夫婦に離婚の危機…産後クライシスは誰が悪い?原因と解決方法

投稿日:2016年6月14日 更新日:

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夫婦に離婚の危機…産後クライシスとは

長かった妊娠生活が終わり、可愛い赤ちゃんがお家にやって来ました。ママは育児でもっと大変な時期に入りますが、新しい家族が増えて幸せなことに変わりはありません。

ところが、そこに忍び寄る家庭崩壊の危機……。

幸せな出産後に、なぜか夫婦仲が急激に悪化して夫婦の愛情が冷めてしまう……離婚に至ることも……。そんな状況を「産後クライシス(産後危機)」と言い、社会問題の1つになっています。

産後クライシスとは、夫婦の一方、またはお互いの愛情が急速に冷めてしまう夫婦関係の危機を指す言葉です。産後クライシスにはいろんな原因がありますが、出産がきっかけになることは間違いありません。

今回は、幸せな出産後に夫婦に産後クライシスが起こる原因、どうすれば解決するのかについてお話したいと思います。

産後の夫婦の愛情の変化

ベネッセ総合教育研究所の調査によると、妊娠期から子供が2歳になるまでの夫婦の愛情関係は以下のように変化しています。この調査では、夫婦の「結婚生活」と「愛情関係」は別物という観点で調査されています。

結婚生活、愛情関係の変化

第1回 妊娠出産子育て基本調査・フォローアップ調査(妊娠期~2歳児期) 速報版│ベネッセ教育総合研究所

まず妊娠期は、夫婦が結婚生活と愛情関係のどちらもある程度満足しており、夫婦両者に愛情の差がないことがわかります。

しかし、出産から子供が2歳までの間で、夫婦の「結婚生活」と「愛情関係」に対する満足度は徐々に低下し、とくに夫に対する妻の愛情は34%まで減少しています。

産後クライシスでとくに注目されるのは、妻から夫に対する愛情の低下が著しいことで、その原因は出産後の夫に父親の自覚がないことだとよく言われています。

出産を境に夫婦の愛が急激に冷めてしまうのは、本当に「父親の自覚がないこと」だけのせいなんでしょうか。

産後クライシスの原因

産後に妻の負担が増えたから

これまで夫を支えてきた妻が子育てをするようになると、夫のお世話が負担に感じるようになることがあります。

「自分のことくらい自分でやってよ!」妻の突然の変化に夫は驚くかもしれませんが、妻は「育児も家事もしないくせに、なんであなたの面倒見なきゃいけないの?」と考えてしまいます。

夫婦にとって子供ができることは、大きな変化です。妻は子供が産まれる変化を妊娠期間にある程度受け入れ、子供が産まれた後の生活も考えますが、夫は妻が妊娠中でも子供の存在を実感できません。

子供が産まれてようやく……もしくは子供がある程度成長してようやく子供の存在を実感します。その認識のズレが、妻から夫への愛情の低下につながります。

里帰り出産で離れる期間ができたから

里帰り出産をしたり、出産後に妻が実家に帰って産後の養生をする家庭は少なくありません。育児に慣れて、赤ちゃんも落ち着く3-4か月ほど実家で過ごす人も多いでしょう。

結婚していっしょに過ごしてきた夫婦が初めて長期間離れて過ごすため、今後の夫婦の関係性を客観的に冷静に考える妻もいます。

子育てに慣れるまでの期間に夫が何もしなかったり、夫が妻を気にかける素振りが見えないと、夫婦は物理的な距離だけではなく心の距離も離れてしまうかもしれません。

夫に父親の自覚を感じられないから

妊娠の期間中、妻はお腹の中の赤ちゃんに愛情を注いで気遣って過ごしますが、夫は実感がわかないため父親の自覚は生まれにくい状況です。

たとえ赤ちゃんが産まれても、夫が自分が産んだわけではないですし、自分のおっぱいで授乳ができるわけでもないため他人事のように感じてしまいます。

妻は夫に父親の自覚がないことをイライラしますが、夫は妻の心情が理解できません。また、夫が育児や家事を手伝いたい気持ちはあっても上手く表現できなかったり、空回りする場合もあります。

その状況を妻が見ると「父親の自覚がない……。」と余計に感じてしまい、結果的に産後クライシスにつながってしまいます。

妻が愛情を注ぐ対象が変わったから

これまで妻は、夫に愛情を注いでいれば良かった(楽だった)のですが、出産後にお腹を痛めて産んだ赤ちゃんに愛情を注ぐようになるのは当たり前のことです。

愛情を注ぐ対象の変化は、赤ちゃんが成長するまでの一時的な変化だと思います(おそらく)。

ところが、その一時的な変化を「愛情がなくなってしまった。」と夫婦両方が誤解してしまい、産後クライシスが起きてしまいます。

妻にマタニティブルー・産後うつが起こったから

妻は出産後にホルモンバランスが乱れて情緒不安定になります。その際に夫が妻のケアをしなければ、妻のマタニティブルーが悪化してしまいます。

うつ状態になると悲しい気持ちになったり、好きだったことや趣味が変化したり、物事に情熱がなくなったり、家族と話すことが面倒になったりなどの症状が起こります。

それらの症状によって夫への愛情が低下したり、そんな妻を見る夫の感情が変わることで産後クライシスが起こります。また、夫が出産後にパタニティブルーになり、産後クライシスにつながる場合もあります。

妻にプロラクチンの影響が強く出たから

出産後の女性に大量に分泌される女性ホルモンの1つ「プロラクチン」は、母性本能に基づいた作用があります。

プロラクチンには母乳の出を良くしたり、子宮復古、排卵抑制の機能がありますが、その他にも赤ちゃん以外を排除しようとする敵対行動を起こす作用があります。

プロラクチンによる敵対行動が夫を遠ざけ、産後クライシスにつながることもあります。

妻が子供の母親になったから

産後クライシスは妻の心の変化だけで起こるわけではなく、夫の心の変化がきっかけで起こる場合もあります。

夫は妊娠・出産を通した妻の身体や心の変化によって、1人の女性から子供の母親になったと感じてしまいます。

その変化で妻への愛情が冷めてしまったり、妻の妊娠、出産、里帰りの期間で寂しさを感じることで羽を伸ばし過ぎたり……(論外です)などがきっかけになって、産後クライシスにつながる場合があります。

産後クライシスチェック

夫婦問題のカウンセラー岡野あつこさんによると、以下のチェックに1つでも当てはまると「産後クライシス」の可能性があるそうです。

□出産後、セックスレスだ
□もっと夫に育児や家事を手伝ってほしいと思っている
□友人や知人の夫を見ると、自分の夫との違いを感じて焦る
□出産後も父親の自覚のない夫にイライラする
□出産前後で夫が浮気をした

実録!「産後クライシス」で悩む妻たち [離婚] All About

産後クライシスは出産をきっかけとして起こる夫婦関係の危機なので、ちょっとした感情の変化が大きな溝になるものです。ただ……これ1つもあてはまらない夫婦って、どれだけいるんですかね……(^_^;)

とにかく、この産後クライシスチェックが1つでも付いたなら、夫婦で認識して解決する努力をすることは、産後クライシスを起こさない方法の1つだと言えそうです。

よくネット上で産後クライシス診断を見かけますが、それらの信憑性はわかりません。そんなチェックするまでもなく、夫婦の意思疎通に違和感を感じたら解決に向けてお互い歩み寄りましょう。

産後クライシスの解決方法は?

産後クライシスを解決の方法は、「今まで以上に夫婦がお互いを知り、話し合うこと」です。……単純ですが、これを行っている産後クライシスの夫婦は少ないと思います。

では夫婦で話し合ったり、認識し合うこととは何でしょうか。

産夫は出産が妻の人生を変えると認識する

まず、夫婦が将来の幸せな家庭を作るために話しあったり、意識合わせで必要なことは、子供がいる家庭にするか夫婦2人の家庭にするかを決めることです。

もちろん「授かり婚(でき婚)」の場合は話し合いは関係ないですが、これも最初に「本当にそれで良いのか。」というお互いの意思確認が必要です。

昔は、出産は命がけでしたが、医療の発達で命を落とす妊婦は減りました。現在の妊婦死亡率は0.003%程度です。

わが国の妊産婦死亡率(出産10万対)の年次推移

わが国の妊産婦死亡率(出産10万対)の年次推移|厚生労働省

ただし生命の危険は減っても、出産経験で女性は大きく変わります。もし夫が妻に望むことが、結婚したときと同じような女性でいることや2人で同じ時間を過ごすことなら子供は諦めてください。

出産で女性の体型は確実に崩れます。モデルでも無い限り体型維持は無理です。出産で女性は子供の母親になります。育児しながら以前のように気を使うことは難しいです。出産で夫の相手は子供の次になります。赤ちゃんはお世話なしで生きていけません。

それでも良いと納得した夫婦は、積極的に子供を作ってください。どちらかが納得出来ないなら、どうやって補い合うのかを話し合ってください。

妻は夫の仕事の責任は会社の将来にかかわると認識する

とくに30代-40代男性の仕事は個人の仕事の責任だけでなく、会社の将来にかかわる責任を伴っていると妻は認識しなければいけません。

「おとなりの旦那さんなんて、育休とって朝からずっと赤ちゃんの面倒見てるのよ!ちょっとくらい会社休んで育児しなさいよ!」

世の中には会社が400万社あり、99.7%が中小企業、87%が小規模企業です……。夫が仕事に穴を開けても将来の生活が心配ないなら、または別の生活手段があれば、夫婦でその方法をしっかり認識し合いましょう。

もちろん、夫は本気の育児を経験しなければ大変さを理解できませんが、会社を休んでも出世に響かなかったり、同僚やお客さんに迷惑がかからない保証があれば、喜んで会社を休んでイクメンになると思います。

実際、家庭より仕事を優先する男性でも育休を取得したいと考える人は70%もいますが、現実的にはそれができない環境なんです。

ライフネット生命が行なった「育児休業に関する意識調査」によると、家庭を優先する人が育休を取得したいと考える割合が85%に対し、仕事を優先する人が育休を取得したいと考える割合も70%とかなり高い結果が出ています。

でも、現実の育休取得率は2-3%しかありません。つまり、仕事優先の男性でも、育休を取得したいけど取得できない現状があるということがわかります。

夫婦はお互いの心や身体の変化を知る

産後クライシスを乗り越えるためには、出産で「妻の心や身体に何が起こっているのか。」を夫が知り、出産で「夫の心にどのような疑問が湧いているのか。」を妻が知る必要があります。

まず妻の変化は、母性行動を誘引する「プロラクチン」「オキシトシン」という女性ホルモンによって、自分の心に反してイライラしたり、心配したり、やる気を失ったりなど情緒不安定になることです。

女性ホルモンによる心情の変化は人によって程度が変わりますが、夫は妻が単純にイライラしているのではないと知る必要があります。

妻が思う夫への不満は「父親の自覚の無さ」です。

「父親の自覚が無いため子育ての参加が少なく、父親の自覚がないため育児をする妻の大変さがわからず、父親の自覚がないため子供の将来を心配しない……。」と考えてしまいますが、妻がいくら言っても男性は生物として簡単に父親の自覚が理解できない仕組みがあります。

一般的に、人間であれば女性の方が男性よりも親の自覚が強いと考えられがちですが、母親の自覚が強いのは人間以外の動物も同じです。

感情的な話ではなく、母親は自分で産んだ子は自分の子だと認識できることに対し、父親は自分で産んでいないため、自分の子だという認識が弱くなります。そのため、父親は子供に対する時間や手間などの投資が少なくなります。

夫が父親の自覚を持つには、ある程度の時間や頭の切り替えが必要です。「わたしたちの子に決まってるじゃん!何バカなこと言ってるの!?」と思うかもしれませんが、それは女性ホルモンのせいですぐにイライラしてしまう妻も同じです。

そのような事態に陥らないためには、妻が妊娠中に夫に父親の自覚を持ってもらう上手な誘導もあることを知っておきましょう。

お互いが「なぜ○○してくれないの?」「なぜ○○だとわかってくれないの?」と思っていては、産後クライシスの溝は埋まりません。相手の心の変化や疑問を受け入れて、少しずつ歩み寄る方法を話し合いましょう。

産後クライシス関係なく夫婦は変わる

妊娠前はどれだけ変わらないと思っていても、子供が産まれることで夫婦の関係性は変わります。夫婦がお互いを愛していても、子供がいることで2人のときとは違う愛情の形になるでしょう。

妻は、夫として愛している以外に子供の父親として見ます。夫は、妻として愛している以外に子供の母親として見ます。

もちろん愛情の比率や質、要素は、それぞれ違うものだと思います。良い機会なので、それも話し合って見てはいかがでしょう。

どうせ人生1回しか無いんですから、より良い関係性を作るためにお互いのことを知り、お互いが不満に思うことの洗い出しは面倒でもやっておいた方が良いのかな、なんて思います(^_^;)

不安になることばかり書いてしまったので、「子供いない方が良いのかな……。」と思わせてしまったらごめんなさい。でも、もし迷っているなら、子供を作る前提で解決策を考えてみましょう。

子供は新しい感性を与えてくれます。自然な笑顔をくれます。忘れていた子供のころを思い出させてくれます。家族を優しくしてくれます。これまで受けた親の愛を感じることができます。ということでぜひ。

まーさ
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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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