3・4・5歳の言葉の発達の遅れを助ける幼児ことばの教室とは

ことばの教室

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言葉の遅れ・上手く話せない子はどうする

3-4歳になっても感情をうまく言葉で表現できなかったり、4-5歳になっても赤ちゃん言葉が治らない、発音がおかしい、言葉の言い間違えがある子供は、構音障害や構音障害からくるコミュニケーション能力不足の可能性があります。

もちろんママは、普段の生活の中で会話をしながら子供の言語の成長を促し、コミュニケーション能力の向上を考えながら育児をしなければいけませんが、子供の状態によっては専門的なトレーニングや構音障害の治療が必要なこともあります。

子供の構音障害には色々なパターンがありますが、もし軽度の構音障害を持つ子供、なかなか言葉が上達しない子供、コミュニケーションが苦手な子供は、公的な教育プログラムを提供してくれる「幼児ことばの教室」を利用してみてはいかがでしょう。

ことばの教室と聞くと「言葉を教えてくれる学校なのかな?」とイメージする人が多いと思いますが、指導はそれだけではありません。

今回は、ことばの教室の概要や指導内容などに関してお話しをしたいと思います。

ことばの教室(言語障害特別支援学級)とは

ことばの教室とは、文部科学省の特別支援教育プログラムの中の言語障害教育にあたります。

「ことばの教室」という名称は通称で、正式には「言語障害特別支援学級」「言語障害通級指導教室」と言います。また、地域によっては「ことばの学校」と呼ばれることもあります。

言語障害教育というと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、元々は小学校や中学校に設置された特別支援学級が幼児向けにも拡大して、提供されるようになったものと考えてください。

幼児対象のことばの教室とは、言葉の遅れや発音の誤り、吃音(どもり)があったり、滑らかに話すことが苦手な言語発達遅滞が見られる年少児から年長児に言葉を教えたり、言葉を使ったコミュニケーション支援をする機関のことで、保育士が中心になって指導を担当しています。

また、教育プログラムは、遊びを通して人との会話を増やすなど、子供の気持ちをほぐし、年齢に応じた言葉の聞き取りや発音の指導を目的としています。

言葉はコミュニケーションの入口です。言葉は自己表現の1つの手段です。子供が言葉を通じて普段の生活でできることを増やし、より社会性を高めるための指導をしてくれるのが「ことばの教室」です。

幼児ことばの教室の対象

もし子供が幼児の場合(年少児-年長児程度)、以下の様なことがわかったら、幼児ことばの教室への相談を検討してみてください。

・話せる言葉の数が少ない
・複数の単語が言葉としてつながらない
・言葉の理解ができず、親との会話が成り立たない
・間違って覚えている言葉が治らない
・言葉のどもりが多い
・滑舌が悪く、滑らかに話せない(幼児音)
・「か行」「さ行」「た行」など正しく発音できない言葉が多い
  お母さん→おたーたん
  もぐら→もうら
・赤ちゃん言葉が治らない(幼児語)
  車→ぶーぶ
  犬→わんわん
・人と話すことが苦手・人見知りが激しい
・なかなか人と打ち解けることができない
など

単純に子供の言葉の発達が遅いだけでなく、言葉を使って他人とコミュニケーションを取ったり、感情表現が苦手な子供についても、幼児ことばの教室に相談してみると良いでしょう。

幼児ことばの教室の指導方法

幼児向けのことばの教室の指導は、基本的には遊びやコミュニケーションを通した個別指導が中心ですが、場合によってはグループ指導も含めて言葉の学習ができるようにしています。

また、ママに対しては普段の子供とのコミュニケーションの図り方や、家庭での言葉の教え方、また、子供の成長過程での発達の心配事に関する相談に応じてくれます。

たとえば、「1週間に1回、決められた曜日の決められた時間に、1回30-60分程度の指導が行われる」などです。指導は子供に対する個別指導、保護者に対する個別面談や研修会です。

また、口腔機能訓練(リハビリテーション)や構音訓練(こうおんくんれん)、機能障害などの各種検査を行えたり、言語聴覚士が在籍していることばの教室もあります。

公的な支援学級のため費用は無料です(検査などの医療行為がある場合は実費が必要になるため要確認)。

子供の言葉の発達には個人差がある

もし子供の言葉の遅れやコミュニケーション能力不足が心配なママは、定期健診などで必要な検査を受けてから、幼児ことばの教室を検討してみてください。

住んでいる地域によっては、幼児ことばの教室が近くにないこともあるため、市区町村役場の窓口で尋ねてみると良いでしょう。

ただし、全ての子供(幼児)の言葉の問題が幼児ことばの教室で改善されるわけではなく、以下の様な構音障害の原因によって、初めから病院などの医療機関による医療行為が必要な場合もあります。

よくある構音障害の原因
1.舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)
2.口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)
3.鼻咽腔閉鎖機能不全(びいんくうへいさきのうふぜん)
4.幼児性難聴(ようじせいなんちょう)
5.歯並びによる舌癖(ぜつへき)
など

また、幼児ことばの教室に通いだしても、すぐに大学病院や専門の言語聴覚士を紹介されることもあります。幼児ことばの教室によっては、構音障害改善のための設備が不足していたり、指導内容や指導員に地域差があることも事実です。

幼児ことばの教室は、あくまでも特別支援教育プログラムだということを意識して利用してください。

子供の言葉の発達には個人差があります。「この年齢の子供がこのくらいは話せないとおかしい。」と考えて無理やり言葉を教えたり、人とコミュニケーションを取らせようとすると逆効果の場合もあります。

そのため、ママは専門家のアドバイスを受けて、長い目で子供の言葉の遅れに対応するようにしましょう。


参考|保護者からみた「幼児ことばの教室」の役割と課題|静岡大学教育学部研究報告(人文・社会・自然科学篇)第62号(2012.3)95~104