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赤ちゃん・子供が頭を強く打つ原因は?ぶつけたときの症状と対処法

投稿日:2016年7月11日 更新日:

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頭をよくぶつける子供の年齢は?

ハイハイやお座り(ひとり座り)を覚えた赤ちゃんは、バランスを崩したときに上手に尻もちをつきますが、たまに転がりすぎてゴツンと頭をぶつけてしまうことがあります。

また、1歳を過ぎてよちよち歩きを始めたばかりの子供は、まだ立った状態でバランスが上手く取れないため、足から崩れ落ちるように転んで頭をぶつけてしまうことがあります。

赤ちゃんや小さな子供が泣いている姿は可哀想ですが、軽いものだとわかれば子供特有の拙い姿がとても可愛く、心配しつつもウフフと笑ってしまいますね。

ただ、子供でも大人でも、頭を強く打つと大きなケガをすることはありますし、打ちどころが悪ければ最悪死に至る場合もあります。そのため、もし子供が頭をぶつけたら、ママは子供の症状によって適切な対処をしなければいけません。

では、このように転んで頭をぶつけてしまうのは、年齢別に見ると生後何か月ごろ、何歳ごろが多いんでしょうか。また、赤ちゃんや子供がすぐに頭をぶつけてしまう原因は何でしょうか。

そこで今回は、赤ちゃん・子供が頭をぶつける原因とぶつけやすい月齢・年齢、また子供が頭をぶつけたときに現れる症状と対処法についてお話したいと思います

頭部外傷の年齢別割合

頭をぶつけてケガをする20歳未満の未成年を年齢階層別に比較したところ、0-4歳の割合が全体の58.4%で過半数を超えていることがわかります。

頭部外傷年齢別性別件数

小児の頭部外傷の実態とその予防対策(発表情報)_国民生活センター

ちなみに、頭部外傷の年齢階層をパーセンテージで表すと以下のようになります。

20歳未満の頭部外傷年齢別割合
 0-4歳|58.4%
 5-9歳|24.8%
10-14歳|10.5%
15-19歳|6.3%

さらに、0-4歳をパーセンテージで表すと以下のようになります。

5歳未満の頭部外傷年齢別割合
0歳|10.0%
1歳|17.0%
2歳|13.7%
3歳|10.2%
4歳|7.4%

やはり、つかまり立ちやつたい歩きを始める0歳の後半、ひとり歩きを始める1歳、外で積極的に行動し始める2-3歳ごろに転んで頭をぶつけて、ケガをしてしまう子供が多いようです。

赤ちゃん・子供が頭をぶつける原因

赤ちゃん・子供は、人間が一番守らなければいけない頭部をすぐにぶつけてしまいますが、それには以下の原因が考えられます。

頭の比率大きいため

日本人の20代の平均頭身がおおよそ7頭身だそうです。対して新生児は3頭身、2歳で4頭身、3歳で5頭身前後と全身に対する頭の比率が大きいため、バランスが取りづらく、転ぶとすぐに頭をぶつけてしまいます。

赤ちゃんの体の変化 妊娠 出産 育児 初めてレッスン - ムーニー ユニ・チャーム

状況判断ができないため

子供は3歳ごろまでに脳が発達していきますが、未発達な状態だと状況判断能力が乏しく、興味対象があると周辺に意識を向けることができません。そのため、つまずいて転んだり、階段などで足を踏み外して頭をぶつけてしまいます。

子供が3歳になるまでに脳の発達がほぼ完了する。新生児の脳の細胞は多くの成人が何が起こっているかを知るずっと前に増殖し、シナプス(神経細胞相互間の接続部)による接合が急速に拡大して、終生のパターンがつくられる。わずか36カ月の間に子供は考え、話し、学び、判断する能力を伸ばし、成人としての価値観や社会的な行動の基礎が築かれる。

世界子供白書 - 日本ユニセフ協会

運動神経が未発達のため

スキャモンの発育曲線によると、子供の神経型の発達は5歳までに成人の80%、6-8歳ごろまでに90%が完成します。つまり、それ以前は手足を動かす神経伝達が未発達のため、危険が起きても回避することができません。

スキャモンの発育曲線

女性アスリート指導者のためのハンドブック|国立スポーツ科学センター

また、腕や足の筋力など身体能力も発達していないため、危険があったときに腕で支えたり、とっさに受け身を取ることができずに頭をぶつけてしまいます。

経験が少ないため

子供は、どこで何をしたら危ないのか、経験が少ないためわかりません。そのため、思いついた行動をまず試そうとして危険な行動を取った結果、頭をぶつけてケガをしてしまいます。

視界が狭いため

子供の視覚の発達は5歳前後に完成しますが、それまでは大人に比べて視界が狭いため、危険が迫っていてもそれを認識して回避することができません。

頭脳流出をなくす:幼少期研究

世界子供白書 - 日本ユニセフ協会

子供の視界の狭さを体感できる「チャイルドビジョン(幼児視界体験メガネ)」というツールもあります。

チャイルドビジョン | CAPセンター・JAPAN (子供への暴力防止プログラム)

赤ちゃん・子供が頭をぶつけたときの確認事項と対処

確認事項と対処1.頭部強打後に嘔吐したか

子供が頭を強く打つと、「嘔吐中枢の機能障害」「一過性脳浮腫(いっかせいのうふしゅ)」「自律神経の調節障害」などが原因で、嘔吐が起こる場合があります。

大人が頭をぶつけた後に嘔吐をすると心配になりますが、子供は大人よりも嘔吐中枢が敏感に反応して嘔吐をしやすいそうです。そのため、1度嘔吐をしても過剰に慌てず、子供の様子を冷静に観察してください。

もし、子供が嘔吐後に痙攣を起こしたり、意識障害がある場合はすぐに救急車を呼び、なるべく頭や身体を動かさないようにしましょう。

また、嘔吐を繰り返したり、嘔吐後しばらくしても機嫌が悪い、気分がすぐれない場合も病院に連れて行きましょう。

確認事項と対処2.頭部強打後すぐに泣いたか

子供が頭を強くぶつけた場合は、すぐに意識の確認をしましょう。もし、子供が頭を打ってすぐに泣いた場合は、意識障害はないと考えられます。

子供が大声で泣いていると、呼びかけても返答が返ってこないため、まずは落ち着かせて、泣き止んだ後に呼びかけに受け答えができれば緊急の問題はありません。

ただし、泣き止んだ後でも苦しそうに呼吸していたり、血の気が引いて顔色が青かったり、唇にチアノーゼの症状が出ている場合は、すぐに病院に連れて行ってください。

泣かずにぐったりして、ママの呼びかけに反応しない場合は意識障害があるため、すぐに救急車を手配しましょう。

頭をぶつけた子供は、頭を足よりも高くして横向きに寝かせ、気道を確保したら、頭や身体を動かさずに静かに待ちます。また、意識が回復したとしても一度病院で検査を受け、その後2-3日は経過観察が必要です。

確認事項と対処3.頭部強打後に出血したか

もし、子供が頭をぶつけて出血した場合は、清潔なタオルで傷口を押さえて血が止まるまで待ちます。タオルを濡らす必要はありません。

その際、身体を起こしていると血が止まりにくいため、横に寝かせて止血してください。5-10分ほど様子を見て血が止まったら、病院につれていきます。傷口を押さえていても血がなかなか止まらない場合は、救急車を呼ぶなどの対応をしましょう。

確認事項と対処4.頭部強打後にたんこぶができたか

子供が頭をぶつけた箇所にたんこぶができていたら、タオルを水で濡らして、たんこぶの部分を冷やしてください。

たんこぶは「皮下血腫(ひかけっしゅ)」と言い、ぶつけた箇所の血管が切れて血液が溜まってできるものです。そのため、たんこぶがあるということは、出血がなくてもぶつけた衝撃が強く、内出血をしているということです。

まだ頭蓋骨が柔らかい3歳未満の子供が強く頭をぶつけてたんこぶができた場合は、頭蓋骨骨折の恐れもあるため、早めに病院で検査をしましょう。

確認事項と対処5.頭部強打後に麻痺や痙攣がないか

子供が頭をぶつけた後に痙攣したり、手足の麻痺がある場合は、すぐに病院に行く必要があります。

意識がある場合は手を握ったり、足を動かせるかどうかを確認しましょう。何度も痙攣をしたり、麻痺やしびれが治まらない場合は、すぐに救急車を呼んでください。

確認事項と対処6.検査後2-3日以内に変化があったか

子供が頭を強くぶつけて病院で検査をした後は、医師から「しばらくはお子さんの様子を見てあげてください。」と言われるはずです。

頭部を強打すると、数日後、数週間後に何らかの症状が出ることもあるので、すぐに安心はできません。一般的には2-3日様子を見てください。

とくに、病院で検査を行った日から次の日の朝にかけて、子供におかしな様子がないかを観察し、気になることがあれば再度病院で診てもらいましょう。

すぐに救急車を呼ぶべき症状

前述した症状と対処法を踏まえて、赤ちゃんや子供が頭をぶつけたときにすぐに診察をうけるべき症状、救急車を呼ぶべき症状を押さえておきましょう。

医療法人社団 山中たつる小児科

症状1.意識障害や痙攣がある場合

子供が転倒や落下したときにコンクリートやアスファルト、風呂場のタイルやテーブルなど、硬いものに強く頭を打ち付けて意識障害をおこしたり、痙攣を起こした場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

症状2.繰り返し嘔吐する場合

子供が頭をぶつけて30分以上すぎても繰り返し嘔吐をする場合、また生後7か月以下の乳児が頭をぶつけ、頭部がいつもよりぶよぶよなことが確認できる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

症状3.強い頭痛を訴える場合

子供が頭をぶつけた後に、落ち着かせてそれでも頭に痛みを訴えている場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

症状4.四肢の運動障害がある場合

手足のしびれを訴えたり、手足が動かせない、身体の動きがおかしいと感じた場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

症状5.耳や鼻から出血がある場合

子供が頭のみをぶつけたにもかかわらず、耳や鼻から出血がある場合は、すぐに救急車を呼びましょう。

頭をぶつけても症状は目に見えづらい

子供が身体のどこかをぶつけた場合は、青あざができたり、その箇所が上手く動かせなかったりするため、見た目や運動機能面での変化はわかりやすいものです。

ところが、頭は強くぶつけても症状がわかりにくい場合があり、時間が経ってから何らかの影響が出ることもあります。そのため、子供が頭をぶつけた後は最低24時間以上、できれば2-3日は注意深く見守る必要があります。

とくに、頭蓋骨に隙間がある小さな子供は、頭をぶつけたことで脳が揺れたり、衝撃による脳の萎縮によって、ぶつけた箇所以外に影響が及ぶ可能性があります(脳萎縮の症状は虐待でも同様)。

子供が2-3歳になって活発に動き始めることは、ママにとって嬉しいことです。同時にケガをしたり、危険な目にあうことが増えるため、心配な時期でもあります。

ただ、親が心配しすぎて子供の好奇心を奪ってしまったり、行動に制限をかけすぎると、子供の心身の成長を阻害する原因になる可能性があります。

ママは最低限の安全が確保できる場所で、子供を好きなように遊ばせつつ、何かがあったときに必要な対処と判断を行う準備を常に怠らないようにしましょう。

赤ちゃん・子供を注意深く守ることと過保護は違う

人間にとって1番守らなければならないのは、脳が入った頭部です。とりわけ、赤ちゃん・子供の脳はまだ発達の途中のため、親が大切に守って上げる必要があります。

と言うと「子供を過保護に育てるな!」「自由に遊ばせないのはかわいそうだ!」という人もいますが、赤ちゃん・子供の頭を守ることはすべての行動を制限して、過保護に育てることではありません。

たとえば、つかまり立ちやひとり歩きは周囲に余計なものを置かず、部屋の中央で思いっきり遊ばせれば良いですし、公園で遊ぶことができる2-3歳になったら、面倒臭がらずに親もいっしょに遊んで危機回避に努めれば良いでしょう。

また、雨の日はマンホールや階段に気を付けて手をつないだり、普段以上に車に気をつけるように言い聞かせるなどの教育も必要です。

もちろん、そのような行動や教育をし、親が十分な注意を払っていても、子供は運悪く頭をぶつけてしうこともありますが、過保護に育てることは別物だとわかりますよね。

では、もし万が一子供が頭を強くぶつけてしまったら、わたしたちはどう対処すれば良いのでしょうか。次回は子供が頭をぶつけたときの対処法についてお話します。


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