産後の子宮下垂や子宮脱はどんな症状?予防法は?手術は必要?

投稿日:2016年8月6日 更新日:

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

産後の悩みは脂肪と開いた骨盤

女性の身体は妊娠・出産を経験すると、体型や身体機能が大きく変わります。

「これちゃんと元に戻るの……?」と不安になりますが、身体の機能や器官の多くは、たった8週間の産褥期をで妊娠前の状態に戻っていきます。

とくに子宮の回復するスピードはとても早く、子宮の急激な回復を「子宮復古(しきゅうふっこ)」と言います。

産後は体力が落ちているだけでなく、子宮復古が起こるため、さらに身体に負担がかかります。そのため、出産後は床上げまでは無理せず安静にしなければいけません。

ところが、産褥期ではなかなか元に戻ってくれないものもあります。それは「脂肪がついた体型」と「開いた骨盤」です……。

脂肪がついた体型は……まぁがんばるとして、開いた骨盤を放置すると「子宮下垂」や「子宮脱」という症状を起こすことがあります。

今回は、出産後に開いた骨盤が影響して起こる子宮下垂と子宮脱の原因・症状・対策などについてお話したいと思います。

子宮下垂と子宮脱は骨盤臓器脱のこと

骨盤臓器脱(こつばんぞうきだつ)とは、臓器を支えている骨盤内の靭帯が伸びたり、断裂して、臓器が元の位置より下がってしまうことです。

骨盤臓器脱の中でも、産後に起きやすいのが子宮下垂と子宮脱で、これらは下がり方の程度の違いで区別されています。

骨盤臓器脱(子宮脱)|四谷メディカルキューブ

子宮下垂(しきゅうかすい)とは

子宮は、靭帯や筋肉によって支えられています。ところが、妊娠・出産で骨盤の筋肉や靭帯が伸びたり、傷つくことで、子宮が下がる症状が起きます。これを「子宮下垂」と言います。

子宮脱(しきゅうだつ)とは

子宮脱とは、子宮下垂の症状が進行して、子宮が体外にはみ出す症状を言います。子宮脱が重度になると、子宮が常に体外にはみ出したままになり、自力で戻せなくなってしまいます。

産後に子宮下垂や子宮脱が起きる原因

出産後に子宮下垂や子宮脱が起きるのは、「骨盤が開くため」「エストロゲンが減少するため」に起こります。とくに、経産婦は子宮下垂や子宮脱が起きやすくなります。

骨盤が開くため

出産で大きく開いた骨盤が元に戻るには、6月-8か月ほどの期間が必要です。

骨盤が開いているということは、骨盤を支えていた骨盤底筋や靭帯が伸びて緩んでいる状態です。そのため、骨盤や周辺筋肉で支えられていた子宮が下がって、子宮下垂や子宮脱が起こります。

エストロゲンが減少するため

出産後は女性ホルモンの「エストロゲン」の分泌が減少します。

エストロゲンは靭帯や骨盤底筋を引き締める効果がありますが、エストロゲンの分泌量が減ることで、靭帯や骨盤底筋が緩み、子宮下垂や子宮脱を起こしやすくなります。

子宮下垂や子宮脱が起きやすい人

産後は子宮下垂や子宮脱が起きやすい状態ですが、次の人はより子宮下垂や子宮脱を発症するリスクがあります。

靭帯が伸びた経産婦

何度も出産をして骨盤底筋や靭帯に負荷がかかっていると、靭帯が伸びたまま元に戻らなくなってしまいます。

巨大児を出産する妊婦

巨大児とは4,000g以上の大きな赤ちゃんのことですが、巨大児だけが妊婦の骨盤底筋や靭帯に負荷をかけるわけじゃありません。

3,500gの赤ちゃんでも、3,000gの赤ちゃんでも、骨盤底筋や靭帯に負荷がかかかって靭帯損傷や靭帯伸長が起こる可能性はあります。

高齢出産をする人

高齢出産とは35歳以上の出産、40歳以上の第2子以降の出産のことです。高齢になると分娩時間が長くなる傾向があり、骨盤底筋や靭帯への負荷が増え、子宮下垂や子宮脱が起きやすくなります。

肥満・産後太りの人

内臓脂肪が多い肥満体型の人は、出産後に脂肪が子宮などの臓器を圧迫して、子宮下垂や子宮脱が起きやすくなります。

強くいきんで排便する人

産後の便秘のせいで排便時に強くいきむ人は、腹圧で子宮下垂や子宮脱が起きやすくなります。便秘の解消だけではなく、強くいきむ習慣も改善しなければいけません。

慢性的に腹筋に力を入れる人

慢性的に腹筋に力を入れる人は、腹筋に力を入れる仕事などをするです。立ちっぱなしの仕事や重いものを運ぶ仕事は、腹圧がかかるため子宮下垂・子宮脱が起きやすくなります。

呼吸器疾患を持つ人

喘息など呼吸器疾患のある人は、咳をする度に腹筋に力が入って腹圧がかかります。そのため、子宮下垂や子宮脱が起きやすくなります。

子宮下垂や子宮脱で起こる症状と影響

では、子宮下垂や子宮脱でどのような症状が起こり、身体にどのような影響があるんでしょうか。

膣に異物感がある

子宮下垂や子宮脱が起きると、子宮が通常の位置よりも下がるため、お腹に異物感や不快感を感じます。

痛みや出血を伴う

子宮脱によって膣壁や子宮が体外に出てしまうと、その部分がすれて炎症を起こしたり、出血して痛みを伴うことがあります。

感染症を起こす

膣壁や子宮が体外に近い位置に下りてくると、膣や子宮が細菌に感染して「産褥子宮内膜炎(さんじょくしきゅうないまくえん)」などの感染症を起こすことがあります。

産褥子宮内膜炎は、子宮に細菌が感染して下腹部や子宮の圧痛、発熱、疲労感、食欲不振や全身の倦怠感、39度前後の高熱などの症状が起こり、他の感染症も併発する恐れがあります。

膀胱脱や直腸脱を起こす

子宮下垂・子宮脱が起きると、同じく骨盤内の膀胱や直腸もいっしょに下がってしまう「膀胱脱(ぼうこうだつ)」「直腸脱(ちょくちょうだつ)」を起こすことがあります。

膀胱脱は、尿失禁・頻尿や排尿困難の原因になり、直腸脱は便秘や排便困難の原因になります。

歩行困難など生活に影響が出る

子宮下垂・子宮脱を起こして異物感や不快感を感じるようになると、歩いたり立つことでも子宮に違和感や痛みを感じて、歩くことが困難になる可能性があります。

また、日常生活で積極的な活動を行えなくなるだけでなく、子宮が下がっているため、子宮圧迫による性交痛を感じるようになります。

流産や早産のリスクが上がる

子宮下垂・子宮脱になりやすい人は、もともと骨盤底筋が弱く、子宮口が緩みやすいことで、感染症を起こす可能性があります。

そのため、妊娠をしにくくなったり、流産や早産のリスクも上がってしまう場合があります。

子宮下垂と子宮脱の予防

通常は、出産をするまで子宮下垂や子宮脱が起こるかわかりません。そのため、産後の生活で、子宮下垂と子宮脱を予防するために、生活習慣に気をつけてください。

以下

気付かず進行している『子宮脱』:その症状と予防法 | ウェルネス東峯【公式】

強い腹圧がかからない生活をする

産後の床上げまではおよそ1か月ありますが、床上げをしても無理に身体を動かして良いわけではありません。

とくに重い荷物を持ったり、激しい運動をすることは控え、数か月かけて徐々に身体を慣らしていきましょう。

バランスの良い食事を摂る

産後の食事は、出産で疲れて傷ついた身体を早く回復するために、栄養バランスに気をつけてください。

とくに骨盤に影響があるカルシウム、悪露の出血を補う鉄分、便秘にならない食物繊維や水分は積極的に摂取してください。また、バランスの良い食事はエストロゲンの分泌量を増やすため、骨盤の早い回復に効果があります。

下半身の筋肉を鍛える運動

産後は安静にしなければいけませんが、全く動かない方が良いわけではありません。。

産後3週目に入ると、軽めのストレッチや骨盤底筋体操などで身体を動かし、下半身の骨盤周りの筋肉や靭帯に刺激を与えれば、骨盤や骨盤底筋、靭帯の回復が早くなります。

骨盤底筋体操はユニ・チャームのサイトに「骨盤底筋トレーニング」のやり方が掲載されています。

カンタンお部屋トレ! | 尿もれ対策に!骨盤底筋トレーニング | チャームナップ-ユニ・チャーム

子宮下垂・子宮脱の治療方法

もし、子宮下垂や軽度の子宮脱になっても、骨盤底筋体操などのトレーニングで改善しますが、重度の子宮脱になると病院で治療を受けるしかありません。

リングペッサリー挿入法

リングペッサリー挿入法とは、腟の中にリング状のプラスチック器具を挿入して、子宮と腟を持ち上げる方法のことです。

ただし、リングペッサリー挿入法は子宮を下がらなくする対処法なので、子宮脱の治療にはなりません。そのため、根本解決するなら、手術や骨盤矯正治療が必要です。

ペッサリー

ペッサリーとは | 知ろう!ペッサリーのこと

メッシュ手術(TVM手術)

メッシュ手術とは、下垂した子宮を支えるために、人工素材を網状に縫い込んだメッシュを膣内に入れる手術法です。

メッシュ手術は、子宮を全摘出して手術をする必要が無く、手術や入院期間も短くて済みます(入院期間は10日前後)。患者にかかる身体的・金銭的負担も少ないため、今後主流になる手術方法だと言われています。

ただし、メッシュ手術をすると次は帝王切開での出産になります。そのため、40歳未満の女性は、安易にメッシュ手術をするよりも、トレーニングによる自力での回復が望ましいとされています。

骨盤臓器脱(性器脱) | 医療ポータルサイト

骨盤臓器脱(子宮脱) - 熊本市 | 産婦人科 無痛分娩 小児科 慈恵病院

子宮下垂と子宮脱は予防が大切

子宮下垂や子宮脱は、女性にとって大切な子宮の位置が下がったり、膣から子宮が出てしまう病気のため、とても重い病気だというイメージを持つかもしれません。

ただ、子宮下垂や子宮脱が直ちに大きな健康被害につながることは少なく、高齢の女性ならいつ起こってもおかしくない一般的な病気です。子宮下垂や子宮脱は、初期症状や軽度な症状も含めると2人に1人がかかるそうです。

子宮下垂や子宮脱を起こしていても妊娠・出産は可能ですが、子宮下垂や子宮脱はない方が良いですし、将来の妊娠・出産に影響がでる可能性は避けなければいけません。

そのため、出産後ではなく、普段から骨盤底筋を鍛えたり、下半身の程良い運動を行うことが子宮下垂や子宮脱の予防法になります。

わたしは、骨盤底筋を矯正する「コアスリム」を使っていました。というか今でも使っています。

コアスリムは、座っているだけで骨盤周りの固まった筋肉や筋を伸ばして元の位置に戻す効果、腹筋・腸腰筋を鍛えてお腹まわりを引き締める効果があります。

骨盤矯正器具はピンきりですが、高いものは10万円以上しますし、運動強度もあって辛いです。これは1万円切りますし、わたしは楽なのが良かったのでおすすめです。

産後の子宮やお腹周りに異物感や違和感を感じても、時間が経過すると自然に治る場合もあります。ただ、子宮下垂と子宮脱は、意識する・しないで大きく違います。

もしものことを考えて、早めに病院で検査を受けることも大切だと思います。

子育ては科学的に学ぶ時代

子育ては日々変化しています。今日OKな子育てが、明日はNGになるかもしれません。

「なんで泣き止んでくれないの?」「わたしの言うこと聞いてよ!」「もっとしっかり食べてほしいのに……。」こんな悩みを解決する子育てはできてますか?

今もっとも正しい方法は、脳科学や心理学的を使った子育てです。赤ちゃんや子供の心を理解できれば、子育てがもっと楽しくなります。

まーさ
わたしも保育士として、年10回は発達心理学、栄養学、衛生管理学などの研修を受けます。

保育士が心理学を学ぶのは当たり前。幼児教育に力を入れる園ほど研修は多いです。子供の気持ちを知りたいママは、以下から資料を取り寄せてみてください。

子供の気持ちを理解できるようになって、乳幼児教育アドバイザーという第二の人生を始めてもいいですね。

昔からの子育てには正しい方法もありますが、ママが辛いだけの方法もあります。「うちの子かわいい!」がずっと続くよう、楽しい子育てをしてください。

  • この記事を書いた人
アバター

まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

Copyright© 育児ログ , 2019 All Rights Reserved.