妊娠・出産

初産婦と経産婦の妊娠症状、分娩時間や痛み、産後の経過の違い

投稿日:2018年12月9日 更新日:

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※本記事はライター寄稿記事を一部修正したものです

1人目と2人目で妊娠・出産は変わる?

みなさんは、「初産 痛み」「初産 時間」「つわり どれくらい」などの言葉で検索をしてみたことはないでしょうか。

女性が初めて妊娠を経験すると、1度は検索する言葉だと思います。

妊娠したばかりの妊婦は、つわりがどれくらい辛いのかに不安を覚えたり、出産を控えた妊婦は陣痛や産痛などの痛み、分娩にかかる時間などを想像して、怖さを感じるものです。

明日に予防注射を控えた子供が泣いたり、ぐずったりするのを見ると、逃げ出したかった当時の気持ちと重なる気がします。

では、2人目、3人目を妊娠・出産するときは、1人目よりも楽になるのでしょうか。それとも、より辛くなるのでしょうか。

一般的に、初産婦に比べて、経産婦の方が分娩の進行が早い傾向があります。そのため、妊娠中、出産中、産後で初産婦と経産婦には違いがあります。

そこで今回は、妊娠中、出産中、産後の症状や身体の変化について、初産婦と経産婦にどんな違いがあるのかお話したいと思います。

初産婦と経産婦の意味

初産婦と経産婦の意味は以下の通りです。

初産婦と経産婦の意味
初産婦|妊娠22週以降の分娩を初めて経験する女性
経産婦|妊娠22週以降の分娩を1回以上経験した女性

初産婦と経産婦はどちらも妊娠22週が区切りになっていて、妊娠22週以前だと「流産」、妊娠22-37週に産まれることを「早産」と言いますね。

妊娠22週が区切りの理由は、胎児に十分な哺乳機能、呼吸機能、体温調節機能が備わっていなくても、妊娠22週過ぎには母体外でも未熟児医療を受けることで生存できる可能性があるためです。

死産と流産の明確な違い・定義は?死産届の手続きと必要書類

ちなみに、妊娠を経験した女性は「初妊婦」、1回以上の妊娠を経験した女性は「経妊婦」と言います。

初産婦と経産婦の違い1.つわりなど妊娠症状

1.つわりの重さ

経産婦は、初産婦に比べてつわりが重くなる傾向があります。

つわりは全妊婦の50~80%に発症するが,妊娠悪阻の頻度は全妊婦の0.1%前後といわれる.また,経産婦より初産婦にその頻度は多いとされているが,重症化するものは経産婦に多い.

妊娠悪阻にまつわる諸問題|日本産科婦人科学会

しかし、つわり症状は個人差が大きいものです。2人目の方がつわりが重かった人もいれば軽い人もいますし、1人目は食べつわりで2人目は吐きつわりという人もいます。1人目と2人目でつわりの症状が違うと不安に感じるかもしれませんが、症状は妊娠によって変わります。

ただし、つわりがひどくなると妊娠悪阻(重症妊娠悪阻)と診断され、入院などの措置が必要になる事もあります。以下で症状を確認して、早めに受診するようにしましょう。

2.お腹の大きさ

経産婦は、初産婦に比べてお腹が大きくなるのが早い傾向があります。

お腹の大きさと妊娠時期の関係には個人差がありますが、お腹の大きさが目立ってくるのは妊娠5-6か月ごろからです。

経産婦の方がお腹が大きくなるのが早いのは、出産で1度伸びた子宮や腹壁(お腹の皮や筋肉など)が伸長しやすいためです。一方、初産婦は子宮や腹壁が硬く、経産婦に比べて皮膚の突っ張りを感じることがあります。

また、経産婦は子宮・お腹が大きくなりやすいため、赤ちゃんの成長が阻害されず、2人目以降は1人目よりも大きく育つ傾向もあります。

【妊娠出産のウソ&ホント】2人目のほうが大きい赤ちゃんが産まれるってホント?|「マイナビウーマン」

3.胎動の感じやすさ

経産婦は妊娠・出産を経験しているため、初産婦に比べて胎動に早く気づく人が多い傾向があります。

胎動は一般的に妊娠20週前に始まりますが、早い子で妊娠14-16週過ぎ、遅い子で妊娠24週まで胎動しない赤ちゃんもいます。

わたしは妊娠18週ごろに初めて胎動を感じましたが、初めは自分の腸の動き?だと思っていました。頻繁に足の付け根あたりの「ぽこぽこ」が続いたため、やっと胎動だと気づきました。

本当にかすかな感覚でしたが、もしかしたらもっと早くから胎動があったのかもしれません。胎動があると、ちゃんと赤ちゃんが育ってくれているのだと実感できますね。

初産婦と経産婦の違い2.出産前後の痛み

1.陣痛の痛み

基本的には、初産婦も経産婦も陣痛の痛みの強さに違いはありあません。

ただし、初産婦は経産婦に比べて陣痛時間が長いため、痛みが強いと感じるかもしれません。また、初めての出産で感じる恐怖心や緊張によって、痛みを強く感じたり陣痛時間が長引く可能性もあります。

わたしも呼吸に集中して痛みを逃す「ソフロロジー法」という呼吸法を実践していましたが、初産の陣痛の発作中は目をつぶって全身に力が入りがちでした。

そのため、分娩中は助産師さんに声をかけてもらい、深呼吸しながら、なるべく呼吸を止めないように心がけました。たしかに、呼吸を止めているよりも、呼吸法を意識した方が痛みは軽減しました。

また、呼吸法によってリラックスして出産に臨むことで、副交感神経が優位になり血行が促進されます。そのため、筋肉の緊張がとれて産痛の緩和につながります。

妊娠中の呼吸・代謝機能の変化について

ちなみに、呼吸を止めていきむ(バルサルバ法)と赤ちゃんに供給される酸素量が減ってしまい、何らかの影響が出る場合もあります。そのため、陣痛の発作中も息を止めないように気をつけましょう。

※バルサルバ法とは、いきむ動作で呼吸が止まり、筋緊張が起こることで普段より筋力が発揮できる生理的な現象のこと

RQ8 バルサルバ法の適応は?|日本医療機能評価機構

2.分娩の痛み

経産婦は、初産婦に比べて分娩の痛みを感じやすい傾向があります。

陣痛と分娩の痛み(産痛)は別物です。分娩時に感じる痛みは、以下の4つが関連しています。

・児の体重
・産道の広さ
・子宮口の硬さ(分娩第1期)
・軟産道、会陰部の硬さ(分娩第2期)

経産婦は出産経験があるため、軟産道(子宮頸部・子宮下部・膣・外陰部の一部)が伸展して柔らかくなっており、筋肉などの伸展の痛みが軽減されます。また、伸展があるため、陣痛~分娩が初産婦よりも短時間で済みます。

産痛に影響を及ぼす要因いついて|久保田産婦人科麻酔科医院

3.後陣痛の痛み

経産婦は、初産婦に比べて後陣痛の痛みを感じやすい傾向があります。後陣痛とは、出産後に子宮が元の大きさに戻るときに感じる強い生理痛のような痛みのことです。

経産婦の方が後陣痛の痛みが強い理由は、経産婦の子宮は伸展して柔らかい状態のため、元の大きさに戻るときにより強い収縮が起きることによります。

初産婦と経産婦の違い3.分娩にかかる時間

分娩の流れは、以下の3つに分けられます。分娩にかかる時間は、初産婦の方が経産婦よりも長く、約2倍かかります。「後陣痛の痛み」で話した通り、経産婦の軟産道は柔らかいため、一般的に初産婦よりもお産がスムーズに進みます。

分娩の3つの期間
分娩第1期(開口期)……分娩開始から子宮口全開大まで
分娩第2期(娩出期)……子宮口全開大から胎児娩出まで
分娩第3期(後産期)……胎児娩出から子宮内容物娩出まで

1.本陣痛から子宮口全開大までの時間

本陣痛から子宮口全開大までの時間
初産婦|10-12時間
経産婦|5-6時間

赤ちゃんの回転と陣痛によって、赤ちゃんが骨盤に降りてくる(第一回旋)と子宮口が開いていきます。分娩は子宮口全開までが長丁場ですが、経産婦の子宮口全開までの時間が短いのは、初産婦に比べて子宮口が柔らかいためです。

2.子宮口全開大から胎児娩出までの時間

子宮口全開大から胎児娩出までの時間
初産婦|11-14時間
経産婦|5時間30分-7時間

子宮口全開大すると、赤ちゃんが出てくるまでもう一息です。初産婦と経産婦において、子宮口全開大から胎児娩出までの時間差はあまりなく、30分程度です。

3.胎児娩出から子宮内容物娩出までの時間

胎児娩出から子宮内容物娩出までの時間
初産婦|15-30分
経産婦|10-20分

赤ちゃんが生まれると後産が起こり、しばらくして胎盤などの子宮内容物が娩出されます。こちらも経産婦の方が時間は短くなりますが、それほど差はありません。

初産婦と経産婦の違い4.産後の回復

経産婦は、初産婦に比べて出産後の回復が早い傾向があります。また、その影響で痛みが強くなる傾向もあります。

初産婦よりも大きくなった経産婦のお腹(子宮)は、出産後に元の大きさに戻る力が強いため、子宮収縮も強くなります。このときに感じる子宮の収縮を子宮復古と言います。

後産で胎盤が娩出されると、脳の下垂体後葉からオキシトシンが分泌されます。オキシトシンは子宮収縮を促す作用をし、6-8週間ほどかけて元の大きさに戻ろうとします。

わたしの初産の後陣痛は生理痛程度でしたが、授乳中は強く痛みを感じました。母乳生成を促進する女性ホルモンはプロラクチンですが、母乳を射出にはオキシトシンが乳腺の筋肉を収縮させる必要があります。そして、授乳をするとよりプロラクチンが増え、それに伴ってオキシトシンの量も増えます。そのため、痛みを強く感じたのでしょう。

人によって痛みの感じ方や時期の違いはあるため、後陣痛が辛くて睡眠が十分に取れなかったり、授乳がままならないようなら、医師に鎮痛剤の処方を相談してください。

初産婦と経産婦は気持ちの余裕も違う

初めての出産は、不安や痛みに対する恐怖心から緊張しやすい状況です。

緊張によって身体がこわばってしまうと、筋肉が固まってしまうだけでなく、陣痛時にタイミング良くいきめず分娩時間が伸びてしまいます。

一方、経産婦は軟産道が柔らかく、分娩時間が短いため痛みを感じる時間も短くなります。その分体力も消耗しないため、初産婦に比べて心にも余裕が生まれるかもしれません。

痛みが怖い場合は、ラマーズ法やソフロロジー法などの呼吸法を練習をする対策もあります。陣痛の発作中は呼吸法で痛みを紛らわせ、発作が治まっている間は身体をリラックスさせましょう。

ただし、経産婦は後陣痛が強く、人によっては陣痛や産痛よりも痛みが強い場合もあるため、初産婦にしろ経産婦にしろ、ある程度心の準備は必要です。

「初めての出産がどんなものなのか?」「何が起こるか分からないから不安。」という人は、出産経験がある友人に話を聞いたり、出産・育児本で流れを学んでシュミレーションしてみてください。


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