生後10か月の赤ちゃん

9-10か月健診の項目は?運動機能の遅れがあった場合は?

投稿日:2019年4月27日 更新日:

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9-10か月健診は赤ちゃんとの初めてのお出かけ

赤ちゃんが生後9か月を過ぎると、そろそろ「9-10か月健診」の時期です。

この時期になると、ママも赤ちゃんの扱いに大分慣れてくると思います。元気にハイハイをしていたり、離乳食を食べる様子を見て、「任意の乳幼児健診は受けなくてもいいかなぁ。」と考える人もちらほら。

ただし、赤ちゃんの運動機能や離乳食状況が順調そうに見えても、基本的には乳幼児健診は受けてください。

赤ちゃんは、行動範囲が広がったことで、気を付けなければいけないことが増えます。そんな指導を受けることができるもの乳児健診の良いところです。

そこで今回は、9-10か月健診で診る項目と注意点などについてお話したいと思います。

9-10か月健診とは

9-10か月健診とは、生後9か月に入った赤ちゃんが、身長・体重などの身体測定や病気の早期発見だけでなく、月齢・年齢に合わせた成長や機能の発達を確認するために行う健康診査のことです。

乳幼児の定期健診(集団検診)
・3-4か月健診
・1歳6か月健診
・3歳健診

乳幼児の任意健診(個別健診)
・1か月健診
・6か月健診(生後6-7か月)
・9-10か月健診(生後9-10か月)
・1歳健診
・2歳健診

9-10か月健診を受ける場所

9-10か月健診は、任意健診(個別健診)のため、自治体が委託した小児科の中から選んで、決められた日に実施されるものです。

9-10か月健診の時期

9-10か月健診の時期は、赤ちゃんが生後9か月に入ってから実施されます。日程は市町村によって異なり、誕生月によって健診実施月日が決められています。

9-10か月健診健診の具体的な日程は、担当地域の保健センターから、1か月以上の余裕をもって「健診のおしらせ」が郵送されるので、そちらで確認してください。

日程の予定が合わない場合は、保健福祉センターに問い合わせて日程を変更することができます。

9-10か月健診にかかる時間

9-10か月健診にかかる時間はおよそ1時間ほどです。場合によっては長引くこともあるため、時間に余裕を持ってお出かけしてください。

9-10か月健診で診る項目

赤ちゃんの9-10か月健診の具体的な項目は以下の通りです。ただし、医師によって確認方法や診る箇所、判定と対応方法が若干変わる場合があります。

乳幼児健康調査身体診察マニュアル | 国立成育医療研究センター

身体の発育状態

赤ちゃんの発育状態や脳の成長を確認するため、身長、体重、頭囲などを測り、小頭症・大頭症の確認も行います。体重は乳児発育曲線に沿った増加をしているか確認します。

赤ちゃんは生後10か月時点で、体重が7-10kgほどになります。体重増加や目安体重には個人差がありますが、極端な場合(3パーセンタイル未満、97パーセンタイル以上、または曲線を2つ以上横切るように体重が増えている場合など)は経過観察になります。

また、生後6か月以降の体重増加の伸びが少ない場合は、離乳食の進み具合を確認したうえで、適切な指導が行われます。

男子乳幼児発育曲線
男子 乳児身体発育曲線

女子乳幼児発育曲線
女子 乳児身体発育曲線

平成 22 年乳幼児身体発育調査報告書(概要)|厚生労働省

精神の発育状態

知らない人をじっと見たり、見て泣くなどの人見知り傾向、また呼びかけに対する応答、拍手のまねの様子などを確認します。
認知機能や人見知りは生後6か月以降に見られるため、その傾向がない場合、人に無関心な場合は、精神発達の異常、聴力や視力の異常を疑います。

他に所見が見られなければ、おもちゃ遊びなどの指導を行って、次の乳幼児健診まで経過観察となります。

けいれんの有無

生後9-10か月くらいに起こる「ウエスト症候群(点頭てんかん)※」を確認します。ウエスト症候群は早期治療が必要なため、疑われる場合は早急に精密検査が必要になります。

注釈出生数1,000に対して0.16~0.42人の確率で起こるてんかんの一種で、強く頭部や体幹を前屈したり、発作的に両手を屈曲させることが特徴。

てんかんネット | 点頭てんかん

(13) ウエスト症候群 - YouTube

運動発達の状態

赤ちゃんを仰向けにして、手足の独立した運動を確認します。また、引き起こし反射による座位までの力の入り具合、座位の姿勢の維持を確認します。座位の姿勢が横座位や割座の場合は、他の所見と合わせて片麻痺や痙性両麻痺、筋緊張低下症などを疑います。

赤ちゃんのはいはいの姿勢、運動状態を確認します。うつ伏せを嫌がる、四つん這いができない、いざりばいをするなどは、脳性麻痺などを疑って、他の所見も合わせて確認をします。

赤ちゃんのつかまり立ちにおいて、片膝立ちから立ち上がる運動状態を確認します。立ち上がった際に両手足が伸びていなかったり、つま先立ちの姿勢を維持する場合、両脇を持って立たせても膝を曲げるなど嫌がる素振りを見せる場合は、神経系などの異常を疑います。

赤ちゃんに小さな積み木などを渡して、指でつかむことができるか、持ち替えができるかなどを確認します。指でつかむことができなかったり、手の動作の左右差が見られる場合は、程度によって経過観察か専門医の受診を勧められます。ちなみに、この時期はまだ明確な利き手はありません。

神経系の発達状態

1か月健診と同様、手足の筋肉を触って弾性の確認をし、関節可動域を診るために関節の屈伸状態を確認します。

神経系の発達は、パラシュート反射、ランドウ反射、ホッピング反応を確認します。詳しくは以下を確認してください。

感覚器の発達状態

視覚の異常

1か月健診と同様、先天白内障、先天緑内障、先天眼底疾患、網膜芽細胞腫などがないか、また3-4か月健診と同様、片目ずつ固視と追視の確認や嫌悪反応を診て、乳児内斜視を診察します。

聴覚の異常

聴覚は、呼びかけに応じない、喃語がでない、まねをしない、人見知りをしないなどが聴覚異常を要因としていなかい確認します。

血液の状態

3-4か月健診同様、全身の皮膚色、及び眼球を視診して、異常の有無を確認します。

皮膚の状態

全身の皮膚を視診・触診して、皮膚の状態を確認します。アトピー性皮膚炎が疑われ、程度が強い場合は医療機関の受診を勧められます。

股関節の状態

赤ちゃんを仰向けにし、下肢長差(アリス徴候)を診ることで、先天性股関節脱臼を確認します。

先天性股関節脱臼にみられるアリス徴候|Web医事新報|日本医事新報社

頭や首の状態

医師の判断による確認が行われます。

循環器の状態

1か月健診同様、聴診により、心音の速さや不整がないかを確認し、心音異常や心雑音がある場合は、他の症状も合わせて、精密検査を必要とする場合があります。

呼吸器の状態

1か月健診同様、呼吸音の左右差やラ音(ラッセル音)や喘鳴(ぜいめい)などがないかを確認します。

消化器の状態

1か月健診同様、腹部膨満の視診・触診をして、便秘や嘔吐症状があるかどうかの確認、合わせて母子手帳の便色カードを用いた問診を行います。

また、舌圧子(ぜつあつし)を用いた、触診を行います。

泌尿生殖器の状態

3-4か月健診同様、外性器異常として、男児の場合は陰嚢腫大、停留睾丸がないかを確認します。女児の場合は陰核肥大、陰唇癒合の有無と色素沈着の程度を診ます。

男児の停留睾丸が疑われる場合は程度によって経過観察、または専門医の紹介が勧められます。女児の陰核肥大、陰唇癒合、高度な色素沈着は精密検査が必要になります。

先天性代謝異常

医師の判断による確認が行われます。

先天性形態異常

赤ちゃんの形態異常としては、以下のものが診られないか確認します。

頭部短頭、長頭、後頭部突出、後頭部扁平、三角頭
顔面三角形の顔、四角い顔、前額突出、小顎症、下顎突出、下顎後退
眼間離開、眼球近接、眼瞼裂斜上、眼瞼裂斜下、内眼角贅皮、眼瞼裂狭小、眼瞼下垂、眉毛癒合、長い睫毛
低い鼻梁、突出した鼻梁、広い鼻梁、低い鼻低、突出した鼻、上向き鼻孔、未発達な鼻翼、長い人中、深い人中
耳介変形、突出した耳、大耳、小耳、副耳、耳介低位、耳瘻孔、耳前瘻孔
広い口、狭い口、口角下垂、上口唇・下口唇の肥厚・皮薄、巨歯、巨舌、舌癒着、高口蓋、粘膜下裂口蓋、魔歯、口蓋垂裂
翼状頸、短い頸、後頸部皮膚のたるみ
下肢揺り椅子状の足底、幅広い母趾、サンダルギャップ、突出した踵、内転中足、折り重なり趾、合趾症、多趾症
上肢小さい手、短指症、細長い指、母指欠損、内転母指、幅広い母指、屈指症、彎指趾症、太鼓ばち指、先細り指、幅広い指突
手掌紋単一手掌屈曲線、手掌皮線の欠損

その他の異常

1か月健診同様、身体を視診して、傷跡、打撲痕、出血斑、やけど痕などが複数診られる場合は、虐待を疑って子ども家庭相談センターなどに連絡します。

乳児健診で特徴的な確認事項や指導内容

喃語の発声の確認

赤ちゃんは、生後4-5か月ごろから徐々に喃語を話せるようになりますが、生後9-10か月は喃語から1語文への移行時期です。

そのため、赤ちゃんが喃語でママとコミュニケーションを取れてることが大切です。とくに、「まー」や「まーまー」で「ママ」や「まんま」を意味しているかを確認できなければいけませんし。

また、「まー」「ばー」「ぱー」「ぶー」「だー」という子音を出し分けられる必要があります。

乳歯の生え具合

乳歯は赤ちゃん毎に、生える時期が大きく異なります。生後9-10か月になると、上下の乳中切歯4本生えていることが目安です。

乳歯の名称と生える順番

虫歯予防については担当の歯科医からブラッシングなどのアドバイスをもらえるため、しっかりとメモを取りましょう。この時期の口腔内のケアが将来の虫歯予防につながります。

離乳食の進み具合

生後9-10か月の赤ちゃんは、離乳後期(カミカミ期)に入り、1日3回食が始まるころです。赤ちゃん自身の意思で授乳回数も減っている子が増えてきます。

赤ちゃんは食べることに余裕が出てきたのか、手づかみで食べたり、食器を投げたり、ひっくり返したり、遊び食べが増えます。ママは、離乳食の度にイライラするかもしれませんが、そういうものだと割り切ってください。

離乳食の進み具合は赤ちゃんによって違うため、食材の柔らかさや味付けについて、栄養士からアドバイスを受けることも忘れないでください。

周囲の安全確認の指導

赤ちゃんが伝い歩きを始めると、目線が変わるため転倒がこれまでよりも危険になります。そのため、以下のことに気を付けましょう。

つたい歩きの準備と安全対策
・周囲に物を置かない
・テーブルの上などに小物を置かない
・ジョイントマット・カーペットなどを敷く
・家具の角(コーナー)に衝撃吸収材を貼る
・家具自体の転倒を防止する
・テーブルクロスなどは使わない
・引き出しストッパーを使う
・本棚に目隠し用の布をかける
・ヒーター・ストーブ用の柵を用意する
・危険な場所にベビーゲートを設置する
・家電のチャイルドロックをかける

9-10か月健診に必要な持ち物

・母子手帳
・保険証(赤ちゃんとママ)
・赤ちゃんの乳幼児医療証
・乳児健診受診券または補助券
・記載した問診票(事前配布の場合)
・病院の診察券
・現金1万円ほど
・筆記道具

持っていった方が良い物

持っていった方が良いものは、基本的に1か月健診と同様です。生後9-10か月であれば、公園で子供を自由に遊ばせているはずなので、成長具合に合わせて必要な持ち物を選びましょう。

紙おむつとおしりふき

9-10か月健診は個別検診のため、集団検診ほど時間はかかりません。おむつは、予備も含めて2枚用意しておけば安心です。

ミルクなど

混合育児、ミルク育児の場合はミルクを持っていきましょう。ただし、授乳は健診の最低1時間前までに授乳を終えていなければいけません。

そのため、待ち時間が長い場合に早めに飲ませるか、帰りに飲ませてください。もちろん、母乳育児の場合は授乳ケープなどを必要に応じて持っていきましょう。

タオル

夏場は汗をかきやすいため、タオルを使ってこまめに汗を拭き、赤ちゃんの身体が冷えないように気を付けましょう。

着替え

汚れたときのために、着替えも1セット持っていきましょう。夏場は肌着を1枚、冬場はブランケットなどの防寒対策をしてください。

おくるみなど

その他

これら以外に指定された持ち物があれば持っていきましょう。

9-10か月健診のその他の注意点

9-10か月健診はひっかかりやすい

9-10か月健診は、お座り、ハイハイ、つかまり立ちなど、さまざまな運動機能を確認する場でもあります。

この時期の運動機能は遅れを指摘されることが多いのですが、運動機能の発達遅延の場合、赤ちゃんの性格によってわかりにくい場合、何らかの障害がある場合に分かれます。

程度によっても医師の判断は変わりますが、多くは1か月から1歳健診、1歳半健診まで経過観察を促されるでしょう。ただし、専門医による検査や再検査を促された場合は、すぐに医師の指示に従って行動してください。

9-10か月健診にかかる費用は?

9-10か月健診は、任意健診のため費用がかかります。費用は病院によって異なりますが、地域が発行する乳児健診受診券または補助券がなければ、2000-5000円ほどかかります。

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まーさ

保育士資格、幼稚園教諭免許(一種)を取得後、保育園・幼稚園・支援センターを複数回経験して、もうすぐ業界歴20年です。 仕事と2人の子育てをこなしつつ、勉強をしつつ、ゆっくり情報を発信しています。

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