予防接種のワクチンと病気の種類は?定期接種と任意接種の違い

予防接種を受ける赤ちゃん

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予防接種受けてますか?

赤ちゃんには、母親から病気の抗体を引き継ぐ「母子免疫」や母乳による免疫機能がありますが、免疫効果がある病気や期間は限られていますし、もともと体力がない赤ちゃんにはちょっとした病気でもリスクがあります。

また、普段から体調管理に気をつけていても、保育園や幼稚園で集団生活を始める子は、たった1人の感染症から何十人もの子供が病気にかかってしまう可能性もあります。

そのため、予防接種は自分の子供を守るためだけではなく、周りのお友だちを守るためにも、時期を守って定期的に予防接種を受ける必要があります(ただし、義務ではなく努力義務)。

ところで、予防接種以外に「ワクチン接種」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。このワクチン接種は、予防接種とは違うものなのでしょうか。

予防接種は子供を病気から守るための行為です。そのため、ママは予防接種の意味やワクチンの意味など基本的なことは知っておいた方が良いですね。

そこで今回は、予防接種やワクチン接種の意味など、基本的な知識についてお話したいと思います。

2016年7月時点の情報です。

予防接種(よぼうせっしゅ)とは

赤ちゃんや子供のころに1度かかると、2度とかからない病気はいくつかあります。

たとえば、水ぼうそうは10歳前後までに9割の子供がかかりますが、1度水ぼうそうになると大人になって水ぼうそうにかかることはありません。

これは、1度水ぼうそうにかかることで、水ぼうそうの原因である「水痘帯状疱疹ウイルス(すいとうたいじょうほうしんういるす)」に対する免疫ができたためです。

免疫とは、細菌やウイルスが身体に侵入した際に、免疫細胞がそれらを排除する働きを言います。免疫細胞は細菌やウイルスを記憶し、2度目に侵入したときに、その細菌やウイルスだけに反応する抗体を作って感染を防ぎます。

この免疫機能を利用して、弱毒化した細菌やウイルス(ワクチン)を身体に取り入れてあらかじめ抗体を作り、病気にかかりにくくしたり、病気の症状を軽減する行為を「予防接種」と言います。

予防接種の役割

予防接種の役割は以下の4つです。

予防接種の役割
1.病気にかからないようにする
2.病気にかかっても症状を軽くする
3.周囲の人にうつさないようにする
4.抗生物質が効かない新種の耐性菌を防ぐ

「病気にかからない」「病気の症状を軽くする」「周囲への感染を防ぐ」ということは誰もが知っていることですが、必要な予防接種を受けることで「抗生物質が効かない新種の耐性菌」の出現を防ぐことができます。

免疫の詳細説明や母子免疫については以下を参考にしてください。

母子免疫はいつまで?赤ちゃんが生後6か月間病気しないは本当?

予防接種とワクチン接種の違い

ワクチンとは、予防接種で身体に取り入れる細菌やウイルスなどの病原体のことです。予防接種とは、ワクチンを身体に取り入れて病気の抗体をあらかじめ作っておく行為のことです。

そのため、予防接種とワクチン接種は同じ意味だと思って良いですね。もちろん、ワクチンは病原体ですが、摂取しても本当の病気にならないように加工されています。

ワクチンの作り方

全ての病気でワクチンが生成できるわけではありません。病気の症状が重く、加工が可能なものに限りワクチン化され、予防接種に使われています。ワクチンの作り方は病気の種類によって異なりますが、以下の3つの方法があります。

ワクチンの作り方
1.病原体が出す毒素を無毒化する加工
2.病原体の力を弱くする加工
3.病原体の一部を取り出す加工

ワクチンの効果

もし、細菌による感染症にかかってしまった場合、その病気に対応した抗生物質が病院で処方されますよね(風邪などのウイルスに抗生物質は効かないと言われています)。

ところが、抗生物質の投薬を繰り返すと、細菌には抗生物質の耐性ができ、抗生物質が効かない耐性菌が誕生する恐れがあります。

そのため、ワクチンがある病気は予防接種をしっかりと受け、人間が持つ免疫機能によって抗体を作っておいた方が安心できます。

予防接種に必要なワクチンの種類

予防接種には厚生労働省の方針で無料で受けられる「定期接種」、個人が有償で受けられる「任意接種」があります。

任意接種は全額自己負担が基本ですが、地方自治体の助成金対象の場合もあります。助成金で予防接種を受けられることはメリットなので、自治体のホームページで確認しましょう。

以下、幼児の間に受けることができるワクチンの種類です。

定期接種ワクチンの種類

定期接種ワクチンは年齢や時期が決まっている予防接種で、年齢や時期に合わせて受けるよう努めなければいけません。時期によって予防接種を受けるべき病気を「A類疾病」と言います。

A類疾病に対して、毎年受けるインフルエンザワクチンは、個人での予防目的に重きが置かれています。A型疾病ではない病気のことを「B類疾病」と言います。

それぞれ予防接種の時期や摂取場所、受ける回数等は、小児科で確認することが一番わかりやすいでしょう。

B型肝炎ワクチン(平成28年10月から定期接種化)

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
B型肝炎 生後2か月※母親がHBs抗原陽性の場合は生後12時間以内 2回、追加1回 不活化ワクチン 注射

麻疹風疹混合ワクチン(MR)

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
結核 生後12か月 2回(初回1回、小学校入学前年1回) 生ワクチン 注射

BCGワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
結核 生後5-8か月 1回 生ワクチン スタンプ

四種混合(DPT-IPV)ワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎) 生後3か月 4回(初回3回、追加6か月以降1回) 不活化ワクチン 注射

水痘(みずぼうそう)ワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
水痘(みずぼうそう) 生後12-13か月 2回 生ワクチン 注射

日本脳炎ワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
日本脳炎 3歳(生後6か月から可) 基礎免疫3回(初回2回、追加1回)、9-12歳で4回目 不活化ワクチン 注射

小児用肺炎球菌ワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
肺炎球菌感染症(細菌性髄膜炎、肺炎など) 生後3か月 4回(初回3回、追加生後12-15か月に1回) 不活化ワクチン 注射

ヒブワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
ヒブ感染症細(菌性髄膜炎、喉頭蓋炎) 生後2か月 4回(初回3回、追加1歳以降早めに1回) 不活化ワクチン 注射

※11歳で受ける二種混合ワクチン(DT)もあります。ジフテリアや破傷風を予防します。

任意接種ワクチンの種類

任意接種ワクチンによる予防接種の料金や時期、また受けられる場所は、事前にかかりつけ医で確認してください。

A型肝炎ワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
A型肝炎 1歳以降 3回(初回2回、追加6か月以降1回) 不活化ワクチン 注射

ロタウイルスワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
ロタウイルス感染症(胃腸炎+脳炎) 生後2か月※初回は生後14週6日までが望ましい 2回(ロタリックス)、3回(ロタテック)のどちらか 生ワクチン 経口

おたふくかぜワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
おたふくかぜ 生後12-15か月 2回 生ワクチン 注射

インフルエンザワクチン

病気 接種月齢 接種回数 種類 摂取方法
日本脳炎 生後6か月以降の秋 毎年1-2回 不活化ワクチン 注射

※全年齢で受けられる狂犬病ワクチンや破傷風ワクチンもあります。それぞれ狂犬病、破傷風を予防します。

ワクチンがない病気とは

多くの子供がかかる病気で、ワクチンがないものは以下の病気です。

・突発性発疹
・ヘルパンギーナ
・手足口病
・りんご病
・プール熱
・とびひ
・マイコプラズマ肺炎
・尿路感染症
など

ワクチンがない理由には、以下のことが考えられます。

特定の病気にワクチンがない理由
・ワクチンがまだ作れないため
・ワクチンの元になる病原体が特定できないため
・病気の特性上ワクチンを作っても意味がないため
・ワクチンを作るほどの病気ではないため

予防接種を忘れてしまったら…

予防接種を受け忘れる親は毎年必ずいるそうです。また、忘れたわけではなく、赤ちゃんが体調を崩してしまったり、諸々の事情で予防接種を受けられないこともあるでしょう。

予防接種は年齢や時期も大切ですが、必要な回数を受けることも大切です。複数回受ける予防接種は、必要な回数を受けなければ十分な抗体が作られない可能性もあります。

予防接種に遅れてしまい後から受けようとすると、予防接種の種類や子供の年齢によっては、定期接種でも有料になる場合があります。

もし予定通りに予防接種を受けられなかった場合は、気がついた時点でなるべく早めに、かかりつけの小児科や自治体の窓口に相談しましょう。

定期接種はある程度期間に余裕がある場合と、この時期じゃなければダメというものがあるため、先にスケジュールを見越しておいた方が良いですね。

赤ちゃんから子供にかけての健康のベースを作るためにも、予防接種を予定通り受けて、ママの心配事を減らすように努めてください。

一部には予防接種を受けない方が良いという意見も…

余談ですが、予防接種は受けない方が良いという意見を持っている人もいます。たしかに、子供によっては予防接種にアレルギー反応を示す子もいるため、受けられない場合もあります。

ただし、医師など専門家以外で、子供の身体に問題がないにもかかわらず、あえて予防接種を受けない選択をすることはあまり良いことだとは思えません。

わたしたちが集団生活を営む上で、一般的に最適だと考えられる行為として、予防接種が存在します。予防接種は受けた子供を守るだけではなく、集団生活で病気の拡大を防ぐ役割もあります。

予防接種が義務ではなく努力義務になっているのは、個人の考え方を大切にしているわけではなく、身体的に予防接種を受けられない子がいるためです。

子供が健やかに集団生活を営むためにも、周囲の子供のためにも、予防接種が受けられる子には受けさせるようにした方が良いと思います。心配であれば、複数の医師に相談をしてください。


参考|Know VPD! – ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る