30-40代の妊娠・出産リスクは?妊産婦死亡原因と死亡率・人数の推移

投稿日:2016年6月28日 更新日:

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妊産婦死亡率(にんさんぷしぼうりつ)とは

妊産婦死亡とは、妊娠中および妊娠終了後満42日未満の間に妊娠・出産に関連する病気(産褥感染症など)が原因で死亡してしまった妊婦のことを言い、妊婦10万人中の死亡割合のことを「妊産婦死亡率」と言います。

妊娠中および妊娠終了後満42日未満の間であっても、妊娠とは関係ない病気や事故などによる死亡は妊産婦死亡に含みません。

妊娠した妊婦が第一に考えることは、お腹の中の赤ちゃんが順調に育っているか、赤ちゃんに万が一のことがないかどうかだと思います。

ただ、重くなっていく身体、お腹や腰の痛み、そして陣痛や分娩に対する恐怖から、「もし、わたしに何かあったらどうしよう……。」という考えが頭をよぎりますよね。

今は妊娠・出産年齢も上がっていますが、年をとるごとに母体リスクが高くなるという話を聞いて、不安を募らせている人も多いでしょう。

そこで今回は、妊婦の身に起こる妊産婦死亡の原因と妊産婦死亡率の推移についてお話したいと思います。

日本の妊産婦死亡率の推移

ドラマを見たり本を読んでいると、妊婦が出産で命を落とすシーンを割と見ます。そのため、妊婦が出産で死んでしまう危険性は高いとイメージしてしまいがちです。

もちろん、妊娠・出産による危険性がゼロではないため、怖いことは怖いのですが、昔に比べると妊産婦死亡数は圧倒的に減っています。

昔は「出産は命がけの行為」だと言われていましたが、医療の発達によって命を落とす妊婦は減りました。妊婦死亡率は0.003%程度です。

わが国の妊産婦死亡率(出産10万対)の年次推移

わが国の妊産婦死亡率(出産10万対)の年次推移|厚生労働省

上グラフは統計を開始した1899年から2007年までの妊産婦死亡率ですが、1899年に10万人中409.8人(0.41%)の妊産婦死亡率が、2007年には10万人中3.1人(0.003%)にまで減少しています。

医療技術の進歩により、妊産婦死亡率は世界全体で減少しています。以下を見てわかる通り、妊産婦死亡率が低い国は、10万人中3-5人前後の数字に収まっています。

2011年妊産婦死亡率の国際比較

平成22‐24年妊産婦死亡症例検討実施83事例のまとめ|日本産婦人科医会

日本の妊産婦死亡率も世界トップクラスの低さで、2007年が10万人中3.1人、2008年が3.5人、2009年が4.8人、2010年が4.1人、2011年が3.8人、2012年が4.0人、2013年が3.4人となっています。

もちろん、最終的にはゼロになって欲しいのですが、日本の2007-2013年の妊産婦死亡率の推移を見てわかる通り、これ以上劇的に減少させることは難しいようです。

妊産婦死亡の人数と原因

妊産婦死亡の原因は、「直接産科的死亡(ちょくせつさんかてきしぼう)」と「間接産科的死亡(かんせつさんかてきしぼう)」と、その他に分かれます。

直接産科的死亡とは妊娠・出産行為自体が原因の死亡のことで、間接産科的死亡とは妊娠前の病気や障害が妊娠・出産行為で悪化した死亡を言います。その他は事故や原因不明です。

日本産婦人科医会によると、妊産婦死亡の内訳は直接産科的死亡が63%、間接産科的死亡が32%、その他が5%となっています。

また、厚生労働省が発表した「平成26年人口動態統計」によると、妊婦の直接産科的死亡、間接産科的死亡、その他による死亡の数は近年以下のように推移しています。

2010年2011年2012年2013年
総数45人41人42人36人
直接産科的死亡34人26人35人28人
 子宮外妊娠(異所性妊娠)3人2人-1人
 高血圧性障害2人3人8人8人
 胎盤早期剥離4人3人4人1人
 分娩前出血----
 分娩後出血3人4人3人7人
 産科的塞栓症11人9人11人4人
 その他の直接産科的死亡11人5人9人7人
間接産科的死亡11人15人7人8人
原因不明の産科的死亡----
産科的破傷風----
ヒト免疫不全ウイルス病----

日本の出生数は、ここ10年ほど100-110万人前後を推移していますが、この表を見てわかる通り、妊産婦死亡数も年間40人前後から大きく上下していません。

前述した通り、元々妊婦が持っている病気や遺伝的に患う病気、また防ぎきれない分娩時の事故などを考えると、やはりこれ以上妊産婦死亡数を減らすことはなかなか難しいようです。

もう1つ違うデータを見てみましょう。

妊産婦死亡数と年齢の関係性

以下は、日本産婦人科医会が発表した「年齢と妊産婦死亡数の関係」を表したグラフです。

母の年齢別の妊産婦死亡数

妊産婦死亡146例の解析結果|日本産婦人科医会

このグラフを見ると30代の妊産婦死亡数が多いのですが、これは単にその年代の出産数が多いためです。

年齢は上のグラフとは少しズレますが、厚生労働省の人口動態調査を用いて、各年齢ごと10万件の出産数から妊産婦死亡数・妊産婦死亡率を算出すると以下のようになります。

年齢別妊産婦死亡数・妊産婦死亡率
20-24歳の妊産婦死亡|4.7件/10万件……0.0047%
25-29歳の妊産婦死亡|6.0件/10万件……0.0067%
30-34歳の妊産婦死亡|9.5件/10万件……0.0095%
35-39歳の妊産婦死亡|24.5件/10万件……0.0245%
40-44歳の妊産婦死亡|124.5件/10万件……0.1245%

20代に比べて40代の方が20-30倍ほど妊産婦死亡の危険性は高いのですが、たとえ40代でも「出産は自殺行為」などと一部で揶揄される死亡率ではありません。

ちなみに、1年間で自動車事故に合う確率は0.9%だそうです。

国土交通省が新たな道路政策を諮問した社会資本整備審議会の会議の場で、こんなユニークな資料が示されました。「人生で交通事故にあう人は、2人に1人」資料を提供したのは国交省です。年間の交通事故死傷者数(118万人)を日本の総人口(1億2692万人)で割った「1年間で事故にあう確率」を0.9%と算出。

一生のうち交通事故に遭う確率は何%? | 交通事故慰謝料協会

妊産婦死亡に対するイメージが悪すぎる

日本だけでなく、世界的にも医療技術が大きく進歩しているため、妊産婦死亡は大きく減少しています。

もちろん、年齢が若い方が体力はありますし、元々病気を患っている可能性も少ないため、妊産婦死亡率は低くなりますし、流産や死産の確率も低くはなります。

ただ、赤ちゃんが欲しくても、社会的背景により若い間の妊娠・出産が以前よりも難しくなっていることも事実です。そのため、30代後半や40代での出産は、ある程度社会に認知される必要があると思います。

実際、現在の40代の妊産婦死亡率は、1960年ごろの全体の妊産婦死亡率と変わりませんし、30代後半に至っては、1970年台後半の妊産婦死亡率と変わりません。

それだけ医療技術が進歩し、妊産婦死亡率が減っているにもかかわらず、高齢出産は必要以上にリスクがあるイメージを持たれています。

もし、今から高齢出産に臨もうとしている人、また、高齢出産をしようか迷っている人は、世間が持つイメージと実際の数字を比べて考えることも必要だと思います。

わたしは決して、20代よりも40代の出産を推奨しているわけではありません。早く出産できるなら、それに越したことはありません。

もちろん、出産は妊婦自身だけではなく、そもそも赤ちゃんが無事でなければいけません。そちらも母体の年齢が高齢なほどリスクが増すため、以下を参考にして合わせて考えてみてください。

わたしももう目の前に迫る40代……さて、どうしようか……真剣に考えないと。

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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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