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ママの胎内音にはリラックス効果がある
赤ちゃんは、ママの胎内環境に近い状態を作ってあげれば、眠りやすくなる・泣き止みやすくなるということを聞いたことがあると思います。
出産後の赤ちゃんは、守られていた胎内とは違い、周囲の環境全てにストレスを感じています。そのため、赤ちゃんがママの胎内にいたころの環境を再現することでリラックスできます。
ママの胎内環境を作る代表的な方法は、赤ちゃんが聞いていた胎内音を聞かせることです。赤ちゃんの聴覚は胎児のころから発達しており、妊娠20週ごろから周囲の音が聞こえています。
では、胎内にいる赤ちゃんには、具体的にどのような音が聞こえているのでしょうか。また、なぜ赤ちゃんは、胎内音で落ち着くことができるのでしょうか。
今回は、ママの胎内音がどのような音なのか、なぜ赤ちゃんにリラックス効果があるのかというお話しをしたいと思います。
ママの胎内で聞こえる音とは
まず、赤ちゃんがママの胎内で一番聞こえる音は、血管の中を血液が流れる「ざーーー」という血流の音です。これは妊娠18-20週ごろから聞こえ始めます。
さらに、血流の音に混じってさまざまな雑音も聞こえます。たとえば心臓の「ドクンドクン」という音、羊水の中で動いたときの「ゴボゴボ」という音などです。
そして、妊娠28-30週を過ぎてからは、お腹の外の音が聞こえるようになります。ただし、血流の音に混じってこもった感じの音になります。イメージは、水中から聞こえる外の音です。
それでも、ママの声は胎内に響いて聞こえてくるため、外から聞こえる音に比べるとクリアに聞こえるようです。これが赤ちゃんがママの声でリラックスができる理由です。
さて、このようにメインで聞こえてくる血流の「ざーーー」という音のことを「ピンクノイズ」と言います。このピンクノイズが、赤ちゃんに胎内の記憶を思い出させ、リラックス効果があると言われています。
「ピンクノイズ?ホワイトノイズじゃなかったっけ?」
「あれ?血流じゃなくて心臓の音じゃなかったっけ?」
ホワイトノイズとピンクノイズの違い
ホワイトノイズとは
ホワイトノイズとは、波長が一定の雑音のことです。ホワイトノイズは、よくテレビの砂嵐の「シャーーー」という音でイメージします。ホワイトノイズの周波数は、どの部分を聞いても均一で、波長にすると下図のようになります。
ピンクノイズとは
ホワイトノイズに対してピンクノイズとは、波長にある程度規則性がある雑音のことを言います。ピンクノイズの音の特徴は「1/fゆらぎ」と言われます。周波数は「1/fゆらぎ」であるため、下図のようにホワイトノイズとは違う波長になります。
波長が大きく変わるのではなくゆったりと変化していて、不規則さと規則性が調和するため、自然で心地良く聞ける音が「ピンクノイズ」、そしてこのリズムが「1/fゆらぎ」というわけです。
注意ピンクノイズの他にも、ブラウンノイズ、ブルーノイズ、パープルノイズなどがあるそうです。専門家ではないので雰囲気でしかわかりません。
この「1/fゆらぎ」は川のせせらぎやそよ風のような自然現象のリズムに似ていて、血流の音も含まれます。血流は一定の速さで流れるわけではありません。ゆるやかに速さが変わり、これが自然な心地良さを生み出します。
心臓の音はピンクノイズ?
赤ちゃんが聞くメインの音は血流ですが、混じって「ドクンドクン」というママの心臓の音もします。心臓の音もリラックス効果があると言われますが、これも「1/fゆらぎ」なのでしょうか。
もちろん、心臓の音も「1/fゆらぎ」があるピンクノイズです。なぜなら、血流を生み出しているのは心臓の鼓動だからです。そのため、「心臓の音を聞くとリラックス効果がある」と言われるのだと思います。
ママが赤ちゃんに血流の音を聞かせるには、それなりの用意をしなければいけませんが、心臓の音であれば、赤ちゃんの耳をママの心臓の近くに持ってくれば聞かせることはできます。
ピンクノイズ・ホワイトノイズを試す
ちなみにホワイトノイズはこのような音です。
そしてピンクノイズはこのような音です。
ピンクノイズとホワイトノイズ違いがわかるでしょうか……。違うものだと思って聞けば何となく違う気もします……(^_^;)
また、スマホアプリにも、ピンクノイズやホワイトノイズを聞けるものがあるため、赤ちゃんに試してみたいママは使ってみてください。iPhone/Androidどちらにもたくさんあると思います。
ピンクノイズの効果は?
このピンクノイズを使えば、どんな赤ちゃんでも完全に落ち着かせ、泣き止み、すぐにぐっすり眠ってしまう…………というスペシャルなものではありません。
相手は機械ではなく人間なので、赤ちゃんの気分や体調、環境で効果が変わるのは仕方がありません。もちろん、体調・環境などに関係なく、ピンクノイズを聞かせても効果がない赤ちゃんもいます。
どちらにしても、ピンクノイズは赤ちゃんに効く万能薬ではないので、赤ちゃんをあやすアイテム、睡眠のお供にするアイテムの1つ程度のイメージで試してみるのが良いでしょう。
ママの胎内環境を再現する方法は、ピンクノイズだけではありません。胎内の暗い環境、暖かく包まれる感覚、自然の揺れなど、他の要素も含めて、赤ちゃんをリラックスさせてあげてください。
それにしても、赤ちゃんが妊娠28週ごろから外の音が聞こえるというのはすごいですね。通りでママやパパが呼びかけると、お腹を痛いくらいボンボン蹴ってくるわけです……。
一説によると、お腹の中にいたときの「胎内記憶」は、3割の子が覚えていると言います。そのため、あんまり変なことを言わないように、気を付けないといけないですね(^_^;)