世界の少子化と地球の人口増加問題が同時に起こる原因とその影響

大家族の人形

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少子化問題と人口増加問題があることは知っているけど

日本に少子化問題があることは誰でも知っていますね。今の出生数が続くと、日本の人口は2050年には1億人を割り、2060年には9000万人を割ると推測されています。

少子化は日本だけの問題ではありません。1960年の世界の合計特殊出生率(15-49歳の女性1人あたりが産む子供の数)は4.98人でしたが、2014年は2.45人で半分以下になっています。

つまり、世界中で女性が産む子供の数が減っているということです。

また、世界では人口に関するもう1つ大きな問題があります。それは人口増加問題です。

世界の人口増加推移

出典|2100年の世界人口は112億人、国連予測 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

現在、世界の人口は70億人を超えていますが、それが2050年までに100億人近くに増え、2100年には現在の1.5倍以上の110億人を超えると予測されています。そして、地球規模で人口が増えることで、さまざまなデメリットが起こります。

ところで、世界各国の少子化問題と地球規模の人口増加問題は、全く間逆なことを言っている様に聞こえませんか?

「世界中で子供の産まれる数が減っているのに、人口がどんどん増えていく……。なんだか矛盾しているような……。」

なぜ、世界では少子化問題と人口増加問題が同時に起こるっているのでしょうか。また、少子化と人口増加のデメリットとは何でしょうか。

今回は、少子化問題と人口増加問題が同時に起こっている理由、また少子化問題と人口増加問題によるデメリットについてお話したいと思います。

世界の少子化の問題点とは

少子化が問題視されている理由は、産まれる子供たちよりも死んでしまう人たちの方が多くなることで、その国の人口が減少してしまうからです。

問題点1.経済の規模が小さくなる

人口が減少すると労働人口が減るため、物の生産量・流通量が減ってしまいます。もちろん、従事する人がへるため、受けられる公共サービスなども減ってしまいます。

人口が少なくなるため、消費も減ります。生産量・流通量が減り、消費も減るため、経済の規模が小さくなります。経済の規模が小さくなると、国の競争力が下がってしまいます。

問題点2.国の税収が減る

税金はできるだけ多くの人から集める方が、1人あたりの負担が少なくなり、集めやすくなります。

日本の場合は、高齢化問題があるため将来的に社会保障費が大きくなりますが、少子化で納税者が減るため、国の税収が減ってしまいます。

問題点3.社会インフラの縮小

国の経済の規模が小さくなったり、国の税収が減ってしまうと、公共機関や公共サービスなどの社会インフラが縮小してしまいます。

社会インフラが縮小してしまうと貧富の差が激しくなってしまい、治安が悪化してしまいます。

問題点4.個人税負担の増大

前述した通り、少子化の影響は高齢化問題とセットで起こります。国は国民の税金で運営されているため、老人が増えると年金支出などの社会保障費が増えて税収が減ります。

つまり、支えられる高齢者の数が増えることで、若者1人あたりの税負担が大きくなってしまうんです。

1950年ごろは12人の若者で1人の高齢者を支えていた社会構造が、現在は2.3人の若者で高齢者を支えています。さらに、2060年には1人の若者で1.3人の高齢者を支えなければいけません。

単純に考えると今の1.8倍も社会保険料が増えるということです。もちろん、高齢者が増える分公共サービスも充実の必要があり、さまざまな税金も増えるでしょう。

毎月4万円の社会保険料を払っている人は、7万円以上の社会保険料を払うことになります……。ちなみに、若者と言っても75歳以下のことですからね……。

少子化問題のリスクと解決方法

少子化は国単位の問題なので、わたしたち個人が何を目標に少子化対策をすれば良いかはなかなかイメージができません。

1人の女性が単純に子供を3人、4人とポンポン産むことは、体力的にも金銭的にも難しいはずです。そこで、政府は少子化対策として以下の施策を行ったり、計画を立てています。

・仕事と家庭を両立できる社会構築
・育児休暇制度の拡充
・幼保一元化
・保育園の拡充
・中高義務教育の無償化
など

では、どうなれば少子化問題が解決したと言えるのでしょう。仮に1950年ごろのように、12人の若者で1人の高齢者を支える社会構造に戻すことが目標だとしたら、今の少子化対策では不可能でしょう。

現在の人口状態を維持するだけで、合計特殊出生率を1.42人から2.07人に上げなければいけません。15-49歳の女性全てが2.07人の子供を産むということは、少なくとも今子供を産んでいる全ての女性がもう1人は子供を産むイメージです。

そして、単純に考えて、さらに5倍以上の子供を産まない限り、1950年ごろの水準には戻りません。

65歳位以上人口推移

出典|2010年は2.8人で1人、2060年には? 何人の働き手が高齢者を支えるのかをグラフ化してみる(高齢社会白書:2015年)(最新) – ガベージニュース

地球の人口増加の問題点とは

1つの国を見ると少子化は大きな問題です。国の経済の発展・維持のためには若い人口が必要だからです。ところが、地球規模で見ると人口増加が問題になっています。

世界全体の世代別人口数推定

出典|世界人口は2060年に100億人を突破…国連予想による米英露の2100年までの人口推移をグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース

2050年には人口が100億人近くに増えますが、これは今の子供がアラフォーになるころです。地球規模の人口増加にはどのような問題があるんでしょうか。

問題点1.食料が足りない

現在の農作物の栽培と消費のペースだと、100億人分の食料を維持することは不可能だそうです。

問題点2.水が足りない

真水はほとんどが地下水を利用していますが、人口が100億人になると圧倒的に足りません。海水の淡水化は日本ががんばっていますが、まだ安価に真水を生成するには時間がかかるそうです。

問題点3.エネルギーが足りない

電気・ガスなどの生活インフラを支えるエネルギーが圧倒的に足りません。

問題点4.新たな病原菌が増える

人が増えれば増えるほど、新しい病原菌が増えるそうです。

問題点5.人の移動が起こる

貧困地域から裕福な地域に人が移動するようになります。地球規模の移動なので、他の先進国がそうしているように日本も多くの貧困層の外国人を受け入れなければいけなくなるかもしれません。

なぜ少子化と人口増加が同時に起こっているのか

さて、冒頭でお話した通り、少子化問題と人口増加問題は真逆のことに感じるかもしれません。ところが、この2つは同時に起こります。

それは、世界中で死亡数が相対的に減少し続けているためです。仮に、今世界中で1日に1億人が産まれて9000万人が死亡すると、1日で1000万人の人口増加が起こります。

ところが、産まれる赤ちゃんの人数が9000万人に減っても、死亡数が7000万人に減った場合、1日の人口はさらに2000万人増えます。

今まで医療技術が発達していなかった国や貧困のため寿命が短かった国の生活設備が整ってきたため、急激に死亡数が減る状況が起こっています。

もちろん、助けられなかった命を助けられるようになり、貧困を解消できるようになったことは良いことです。ただ、良いことが起こっていると同時に、新しい問題も発生しているということですね。

少子化問題と人口増加問題は、どちらも大き過ぎる問題のため、わたしたちではなかなかイメージが湧きません。ただ、わたしたちの子供は確実に直面しますし、孫たちも今後生きる上で避けられない問題です。

そのため、個人レベルではこれらの問題に対して具体的な解決策が取れないとしても、問題の詳細を知り、自分の子供が幸せに生きていけるように個人的に何らかの準備をすることはできると思います。

少子化がなぜ起こってしまっているのか、その原因の一部も理解しておくとより理解しやすくなるかもしれません。