妊娠・出産

排卵日は妊娠する確率が高い?20代・30代の日別の妊娠率の違い

投稿日:2018年12月26日 更新日:

lazy_placeholder

記事の読了時間は約 5 分です。

排卵日は妊娠しやすい?

みなさんは、1番妊娠しやすい時期・タイミングがいつだかわかりますか。

「妊娠の始まりは精子と卵子が受精することだから、出会う確率が高い排卵日に性交したら妊娠しやすいはず!」

と考える人は少なくないでしょう。わたしもそう思っていました。たしかに、排卵日当日に妊娠に至ることもありますが、けっして確率が高いわけではありません。

Human Reproductionに掲載されたDavid B. Dunsonのレポートによると、排卵日に性交をした男女の妊娠率は、どの年代においても全体の10%未満しかありません。むしろ、排卵日の2日前の方が飛び抜けて妊娠率が高くなっています。

lazy_placeholder

「排卵日にセックスしなきゃ」はウソ? 出産ジャーナリストが教える新常識|ウートピ

不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」|講談社ブルーバックス

なぜ排卵日に性交をしても、妊娠率は高くないのでしょうか。また、排卵日2日前の妊娠率が高いのはなぜでしょうか。

今回は、排卵日と妊娠率の関係についてお話したいと思います。

卵子の寿命と精子の寿命

「排卵日当日の妊娠率が低いこと」「排卵日2日前の妊娠率が高いこと」には、精子・卵子の寿命と受精可能時間が大きく関わっています。

一般社団法人日本生殖医学会|一般のみなさまへ - 不妊症Q&A:Q1. 妊娠はどのように成立するのですか?

コラム|豊島区南長崎の産婦人科、内科、不妊治療、 小川クリニック|page2

1.卵子の寿命と受精可能時間

年齢や環境によっても異なりますが、卵子の平均寿命は排卵から12-24時間ほどです。

ところが、卵子の12-24時間の寿命の間はいつでも受精できるわけではなく、「排卵から5-6時間ほど」しか受精することができません。この時間のことを「受精可能時間」と言います。

2.精子の寿命と受精可能時間

一方、精子の寿命は3-7日と比較的長めですが、やはり卵子と同じように受精可能時間があります。精子の受精可能時間は「射精6時間後からの36時間ほど」です。

精子は、射精後すぐに受精できるわけではありません。射精してすぐの精子はほどんど動かず、6時間ほど経過してようやく動きだします。そのため、最初の6時間は受精可能時間に含まれません。

妊娠の可能性があるのは約7日

先程の精子と卵子の寿命、受精可能時間を視覚化すると以下のようになります。

精子の平均寿命|排卵から12-24時間ほど
受精可能時間|排卵から5-6時間ほど

卵子の平均寿命|射精から3-7日ほど
受精可能時間|射精6時間後からの36時間ほど

lazy_placeholder

この卵子と精子の受精可能時間がかみ合わなければ、妊娠には至りません。もちろん、それぞれの受精可能時間にはズレが生じるため、妊娠の可能性がある日は一定ではありません。

Dr.Wilcoxの論文によると、妊娠の可能性があるのは排卵前の6日間と排卵後の1日間の計7日間に性交した場合で、それ以外のタイミングで妊娠をした記録はゼロです。

まず、排卵の6日前以前に性交をした場合、36時間という精子の受精可能時間を過ぎてから排卵が起こることになります。逆に排卵1日後以降に性交をすると、6時間という卵子の受精可能時間を過ぎてしまいます。

どちらにしても、妊娠をするためには、タイミングが大切だということが理解できると思います。

松林 秀彦 (生殖医療専門医)のブログ

Wilcox AJ et.al. Human Reproduction 13: 394–397, 1998

排卵日前後で妊娠する確率

排卵前の6日間と排卵後の1日間それぞれの妊娠率はどれくらいなのでしょうか。David B. Dunsonのレポートのグラフから、おおよその数値を出すと以下のようになります。

6日前5日前4日前3日前2日前1日前排卵日1日後
19-26歳3%8%25%28%53%30%10%2%
27-29歳3%8%20%22%40%25%8%2%
30-34歳3%8%20%22%33%25%10%2%
35-39歳3%6%15%18%27%20%8%2%

もっとも妊娠しやすい19-26歳において、排卵日2日前の妊娠率は50%以上あり、他の日より妊娠率が高いことは明らかです。妊娠率が下がる35歳以上でも、排卵日の2日前であれば30%近い人が妊娠できています。

次に確率が高いのは「排卵日の3日前」と「排卵日の前日」で、20-30%ほどです。一方、排卵日当日の妊娠率は10%ほどしかありません。

前述した通り、精子は射精後6時間経たないと動き出しません。それに対して卵子の受精可能時間は6時間しかないため、精子が動き出すころには卵子の受精可能時間が過ぎてしまっていることになります。

排卵前の方が妊娠率が高い理由

妊娠するためには、タイミングの他にもう1つ重要な要素があります。それは卵子の質です。卵子は時間が経つと老化します。卵子の老化には、「卵巣内での老化」と「排卵後の老化」があり、とくに排卵後の卵子は急速に老化が進みます。

卵子の老化は妊娠率だけでなく、妊娠した後の流産率にも影響します。年齢が上がるほど流産率が高くなるのは、卵巣内で卵子の老化が進み、染色体異常を持つ卵子の割合が高くなるからです。

人は23対(46本)の染色体を持っており、卵子が減数分裂(染色体を半分ずつに分ける分裂)する際、本来は23本ずつ分かれるものが、老化の影響で減数分裂に失敗することがあります。

妊娠しやすい時期・正しいタイミング法|All About

染色体が45本(モノソミー)、47本(トリソミー)など均等に分かれなかった卵子が受精した場合、多くは染色体異常として流産にいたります。ちなみに、Dr.Wilcoxの論文には、妊娠6週までにその80%が淘汰されるというデータもあります。

lazy_placeholder

卵子の老化|浅田レディースクリニック

このように、妊娠における卵子の質はとても重要です。そのため、排卵後は卵子がまだ新しい内に速やかに受精させることが大切であり、その適切なタイミングが排卵日の2日前ということになるのです。

注意卵子と同じように、精子も老化することで妊娠率が下がり、流産の確率が上がる要素になります。

妊娠は回数を重ねることが大切

これまで排卵日当日をピンポイントで狙っていた人にとっては、排卵日当日と排卵日2日前の妊娠率が4-5倍も違うことを知るとショックを受けるかもしれません。

ただ、たとえ排卵日当日の性交だとしても、妊娠するために無駄なことをしているわけではありません。なぜなら、ぴったり正確な排卵日を知ることはとても難しいことだからです。

わたしたちが妊娠のためにすることは、受精可能な状態の精子が卵子を待ち受ける状態を作り出すことです。そのためには、排卵日2日前に照準を合わせて1度だけ性交すれば良いかというとそうではありません。

当然、排卵前に複数回性交すれば、精子と卵子のタイミングが合う可能性は高まり、妊娠率もアップします。

アメリカで行われた調査では、1日毎に性交を行うカップルは周期あたりの妊娠率が33%と高く、週1回になると妊娠率は15%まで落ちるという結果が出ています。

Optimizing natural fertility: a committee opinion. Fertil Steril. 2013;100:631-7

少しでも妊娠の可能性を高くするためには、何度も回数を重ねることが大切です。できれば排卵日の6日前から36-48時間ごとに性交をして、積極的に受精確率を上げるようにしましょう。


-妊娠・出産

Copyright© 育児ログ , 2019 All Rights Reserved.