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子供の便秘体質を改善する具体的な栄養素・食べ物と摂取の方法

投稿日:2018年12月16日 更新日:

食生活が子供の便秘に影響する

わたしたちが正常な排便をする際、正しい排便反射が起こっています。

胃の中に食べ物が入ると大腸が蠕動運動(ぜんどううんどう)を始め、直腸にうんちが到達すると直腸内圧が高まって、うんちを出す準備に入ります。そこで、便意を感じて肛門括約筋(こうもんかつやくきん)が緩み、排便に至ります。

この排便に至るまでの一連の反応を排便反射といい、排便反射が阻害されると便秘になってしまいます。

排便反射を阻害する原因は、食事・運動・精神的ストレスなどがあり、子供も大人と同じように便秘になります。とくに、小さな子供は、ママが食事の管理をするため、普段の食事には気を使っているはずです。

ところが、0-6歳の便秘の割合は24%に及び、1%は便秘の治療を行っている状態です。

では、子供の便秘に影響を与える食生活とはどのようなものでしょうか。また、便秘体質を改善する栄養素、食べ物とは何でしょうか。

今回は、子供の便秘を改善する食生活、便秘改善のために摂取したい栄養素・食べ物と摂取の方法についてお話したいと思います。

子供の便秘を解消する食生活とは

まず、子供の便秘を解消するための栄養素・食べ物を知る前に、現在の食生活の見直しをしましょう。

1日3食など規則的な食生活

松生クリニックの松生院長は、自著の「子どもの便秘は今すぐなおせ|主婦の友社」で以下の食生活の改善が必要だと話しています。

便秘解消のための食生活の改善
1.寝起きに1杯の水を飲ませること
2.1日3食きちんととること
3.就寝の3時間前は食べないこと

反射は朝食後に起こりやすいため、しっかりと朝食を食べる必要があります。その前に、コップ1杯の水を飲むと固形物のみよりもスムーズな消化が行われます。また、朝決まった時間に起きて朝食を食べることは、規則的な腸の蠕動運動を促し、規則的な排便サイクルにつながります。

さらに、食べ物の胃内停滞時間は2-3時間ほどが多いため、就寝3時間前に食事を済ませると胃の中は空っぽになり、すっきり眠ることができます。そして、朝の食欲につながるわけです。

あすけん - 食べたものが消化するのにどのくらい時間がかかりますか?

社会医療法人同仁会 耳原鳳クリニックホームページ(コラム:生活習慣の改善で心地よい排便を)

【医師監修】子どもの便秘を治すには?「3つの食生活、3つの食材」|ウーマンエキサイト(1/3)

食べ物で腸内環境を整える

腸内には数百兆個の細菌(善玉菌、悪玉菌、日和見菌)が存在し、腸内をびっしりと覆っています。その様子が花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれます。

腸内では日々善玉菌と悪玉菌が陣取り合戦をしている状態で、これらの菌の種類や数が腸内環境に影響しています。

悪玉菌が増殖して腸内細菌のバランスが崩れると、便秘や肌荒れ、免疫力低下に繋がります。善玉菌が増えると、腸の蠕動運動を促進したり、悪玉菌の増殖を抑えられ、便秘の予防・解消や免疫力アップを期待できます。

腸内環境は1日で変わるものではないため、善玉菌を増やすために日々の食生活、意識して摂取する栄養素・食べ物はとても重要です。

【医師監修】子どもの便秘を治すには?「3つの食生活、3つの食材」|ウーマンエキサイト(1/3)

便秘を解消する栄養素1.食物繊維

「規則的な食生活」と「腸内環境を整える」ことを考えたうえで、便秘解消のために食物繊維を摂取することを心がけましょう。

水溶性食物繊維と不溶性食物繊維

食物繊維には、「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」の2種類があります。

水溶性食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにしたり、コレステロールを排出する働きがあります。また、水に溶けるとゼリー状になるため、うんちが軟らかくなり排出を助けます。

不溶性食物繊維は、胃腸で水分を吸収してうんちの量を増やすことで大腸壁を刺激して、蠕動運動を促進します。ただし、水に溶けにくいため、摂りすぎるとうんちの量が増えてしまいます。大腸はうんちの水分を吸収するため、長く留まったうんちは硬くなり、便秘の原因になります。

食物繊維をとりすぎると便秘が悪化!? 便秘改善になる量と食材とは | NHK健康チャンネル

食物繊維を含む食べ物

食物繊維は穀類、いも類、野菜、くだもの、きのこ、大豆製品、海藻類などに多く含まれており、これらの食品は水溶性食物繊維・不溶性食物繊維の両方を合わせ持っています。

食物繊維を摂る習慣は、幼児期の食生活と関わりが深いため、無理のない範囲で少しずつ野菜を食べさせるようにしましょう。

食事摂取基準 厚生労働省

水溶性食物繊維を多く含む主な食品

・β-グルカン:大麦、キノコ類
・ペクチン:リンゴ・キウイなどの果物、里芋・ジャガイモなどの穀類
・アルギン酸:こんぶ、わかめなどの海藻類
・グルコマンナン:こんにゃく芋など

不溶性食物繊維を多く含む主な食品

・セルロース:サツマイモなどの穀類、大豆製品や小豆など豆類、野菜類
・ヘミセルロース:穀類、豆類
・イヌリン:ごぼう、きくいもなど

便秘を解消する栄養素2.オリゴ糖、麦芽糖

腸内環境を整えるためには、オリゴ糖、麦芽糖などの糖類の摂取が大切です。

オリゴ糖

オリゴ糖とは、胃や小腸の消化酵素で分解されにくい「難消化性炭水化物」のことで、母乳にも含まれる成分のため、赤ちゃんや小さな子供でも摂取できます。

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オリゴ糖は大腸に届き、整腸効果を促す善玉菌の餌になります。効果が緩やかなため、すぐに便秘が解消するわけではありませんが、毎日続けることで便秘予防が期待できます。摂取量の目安は以下の通りです。

オリゴ糖の摂取量の目安
大豆オリゴ糖|2g-6g
フラクトオリゴ糖|3g-8g
乳果オリゴ糖|2g-8g
ガラクトオリゴ糖|2g-5g
キシロオリゴ糖|1-3g
イソマルトオリゴ糖|10g

特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準 | 消費者庁

体質や摂り過ぎによって、おなかがゆるくなる場合があるため、子供に飲ませるときは少量から始めて、うんちの状態を見ながら量を調整しましょう。スーパーで売っているオリゴ糖には、添加物が加えられていることが多いため、成分表示も確認してください。

麦芽糖(ばくがとう)

麦芽糖とは、もともとは大麦から作られる糖のことですが、現在はとうもろこしなどのデンプンから作られています。

麦芽糖は、消化されずに大腸まで届いて善玉菌の餌になり、発酵・分解されることで整腸効果が期待できます。「マルツエキス」という60%以上の濃度の麦芽糖が、下剤として薬局でも販売されています。

作用は緩やかなので、便秘解消効果を実感しにくい場合があります。1週間程度使用しても便秘が改善しない場合は、小児科の医師に相談しましょう。

一般用医薬品 : 和光堂マルツエキス

便秘を解消する栄養素3.植物性乳酸菌

腸内環境を整えるためには、乳酸菌も必要です。乳酸菌とは、炭水化物などの糖を消費して乳酸をつくる菌のことで、善玉菌として働き、腸内環境を整える働きを持っています。

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌の違い

乳酸菌は箘なので、生物学的には本来「植物性」「動物性」という分け方はしません。しかし便宜上、乳酸菌が住みやすい環境が乳製品などであれば「動物性」、漬物やキムチなどであれば「植物性」と使い分けています。科学的な分類に基づいた表記は、「○○由来乳酸菌」や「乳酸菌○○分離株」となります。

子供にとって、どちらの乳酸菌の方が良いということはありませんが、動物性乳酸菌よりも植物性乳酸菌の方がさまざまな環境下で生存できるため推奨されることが多いようです。

乳酸菌を含む食品は、離乳食を始めた赤ちゃんから食べられます。動物性と植物性、どちらもバランス良く離乳食に取り入れると良いのですが、食べ過ぎるとお腹がゆるくなることもあるので、少量ずつ試しましょう。

植物性乳酸菌と動物性乳酸菌はどう違うのですか?|日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会

乳酸菌と加熱

乳酸菌は熱に弱く、60度以上に加熱すると死んでしまいます。「生きたまま腸に届く」というヨーグルトのCMがありますが、最近の研究では、生箘だけでなく死箘にも善玉菌のエサになったり、脂質をうんちにして体外に排出する効果があると分かっています。

抵抗力が弱い赤ちゃんには、生食は万が一の食中毒などの危険があります。そのため、赤ちゃんに与える食材は加熱してから与えましょう。

生菌と死菌の関係とは?生きた乳酸菌と死んだ乳酸菌の違い | 菌活生活Side Stories

植物性乳酸菌を含む食べ物

味噌

味噌は、離乳食後期(生後9-11か月頃)から少量を味付けとして使用できます。ただし、味噌は塩分濃度が高いため、与えすぎると腎臓に負担がかかります。「お味噌汁で乳酸菌」という加熱に強いタイプの乳酸菌を含んだ味噌も販売されています。

納豆

納豆は、離乳食中期(生後7-8か月頃)から食べられます。始めは湯通しや汁物として加熱して与えましょう。生後9か月以降、慣れてきたら生のままでもOKです。納豆はタンパク質や脂質、ビタミンK、カルシウムなどを含む栄養豊富な食材です。

ネバネバやニオイがあるため調理が面倒な人は、ひきわり納豆を使うと便利です。納豆は冷凍しても劣化しにくいので、ラップのまま冷凍して、使う時に加熱処理すれば問題ありません。

漬物

漬物は塩分濃度が高く、添加物も多く使用されているため、離乳食の期間は与えないようにしましょう。子供に与える目安は、3歳以降です。

発酵漬物は乳酸菌が多く含まれますが、酸味が強いため、好き嫌いが分かれます。子供に食べさせる場合は、加熱すると酸味が薄れてマイルドになり食べやすくなります。

便秘を解消する栄養素4.マグネシウム

マグネシウムは、体内で骨・筋肉・脳・神経に存在するミネラルの一種です。マグネシウムは消化吸収されにくいため大腸まで届き、浸透圧作用によって腸内に水分を引き込み、うんちを軟らかくします。マグミットなどの下剤の材料として使われます。

マグネシウムを含む食べ物

わかめ、ひじきなどの海藻類

わかめやひじきは、マグネシウムなどのミネラルや食物繊維が豊富です。消化しにくい食べ物のため、子供に食べさせる場合は、消化機能が整ってくる離乳食後期(9か月頃)からにしましょう。

ひじきは、下ごしらえとして水で30分ほど戻して1度洗い、柔かくなるまで茹でます。その後水気を切ってみじん切り、またはすり鉢ですり下ろしてからお湯でのばしたり、お粥やうどんに混ぜると食べやすくなります。

乾燥わかめは水で戻して洗い、生わかめはよく洗っておきましょう。ひじきと同じ要領で、柔らかく茹でて食べやすく調理してください。

豆腐、納豆などの大豆食品

豆腐は、離乳食初期(生後5-6か月)から食べさせることができます。子供が10倍粥に慣れてきたら、湯通しするか電子レンジで10-20秒ほど加熱して、なめらかにすり潰して少量ずつ与えましょう。豆腐はとろっとしていて嚥下しやすく味に癖が無いので、食べやすい食材の1つです。

アサリ等の貝類

アサリなどの貝の身は、弾力があり消化も良くないため、1歳半ごろから徐々に食べさせるようにしましょう。与えるときは茹でて、細かく刻んで少量ずつ与えて下さい。貝類はマグネシウムの他、ビタミンB12やタウリンなどの栄養素を含んでいます。

子供の便秘は生活習慣で改善する!

さて、子供の便秘を解消するために摂取したい栄養素と食べ物についてお話しましたが、やはり便秘解消のためにもっとも大切なことは、食生活などの生活習慣を改善することです。

人間の身体は、病気や疾患などで弱っていなければ、規則正しい睡眠と食事の時間を意識することで概ね正常に働くようになります。そのため、便秘に効果がある栄養素や食べ物だけ意識していても意味がありません。

もう1つ、子供の便秘改善に大切な生活習慣は、排便反射が起きたときに便意を我慢させないことです。便意を我慢してしまうと、だんだん便意を感じにくくなり、便秘が悪化したり、慢性化しやすくなります。

「うちは別に我慢させてないけど。」というママも、たとえばトイレトレーニングで子供にプレッシャーをかけていないか振り返ってみてください。

トイレトレーニングに「不安」や「不快感」を感じたり、失敗して怒られると排便にストレスを感じるようになり、子供は排便を我慢するようになります。そのため、トイレトレーニングに限らず、無理のない生活習慣を作ることが大切です。

どちらにしろ、まずは規則正しい食事、睡眠、排便を意識し、便秘に効果的な食べ物はプラスアルファとして考えるようにしましょう。


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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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