妊娠22週以降の人工中絶は法律違反…堕胎罪の種類と刑罰

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人工中絶可能な期間が過ぎてしまったら

世の中には止むに止まれぬ事情によって、授かった赤ちゃんを人工中絶しなければいけない人がいます。

ただし、いつどのように中絶手術をしても良いわけではなく、可能な期間は妊娠21週6日までと決まっています。

人工中絶ができる時期はいつまで?初期・中期手術費用と入院期間

では、もし妊娠22週目に入ってしまった場合、妊婦はどのような事情や状況があっても人工中絶をすることはできないんでしょうか。

また、何らかの理由で、何らかの方法で妊娠22週目以降に人工中絶をしてしまった場合、何か罪に問われる可能性はあるんでしょうか。

今回は、妊娠22週以降で人工中絶をした場合に問われる堕胎罪の種類と刑罰に関してお話したいと思います。

妊娠22週以降の中絶は堕胎罪になる

日本の法律上、妊娠11週6日までの中絶(妊娠の継続ができないこと)は「流産」、妊娠12週0日から妊娠21週6日までの中絶は「死産」となっています。

死産となった場合は、人工中絶・自然中絶に限らず「死産届」を市区町村役所に提出し、お腹の中にいた赤ちゃんの埋葬や火葬を行なう必要があります。

また、妊娠22週0日以降に人工中絶を行った場合は法律違反になり、「堕胎罪(だたいざい)」という罪にあたります。

堕胎罪とは、人為的に胎児を母体から分離・排出する罪を言います。堕胎行為によって胎児が死亡したかどうかは関係なく、母体や胎児に影響を与えたことで堕胎せざるを得ない状況をつくりだしたという罪です。

もちろん、胎児を母体内で殺してしまうことも堕胎罪になります。つまり、母体を殺傷し、胎児を危険に晒した(殺した)罪ということです。ただ、胎児の死は人の死と分けられているため、殺人罪は適用されません。

日本では、刑法第2編第29章の「堕胎の罪(刑法212条-刑法216条)」に規定されており、堕胎罪での検挙数は年間数件あります。

堕胎罪の種類と刑罰の重さ

堕胎罪には複数の種類があり、それぞれ刑罰の重さも変わります。

堕胎罪の種類1.自己堕胎罪|妊婦本人による堕胎

自己堕胎罪とは、妊婦が薬物やその他の方法を行って結果的に堕胎に至った罪を言い、妊婦は1年以下の懲役に処されます(刑法212条)。

堕胎罪の種類2.同意堕胎罪|承諾を得た第三者による堕胎

同意堕胎罪とは、妊婦から依頼されたり、承諾を得て第三者が堕胎させた罪を言い、堕胎をさせた第三者は2年以下の懲役に処されます。

また、堕胎は妊婦を傷つける行為(妊婦死亡もあり得る)にあたるため、3か月以上5年以下の懲役に処されます(刑法213条)。

堕胎罪の種類3.業務上堕胎罪|医師・助産師などによる堕胎

業務上堕胎罪とは、妊婦から依頼されたり承諾を得て、医師、助産師、薬剤師などの医療業務者が堕胎させた罪を言い、医療業務者は3か月以上5年以下の懲役に処されます。

また、堕胎によって妊婦を傷つける行為(妊婦死亡もあり得る)にもあたるため、6か月以上7年以下の懲役に処されます(刑法214条)。

医療業務者は、身分によって刑も重くなる場合があります。もちろん医師は業務上堕胎罪をよく知っているため、妊娠22週を過ぎて医師を頼っても、人工中絶を行うことはできません。

堕胎罪の種類4.不同意堕胎罪・不同意堕胎致死傷罪|承諾がない第三者による堕胎

不同意堕胎罪・不同意堕胎致死傷罪とは、第三者が妊婦の依頼や承諾がなく堕胎をさせた罪を言い、堕胎をさせた第三者は6か月以上7年以下の懲役に処されます(刑法第215条1項)。

また、故意であろうが、過失であろうが、不同意による堕胎未遂の場合も刑罰の対象になり、もし妊婦を傷つけた場合は、傷害罪として15年以下の懲役及び50万円以下の罰金が課されます(刑法第215条2項)。

妊娠22週以降の堕胎罪の例外

妊娠22週以降の中絶のことを後期中絶と言い、前述した通り妊婦本人の申し出があろうが・なかろうが、結果的に中絶に至った場合は堕胎罪になります。

ちなみに、妊娠11週6日までに行う中絶を「初期中絶」、妊娠12週0日から妊娠21週6日までに行う中絶を「中期中絶」と言い、妊婦に人工中絶を行う権利が認められています。

人工中絶ができる時期はいつまで?初期・中期手術費用と入院期間

では、妊娠22週目以降で母体に生命の危険が生じて、どうしても堕胎をせざるをえない場合の人工中絶でも、堕胎罪になるのでしょうか。

もし、医療上の理由で母体救命のために胎児除去の必要性が生じた場合でも、胎児が母体外で生存可能な早産(妊娠22週-36週で出産すること)の時期であれば、帝王切開などを用いて胎児救出を優先してから、母体救命をすべきとされています。

ただし、指定の医師により胎児の生存の見込みが無いと判断された場合は、分娩途中で胎児の体を切断したり、頭蓋骨を粉砕して産道から取り出す等の緊急措置が行われることがあります(母体保護法第14条)。

この母体保護法第14条にもとづいて行なわれる後期中絶手術のことを「胎児縮小術」「回生術」「部分出産中絶」などと言います。

つまり、仮に妊娠22週目以降で母体の危険があったとしても、まずは胎児の生存を考えなければならず、どうしても難しいと特定の医師が判断した場合のみ、後期中絶手術を行うほど堕胎罪は厳格に定められているのです。

人口中絶を回避する2つの方法

妊娠22週以降というと妊娠6か月目にあたるため、妊婦はすでに胎児の胎動を感じていることが多いでしょう。胎動は一般的に妊娠20週前後、早い子で妊娠14週ごろから始まります。

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赤ちゃんを産むか産まないかを迷っているうちに胎動が始まってしまうと、妊婦は心情的に人工中絶手術ができなくなってしまいます。

もちろん、赤ちゃんを産むに越したことはないのですが、どのような理由でも1度妊娠したら必ず赤ちゃんを産んで育てなければいけない……とは言えません。中には、犯罪に巻き込まれて妊娠してしまう女性もいるからです。

ただし、妊娠22週に入るとどのような理由があろうとも、人工中絶は行なえません。誰も人工中絶に協力はしてくれませんし、誰にも依頼してはいけません。そのため、決断はなるべく早くしなければいけません。

では、もし決断が遅れてしまい、赤ちゃんを育てる環境にない人が赤ちゃんを産んでしまった場合、どのように育てていけば良いのでしょうか。

自分の身を犠牲にしても、満足に育児ができない場合は、精神的・肉体的に親の努めを果たすせない人が出産をしてしまった場合どうすれば良いのでしょうか。

そこで、産まれてくる赤ちゃんを救済する制度として、「特別養子縁組」「里親制度」という2つの制度があります。

特別養子縁組と里親制度については、また別途まとめたいと思います。


参考|人工妊娠中絶 – Wikipedia
参考|中絶でも堕胎罪が成立する要件と妊娠に関するトラブル対処法|厳選 刑事事件弁護士ナビ

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