致死率30倍!チャイルドシートの正しい使い方と間違った使い方

チャイルドシートに座ってごきげんな赤ちゃん

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チャイルドシートは新生児から必要

赤ちゃんが、初めて車に乗るタイミングはいつでしょうか。

「うちは車ないから1歳以降じゃないかな。」という都市圏住みの人もいますが、よく考えると出産後の帰宅の際に、家族や友人の車、タクシーに乗せた人は多いはずです。

もちろん、タクシー以外の車では、赤ちゃんをチャイルドシートに乗せて帰りましたよね?

知らない人は少ないとは思いますが、2000年4月の道路交通法改正により、6歳未満の乳幼児はチャイルドシート着用が義務化されました。

そのため、公共交通機関のタクシー以外は、友人の車でも赤ちゃんをチャイルドシートに乗せなければ、道路交通法違反で運転者に違反点数が1点加算されます。

では、赤ちゃんをチャイルドシートに乗せてさえいれば安全なのでしょうか。実はチャイルドシートを間違って取り付けたり、間違った使い方をすると、赤ちゃんはより危険が増す可能性があります。

今回は、チャイルドシートの正しい設置方法と使い方、赤ちゃんの乗せ方や注意点についてお話したいと思います。

チャイルドシートの間違った取り付け方・使い方で危険が増大

2016年に警察庁と日本自動車連盟(JAF)が行なった調査によると、1歳未満のチャイルドシート使用率は85.7%となっています。

チャイルドシートの着用は義務のため、決して良い数字ではありませんが、それでも10年前と比較して使用率は10ポイント以上増えています。

チャイルドシート使用状況調査結果年齢別

出典|チャイルドシート使用状況全国調査(2016)|警察庁/日本自動車連盟(JAF)

ところが、乳児用チャイルドシート(ベビーシート)の60%が間違った取り付け方をしており、さらに36.2%が間違った使い方・乗せ方をしていることがわかっています。

内閣府の平成28年版交通安全白書によると、チャイルドシートを正しく使用している子供に比べて、不適正な使用では致死率が29.5倍、死亡重症率が6倍となっており、チャイルドシートを使わないよりも、間違って使う方がリスクが高いことがわかっています。

チャイルドシート使用有無別致死率および死亡重症率_平成26年

出典|第2節 平成26年中の道路交通事故の状況|平成27年交通安全白書(全文) – 内閣府

もちろんこの結果は、「じゃあチャイルドシートしない方がマシじゃん。」ではなく、正しく取り付けて正しく使えば、よりリスクが軽減できるということを理解しなければいけません。

チャイルドシートの間違った取り付け方

チャイルドシートはただ取り付ければ良いのではなく、子供が安全に乗れるように取り付けなければ意味がありません。以下の間違った取り付け方をしないようにしましょう。

チャイルドシートの間違った取り付け方

出典|チャイルドシート使用状況全国調査(2016)|警察庁/日本自動車連盟(JAF)

間違った取り付け方1.腰ベルトの締付け不足

腰ベルトの締付け不足とは、チャイルドシートを座席に固定したときにぐらつきがあることです。チャイルドシートがぐらつくと、衝突時に子供が投げ出されたり、チャイルドシートが大きく揺れて危険です。

現在、チャイルドシートには、従来の「3点式シートベルト固定方式」と新しい「ISOFIX(アイソフィックス)固定方式」の2種類の取り付け方があります(2点式は推奨されない)。

ISOFIX固定方式は従来のシートベルト固定に比べて、取り付けが簡単でチャイルドシートがぐらつかないため、車種が対応している場合は積極的にISOFIX固定方式を選ぶようにしましょう。

2012年7月以降に発売された日本車がISOFIXに対応しています。チャイルドシートには取り付け確認車種のリストがあるため、車に対応したチャイルドシートを選びましょう。

間違った取り付け方2.座席ベルトの通し方の間違い

座席ベルトの通し方の間違いも、3点式シートベルトでの取り付けミスです。チャイルドシートの背部(または座席部)にシートベルトを通すときに間違った通し方をすると、チャイルドシートが正しく固定されません。

とくに、シートベルトが途中で捻れてオモテウラで取り付けると、ぐらつく原因になります。チャイルドシートの取り付け方は、製品によって多少異なるため、取扱説明書に従って正しく取り付けましょう。

間違った取り付け方3.座席ベルトの長さ不足

大きなチャイルドシートを座席に固定する際に、車種によってはシートベルトの長さが足りない場合があります。こちらも取り付け確認車種のリストを見れば間違えることはありません。

間違った取り付け方4.座席ベルトの不適合・固定金具の不備

補助用シートベルトなど既製品以外を使用している場合は、チャイルドシートを取り付けられないことがあります。また、金具とバックルが壊れていると、しっかり取り付けられません。

どちらもチャイルドシートを座席に取り付ける前に、確認と整備を済ませておきましょう。

間違った取り付け方5.サポートレッグ調節不良

サポートレッグとは、チャイルドシート本体の前部から床面に伸ばした支柱のことで、チャイルドシートのぐらつきを抑え、強く固定するために必要な装備です。

ただ、サポートレッグは他の部位に比べて劣化が激しいため、折れたり、緩みやすくなることがあります。

間違った取り付け方6.車両座面形状との不適合

車種によっては、座席の角度や深さ、柔らかさなどによってチャイルドシートが取り付けにくかったり、ぐらつくことがあります。こちらも取り付け確認車種のリストを見れば、間違うことはありません。

チャイルドシートの間違った使い方・乗せ方

せっかく正しくチャイルドシートを取り付けても、間違った使い方(間違った乗せ方)をすると子供の危険が高まります。以下の間違った使い方をしないようにしましょう。

チャイルドシートの間違った使い方

出典|チャイルドシート使用状況全国調査(2016)|警察庁/日本自動車連盟(JAF)

間違った使い方1.ハーネスの締め付け不適正

子供をチャイルドシートに乗せてバックルをカチッと留めたら、調節用のベルトでハーネスの長さを調節して身体にフィットさせてください。締め付けすぎても、緩めすぎてもいけません。

間違った使い方2.ハーネスの高さ調節間違い

子供をチャイルドシートに乗せたときに、肩とハーネスに隙間があると車が揺れる際に子供も上下に揺れます。ハーネスの長さと座席の高さを調節するなどして、子供の肩をハーネスが隙間なく覆うように調整しましょう。

ハーネスと肩の合わせ方

出典|はじめてのチャイルドシート クイックガイド 乳児・幼児兼用タイプ

間違った使い方3.ハーネスのよじれ・ねじれ

ハーネスによじれやねじれがあったり、固定ベルトから手を出していたり、固定ベルトが開いてハーネスが肩に当たっていなければ、衝撃があったときに子供を正しく固定できません。

ベルトに捻れがないように適度に締め付けて、ハーネスの全面が子供の肩に当たるように調節してください。

ハーネスの取り付け方

出典|はじめてのチャイルドシート クイックガイド 乳児・幼児兼用タイプ

間違った使い方4.背もたれ角度の不適切

1歳未満児が使うベビーシートは、45度未満の傾斜があり身体を包み込む形のため、衝突の衝撃を背中全体で分散してくれます。

ところが、座席の素材や深さ、角度によって45度以上になる場合があります。そのため、ベビーシートの角度が合わなければ、クッションなどを使って赤ちゃんの腰を少し上げるか、ベビーシートの角度を変える必要があります。

ベビーシートの角度
ベビーシートの調整

出典|子供の命を守るために 必ず使おう!!チャイルドシート|日本小児科学会

間違った使い方5.体格不適合

チャイルドシートは、乳児用の「ベビーシート」、乳幼児用の「チャイルドシート」、学童用の「ジュニアシート」、各種「兼用シート」に分かれており、子供の体格によって使い分けなければいけません。

乳児用のベビーシート
使用年齢目安|新生児から1歳ごろ
使用体重目安|13kg未満
使用身長目安|70cm以下

幼児用のチャイルドシート
使用年齢目安|生後9-10か月から4歳ごろ
使用体重目安|9kg-18kg未満
使用身長目安|65cm-100cm以下

学童用のジュニアシート
使用年齢目安|4歳から6-10歳まで
使用体重目安|15kg-36kg未満
使用身長目安|140cm未満

とくに赤ちゃん用のベビーシートは、首がすわって体重が10kg(目安は生後11か月-1歳ごろ)を超えるまでは、車の進行方向に対して後ろ向きに使用しなければ首を痛める可能性があります(寝かせるシートタイプでも良い)。

昨今は、ベビー・チャイルド・ジュニアの兼用シートもあるため、用途に合わせて購入するチャイルドシートを選んでください。以下は、ISOFIX対応の兼用シートです。

兼用シート01
兼用シート02

兼用シートは、シートがリクライニングしたり、いらないパーツを取り外せるなど、新生児から10歳前後の子どもまで最大10年ほど使えるものもあります。

このタイプのチャイルドシートは、買い換える必要がないため便利ですが、ベビー・チャイルド・ジュニア専用のチャイルドシートほど機能性は高くなく、長く使うため壊れやすいデメリットがあります。

チャイルドシートの乗せ方は毎回確認する

チャイルドシートは、一度取り付ければずっと同じ状態なわけではありません。とくに、3点式シートベルト固定タイプは、車の揺れや子供の動作で、少しずつズレや緩みが生じるため、毎回しっかり固定できているか確認が必要です。

また、赤ちゃん・子供をチャイルドシートに乗せる際の注意として、以下の点を心掛けましょう。

・洋服を着せすぎないようにする
・おくるみなどは外す
・頭をドアなどにぶつけないように注意する
・暴れてもベルトは緩めない

さらに、チャイルドシートとともに、赤ちゃんの乗車準備や赤ちゃんを乗せたときの安全運転にも気をつけてください。

赤ちゃん乗車時の注意点
1.なるべく生後1か月以降
2.とにかく安全運転
3.何度も休憩を取る
4.赤ちゃんが泣いたら休憩
5.二階以上の駐車場を利用しない
6.車に置いて外に出ない
7.お出かけは赤ちゃん優先
8.帰宅後は生活リズムに注意して休む

赤ちゃんがチャイルドシートに慣れるまでは時間がかかりますが、首がしっかりすわると少し安心できますし、1歳を過ぎると車でいっしょにお出かけをすることが楽しくなります。

チャイルドシートは正しく取り付け、赤ちゃん・子供を正しくチャイルドシートに乗せて、安全に配慮したお出かけを楽しんでください。