使ってないため、妊娠中でも安心して使えます。

値段はAmazonだと6800円、公式サイトだと税込4054円+送料611円です。公式サイトは60日間の返金保証もあるので、公式サイトから購入した方が圧倒的にお得です。

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歯周・口臭予防歯磨き粉『大人用ブリアン』

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妊娠中に虫歯や歯周病があったとしても、「もう少しあとにしようかな……。」「出産が終わってからでもいいよね……。」など治療に不安を感じる人は多いです。

ただ、治療の開始が遅れて妊娠後期に入ると、お腹が大きくなり仰向けが苦しくなります。また、出産前の虫歯や歯周病は、早産になる可能性があるため、ためらわずに治療してください。

わたしの場合は虫歯の数が多かったため(10本以上)治療時間も長くなり、妊娠後期にかかってしまいました。

ただでさえ、大きなお腹で長時間診察台に横になるのは辛いのに、緊張が伝わるのか治療中も元気にお腹で暴れるうちの子……。治療の痛みとお腹を蹴る痛みに耐えながら、「早く終わって!」とひたすら祈っていました(^_^;)

妊婦にとって早期のデンタルケアはとても大切です。安全に治療するため、安全に出産するため、早めの歯科検診と適切な時期の治療を受けてください。

どちらにしても、これから赤ちゃんが生まれる家庭はママだけじゃなく、家族全員が口内環境を改善した方が良いですよ。

まーさ
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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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