健康・病気

熱中症の症状や原因は?熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の違い

投稿日:2016年4月28日 更新日:

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熱中症には4つの症状がある

熱中症は、暑くなる7月ごろから毎日聞く言葉です。そのため、危険度が高い病気だということは想像できます。

ここ何年か夏の天気予報でも見かけるようになったのが、「暑さ指数(WBGT)」です。天気予報ではこの暑さ指数で、熱中症の危険性を伝えています(熱中症指数とする天気予報もある)。

熱中症で○人が倒れた、病院に運ばれた、死亡事故が起きたなどのニュースを見ると、「うちの子も熱中症に気を付けなきゃ。」とは思いますが、具体的に何に気をつけた方が良いか、どのような症状があるかは意外と知りません。

熱中症には、「熱失神(ねつしっしん)」「熱痙攣(ねつけいれん)」「熱疲労(ねつひろう)」「熱射病(ねっしゃびょう)」という4つの症状があります。そして、それらの具体的な症状を知らなければ、熱中症に効果的な対処ができません。

そこで今回は、熱中症の熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病という4つの症状で具体的に何が起きるのか、身体にどのような影響があるかをお伝えしたいと思います。

熱中症(ねっちゅうしょう)とは

熱中症とは、体温が上がって大量に汗をかくことで身体の水分や塩分を失って脱水症状を起こしたり、体温が上がったまま体温調節ができなくなることが原因で、「熱失神」「熱痙攣」「熱疲労」「熱射病」の4つの症状を引き起こすことの総称です。

熱失神・熱痙攣・熱疲労・熱射病は、手足のしびれや頭痛、吐き気、めまい、失神、痙攣などを起こし、症状が悪化すると臓器不全、機能障害、意識喪失などにつながり、最悪死亡にまで至る可能性があります。

熱中症時期はいつからいつまで?

熱中症は7-8月の真夏がもっとも多いのですが、初夏の6月から増え始め、9月ごろまで続きます。

熱中症の死亡者数

熱中症が起こる時期は6-9月ですが、その時期から死亡者数が増えます。偏りはありますが、7月、8月のどちらかがその年の死亡者数がもっとも多い月です。

救急救助 熱中症情報  | 熱中症情報 | 総務省消防庁

平成6月7月8月9月6-9月計年間
19年 14 52 718 72 856 904
20年 7 300 206 24 537 569
21年 32 81 89 17 219 236
22年 20 657 765 242 1684 1731
23年 147 320 380 63 910 948
24年 11 295 336 50 692 727
25年 44 382 564 46 1036 1077
26年 41 216 199 33 489 529
27年 16 329 557 28 930 968
28年 19 201 314 52 586 621
29年 17 317 212 37 583 635
30年 35 1032 402 49 1518

熱中症の救急搬送数

毎年、熱中症で救急搬送される人は4-5万人ほどいます。平成30年は熱中症が非常に多い年で、9万人を超えました。

熱中症による救急搬送数_年別推移

平成 30 年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況|総務省

熱中症になる原因や条件

わたしたちは、熱中症は暑い日、気温が高い日に起きるイメージを持っていますが、熱中症の原因や条件は気温だけではありません。

いつなるの?|熱中症予防・対策にひと涼み|熱中症予防声かけプロジェクト。

熱中症になる気温は?

熱中症は、気温が25℃以上になると増え始めます。「今日は比較的過ごしやすい気温だね。」というときでも、熱中症が起きる可能性はあります。直射日光が原因ではないため、室内でも起こります。部屋で昼寝をして気付いたら病院いたという人もいます。

熱中症になる湿度は?

熱中症は、湿度が80%以上ある日も注意が必要です。たとえ気温が25℃以下でも、湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、熱中症になる危険性は高くなります。

熱中症と日差しの関係は?

気温や湿度が関係なく、晴れて直射日光が強い日は身体に直接熱を溜めやすいため、熱中症になる危険性があります。また、直射日光が強いと、地面からの照り返し熱が強いため、熱中症になる可能性があります。

とくに、大人に比べて地面に近い子供やベビーカーに乗った赤ちゃんは、アスファルトなどの照り返し熱によって、大人よりも3-4℃高い気温を感じている可能性があります。

熱中症と風の関係は?

子供は、外で夢中になって遊ぶため汗だくになります。もし風がなければ、汗をかいても蒸発しなくなります。汗が蒸発しないということは、気化熱が発生せず、体温が下がらないということです。

そのため、身体に熱にこもりやすくなり、熱中症になる危険性があります。

熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の症状と特徴

熱中症とは、熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の総称で、それぞれ症状に特徴があります。もし子供が熱中症にかかった場合、どの症状が出ているかを具体的に把握しましょう。

熱失神(ねつしっしん)とは

熱失神とは、体温が上昇して血管が拡張し血圧が低下することで、脳への血流が減少してしまい、結果としてめまいや失神などを引き起こす症状のことです。

熱失神は、野外だけでなく高温の室内で発症することも多いため、室内にいる赤ちゃんはとくに気を付けなければいけません。

もし子供に熱失神の症状が見られる場合は、まず身体を冷やすことが大切です。また、症状を悪化させないために、すぐに水分と電解質の補給をして脱水症状を防ぐようにしましょう。

熱痙攣(ねつけいれん)とは

熱痙攣とは、血液中の電解質が不足することで手足の痛みやしびれ・痙攣が起き、神経や筋肉が正常に動かなくなる症状のことです。また、筋肉が痙攣を起こすため、腹痛、下痢、嘔吐なども起こります。

激しい運動や下痢によって水分を失った場合、血液中の電解質も失っている可能性があります。そのため、水分だけを補給すると体内の水分と電解質のバランスが崩れてしまい、「低張性脱水」を起こして、熱痙攣につながってしまいます。

そのため、幼児であれば大人同様、「経口補水液」の摂取が熱痙攣防止に効果的ですが、赤ちゃん(とくに生後6か月未満)の場合は、母乳を飲ませて脱水症状を防止するよう心掛けます。赤ちゃんが熱痙攣を起こした場合は、すぐに救急車を呼んで治療を受けてください。

熱疲労(ねつひろう)とは

熱疲労とは、脱水症状の自覚がないまま時間が経過することで血液の流れが悪くなり、身体がショック状態に陥る症状のことです。

ショック状態を起こすと、全身の倦怠感、めまい、頭痛、意識障害、嘔吐などの症状が出ます。また、体温が上昇し、脱水症状を起こしているため、熱失神と熱痙攣を伴うことがあります。

熱疲労を起こすと体温調節機能が働かなくなるため、体温が下がりづらくなり、しばらく熱疲労の症状が続きます。

熱射病(ねっしゃびょう)とは

熱射病とは、脱水症状が進行して汗をかかなくなってしまい、体温だけが39度以上に上がったままの状態を言います。

熱射病になると、体温調節ができなくなるため体温は上がり続け、41度で細胞障害が起き、43度以上で多臓器不全になります。熱中症の死亡原因のほとんどが熱射病です。

赤ちゃんや小さな子供は、体温調節機能が未発達のため熱中症の進行が早く、大人の感覚で熱中症対策を考えていると、すぐに熱射病の症状にまで発展してしまうため注意が必要です。

熱中症は軽症・中等症・重症の3段階にわかれる

上記の熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病は、「軽症」「中等症」「重症」の3段階にわかれていて、その症状の重さによって対応が変わります。

I度(軽症|熱けいれん・熱失神)

軽症の熱中症は、身体の細部に熱中症とは気が付きにくい症状が起こります。たとえば、手足がしびれる、気分が悪い、身体が部分的にけいれんする、震えがある、こむら返りしやすくなる、筋肉痛がおきる、血圧が下がるなどです。

このような症状が出た場合は、日陰や室内で休憩して体温を下げつつ、年齢に合わせた水分補給(母乳、経口補水液など)をしましょう。

II度(中等症|熱疲労)

中度の熱中症は、明らかな身体の変化が起きるため、熱中症をすぐに疑うことができます。たとえば、頭痛、吐き気、めまい、強い疲労感や倦怠感、下痢などです。

子供にこのような症状が出た場合は、同じく水分補給をしつつ休憩しますが、すぐに病院にも行ける準備をしておきましょう。

III度(重症|熱射病)

熱中症が重症化するケースは、ほとんどが意識を失うことで重症化します。重症時の対応が遅れてしまうと、脳機能障害、肝臓機能障害、腎臓機能障害、血液凝固障害などが起こる可能性があります。

子供の意識が混濁していたり、意識を失ってしまった場合はできるだけ動かさず、すぐに救急車を呼んで治療を受けるようにしてください。

熱中症の初期症状

子供は大人と違い、調子が悪いときでも、自分の身体の変化や症状の変化に気が付かない場合があります。

もし子供が元気に遊んでいても、以下の症状が見られた場合は、前述した気温、湿度、日差し、風などの条件を踏まえて、熱中症を疑ってください。

熱中症を疑う初期症状
・元気よく遊んでいるのに汗をかいていない
・普段に比べておしっこの回数が少ない
・いつもより少し元気がないように感じる
・足がもつれたり、ふらふらしている
・顔がやけに熱くて赤い
・顔の血の気が引いて青い
・あくびがよく出る
・吐き気を感じる
など

熱中症の初期症状、または軽度の熱中症を起こしている可能性がある場合は、すぐに水分補給と塩分補給を行い、涼しい場所で休憩させるなど、熱中症にかからないよう、熱中症の症状が進行しないよう対策をとってください。

熱中症と日射病の違い

わたしが子供のころは、熱中症という言葉はほとんど使われておらず、ここ20年で一気に使われるようになりました。

反対に、最近「日射病(にっしゃびょう)」を聞かなくなりましたよね。わたしが小さいころは、母親に「日射病にならないように、ちゃんと帽子被って遊びに行きなさい!」とよく言われました。

日射病といえば、直射日光ですね。強い直接日に長時間当たると、頭痛がしたり、意識がもうろうとしたり……というイメージです。

実は、日射病は熱中症の1つの症状を表しています。いつの間にか日射病は熱中症に統合され、直射日光だけでなく気温と湿度にも注意する複合的なものになりました。

そのため、もし熱中症を昔の日射病と同じように考えると、「直射日光さえ浴びなければ、熱中症にならない。」という勘違いをしていまいます。

熱中症は気が付くと起こっています。さっきまで元気に遊んでいた子供が、突然バタッと倒れることもあります。そのため、子供の身体が熱くないか、汗をかいたりおしっこをするための十分な水分摂取をしているかを、常に確認しなければいけませn。

山や海やプールなど、子供にとって夏は大好きな季節だと思います。楽しい夏休みを過ごせるように注意を促しつつ、ママ自身も熱中症に十分注意してください。

熱中症の応急処置や予防方法は、以下にまとめてあるので参考にしてください。


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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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