砂糖水は赤ちゃんの便秘改善に効果がある?オリゴ糖・麦芽糖は?

投稿日:2019年1月3日 更新日:

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昔からある赤ちゃんの便秘対策

赤ちゃんや小さな子供は、わたしたちが思っているよりも便秘傾向が強く、2-3日に1回の排便を便秘と仮定すると0-6歳児の便秘の割合は24%に及びます。

0-6歳の子供が便秘になる割合

平成27年度 乳幼児栄養調査結果の概要|厚生労働省

まーさ
赤ちゃんが離乳食を食べていれば、食材に気をつけるけど、離乳食前の赤ちゃんはどうすればいいの?

そんなときにお姑さんやママ友から、「赤ちゃんの便秘を改善したいなら、砂糖水を飲ませるといいよ!」という話を聞いたことがある人もいるでしょう。ただ、本当に赤ちゃんの便秘改善に砂糖水は効果があるのか疑問です。

そこで今回は、離乳食前の赤ちゃんの便秘改善に砂糖水は効果があるのか、どのように作れば良いかをお話したいと思います。

砂糖水の作り方と飲ませ方

まず、一般的によく言われる便秘対策のための砂糖水の作り方を押さえておきましょう。

砂糖水の材料

・白湯:100ml
・砂糖(上白糖、またはグラニュー糖):3-5g
・普段使っている哺乳瓶

つまり、3%の砂糖水を作りたい場合は3gの砂糖、5%の砂糖水を作りたい場合は5gの砂糖を用意します。

砂糖水の作り方

水を沸騰させて白湯を作り、60℃程度に冷まします。白湯と上白糖(グラニュー糖)を哺乳瓶で混ぜ、湯冷ましを加えて人肌程度に冷まして完成です。

白湯と湯冷ましの違い
白湯…水を沸騰させた90-100℃のお湯のこと
湯冷まし…白湯を常温に冷ました20-35℃の水のこと

砂糖水の飲ませ方

離乳食が始まる前の赤ちゃんにとって、砂糖水は余計な水分です。そのため、1回の授乳が終わってから飲ませてください。

1日の摂取量の目安は「月齢×10cc」です。薬のように決まった時間に決まった量を飲ませるものではないため、赤ちゃんが嫌がるときは無理に飲ませないようにしましょう。

また、飲み過ぎると哺乳量が減る恐れがあります。哺乳量が減ると、栄養不足や便秘の悪化につながるため気をつけてください。

砂糖水の保存方法

赤ちゃんが1度口を付けたものは、雑菌が繁殖する可能性があるため残さずに破棄して下さい。口を付ける前のものは冷蔵保存可能です。冷蔵保存でも、翌日には破棄するのが衛生的です。

作り置きをする場合は、消毒した哺乳瓶など清潔な容器に入れて保存しましょう(赤ちゃんが飲む哺乳瓶とは別)。

砂糖水は便秘改善に効果がある?

では、なぜ砂糖水は便秘改善に効果があると言われるのでしょうか。

うんちが大腸に運ばれると、うんちの水分は大腸で吸収されます。そのため、大腸に留まる時間が長いほどうんちは硬くなります。

そこで砂糖水を取り入れると、砂糖水の浸透圧効果によって腸壁から腸管に水分が引き込まれるため、うんちは水分を保持してやわらかくなります。

便秘について|法善寺保育園

これが砂糖水が便秘に効果があると言われる一般的な見解です。一方、砂糖水を飲ませても、医学的な効果はないという意見もあります。

砂糖は通常、ブドウ糖に分解されて小腸で吸収されてしまうため、大腸にまで届いて浸透圧によって便をやわらかくする効果は期待できません。赤ちゃんが飲める程度の甘さや量の砂糖水では、便秘解消には効果がないのです。

赤ちゃんの便秘に「砂糖水が効く」というのは本当?【小児科医監修】|Milly ミリー

たしかに、「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」には、治療法として砂糖水の記述がありません。

小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン|日本小児栄養消化器肝臓学会

そのため、たとえ砂糖水を赤ちゃんに飲ませて便秘が解消したとしても、砂糖水だから解消したのか、単純に水分を飲ませたから解消したのかはわかりません。

では、砂糖水はまったく効果がないかと言うとそうではありません。上白糖やグラニュー糖ではなく、オリゴ糖や麦芽糖を使った砂糖水であれば、より高い効果が期待できます。

効果が期待できる砂糖水の糖の種類

オリゴ糖

オリゴ糖とは、単糖のグルコース(ブドウ糖)やフルクトース(果糖)が複数個(10個未満など)結合した糖を言います。

オリゴ糖は、唾液や胃腸の消化酵素で分解されずに大腸まで届き、腸内でビフィズス菌など善玉菌の餌になります。オリゴ糖には整腸作用があるため、継続して摂取することで便秘対策の効果が期待できます。

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赤ちゃんには、1日にティースプーン1/2-1杯(5cc前後)のオリゴ糖をミルクや白湯に混ぜて、与えるのが目安です。ただし、お腹が弱い子は下痢をする可能性もあるため、様子をみながら量を調整しましょう。

赤ちゃんのおなかを守るオリゴ糖|オリゴのおかげ|塩水港精糖株式会社

麦芽糖(マルトース)

麦芽糖とは、グルコース(ブドウ糖)2分子が結合した二糖類のことです。小腸で吸収されにくく、腸内で善玉菌の餌となります。また、ゆるやかな発酵作用により腸の蠕動運動を促進して、排便を促す作用があります。

ドラッグストアでも、濃度60%以上の麦芽糖を使った「マルツエキス」という浸透圧性下剤が販売されています。マルツエキスは、便秘に使われる薬剤として「小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン」にも掲載されています(推奨度C1)。

1 歳以上 3 歳未満:1 回 9~15 g
6 か月以上 1 歳未満:1 回 6~9 g
6 か月未満:1 回 3~6 g
いずれも 1 日 2~3 回経口投与する

小児慢性機能性便秘症診療ガイドライン|日本小児栄養消化器肝臓学会

砂糖水に使ってはいけない糖類

一方、赤ちゃんや小さな子供に使ってはいけない糖類、注意が必要な糖類もあります。

ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。|厚生労働省

乳児ボツリヌス症にご注意ください!! - 奈良市

蜂蜜を原因とする乳児ボツリヌス症による死亡事案について | 厚生労働省

はちみつ

1歳未満の乳児がはちみつを摂取すると、乳児ボツリヌス症を引き起こす危険があります。ボツリヌス菌は川や土壌に居る身近な菌ですが、熱や乾燥に強く、感染のリスクが高い菌です。

ボツリヌス菌は、120度で4分加熱しなければ死滅しません。症状は、便秘、哺乳量の低下、活気が無い、泣き声の変化、首のすわりが悪くなるなどで、死亡例もあります。

黒糖、きび砂糖、コーンシロップ

黒糖、きび砂糖※、コーンシロップにもボツリヌス菌が潜んでいる可能性があります。はちみつ以外で、乳児ボツリヌス症の原因菌は不明な場合が多いのですが、万が一のために1歳未満の乳児には与えない方が懸命です。

注意日新製糖のきび砂糖など、加熱処理を行ってある商品もあります。

離乳食開始後の便秘は食材に気をつける

前述した通り、グラニュー糖や上白糖などのショ糖を使った砂糖水は手軽に作れますが、大腸に到達するまでに消化吸収されてしまい、効果が現れない場合もあります。

そのため、作用は緩やかですが、砂糖水にはオリゴ糖や麦芽糖を使用した方が、赤ちゃんの便秘改善の効果を実感しやすいかもしれません。

便秘の改善・予防対策は個人差があるため、少しずつ摂取して、時間をかけて便秘体質を改善する気持ちで試してみましょう。

もちろん、歯が生えてきた赤ちゃんには、砂糖水を与えることで虫歯のリスクがあります。麦芽糖・オリゴ糖はショ糖に比べると虫歯になりにくい糖類ですが、虫歯にならないわけではありません。

麦芽糖・オリゴ糖を使った砂糖水を飲んだ後は、赤ちゃんの歯を磨いたり、ガーゼで拭って虫歯予防をしましょう。

虫歯になる糖 | 歯科衛生士

また、離乳食が始まったら、りんごやサツマイモなど食物繊維が豊富な野菜・果物類、ヨーグルトなどの乳酸菌も取り入れてみましょう。

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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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