子の看護休暇の日数や取得理由は?無給?有給?時間単位も可能?

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子供が急病時に会社を休む方法

子育てをしている働く女性の一番のお悩み事は、子供の急病で会社を休まなければいけないことです。

大切な会議の前や顧客訪問の前に保育園から電話があり、「○○ちゃんが38度の熱を出したので、お迎えに来てください。」を何度も経験しているママもいるでしょう。

キャリアを大切にしたいママが育児と仕事を両立することは、本当に難しいことです。

もしかしたら、思い描くキャリア形成と育児の両立自体が虫の良い話なのかも……という話はひとまず横に置いて、まず大切なことは子供の健康と向き合うことですね。

ママは子供を迎えに行くために、仕事を休まなければいけません。ところが、有給はすでに子供のために使ってしまい、残っていません。これは困った……。

このような育児中の子供の病気を看護するために、労働者の権利として休暇を取得できる制度があります。それを「看護休暇制度(かんごきゅうかせいど)」と言います。

今回は、看護休暇の取得条件やその間の給与、その他注意点などについてお話したいと思います。

すべて2016年9月時点での情報になります。

看護休暇制度(かんごきゅうかせいど)とは

看護休暇制度とは、病気やけがをした子供(実子・養子など)の看護を目的として、小学校就学前の子供がいる労働者に対して、1年の期間中に半日単位で合計5日間までの休暇を取得できる制度のことです。

※会社が就業規則で定める期間のこと、就業規則に定めがない場合は4月1日から翌年3月31日が1年の期間になる

看護休暇は「育児・介護休業法」に定められており、労働者が育児をしながら働き続けられる権利として位置づけられています。

ここで言う子供の看護とは、病気やけがの他に、予防接種や健康診断を受けさせる予防行為も含まれます。予防接種の種類は、予防接種法に定める定期接種だけでなく、インフルエンザなどの任意接種も含まれます。

また、小学校就学前の子供が2人以上いる場合は、合計10日間まで看護休暇を取得でき、1年経過毎に看護休暇日数は5日間(最大10日間)にリセットされます。

看護休暇制度の取得条件

看護休暇は、正社員だけでなく契約社員やパートでも以下の条件が合えば取得できます。この辺りは、育児休業育児時短勤務の取得条件と似たようなものです。

看護休暇の取得条件
・同一事業主のもとで1年以上継続して雇用されている場合
・1週間の所定労働日数が3日以上の場合
・日雇い労働者以外の場合
・労使協定で看護休暇が禁止されていない場合
・子が1歳6か月になるまでの間に雇用契約がなくなることが明らかでない場合

看護休暇取得・申出に対する権利と特徴

看護休暇は、育児・介護休業法によって、労働者が看護休暇の取得や申出に対する権利が定められています。

ちなみに「申出」はすでに権利を有している状態のことで、「申請」は権利を付与する様に求めることです。看護休暇は、申請ではなく申出のため、すでに権利を有しています。

特徴1.会社は申出を拒めない

会社はいかなる理由があっても、条件を満たしている看護休暇の申し出を断ることはできません。

特徴2.休暇申出は口頭で構わない

看護休暇の利用は、子供の急病など緊急を要することが多いことため、申出と必要事項は電話などの口頭伝達でも認められます。申出者が会社に伝えなければいけない必要事項は以下の通りです。

看護休暇の必要事項
1.申出者の氏名
2.申出者の子供の氏名と生年月日
3.看護休暇を取得する年月日
4.申出者の子供の病気やケガの事実、または子供に行う予防行為の旨

看護休暇の申出に書類は必要ありませんが、会社が管理のために申出書などを準備している場合は、指示に従って記載してください。ただし、会社には事後の記載を許可するなど、柔軟な対応が求められます。

特徴3.労働者に不利益な取り扱いをしない

会社は、看護休暇の取得・申出を理由にして、看護休暇申出者に解雇など不利益な取り扱いをしてはいけません。不利益な取り扱いとは、以下の内容を言います。

制度利用による不利益な取り扱い
1.労働者を解雇すること
2.契約社員などにおいて、期間など契約更新をしないこと
3.労働契約内容の変更を強要すること
4.制度の使い方を限定すること(自宅待機など)
5.減給・降格・不利益な人事を行うこと
6.賞与・退職金などに不利益な算定を行うこと
など

特徴4.看護休暇取得理由は申出者に一任

子供の看護休暇は、病気やけがの種類や程度に制限が設けられていません。そのため、申出者が休暇が必要だと思えば、症状が軽い病後児の看護でも看護休暇を取得できます。

看護休暇の注意点

注意点1.有給ではなく無給休暇扱い

看護休暇は、子供の看護のために取得できる労働者の権利ですが、看護休暇中の給与に関しては法律に定められていません。

会社の就業規則によって有給扱いの場合もありますが、そのような会社はほぼありません。そのため、一般的には無給休暇扱いと考えましょう。

無給休暇と欠勤の違いは、無給休暇が労働者に与えられた権利で休んでいることに対して、欠勤は権利で休んでいるわけではないことです。そのため、社風によってはどちらもそれほど関係がないものかもしれません。

注意点2.時間単位ではなく半日

仮に、子供を病院に連れていくために1時間の看護休暇を取得した場合、会社は看護休暇を1時間ではなく、半日換算して良いことになっています。

ただし、出社後に仕事を行った場合は、労働者の賃金請求権が発生するため、働いた分の賃金は時間で割って支払われることが一般的です。

もちろん、会社側の配慮により、時間単位で看護休暇を取得できるように就業規則に記載されている場合もあるため、必ず確認しましょう。

注意点3.子の看護の証明書類提出

会社側は、看護休暇申出者に対して、病気や予防行為に対する証明書類の提出を求める権利を持っています。

ただし、証明書類は医師の診断書などが得られない場合もあるため、会社は領収書などで問題ないとするなど、柔軟な対応が求められます。

また、仮に届出者が証明書類の提出を拒んだとしても、会社が看護休暇を拒否できるわけではありません。

注意点4.看護休暇の認識不足

そもそも看護休暇が会社で認識されていなければ、いくら労働者の権利と言っても使いづらいはずです。

事前に「子供の病気の際は、看護休暇を使わせていただくことになると思います。ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします。」くらいは、上司や同僚に話しておいた方が良いでしょう。

看護休暇は5日間で足りる?

さて、働くママにとって看護休暇が1年で5日間(最大10日間)まで取得できることは、休暇が取得しにくい会社であれば労働者の権利を行使できる制度のため、ありがたいことです。

ただし、これは経験をしないとわかりませんが、1年で5日間の休暇では子供の病気やケガの看護、予防行為に対する休暇としては足りません……。

そのため、有給休暇も消化し、時短勤務も使い、病児保育やファミリーサポート、さらに両親やママ友の協力を得て、ようやく1年を乗り切ることができます。

働くママの多くは、子供が小学生などある程度身体が丈夫になるまでは、このような綱渡り生活を続けます。

もちろん、企業内託児所や育児室が完備されていて、素晴らしいサポート体制が整っている職場もありますが、そんな会社はごくごく僅かです。

わたしは保育士なので、自分の環境を上手く活用させてもらえましたし、周りが保育士ばかりなのでさまざまな協力を得られたため、一般的なママより大分恵まれていましたが、それでも時間に余裕があったわけではありません。

シングルマザーやシングルファーザーは、家計の働き手が1人の場合がほとんどのため、生活と育児と仕事のバランスを考えると、本当に大変だと思います。

このような環境を制度だけで変えることは、難しいのが現状です。働くママやシングルマザー、シングルファーザーが周りにいるなら、少しずつ助けあいの精神を持てると、お互い良い子育てにつながるでしょう。

国や地方自治体、会社に望むことは、看護休暇に少しでも補助金がつけば嬉しいかなぁ……と。あと小学生も、2-3日で良いので対象にしてくれないかなぁ……と。


参考|育児・介護休業法のあらまし|厚生労働省