妊娠・出産

臨月に起こる妊婦の症状・胎児の状態と具体的な3つの出産兆候

投稿日:2018年12月18日 更新日:

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出産直前が不安…

初めての出産はわからないことだらけ。精神状態も上げ下げを繰り返して、ようやく臨月までこぎつけたとしましょう。

臨月というと、「もうすぐ出産!いつ赤ちゃんが生まれてもおかしくない!」というイメージがあるため、いろいろ心配も募るはずです。

「臨月ってどんな症状が起きるの?」
「いつ出産が始まるか、事前にわかる方法はある?」
「臨月に入ったら、いつ赤ちゃんが生まれてもいいの?」
「出産が来るってわかったら、どうすればいい?」

出産前の心配事は人それぞれですが、基本的に臨月に起こる症状や出産に至る兆候は共通しています。そのため、妊婦は臨月の状態を深く理解することで安心感が増すはずです。

そこで今回は、出産直前の不安を少しでも解消できるように、臨月の妊婦に起こる症状、胎児の状態、具体的な出産兆候についてお話したいと思います。

臨月とは

妊娠期間の数え方にはいくつかの種類がありますが、一般的には妊娠前の最後の生理(月経)を0週0日と置いて、週単位で表す妊娠週数、および月単位で表す妊娠月数という数え方が一般的です。

臨月とは、妊娠週数で言うと「妊娠36週0日から妊娠39週6日まで」の4週間の期間のことで、妊娠月数で言うと「妊娠10か月」のことです。

ちなみに、出産予定日(の目安)とされるのは、妊娠40週0日のため臨月には当たりません。出産に適した正産期は、「妊娠37週0日から妊娠41週6日まで」をさすため、たとえ臨月でも妊娠36週6日までは早産に区別されます。

正産期と臨月の違い
正産期|出産に適した期間(妊娠37週0日-妊娠41週6日)
臨月|出産に適した妊娠月(妊娠36週0日-妊娠39週6日)

臨月の胎児の身長・体重など

妊婦のお腹はどんどん大きくなるため、胎児が成長している感覚はありますが、エコーなどを見てもいまいち状態がわかりません。臨月の胎児の平均身長は45-50cmほど、平均体重は個人差が大きいですが2000-3500gほどです。

※左から「-2.0SDの体重」「平均体重」「+2.0SDの体重」

妊娠36週0日|1927g|2507g|3087g
妊娠37週0日|2058g|2676g|3294g
妊娠38週0日|2181g|2838g|3495g
妊娠39週0日|2293g|2989g|3685g

妊娠36週には哺乳機能、呼吸機能も完成しており、ある程度の体温調整も可能なため、いつ分娩が始まってもおかしくありません。

臨月の妊婦の症状や状態

臨月に入ると、妊婦には様々な症状や体調の変化が現れます。急な変化に戸惑わないために、臨月に起こりやすい症状を知っておきましょう。

お腹が張りやすくなる

臨月に入ると頻繁にお腹が張るようになり、下腹部に痛みを感じることが増えます。これは妊娠36週ごろから子宮収縮が起こるためで、「前駆陣痛(ぜんくじんつう)」と言います。

前駆陣痛は個人差があるため気付かない人もいますが、妊娠週数が進むと動きの中でお腹の張りが強くなっていきます。その際、子宮頸管が柔らかく開きやすい体質の人が無理に身体を動かすと、切迫早産になる可能性もあります。

そのため、臨月に入ってお腹の張りが強い場合は無理をしないで、次の健診で医師に相談してください。

以前より食欲が増す

妊娠中に食欲が増す時期、食欲が無くなる時期はさまざまですが、一般的にはつわり明けや臨月に妊婦の食欲が増す傾向があります。

臨月に食欲が増す主な理由は2つあります。1つは、子宮に圧迫されていた胃が、胎児の頭位によって圧迫感から解放されて食欲が増すためです。もう1つは、妊娠30週から妊娠37週ごろは胎児がもっとも成長する時期で、より多くの栄養を必要とするためです。

妊娠後期は何もしなくてもお腹が空くため、医師から体重制限を言われる妊婦も少なくありません。臨月は出産間近のため、ストレスを溜めないようにしつつ、食事の管理に気をつける必要があります。

以前より胎動が弱くなる

お腹が大きくなるに連れて強くなっていた胎動が、臨月に入って急に弱くなったと感じる場合があります。

臨月に胎児の胎動が弱くなるのは、胎児が頭位になることが原因です。それまで子宮内で比較的自由に動いていた胎児は、頭が骨盤に固定されるため動きにくくなります。

ただ、頭位になっても胎動がなくなるわけではありません。そのため、胎動カウントを繰り返して胎児の存在を感じてください。もし1時間胎動が感じられない場合は、すぐに受診してください。

妊娠中の注意(1)胎動 | レディースクリニックつねざわ【福井市・福井駅東】産婦人科

おりものの分泌が増える

臨月になると、エストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が増えることでおりものも増えます。おりものは、胎児が産道を通りやすくする潤滑剤の役割を果たします。

もちろん、おりものは雑菌が混じっていて清潔だとは言えません。下着に付着したおりもので尿道に細菌が侵入しやすくなりますし、陰部に痒みを感じたり、おりものの匂いが強い場合はカンジダ膣炎などに感染している可能性もあります。

妊娠中のカンジダ膣炎は胎児に直接の影響はありませんが、出産の際に産道感染して鵞口瘡や皮膚炎を起こす赤ちゃんもいます。そのため、おりものが気になったらすぐに医師に相談してください。

病気や症状等の医療情報をわかりやすく 医師・病院と患者をつなぐ医療検索サイト | メディカルノート

頻尿になる

臨月は頻尿も気になります。胎児が頭位になると胃の圧迫は解消されますが、胎児が下がった分膀胱が圧迫されるようになります。

わたしは当時、30分に1回トイレに行きたくなったり、尿意が気になって夜眠れないなど頻尿に悩まされました。さらに、膀胱が圧迫されることで残尿気味になり、膀胱炎にもかかってしまいました。

もちろん抗菌剤は飲めないので、医師からは水分を多くとって頻繁にトイレに行くよう指示を受けましたが、水分を摂取すると余計に頻尿になってさらに眠れなくなるというループ……。

おならが増える

膀胱が圧迫されるとと同様、腸が圧迫されることでおならが出やすくなります。うまくおならが出れば良いのですが、腸が圧迫されることでガス溜まりを起こし、お腹が苦しくなることもあります。

また、圧迫される部位によって便秘になったり、便秘が治ったり、下痢になることもあります。

急な眠気に襲われる

臨月になるとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増えることで夜の寝付きが悪くなり、昼間に急な眠気に襲われることがあります。

恥骨痛・腰痛が増す

臨月になると推定胎児体重は2500gを超えます。それだけ成長した胎児が入ったお腹を支えているのが、恥骨や周辺靭帯、そして腰です。

とくに、臨月には胎児が骨盤に下がってくるため、骨盤が押し広げられます。そのため恥骨がぐりぐりされるような激痛があったり、腰が重く動けなくなることもあります。

具体的な出産の兆候

臨月に入った妊婦は前述した様々な症状、状態を経験しますが、同時にいつ始まるかわからない出産に備えなければいけません。

もちろん、急に赤ちゃんが生まれてくるわけではなく、これから出産が始まるかもしれない出産の兆候と言える3つのサインがあります。

おしるし

おしるし(産徴)とは「血性粘液性帯下(けっせいねんえきせいたいげ)」のことで、おりものに血が混じったものを言います(おりものは漢字で帯下と書く)。おりものに交じる血は、子宮壁に張り付いた卵膜がはがれて出血をしたものです。

卵膜が剥がれると伝達物質の「プロスタグランジン」が分泌され、子宮収縮と子宮頸管の熟化を促します。通常、プロスタグランジンは分娩第一期に多く分泌されるため、おしるしが見られると分娩の始まりが近いサインになります。

2)子宮頸管熟化と分娩誘発|日産婦誌59巻9号

ただし、おしるしは必ず現れるわけではありませんし、妊婦が気付かない場合もあります。また、おしるしが現れてもすぐに分娩が始まるわけではありません。そのため、あくまでも一つの兆候として認知し、おしるしが現れたら1度産院に連絡して、安心材料を増やしてください。

陣痛

陣痛とは、一般的に妊娠37-41週ごろに起こる規則的な子宮収縮のことです。ここで言う陣痛は「本陣痛」のことですが、本陣痛の3-5週前に起こる不規則な子宮収縮を「前駆陣痛」と言います。

1時間に1-2回ほどの前駆陣痛は徐々に間隔が短くなり、痛みも少しずつ強くなっていきます。そして、妊娠37週を過ぎるころに、10分周期で定期的な陣痛が起こると本陣痛となります。本陣痛の始まりが分娩の始まり(分娩第一期)ということになります。

破水

破水とは、胎児を包んでいる卵膜(羊膜)の一部が破れて、子宮から羊水が流れ出ることを言います。

通常は、本陣痛が始まってから子宮口が全開大になる過程で破水をする(適時破水)ため、その場合は破水が出産の兆候とは言えません。ところが、陣痛が始まる前に破水してしまう(前期破水)こともあり、その場合は出産の兆候と捉えられます。

破水の種類
適時破水|子宮口全開大に近い段階で破水すること
早期破水|本陣痛が始まって間もなく破水すること
前期破水|本陣痛が始まる前に破水すること

第135回「破水について」 | 広島県広島市 中川産科婦人科

ただし、適時破水とは違い、前期破水には原因があるため良い傾向とは言えません。また、前期破水(妊娠34週以前に起こる場合もある)をしてすぐに陣痛が始まらない場合は、感染の恐れがあるため入院措置が必要になります。

よく破水が起こるときはパンと弾けるような音がすると言いますが、穴が空いた水風船のように気付かないうちに前期破水をすることもあるため、普段の尿の量や状態まで注意して過ごした方が良いでしょう。

妊婦の臨月の過ごし方

妊婦の臨月の過ごし方は、まず出産に備えた前向きな気持ちを作ることが大切です。不安な気持ちは誰でも抱えますが、不安な気持ちばかり大きくなるとストレスが溜まりますし、身体のこわばりが難産につながってしまいます。

もちろん、妊娠初期に比べて体調が良く、アクティブに動ける妊婦もいますが、あまり楽観的過ぎるのも感心しません。とくに遠出をしたり、車や自転車の運転、単独行動は避けるようにしましょう。

妊娠37週近くになれば、いつ何が起きても良いように入院の準備を済ませておいてください。たとえば、ちょっとした外出の際も、母子手帳、保険証、診察券、タオル、ナプキンをバッグに入れて持ち歩くようにした方が良いですね。

また、旦那さんや周りの人にももうすぐ出産という意識をしてもらい、いざというときの対応方法をシミュレーションしておけば安心です。

お腹の中に赤ちゃんがいる経験は、人生でそう何度もできるものではありません。あとたった数週間の間(数日かもしれませんが)は、今このときしか感じられない気持ちを噛み締め、お腹の赤ちゃんと向き合いながら喜びの気持ちを持って臨月を過ごしてください。


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