授乳中お酒を飲む方法は?アルコールで赤ちゃんに障害の影響は?

顔がふっくらした赤ちゃん

この記事の読了時間は約 6 分です。

授乳中もやっぱり飲酒できない?

以前、妊娠中の女性は絶対にお酒を飲んではいけないというお話をしました。これは、妊婦の1日のアルコール摂取量に安全な基準が設けられていない(設けられない)ためです。

つまり、少量の飲酒でもアルコールが胎児に影響を与える可能性があり、結果として流産、早産、胎児性アルコール症候群などの障害につながるかも……と考えなければいけません。

では、出産した後は、好きなときにお酒を飲んでも良いのでしょうか。

ママは出産を終えると、「あーようやくお酒が飲める!」と思う間もなく、授乳が始まります。……そうです、アルコールは母乳を通して赤ちゃんが摂取する恐れがあるため、授乳中もお酒は飲まない方が良いのです。

でも、少しだけ安心してください。ママの肝臓の機能(アルコール分解能力)にもよりますが、授乳中でもある条件を満たせば、お酒を飲むことは不可能ではありません。

では、授乳中にお酒を飲む方法・条件とはなんでしょうか。また、アルコール摂取は、授乳中の赤ちゃんにどのような影響を与えるのでしょうか。

今回は、授乳中のママの飲酒で赤ちゃんに与える影響と授乳中のママがお酒を飲む方法・条件についてお話したいと思います。

授乳中の飲酒が赤ちゃんとママに与える影響

授乳中にお酒を飲むことで、アルコールが赤ちゃんとママに与える影響を知っておきましょう。

影響1.赤ちゃんの急性アルコール中毒

一般的に、お酒を飲むと30-60分後に血液中のアルコール濃度は最大になり、血中アルコール濃度の90-95%が母乳に検出されます。その際に授乳を行うと、飲酒量の1.8%-2.2%のアルコールが赤ちゃんに移行する恐れがあります。

参考|たばことお酒の害から赤ちゃんを守りましょう – 厚生労働省

赤ちゃんは肝臓の働きが弱く、アルコールをあmり分解できません。そのため、赤ちゃんは血中アルコール濃度が高まり、急性アルコール中毒を起こし、場合によっては死に至る可能性もあります。

影響2.赤ちゃんの成長阻害

赤ちゃんが多少アルコールを分解できても、アルコールの代謝で発生するアセトアルデヒドが細胞を傷つけ、赤ちゃんの身体機能や成長を阻害する恐れがあります。

影響3.母乳分泌量の減少

ママが飲酒をするとプロラクチンの分泌量が低下し、母乳の分泌量が減少する恐れがあります。もちろん母乳の分泌量が減少すると、赤ちゃんの母乳不足の原因になります。

影響4.赤ちゃんの授乳量の減少

母乳にアルコールが含まれると味や匂いに変化があり、赤ちゃんが母乳を飲まない可能性があります。もちろん授乳量が減少すると、赤ちゃんの発育に影響を及ぼします。

母乳育児中にお酒を飲む方法・条件

アルコールの影響を考えると、赤ちゃんに母乳育児をしている期間はずっとお酒を飲んではいけない気がしますが、ルールを守って赤ちゃんに影響がないようにお酒を飲むことは可能です。

ただし、アルコールの影響は個人差が大きく、飲まない方が良いことは間違いありません。都合の良い解釈はしないように注意しましょう。

お酒を飲む方法1.お酒の量とアルコール度数に注意する

アメリカ小児科学会が定めた母乳育児中のママが摂取して良いアルコール量の基準は、体重1kg当たりアルコール0.5g(ml)以下です。ママの体重が50kgなら、上限アルコール量は25gになります。

Alcohol is not a galactogogue; it may blunt prolactin response to suckling and negatively affects infant motor development.98,99 Thus, ingestion of alcoholic beverages should be minimized and limited to an occasional intake but no more than 0.5 g alcohol per kg body weight, which for a 60 kg mother is approximately 2 oz liquor, 8 oz wine, or 2 beers.100 Nursing should take place 2 hours or longer after the alcohol intake to minimize its concentration in the ingested milk.

引用|Breastfeeding and the Use of Human Milk

お酒の種類で言うと、ビールで350mlの缶ビール2本(アルコール度数4-5%)、ワインなら125mlのワイングラス2杯(アルコール度数11-15%)です。

ただし、日本人のアルコール分解機能は欧米人より低く、体格も違うため、アルコール摂取量は低く抑えなければいけません。あくまでも目安ですが、華奢な日本人が安全を考えるなら、上記の半分ほどに抑えるなどの節制が大切だと思います。

お酒を飲む方法2.飲酒後最低3時間以上あけてから授乳する

上記アメリカ小児科学会の発表では、飲酒後最低2時間は授乳をしてはいけないとしていますが、ここも日本人に合わせて考えましょう。

日本人がお酒を飲むと血中アルコール濃度は以下のように変化します。350mlの缶ビール1本程度であれば、3時間後にはアルコールが分解されて、身体から抜けている可能性が高いということです(2-7時間の個人差はある)。

血中アルコール濃度の変化

出典|アルコール代謝の仕組み | 知っておこう!上手な飲み方、付き合い方 | サッポロビール

ただし、お酒に弱い人はアルコール分解に時間がかかります。お酒が弱い自覚がある人は十分な時間間隔をとるか、できるだけお酒を控えなければいけません。

お酒を飲む方法3.赤ちゃんが生後3-6か月以降にする

上記ルールから、ママはお酒を飲んだ後3時間以上あけなければ授乳してはいけません。言い換えると、赤ちゃんに3時間以上授乳しないタイミングでなければ、お酒を飲んではいけないということです。

つまり、赤ちゃんの授乳回数が1日5-6回以下で、確実に3-4時間以上の授乳間隔があき出す生後3-4か月以降が飲酒の目安になります。

もっと安全に考えるなら、赤ちゃんの離乳食が始まる生後6か月を目安にして、離乳食の開始をお祝いして1杯だけという風にした方が良いでしょう。

お酒を飲む方法4.混合育児にする

厚生労働省の資料によると、完全母乳育児・混合育児・完全ミルク育児の授乳方法の割合は以下のように推移しています。

授乳期の栄養方法_月齢別

育児を行う家庭にはさまざまな状況・環境がありますが、赤ちゃんの状態や家庭環境に合わせて上手く混合育児をするママは多いと思います。うちも、生後3か月ごろには完母から混合に移行しました。

お酒を飲むために……というと変に聞こえますが、混合育児を行うなら早めにお酒を飲める可能性は高くなります。

授乳中の飲酒はルールを守って上手にする

女性は、妊娠から授乳が終わる(卒乳or断乳)までにおよそ2-3年の期間があります。

厚生労働省では、妊娠期間、授乳期間はお酒を飲まないことを推奨していますが、人によっては2年もお酒が飲めないのは辛いことかもしれません。

アメリカ小児科学会では「お酒を飲めないなら母乳育児を続けたくない。」となるよりは、母乳育児を続けながら上手に飲酒をして、ストレス発散をする方が良いとしています。

お酒を我慢できるのなら良いのですが、アルコールによる母子のリスクを理解しつつ、授乳の合間にストレスを発散すること自体は悪いことではありません。

ちなみに、「アルコールによって母乳の分泌が促進される。」という話を聞いたことがある人がいるかもしれませんが、アメリカ小児科学会では「アルコールは母乳の分泌を促進する物質ではない。」としています。

そのため、母乳が出ないからといってお酒を飲んだり、お酒を飲む理由に「母乳を出したいから」と言うことは間違っています。母乳が出ない場合は、授乳回数を増やす、運動する、身体を温める、母乳外来に通うなどで母乳不足解消に努めましょう。

授乳期間は意外と長いので、上手に息抜きをしてストレスが溜まらないよう楽しく子育てができると良いですね。赤ちゃんの授乳中に摂取してはいけないもの、摂取に注意が必要なものは他にもあるので以下を参考にしてください。