重症妊娠悪阻で入院や中絶も…症状や原因は?つわりとの違いは

妊娠悪阻による吐き気

この記事の読了時間は約 7 分です。

つわりじゃなくて重症妊娠悪阻

「わたし何だかつわりが重くって……。ご飯も食べられないし、体重も減ってるんだよね……。」

もし、吐き気や嘔吐の症状が重く、何も食べられない状態が続いている妊婦は、つわりではなく「重症妊娠悪阻(じゅうしょうにんしんおそ)」かもしれません。

一般的なつわりの症状は、嘔吐、吐き気、食欲不振、食べ物の好みの変化などの消化器症状、全身の倦怠感、頭痛、眠気などですが、重症妊娠悪阻はこれらの症状が極めて悪化した状態です。

「つわりの症状が重くなるだけなら、我慢してれば平気だよね?辛いけど……。」

つわりが我慢できるかどうかは置いといて、重症妊娠悪阻は病気と診断されるため、ちょっとつわりが辛いだけ……と放っておくと、入院治療の必要性や最悪の場合は胎児の死産につながる原因になる可能性もあります。

そこで今回は、重症妊娠悪阻の症状や原因、また、つわりとの違いや治療法についてお話したいと思います。

重症妊娠悪阻(じゅうしょうにんしんおそ)とは

重症妊娠悪阻とは、妊娠5-6週から妊娠12-16週ごろに発症するつわりの症状が重くなり、激しい吐き気や嘔吐によって脱水症状を起こしたり、体重が5%以上減少する病気を言います。

ちなみに、重症妊娠悪阻を単に妊娠悪阻ということもありますが、つわりは漢字で「悪阻(おそ/つわり)」と書くため、区別するために重症妊娠悪阻と呼んだ方がわかりやすいでしょう。

一般的なつわりの症状が、嘔吐、吐き気、食欲不振、食べ物の好みの変化などを伴う消化器症状、全身の倦怠感、頭痛、眠気などに対して、重症妊娠悪阻は脱水症状、蛋白尿、摂食障害などの症状もみられます。

さらに、重症妊娠悪阻が続くと脳症、妊娠高血圧症候群、肝機能障害を中心とした臓器機能不全や脳神経障害を起こす可能性もあります。

参考|妊娠悪阻にまつわる諸問題|日本産科婦人科学会

妊娠高血圧症候群については、以下を参考にしてください。

重症妊娠悪阻とつわりの症状の違い

医師が重症妊娠悪阻とつわりを分ける明確な線引きはありませんが、医師によって診断する基準はあります。つわりの症状がどのように悪化したかによって、重症妊娠悪阻の状態を判断しなければいけません。

一般的に、軽度のつわり、重度のつわり、重症妊娠悪阻には、以下の症状の違いがあります。症状が現れているかどうかは、日々の体調の変化と比較した見極めが必要です。

軽度のつわりの症状

・軽度の全身倦怠感、頭重感、早朝・空腹時の悪心
・食欲不振、食嗜変化、嗜眠感
・乗物酔い
など

重度のつわりの症状

・一日数回の苦痛を伴う悪心・嘔吐、冷汗、頭痛
・食事摂取困難・強度の全身倦怠感
など

重症妊娠悪阻の症状

・つわり症状が持続的、高度となり脱水、飢餓状態を来す
・蛋白尿
・乏尿、体温上昇、代謝性アルカローシス
・悪化すると脳症の発現
など

参考|妊娠悪阻にまつわる諸問題|日本産科婦人科学会

蛋白尿とは、血尿と同様に腎臓のろ過機能に異常があり、血液中のタンパクが尿中に漏れたもので、おしっこに白濁色が混じっていたり、おしっこが泡立っていることを言います。

つわりと重症妊娠悪阻の原因

つわりと重症妊娠悪阻の原因は同じです。つわりの原因に、体調、環境、個人差などの要素が絡むことで、吐き気・嘔吐などの症状の重さが変わります。

原因1.精神・心理学的因子

重症妊娠悪阻は、心理的ストレスや社会的ストレスを受けている妊婦、夫婦関係がうまくいっていない妊婦に多く発症します。

原因2.hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)

重症妊娠悪阻の発症時期がhCG分泌が高まる時期(妊娠8-10週ごろ)と一致することや、hCG分泌過剰状態が確認されると重症妊娠悪阻の割合が増えることがわかっています。

原因3.甲状腺ホルモン

重症妊娠初期に血中hCGが大量に分泌されると、血中TSH(甲状腺刺激ホルモン)の値は下降し、甲状腺の機能が活発化します。甲状腺の機能が活発化すると、重症妊娠悪阻の症状が現れることがわかっています。

原因4.プロゲステロン(黄体ホルモン)

妊娠すると、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が活発化し、消化管が収縮・弛緩をくり返す蠕動運動(ぜんどううんどう)が抑制されるため、重症妊娠悪阻につながりやすくなります。

原因5.エストロゲン(卵胞ホルモン)

重症妊娠悪阻症例において、エストロゲン(卵胞ホルモン)を投与するとしばしば悪心・嘔吐が生じることから、エストロゲン(卵胞ホルモン)が重症妊娠悪阻の発症に関与している可能性があると言われています。

重症妊娠悪阻の治療方法

重症妊娠悪阻の治療の原則は、重度の脱水症状と摂食障害を防ぎつつ、心理的合併症の処置を行うことです。重症妊娠悪阻の症状は心理的な要因で悪化することが多いため、生活環境を変えた入院管理下で治療することが臨まれます。

参考|妊娠悪阻にまつわる諸問題|日本産科婦人科学会

治療方法1.食事の指導

重症妊娠悪阻によって摂食障害が起こっている場合は、少量の固形物を複数回に分けて摂取するよう指導されます。また、食間には水分を摂取し、脂肪の多いものや刺激の強い食べ物は避けるように指導されます。

治療方法2.精神療法

重症妊娠悪阻の原因の1つはストレスですが、つわりが悪化すると、妊婦の精神・肉体に大きなストレスがかかります。そのため、医師によって精神安定を図るのですが、場合によっては精神科医による治療も行なわれます。

治療方法3.脱水症状の改善

重症妊娠悪阻による脱水症状を防ぐために、生理食塩水の定期摂取は必須ですが、経口摂取が難しい場合は細胞外液を点滴で投与します。

また、経口摂取が長期間行えない場合は、ビタミンB1欠乏症のウェルニッケ・コルサコフ症候群を予防するために、ビタミンB群を投与します。

治療方法4.経口摂取の制限

重症妊娠悪阻では、吐き気・嘔吐がある程度治まるまでは胃に負担をかけず、安静に保つ必要があります。そのため、脱水症状の補助だけを行い、固形物の経口摂取は制限されます。

その際、もし妊婦に栄養不足が懸念される場合は、高カロリー輸液を点滴することになります。

治療方法5.鎮吐剤、鎮静剤

十分な点滴治療を行なったにもかかわらず強い嘔吐が続くと、食道破裂や出血性網膜炎、酸塩基障害などの合併症をきたす場合があるため、鎮吐剤、鎮静剤の投与を行う場合もあります。

ただし、つわりの発生時期(妊娠5-6週から妊娠12-16週ごろ)は、薬物による流産の可能性もあるため、薬の使用は必要最小限にとどめなければいけません。

治療方法6.薬物療法

日本産婦人科学会(JSOG)の「産婦人科診療ガイドライン–産科編」において、抗ヒスタミン薬やpyridoxine(ビタミンB6)など、薬物療法の考慮が謳われています。薬物による治療は、以下を参考にしてください。

参考|産婦人科診療ガイドライン–産科編 – 日本産科婦人科学会

重症妊娠悪阻は単なるつわりではない

つわりは、女性ホルモンによって生理的に起こるため、吐き気や嘔吐などの症状を防いだり、根本から治療をしたり、予防することは難しいかもしれません。ただ、つわりは早めの対処によって、症状の悪化をある程度防ぐことはできます。

前述したとおり、日本産婦人科医会でもつわりの治療にビタミンB6を使っていることから、ビタミンB6を多く含んだサプリメントを摂取することで、症状が和らぐ妊婦もいるでしょう。

ただし、ビタミンB6単一では栄養が偏るため、サプリなどを使って、妊婦に必要な栄養素をバランスよく摂取しましょう。妊活用の葉酸サプリの中で、ビタミンB6が多めに含まれたサプリを選んでください。


たとえば、「マカナ」は他の妊活サプリ(健康食品)と違い、栄養成分基準値を満たした栄養機能食品に認定されています。ビタミンB6も1回4粒(1.6g)で2.5mg含まれており、効率良く摂取できます。わたしが調べた限り、他の妊活サプリは0.3-1.8mgほど。

公式サイトで初回6580円が3980円+送料無料になるため、一度試してみてください。

オールインワン妊活サプリ【makana(マカナ)】

また、嘔吐が治まらないからと言って無理に栄養を取ろうと食事をすると、余計に吐き気が起こるだけでなく、飲食と嘔吐を繰り返すことで消化器系を傷つけ、つわり症状が悪化するかもしれません。

そのため、つわりは早めに自覚をして、医師の指導のもとで症状の悪化を防ぎ、改善を図った方が安心感を得られますし、最悪の事態を防ぐことにもつながります。

重症妊娠悪阻の症状が悪化すると、母体を守るために中絶に至ることもありますし、「こんなに苦しいならいっそ……。」と人工中絶を選択する妊婦がいてもおかしくありません。

重度の妊娠悪阻によって母体を守るための人工中絶にまでいたる割合は1000人に一人程度

引用|心身症としての「つわり」—重症化を防ぐために— | 鶴川台ウィメンズクリニック

妊娠中の妊婦の身体はとても大切です。妊婦1人の身体ではないため、くれぐれも単なるつわりだと思わないように対応しましょう。