子供が歯ぎしりする理由は?年齢別の原因と歯ぎしりの影響

投稿日:2016年6月8日 更新日:

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3歳の娘、6歳の息子の歯ぎしりが…

ギリギリギリ……ギリギリギリ……「もーうるさいな、パパの歯ぎしり。あれ?近くから……両サイドから聞こえる……。」

いびきと同じパターンですが、うちは夫を筆頭に息子と娘も歯ぎしりが激しい家庭です。幸いわたしはないらしい……ε-(´∀`*)ホッ

大人の歯ぎしりはストレスが原因と言いますが、3歳の娘、6歳の息子もストレスで歯ぎしり……いいえ、実は子供の歯ぎしりはストレス以外の原因が多いんです。

ただ、成人男性の歯ぎしりにかかる力は150-300kg(起きているときの噛む力が平均70kg前後)もあるそう。子供でも体重の何倍もの力で歯ぎしりをするとのこと。

つまり、うちの子も歯ぎしりで歯や顎に100kg近い負荷がかかっているんです。これは身体に何か影響が出ないか心配……。

では、子供の歯ぎしりの原因は何なのでしょうか。また、歯ぎしりの対策はあるんでしょうか。

歯ぎしりとは

歯ぎしりとは、とくに眠りが浅いレム睡眠時に強く歯をこすり合わせてギリギリギリ……と音を立てる行為を言います。

ただ、起きているときにはそんな音出ませんよね。これは、眠っていると脳の大脳皮質が抑制されて噛む力をコントロールできないため、普段より強い力で顎の筋肉を動かして歯をこすり合わせているからです。

歯ぎしりは体に毒? -深川歯科-

歯ぎしりの種類

歯ぎしりには、一般的な「ギリギリギリ……」以外にも種類があります。

グライディング

グライディング(gliding)とは、上下の歯をギリギリギリこすり合わせる行為で、一般的な歯ぎしりを指します。睡眠時ブラキシズムとも言います。ほとんどの人が眠っている際に、無意識でグライディングを行います。

グライディングが続くことで、歯がすり減ったり、歯周組織の損傷が起こる場合があります。

クレンチング

クレンチング(clenching)とは、起きているときに歯をギュッとくいしばる行為で、グライディングのような音はしませんが、無意識に10-20分くいしばることもあるため歯や顎に大きな負担がかかります。

クレンチングも歯がすり減ったり、歯周組織の損傷が起こる場合があり、それらが頭痛や肩こりを引き起こします。

タッピング

タッピング(tapping)とは、歯をカチカチと鳴らす行為で、寝ているとき・起きているどちらにも起こる可能性があります。

歯茎や顎の骨に負担がかかる

過度な歯ぎしりは、歯茎や顎の骨に負担がかかます。そのため、せっかく生えた永久歯に隙間ができたり、歯がすり減ったり、歯周病になるなど、歯茎や骨が弱くなる可能性があります。

子供が歯ぎしりをする割合

子供の歯ぎしりは早い子で1歳から始まり、一説によると成人までに50%以上の子供が歯ぎしりを経験するそうです。

大阪大学歯学研究科の加藤隆史教授の講座資料によると、歯ぎしりの発生率は3-10歳が14-35%、10代で13%、成人以降は5-10%、60代以上で3%という割合です(Ohyon 2001; Glaros 1981, Lavigne 1994&2001)。

歯ぎしりの割合

歯科から見た睡眠医学と睡眠医療|大阪大学

また、加藤教授が行った中学生までの子供を対象にした歯ぎしりの調査によると、6歳の子供が30.8%で最も歯ぎしりの割合が高い年齢だったそうです。

大阪大学の研究者が、中学生までの子供9735人に対しておこなった大規模な調査では、19.1%の子供が歯ぎしりをしていました。6歳の30.8%をピークに幼児期に増加、学童期は減少する傾向がみられました。

子供(赤ちゃん・幼児)の歯ぎしり 横浜・中川駅前歯科

これらの結果を見る限り、幼児から小学生にかけて3人に1人は歯ぎしりをしていることになります。

子供が歯ぎしりは歯の成長が原因

子供の歯ぎしり原因の大部分は、歯の成長が関係しています。年齢による歯の成長とその原因を見てみます。

1歳前後の赤ちゃんの歯ぎしり

乳歯が生え始めの赤ちゃんは、歯茎にむず痒さを感じます。そのため、起きているときはママの指や歯がためなどを噛み、寝ているときは歯を噛み合わせて歯ぎしりすることがあります。

また、離乳食が徐々に固形になる赤ちゃんの食事は、食べ物を噛む行為で嚥下を助けるため、歯の噛み合わせが良くなければいけません。それが寝ている間の歯ぎしりで調整されています。

2歳・3歳の子供の歯ぎしり

2歳から3歳前までに一番奥の第二乳臼歯(だいににゅうきゅうし)が生えることで、すべての乳歯が生え揃います。その際、奥歯の歯並びの違和感をなくすために歯ぎしりをすることがあります。

また乳歯が生え揃って顎が発達すると、永久歯に生え変わる準備が始まります。乳歯と乳歯の間には永久歯が生えるスペースが必要になるため、2-3歳の子供は噛み合わせのバランスを調整するために頻繁に歯ぎしりをします。

4歳・5歳・6歳の子供の歯ぎしり

3歳を過ぎると、乳歯が抜けて永久歯に生え変わり始めます。また、永久歯のための顎の発達も始まり、噛み合わせの調整も行われるようになります。

5-6歳の子供の歯は上下数本の歯が抜けていることが多く、噛み合わせが悪くなります。そのため、歯ぎしりによって徐々に噛み合わせの調整を行います。

またこの時期は、第1大臼歯(6歳臼歯)を含めて永久歯が何本か生え始め、顎も発達して噛む力も強くなるため、歯ぎしりのピークになります。

つまり、5-6歳の子供に歯ぎしりが多いのは、乳歯から永久歯への生え変わりが身体の成長にとって大切なことで、その準備に必要な行為をスムーズに行うためだと考えられます。

ストレスや生活習慣による歯ぎしり

このように子供の歯ぎしりは歯や顎の成長に必要な行為です。ところが、永久歯がある程度生え揃っても歯ぎしりが治らない場合もあります。

そんな子は歯の成長以外に、ストレスや生活習慣によって歯ぎしりをしている可能性があります。

生活習慣が原因の歯ぎしり

子供の生活習慣が過度な歯ぎしりを引き起こし、歯並びや噛み合わせに悪い影響を与えることがあります。

もともと子供の歯ぎしりは、歯並びを整え、噛み合わせを調整する成長行動なので大きな問題はありません。それでも歯ぎしりは大きな力がかかるため、負担は少ない方が良いでしょう。

過度な歯ぎしりは、指しゃぶり、頬杖、口呼吸、猫背、うつ伏せ寝などの生活習慣を改善することで軽減されます。

要は、子供に良くない生活習慣があることで、歯並びが悪くなるとともに、それを矯正しようとする歯ぎしりにも余計な強い力がかかるようになるということです。

ストレスが原因の歯ぎしり

子供が普段の生活の環境の変化でストレスを感じると、過度な歯ぎしりをすることがあります。

たとえば引っ越しで環境が変わったこと、弟や妹が産まれたり両親が離婚や再婚して家族が変わったこと、ママやパパに理不尽に怒られたり虐待で心境が変わったこと……などのストレスが考えられます。

ただ、子供の歯ぎしりは成長過程の歯ぎしりなのか、ストレスが原因の歯ぎしりなのかは見分けがつきません。

そのため子供に過度な歯ぎしりが見られたら、まず生活習慣を見直し、それでも過度な歯ぎしりが治まらなかった場合に、ストレスの可能性を疑ってください。

とくに生活環境が変わると、見た目にはストレスがなさそうに見えても心の中でストレスを感じている場合があります。

子供は大人と違ってストレスを表現したり、上手く発散できないため、歯ぎしり以外にも赤ちゃん返り、キーキー奇声、イヤイヤ期、夜驚症、おねしょ、指しゃぶりなどで危険信号を送っています。

ストレスを感じる危険信号を発見した場合は、子供が何か心配事を抱えていないか、子供に気を配った生活ができているかを確認してください。

子供の過度な歯ぎしりによる悪影響

大きな音の歯ぎしりをした翌日に子供が顎や歯の痛みを訴えた場合、過度な歯ぎしりによって歯茎が炎症を起こしたり、顎に負担がかかっている可能性があります。

また過度な歯ぎしりは歯の病気や睡眠障害として扱われ、以下の影響も考えられます。

歯にヒビが入る

歯ぎしりは歯や歯茎に大きな力がかかるため、歯が割れたりヒビが入ることがあります。もし歯にヒビが入ると、ヒビの隙間に細菌が入って歯茎が腫れたり、虫歯や口臭の原因になる可能性があります。

顎関節症になる

歯ぎしりで顎に負担がかかると、顎関節症になる可能性があります。顎関節症は顎の痛み、口が開かないなどの症状だけでなく、頭痛、首・肩の痛み、めまい、呼吸困難、手足のしびれが出る場合もあります。

極度の疲労感

歯ぎしりは寝ながら無意識に顎や頬、首、肩などにも力が入っている状態です。そのため、朝起きても疲れが取れなかったり、睡眠障害の原因になる可能性もあります。

歯並びが悪くなる

永久歯が生え揃う11-13歳ごろ(第3大臼歯を除く)までは歯茎が固定されてないため、強い力がかかると歯並びが悪くなる可能性があります。せっかく歯並びを整え、噛み合わせを調整するための歯ぎしりが悪影響になります。

過度な歯ぎしりの治療法・予防法

永久歯に生え変わっても子供の歯ぎしりが治らない場合は、もしものときのために医療的なアプローチなども知っておいてください。

マウスピースをつける

マウスピースは寝る前に装着して、歯ぎしりを予防する治療の1つです。ただし市販のマウスピースではなく、小児歯科で歯型から専用のマウスピースを作ってもらわないと高い効果は期待できません。

小児歯科のマウスピースは、診断内容によって保険適用の場合と適用外の場合がありますが、「歯ぎしり(ブラキシズム)」などの診断結果が付けば保険適用できるそうです。

保険適用で5,000円-1万円前後、保険適用外で4-5万円と大きく変わります。もちろん、乳幼児医療費の対象になる場合もあります。

歯列矯正をする

歯の矯正をすると、歯ぎしりが改善されることがあります。ただし歯の矯正には、長い時間と高い費用がかかります。費用は矯正具合によりますが70万円-150万円程度、期間も3か月~3年程度だそうです……。

心のケア

歯ぎしりがストレスなどの心理的な原因の場合は、マウスピースや歯の矯正で歯ぎしりが治まっても、昼間のくいしばりなどが残って解決に至らない可能性があります。

子供は歯ぎしりによってストレスを解消しているため、原因となるストレスが軽減できるよう、不安解消や心のケアをしてあげましょう。

自己暗示・癖をつける

歯ぎしりをしている子供を無理やり起こしたり、歯ぎしりをする子を強く叱らずに、子供に歯ぎしりを意識させることで、時間をかけて歯ぎしりを軽減しましょう。

過剰な声掛けをすると子供のプレッシャーや新たなストレスになりますし、中学生の思春期真っ只中でベタベタすると、反抗期に拍車がかかってしまいますよね(^_^;)

基本的には心のケアを中心にし、「歯ぎしりをしないでおこう!」などの張り紙を貼って、家族全員が気をつける目標にすると良いと思います。

定期歯科健診で歯ぎしりもケア

1-6歳の子供の歯ぎしりは噛み合わせを調整する自然な行為なので、ストレスや生活習慣が原因の場合は見抜きにくいものです。

それでも過度な歯ぎしりを放っておくと、せっかくの良い歯ぎしりが歯・顎の成長や噛み合わせに悪影響を与えるだけでなく、睡眠障害や身体の成長にも影響する可能性があります。

そこで、小児歯科に歯の健康チェックをしに行く定期歯科健診をおすすめします。

生え始めの乳歯、生え変わったばかりの永久歯は虫歯になりやすいため、小児歯科で定期健診を受ける習慣を付けておくと、今後の歯の健康も維持できて一石二鳥です。

ストレスが原因の子供の歯ぎしりの割合は高くないとは言いますが、親としてはやっぱり心配ですよね。顎が弱い時期、歯が脆い時期の歯ぎしりは歯の生え替わりに影響を与えます。

とくに小学生・中学生の歯ぎしりには注意してあげてください。昨今はたくさんの歯科があります。周囲の人の評判を聞いて、よし歯科医を選んでくださいね。


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まーさ
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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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