子供の予防接種の受け方は

子供の予防接種の受け方は?必要な知識のまとめ

投稿日:2019年4月29日 更新日:

この記事を読むのに必要な時間は約 19 分です。

もうすぐ赤ちゃんが産まれるママ、赤ちゃんを出産したばかりのママは予防接種についていろいろ知りたいですよね。

わたしは子供の1か月健診に行ったときに、「お子さんの予防接種を受ける病院を決めておいてね。」と言われました。

出産した病院が小児科を兼ねていれば、1か月健診時に予防接種の予約も取れますが、わたしは里帰り出産だったので自宅近辺で予防接種が可能な小児科を探しました。

子供の初めての予防接種は不安があるものです。注射の種類や回数もやたらと多く、スケジュールもなかなか複雑です。母子手帳を見ただけではさっぱり分かりません。

そこで今回は、初めて予防接種を受けるママのために、予防接種を受けるにあたって知っておいた方が良いことをまとめました。かなり長いので、ちゃんと目次を見た方が良いですよ。

予防接種とは

赤ちゃんや子供のころに1度かかると、2度とかからない病気はいくつかあります。

たとえば水ぼうそうは10歳までに9割の子がかかり、1度かかるとその後水ぼうそうにかかることはありません。これは、水ぼうそうの病原体「水痘帯状疱疹ウイルス」に対する免疫ができるためです。

免疫とは、細菌やウイルスが身体に侵入した際に免疫細胞が細菌などを排除する働きのことです。免疫細胞は1度感染した細菌やウイルスを記憶し、2度目に身体に侵入したときに対抗する抗体を作って感染を防ぎます。

この免疫機能を利用して、弱毒化した細菌やウイルス(ワクチン)を身体に接種して抗体を作り、病気にかかりにくくしたり、病気の症状を軽減する行為を「予防接種」と言います。

予防接種の役割

予防接種の役割は以下の4つです。

予防接種の役割
1.病気にかからないようにする
2.病気にかかっても症状を軽くする
3.周囲の人にうつさないようにする
4.抗生物質が効かない新種の耐性菌を防ぐ

「病気にかからない」「病気の症状を軽くする」「周囲への感染を防ぐ」ことは誰でも知っていることですが、必要な予防接種を受けることで「抗生物質が効かない新種の耐性菌」の出現を防ぐこともできます。

赤ちゃんの予防接種は何歳から

赤ちゃんの予防接種は、生後2か月の誕生日(4月1日生まれなら6月1日)から始めるのが一般的です。

生後2か月から1歳までの予防接種は6-7種類、回数は15回以上もあります。とくに最初の2か月で受ける予防接種は10回以上もあり、暴れる赤ちゃんを見ると胸が苦しくなります。

ただ赤ちゃんは感染症に対する免疫がないため、感染症にかかると重症化する可能性があります。そのため、感染症時期前にワクチンで抗体を作っておくことが大切なんです。

生後2か月目に、ヒブワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、ロタワクチンの4種類の予防接種受けるので、1か月健診時には意識しておきましょう。

もし市町村からの予防接種の連絡が遅れたり、赤ちゃんの体調が悪くなってもスケジュールは調整できます。

予防接種スケジュールを立ててみよう!- Know VPD!

1歳までの予防接種のスケジュール

日本小児科学会は、以下リンク先のスケジュールで予防接種を受けることを推奨しています。

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 2018年8月1日版

赤ちゃんの体調によってスケジュール通りに予防接種を受けられない場合は、かかりつけの小児科医に相談してください。

予防接種の回数と接種間隔

以下は、1歳までの主な予防接種(定期接種+任意接種)の種類と接種回数です。

ヒブワクチン

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ヒブ感染症細(菌性髄膜炎、喉頭蓋炎)生後2か月4回(初回3回、追加1歳以降早めに1回)不活化ワクチン注射

ヒブワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ4-8週あけて接種し、3回目と4回目は7-13か月あけて接種します。また、11歳で受ける二種混合ワクチン(DT)もあります。そちらはジフテリアや破傷風を予防します。

小児用肺炎球菌ワクチン

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎、肺炎など)生後3か月4回(初回3回、追加生後12-15か月に1回)不活化ワクチン注射

肺炎球菌ワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ4週以上あけて接種し、3回目と4回目は2か月以上あけて、かつ1歳から1歳3か月の間に接種します。

B型肝炎ワクチン(平成28年10月から定期接種化)

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
B型肝炎生後2か月
※母親がHBs抗原陽性の場合は生後12時間以内の接種
2回、追加1回不活化ワクチン注射

B型肝炎ワクチンは、1回目から4週間以上あけて2回目を接種し、2回目から16-20週間あけて3回目を接種します。

四種混合(DPT-IPV)ワクチン

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)生後3か月4回(初回3回、追加6か月以降1回)不活化ワクチン注射

四種混合(DPT-IPV)ワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ3-8週間あけて接種し、3回目から6か月以上あけて4回目を接種します。

BCGワクチン

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
結核生後5-8か月1回生ワクチンスタンプ

ロタウイルスワクチン

病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ロタウイルス感染症(胃腸炎+脳炎)生後2か月
※初回は生後14週6日までが望ましい
2回(ロタリックス)、3回(ロタテック)のどちらか生ワクチン経口

ロタウイルスは任意のワクチンのため、受けるか受けないかは親の判断によります。ワクチンは、1価ワクチン(ロタリックス)と5価ワクチン(ロタテック)で摂取回数が違います。病院によって取り扱っている種類が違うため、予防接種前に確認してください。

どちらも生後6週から接種可能ですが、初回は8週-15週未満が推奨されています。

ロタリックスは、1回目から4週以上あけて2回目を接種します。ロタテックは、1回目から3回目までそれぞれ4週以上あけて接種します。

まつだ あかちゃんこどもクリニック

予防接種に必要な知識

予防接種とワクチン接種の違い

ワクチンとは、予防接種で身体に取り入れる細菌やウイルスなどの病原体のことです。予防接種とは、ワクチンを身体に取り入れて病気の抗体をあらかじめ作っておく行為のことです。

そのため、予防接種とワクチン接種は同じ意味だと思って良いですね。もちろん、ワクチンは病原体ですが、摂取しても本当の病気にならないように加工されています。

ワクチンの作り方

すべての病気でワクチンが生成できるわけではありません。病気の症状が重く、加工が可能なものに限りワクチン化され、予防接種に使われています。ワクチンの作り方は病気の種類によって異なりますが、以下の3つの方法があります。

ワクチンの作り方
1.病原体が出す毒素を無毒化する加工
2.病原体の力を弱くする加工
3.病原体の一部を取り出す加工

ワクチンの効果

もし細菌による感染症にかかってしまった場合、その細菌に対応した抗生物質が病院で処方されますね(風邪などのウイルスに抗生物質は効かないと言われている)。

ところが、抗生物質の投薬を繰り返すと、細菌に抗生物質の耐性ができ、抗生物質が効かない「耐性菌」が誕生する恐れがあります。

そのため、ワクチンがある病気は予防接種をしっかりと受け、人間が持つ免疫機能によって抗体を作った方が安心できます。

ワクチンがない病気もある

多くの子供がかかる病気で、ワクチンがないものは以下の病気です。

・突発性発疹
・ヘルパンギーナ
・手足口病
・りんご病
・プール熱
・とびひ
・マイコプラズマ肺炎
・尿路感染症
など

ワクチンがない理由には、以下のことが考えられます。

特定の病気にワクチンがない理由
・ワクチンがまだ作れないため
・ワクチンの元になる病原体が特定できないため
・病気の特性上ワクチンを作っても意味がないため
・ワクチンを作るほどの病気ではないため

生ワクチンと不活化ワクチンの違い

生ワクチンの種類と特徴

生ワクチンとは、生きているウイルスや細菌の毒性を弱めて、病原性をなくした製剤のことです。ただし、予防接種を受けてから免疫獲得までに1か月程かかります。

生ワクチンと不活化ワクチン l ワクチン.net(ワクチンネット)

生ワクチンは感染症に対する強い抗体が得られますが、1回の予防接種では抗体が作られなかったり、時間が経つと獲得した免疫力が弱まることもあります。

麻しん Q&A|感染症情報センター

種類の違う生ワクチンは、予防接種後4週(中27日)以上の間隔をあけます。同じ種類の生ワクチンの場合は、それぞれ予防接種の間隔に違いがあります。

細菌やウイルスなどの病原体同士の影響、また副反応が起こる時期を避けるためにも、決められた予防接種の間隔を守ることが大切です。

「同時接種・接種間隔」について 厚生労働省

主な生ワクチンは、ロタウイルスワクチン(生後2か月)、BCGワクチン(生後5-8か月)、麻疹風疹混合ワクチン(生後12か月から)、水痘ワクチン(生後12-13か月)、おたふくかぜワクチン(生後生後12-15か月から)などです。

不活化ワクチンの種類と特徴

不活化ワクチンとは、ウイルスや細菌の毒性を完全に無くし、体内で抗体を作るために必要な成分を製剤したものです。

毒性が無いため予防接種で病気にかかる心配はありませんが、1回の接種では必要な抗体が獲得できません。そのため、ワクチンごとに決められた回数の予防接種が必要です。

不活化ワクチンは予防接種後1週間(中6日)以上間隔をあけます。1週間経てば不活化ワクチンによる反応はほぼみられません。こちらも副反応が起こる時期を避けるためにも、決められた予防接種の間隔を守ることが大切です。

「同時接種・接種間隔」について 厚生労働省

主な不活化ワクチンは、ヒブワクチン(生後2か月から)、B型肝炎ワクチン(生後2か月から)、小児用肺炎球菌ワクチン(生後3か月から)、四種混合ワクチン(生後3か月から)、日本脳炎ワクチン(生後6か月から)、インフルエンザワクチン(生後6か月以降の秋から)、A型肝炎ワクチン(1歳以降)などがあります。

生ワクチンと不活化ワクチンの危険性

生ワクチン・不活化ワクチンともに、予防接種後に副反応が起こる可能性があります。副反応は数日で治まりますが、極まれに重篤な副反応が現れる場合もあります。

そのため、生ワクチンは3週間、不活化ワクチンは24時間ほど副反応の症状に注意して子供の様子を観察しましょう。

生ワクチンのリスク例

生ワクチンは抗体獲得できるギリギリに毒性が抑えられていますが、稀に接種した病原体によって感染症にかかる場合があります。たとえば、ロタウイルスワクチンの副反応に「腸重積」があります。腸重積とは、腸管が重なって腸閉塞を起こす病気です。

腸重積は生後6か月以降の発症確率が高いため、ロタウイルスワクチンの予防接種は生後6か月前が推奨されています。

ワクチン|さいとう小児科内科クリニック

ロタウイルスワクチンと腸重積|国立感染症研究所.感染症疫学センター主任研究官.神谷元

また、以前日本でも定期接種として使われていた経口タイプのポリオの生ワクチンは、数十万-数百万回に1回の割合で小児まひを発症する可能性がありました。そのため、2012年9月からは不活化ポリオワクチンに切り替わっています。

ポリオワクチン- Know VPD!

不活化ワクチンのリスク例

不活化ワクチンは、重篤な症状に陥る副反応はありません。たとえば麻疹ワクチンは、副反応として発熱や発疹など麻疹の症状が現れる場合がありますが、はしかや風しんにかかったわけではありませんし、他人に感染する心配もありません。

MRワクチン | つだ小児科クリニック

どちらにしろ、ワクチン接種後は数週間ほどは副反応が出る恐れがあります。普段の様子と比べて違和感や不安なことがあればかかりつけの小児科医に相談してみましょう。

定期接種と任意接種の違い

予防接種には無料で受けられる「定期接種」、有償で受けられる「任意接種」があります。任意接種は全額自己負担が基本ですが、自治体の助成金対象の場合もあります。詳しくは自治体の窓口で確認しましょう。

定期接種ワクチンの種類

定期接種ワクチンは年齢や時期が決まっている予防接種で、年齢や時期に合わせて受けるよう努めなければいけません。時期によって予防接種を受けるべき病気を「A類疾病」と言います。

A類疾病に対して、毎年受けるインフルエンザワクチンは、個人での予防目的に重きが置かれています。A型疾病ではない病気のことを「B類疾病」と言います。

それぞれ予防接種の時期や摂取場所、受ける回数などは、小児科で確認することが一番わかりやすいでしょう。

ヒブワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ヒブ感染症細(菌性髄膜炎、喉頭蓋炎)生後2か月4回(初回3回、追加1歳以降早めに1回)不活化ワクチン注射

ヒブワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ4-8週あけて接種し、3回目と4回目は7-13か月あけて接種します。また、11歳で受ける二種混合ワクチン(DT)もあります。そちらはジフテリアや破傷風を予防します。

B型肝炎ワクチン(平成28年10月から定期接種化)
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
B型肝炎生後2か月
※母親がHBs抗原陽性の場合は生後12時間以内の接種
2回、追加1回不活化ワクチン注射

B型肝炎ワクチンは、1回目から4週間以上あけて2回目を接種し、2回目から16-20週間あけて3回目を接種します。

小児用肺炎球菌ワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎、肺炎など)生後3か月4回(初回3回、追加生後12-15か月に1回)不活化ワクチン注射

肺炎球菌ワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ4週以上あけて接種し、3回目と4回目は2か月以上あけて、かつ1歳から1歳3か月の間に接種します。

四種混合(DPT-IPV)ワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)生後3か月4回(初回3回、追加6か月以降1回)不活化ワクチン注射

四種混合(DPT-IPV)ワクチンは、1回目から3回目までそれぞれ3-8週間あけて接種し、3回目から6か月以上あけて4回目を接種します。

BCGワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
結核生後5-8か月1回生ワクチンスタンプ
麻疹風疹混合ワクチン(MR)
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
麻しん(はしか)、風しん生後12か月2回(初回1回、小学校入学前年1回)生ワクチン注射
水痘(みずぼうそう)ワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
水痘(みずぼうそう)生後12-13か月2回生ワクチン注射
日本脳炎ワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
日本脳炎3歳(生後6か月から可)基礎免疫3回(初回2回、追加1回)、9-12歳で4回目不活化ワクチン注射

任意接種ワクチンの種類

任意接種ワクチンによる予防接種の料金や時期、また受けられる場所は事前にかかりつけ医で確認してください。

ロタウイルスワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
ロタウイルス感染症(胃腸炎+脳炎)生後2か月
※初回は生後14週6日までが望ましい
2回(ロタリックス)、3回(ロタテック)のどちらか生ワクチン経口

ロタウイルスワクチンは、ロタリックスとロタテックで摂取回数が違います。病院で扱っている種類が違うため、予防接種前に確認してください。

インフルエンザワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
日本脳炎生後6か月以降の秋毎年1-2回不活化ワクチン注射
A型肝炎ワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
A型肝炎1歳以降3回(初回2回、追加6か月以降1回)不活化ワクチン注射
おたふくかぜワクチン
病気接種月齢接種回数種類摂取方法
おたふくかぜ生後12-15か月2回生ワクチン注射

※全年齢で受けられる狂犬病ワクチンや破傷風ワクチンもあります。それぞれ狂犬病、破傷風を予防します。

集団接種と個別接種の違い

予防接種には、「集団接種」と「個人接種」があります。

集団接種(しゅうだんせっしゅ)とは

集団接種とは、自治体(市区町村)が指定した日時・場所で一斉に予防接種を受けることです。

たとえば結核予防のBCGワクチンは、集団接種の自治体がほとんどです。BCGワクチンを集団接種する理由は、他の予防接種と比べて特殊な技術を必要とするため、接種時に出血や引っかき傷ができた際の対応が必要なためです。

BCG接種の変遷と個別接種化について|名鉄病院

また、1歳6か月健診・3歳児健診などの乳幼児健診において集団予防接種を行うことで、自治体が既接種者・未接種者を把握することにもつながります。

定期接種の未接種者に予防接種の強制をするわけではないのですが、予防接種の効果や副反応、接種対象時期について周知し、できるだけ予防接種を受けるよう促す意味があります。

定期接種実施要領 厚生労働省

個別接種(こべつせっしゅ)とは

個別接種とは、保護者が決めた日程で予約した小児科を受診し個別に予防接種を受けることをです。

集団接種とは違い、近隣の小児科で都合の良い日時に受けられることがメリットです。面識のある医師だと相談もしやすいですし、普段の様子も把握しているため安心感があります。

保護者が決めた日程と言っても、予防接種には推奨時期があります。そのため、一定の期間内で、種類に合わせた予防接種の時期を決めなければいけません。

副反応と副作用の違い

予防接種によって抗体を生成する以外に、発熱、発疹、局所反応(注射部位の腫れ、痛み、赤み)、倦怠感などの反応が起こる場合があります。このような反応を「副反応」と呼びます。

副反応とはワクチン接種で起こる免疫反応以外の正常な反応(軽い発熱、倦怠感、接種部の発赤・腫脹など)、対して副作用とは医薬品などで起こる主反応以外の異常な反応(けいれん、ショック状態、アナフィラキシー)を指します。

名古屋市近郊海部郡蟹江町 増田医院 ペインクリニック・内科・小児科・皮フ科 腰痛/肩こり/頭痛/五十肩 » 予防接種の副反応・副作用…

副反応の症状

副反応で現れる反応は、「不活化ワクチン」と「生ワクチン」で違いがあります。

不活化ワクチンの副反応

不活化ワクチンの副反応は、接種後24時間以内に発生します。発赤・痛みは3-4日で治りますが、硬結(注射部が硬くなること)は個人差で1か月続くこともあります。発熱も24時間以内に起こり、48時間以内に軽快していきます。

予防接種後の有害事象|国立成育医療研究センター

生ワクチンの副反応

生ワクチンの副反応は、接種したワクチンの種類によって経過や反応が異なります。

たとえば、麻疹ワクチンでは接種後5-10日後に発熱し、発疹がみられることもあります。軽いはしかになった状態ですが、他人に感染する心配はなく、1-2日で症状が治まることがほとんどです。

MRワクチン | つだ小児科クリニック

健康被害が起きたときの補償制度

予防接種後に重い副反応や不安な症状がみられる場合は、予防接種を受けた病院を受診しましょう。厚生労働省による「感染症・予防接種相談窓口」もあります。

感染症・予防接種相談窓口|厚生労働省

健康被害が起こった場合はそれが予防接種で起こったのか、別の要因なのかの因果関係は国の審査会で審議されます。

予防接種が原因だと認定されれば、補償制度で給付を受けることができます。ただし、定期接種・任意接種によって、給付制度が異なります。

定期接種の補償

定期接種で健康被害が生じた場合は「予防接種法」に基づく救済制度があり、市町村から医療費の自己負担分や入院諸経費などの給付が支払われます。

たとえば、通院3日未満では月額34,800円、亡くなった場合は死亡一時金として44,000,000円が支給されます。

予防接種健康被害救済制度|厚生労働省

任意接種の補償

任意接種によって健康被害が生じた場合は、医薬品医療機器総合機構法に基づく「医薬品副作用被害救済制度」の対象となり、障害年金・障害児養育年金などが支給されます。

医薬品副作用被害救済制度に関する業務 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

一例ですが、3日以上の入院で月額36,800円、亡くなった場合は遺族一時金として7,333,200円が支給されます。

給付の種類と給付額 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

ただし、補償の請求には期限があります。医療費は支払いが行われたときから5年以内、医療手当は請求に係る医療が行われた日の属する月の翌月の初日から5年以内です。給付の種類によって請求期限が異なるため、該当する場合は確認してください。

請求期限 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

予防接種を受ける準備と流れ

子供が予防接種を受けるには、ある程度の準備や決まり事があります。

予防接種の準備と持ち物

予防接種の数日前からは風邪をひかないように注意し、なるべく子供を人ごみの中に連れ出さないようにしましょう。必要な持ち物は以下の通りです。

・予診票
・母子手帳
・健康保険証
・乳幼児受給者証

予診票は予め記入しておきましょう。予診票は以下リンク先で確認してください。

厚生労働省:*予防接種対策に関する情報*

母子手帳も必要です。予防接種を受けるだけなら、健康保険証や乳幼児受給者証は必要ありませんが、念のために持ち歩いてください。

予防接種は保護者の同伴が必要ですが、難しい場合は親族の同伴でも構いません。ただし、その際は委任状(地方自治体の指定様式)が必要です。

また、集団接種は待ち時間が多く2-3時間かかる場合もあるため、おむつやミルク、授乳ケープ、着替え、おもちゃなど必要に応じたものを準備します。

予防接種当日の流れ

子供の服装

腕やふくらはぎに注射するだけでなくお腹や胸の診察をすることもあるので、脱ぎやすい服装にしましょう。

授乳・飲食

飲食は、予防接種の30分前に済ませましょう。赤ちゃんは加減が難しいですが、予防接種の時間に合わせて授乳時間を調整してください。

特に、ロタウイルスの予防接種(任意接種)はシロップを飲みます。直前に授乳すると吐き戻す可能性があるので注意が必要です。

ロタウイルス胃腸炎予防ワクチン接種費用の一部助成について | 大田原市

予防接種を受ける判断基準

子供の健康状態

目安として37.5℃以上の発熱があると予防接種は受けられません。食欲の有無、嘔吐や下痢の有無なども確認しましょう。体調が悪い状態で予防接種を受けると、副反応が強く出る可能性があります。

風邪症状があって予防接種できるか分からない場合は、医師に相談してください。また、抗生剤を服用中の場合は、内服後1週間空ける必要があります。服用中の薬があれば必ず予防接種前に申し出ましょう。

よくある質問 - 医療法人社団群羊会福音診療所南福音診療所

アナフィラキシー

接種する予定のワクチンやワクチンに含まれる成分によって、アナフィラキシーを起こしたことがある場合は予防接種できません。

アナフィラキシーは、予防接種後30分以内にじんましん、血圧低下のほか、呼吸困難などの重篤な症状が現れて命に関わる場合もあります。

予防接種の副反応について|葛飾区公式サイト

また、ワクチンに含まれる成分でアレルギー反応を起こす可能性もあります。アレルギーについて気になることがあれば予防接種前に医師に確認してください。

予防接種を忘れてしまったら?

予防接種を受け忘れる親は毎年必ずいます。忘れたわけではなく、赤ちゃんが体調を崩してしまったり、事情で予防接種を受けられないこともあります。

予防接種は年齢や時期も大切ですが、必要な回数を受けることも大切です。必要な回数を受けなければ十分な抗体が作られない可能性もあります。

予防接種に遅れてしまい後から受けようとすると、予防接種の種類や子供の年齢によって定期接種でも有料になる場合があります。

もし予定通りに予防接種を受けられなかった場合は、気がついた時点でなるべく早めにかかりつけの小児科や自治体窓口に相談しましょう。

定期接種はある程度期間に余裕がある場合とこの時期じゃないとダメなものがあるため、スケジュールを把握しておいた方が良いですね。

最近は生年月日を入力すると予防接種の予定を通知してくれるスマホアプリ(予防接種スケジューラーなど)もあるので、うまく活用してください。

「予防接種スケジューラー」アプリが120万ダウンロード達成

予防接種後にしても良いこと・ダメなこと

子供のころを思い返すと、予防接種を受けた後はおとなしくしなさいと言われたり、今日はお風呂に入ってはいけないと言われた記憶があります。そのため、赤ちゃんが予防接種を受けた後が心配ですよね。

赤ちゃんや子供が予防接種後にしても良いこととダメなことは、以下のものです。

予防接種後にしても良いこと

予防接種後1時間経って体調に問題が無ければ、とくに注意をすることはありません。その日に入浴をすることも可能です。

ただし、予防接種後30分はアナフィラキシー症状などが現れる可能性があるため、念のため病院で過ごしたり、すぐ病院に連絡できるようにしましょう。

予防接種:予防接種Q&A | 健診・検診・予防接種のお知らせ | 公益社団法人 印旛市郡医師会

予防接種後にしてはダメなこと

予防接種を受けた後に気をつけること・接種後の症状に関すること|茅ヶ崎市

接種部位は揉まない、擦らない

予防接種後は、接種部位を揉まないでください。傷口から菌やウイルスが入り込む可能性があります。

激しい運動は避ける

子供は病院に行って注射をし、いつもと違う状況に興奮しているかもしれません。ただ予防注射を受けた日は、激しい運動は避けてください。

また、しばらくは副反応が出る可能性もあるため、予防接種後は早めに身体を休めるよう配慮してあげてください。

子供の予防接種のQ&A

予防接種はいつ受ければ良い?

子供は病気にかかりやすい月齢・年齢があり、最適な予防接種時期が設けられているため、「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」などを見て、月齢・年齢似合わせて予防接種を受けましょう。

予防接種はどこで受ければ良い?

個別接種は、時期に合わせてかかりつけの小児科で接種します。BCGなどの集団接種は、市町村からの広報で知ることができます。送られてくる「健診のお知らせ」の日程と場所を確認してください。

同時接種はした方が良い?

予防接種は、ワクチンを同時接種できるものがあります(4種混合、3種混合、2種混合など)。

同時接種のメリットは通院回数が減ること、接種期間の短縮で早く免疫が獲得できること、接種忘れを防ぐことなどがあります。

単独接種と比べて安全性や効果に違いはありません。強いてデメリットを言うなら、1日に何度も注射される赤ちゃんを見てかわいそうだと思うことでしょうか。ただ、単独接種でも合計回数は同じなので、なるべく同時接種してしまいましょう。

同時接種の必要性・安全性 - Know VPD!

低体重児の予防接種も同じなの?

低体重児(早産児)と正期産児で、予防接種に違いはあるのでしょうか。

低出生体重児保健指導マニュアル 厚生労働省

いつ予防接種を受けるべき?

低体重児も、普段の状態が安定していて合併症がなければ、正期産児と同時期に同種類の予防接種を受けることが推奨されています。

低体重児は感染症にかかると重症化しやすいため、任意のインフルエンザワクチンなども接種が勧められています。心配な場合は小児科医に相談してください。

低体重児は副反応が強く出る?

低体重児だからといって、正期産時よりも強い副反応が出るわけではありません。もちろん、どのような赤ちゃんも予防接種後数日は体調を注意深く観察する必要があります。

早産児だけの予防接種とは?

早産児は、正期産児に比べて母体からのRSウイルスに対する抗体の移行が少なく、感染で重症化する恐れがあります。

そのため、早産児を対象にRSウイルスの抗体「パリビズマブ(商品名:シナジス)」を注射します。パリビズマブは通常の予防接種スケジュールに影響はありません。

パリビズマブの投与対象
在胎28週以下|RSウイルス感染流行開始時に生後12か月以下の場合
在胎29-35週以下|RSウイルス感染流行開始時に生後6か月以下の場合
過去6か月以内に慢性肺疾患の治療を受けたことがある|RSウイルス感染流行開始時に生後24か月以下の場合
血行動態に異常のある先天性心疾患を持つ|RSウイルス感染流行開始時に生後24か月以下の場合

予防接種は受けなきゃダメ?

一部には、予防接種は受けない方が良いという意見の人もいます。たしかに予防接種にアレルギー反応を示す子もいるため、受けられない場合もあります。

ただし、医師など専門家以外で子供の身体に問題がないにもかかわらず、予防接種を受けない選択はあまり良いことだとは思えません。

予防接種は受けた子供を守るだけではなく、集団生活で病気の拡大を防ぐ役割もあります。予防接種が義務ではなく努力義務なのは、個人の考え方を大切にしているわけではなく、予防接種を受けられない子がいるためです。

子供が健やかに集団生活を営むためにも、周囲の子供のためにも、予防接種が受けられる子には受けさせるようにした方が良いと思います。心配であれば、複数の医師に相談をしてください。

予防接種リスクよりも怖い感染症

赤ちゃんの身体に起こる副反応の多くは、気にするほどのものではありませんが、死亡例がゼロではないことも事実です。

昭和52年~平成29年のおよそ40年間に138件の死亡事故が起こっていて、他にも予防接種が原因と認められた補償は6000件以上あります。

予防接種健康被害救済制度 認定者数|厚生労働省

そのため、赤ちゃんの予防接種が怖いと感じるママもいます。ただ、それ以上に感染症にかかるリスクも考えてください。

たとえば小児肺炎の死亡者数は、昭和35年12,877人、昭和50年1,594人、平成2年136人、平成11年70人、平成12年73人、平成13年61人と確実に減少しています。これは子供が予防接種を受ける環境が整ってきたためです。

第1-2-2表 主な死因別乳児死亡数

このような事実を把握して、赤ちゃんの予防接種の重要性を考えてみてください。

まーさ
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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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