3歳以降の指しゃぶりの割合は?子どもの悪影響とやめさせる方法

この記事の読了時間は約 8 分です。

指しゃぶりはいつまで続く?

初めて赤ちゃんが指しゃぶりをするのは本能です。意識をせずに、反射的に指をしゃぶります。ここで言う反射とは、授乳に必要な「口唇探索反射」「補足反射」「吸啜反射」などの哺乳反射のことです。

哺乳反射は成長によって消失し、少しずつ自分の意志でおっぱいを飲むようになるのですが、この時期に赤ちゃんが指をしゃぶるのは、お腹が空いたから、ストレスを感じるから、眠くなったからなど生理的な理由のためです。

赤ちゃんが指しゃぶりする理由は?新生児からいつまで続く?

子どもの指しゃぶりは1-2歳過ぎまでは生理的な要因として見られます。2-3歳の子どもの指しゃぶりも不安や緊張を解消する心理的効果があるため、ママは無理に指しゃぶりをやめさせる必要はありません。

もし2-3歳まで指しゃぶりが続いたとしても、手を使った遊びが増え、運動や言葉でコミュニケーションを取れるようになると指しゃぶりは自然になくなっていくものです。

ところが、集団生活を開始する3-4歳の指しゃぶりは少し話が違います。以下のグラフを見るとわかる通り、3歳前後からの指しゃぶりは生理的な要因・心理的な要因よりも、癖の可能性が高いんです。

yubi05

引用|江原歯科: 指しゃぶりについて

年齢による指しゃぶりの原因
・1-2歳までの指しゃぶりは生理的要因
・2-3歳までの指しゃぶりは心理的要因
・3歳以降の指しゃぶりは癖

そこで今回は、3歳以降の子どもが指しゃぶりを続けることで受ける悪い影響と指しゃぶりをやめさせる方法についてお話したいと思います。

子どもの指しゃぶりの割合

日本小児歯科学会によると、平成14年に行なった東京都のある区における子どもの指しゃぶり頻度に関する調査によって、以下のことがわかっています。

1歳2か月児(393名)、1歳6か月児(557名)、2歳0か月児(472名)、3歳0か月児(695名)の各年齢における指しゃぶりの頻度は以下のようになり、それほど割合は変わりません。

4cf54f2caf4d9e124f7acaf9463816a4

1歳2か月児|28.5%
1歳6か月児|28.9%
2歳0か月児|21.6%
3歳0か月児|20.9%

また、別の調査ですが、山形県で3歳児健診を受けた子どもの指しゃぶり頻度は、12.9-19.4%だったそうです。

つまり、2つの子どもの指しゃぶり調査から、3歳の時点でもおよそ2割の子どもに指しゃぶり行為が残っていることがわかります。

参考|おしゃぶりについての考え方|日本小児歯科学会

子どもの指しゃぶりをやめさせる必要性

日本小児歯科学会の見解によると、子どもの指しゃぶりについて、小児科医、小児歯科医、臨床心理士はそれぞれ以下の見解を持っています。

小児科医の指しゃぶりの考え方

指しゃぶりは生理的な人間の行為であるから、子どもの生活環境、心理的状態を重視して無理に止めさせないという意見が多い。特に幼児期の指しゃぶりについては、不安や緊張を解消する効果を重視して、歯科医ほど口や歯への影響について心配していない。

小児科医は、子どもの心の発達や環境面を考慮して、幼児期であっても指しゃぶりを無理にやめさせる必要性はないとしています。

小児歯科医の指しゃぶりの考え方

指しゃぶりは歯並びや噛み合わせへの影響とともに、開咬になると発音や嚥下、口元の突出、顎発育への影響も出てくる。不正咬合の進行を防止し、口腔機能を健全に発達させる観点からも、4~5歳を過ぎた指しゃぶりは指導した方がよいという意見が多い。4歳以下でも習慣化する危険がある児に対しては指導する必要がある。

小児歯科医は、歯並びや口腔機能の観点から、4歳以降の指しゃぶりは矯正した方が良いとしており、4歳以下でも習慣化しない何らかの指導が必要としています。

臨床心理士の指しゃぶりの考え方

指しゃぶりは生理的なものとしながらも、4~5歳になっても持続する場合は、背景に親子関係の問題や、遊ぶ時間が少ない、あるいは退屈するなどの生活環境が影響しているので、子どもの心理面から問題行動の一つとして対応する。

臨床心理士は、子どもの心理面から、4歳以降の指しゃぶりには子どもの心理的・環境的な問題が影響している可能性があるとして、心理的・環境的な問題解決のために対応する必要があるとしています。

では、ここでキーワードになっている4歳以降の指しゃぶりが、子どもに与える悪影響とはどのようなものでしょうか。

4-5歳の指しゃぶりによる悪い影響

前述した通り、生後2-3か月から1-2歳までの指しゃぶりは生理的な要因、2-3歳までは心理的な要因、4歳前後からは癖だと言われており、3歳ごろまでは無理やり指しゃぶりを治す必要はありません。

ただし、指しゃぶりによる以下の悪い影響が見える場合は、指しゃぶりをやめさせる矯正が必要になります。

指しゃぶりの悪い影響1.指に傷や吸いダコができる

ずっと指をしゃぶっている子どもは、指の吸いすぎで指に吸いダコができたり、潰瘍ができる場合があります。また、稀に爪が変形したり、指の骨が変形するケースもあるようです。

指しゃぶりの悪い影響2.歯並びやかみ合わせが悪くなる

指しゃぶりをしていると上下の噛みあわせが悪くなったり、上顎前突(出っ歯)になることがあります。

特に4-5歳になると乳歯が生え変わり時期に入るため、永久歯が生える際の歯並びに悪影響を与える可能性があります。永久歯への生え変わりが早い子は3-4歳から乳歯がぐらつき始めます。

子どもの歯並びが悪くなる原因は癖・習慣と遺伝…予防法は?

指しゃぶりの悪い影響3.発音が悪くなる

指しゃぶりによって歯並びが悪くなると、歯の隙間から空気漏れが起こり発音が悪くなる可能性があります。

子どもの発音の未発達が口腔筋機能の異常によって起こる場合は、指しゃぶりを継続する期間が長いほど自然治癒が難しくなります。

指しゃぶりの悪い影響4.虫歯ができやすくなる

指しゃぶりをしていると口を開ける癖がついてしまいます。すると口の中が渇いて虫歯菌(ミュータンス菌など)が繁殖し、虫歯ができやすい口内環境になります。

指しゃぶりの悪い影響5.心の病気になる

普段から強いストレスを感じている子どもは、3-4歳以降でも指しゃぶりによって不安を解消している可能性があります。

そのため、この場合は指しゃぶりが悪い影響を与えるわけではないのですが、指しゃぶりを放置するのではなく、指しゃぶり以外の行為でストレスを解消できるように促さなければいけません。

子どもの指しゃぶりをやめさせる方法

では、指しゃぶりで悪影響がないために、どうやって3-4歳以降の子どもに指しゃぶりをやめさせたら良いのでしょうか。

指しゃぶりをやめさせる方法1.指しゃぶりを怒らない

ママが指しゃぶりをやめさせるには、子どもが指しゃぶりをしても怒らないことです。4-5歳児が行う指しゃぶりの多くは「癖」や「ストレス」です。

もし、ママが子どもの指しゃぶりを強く怒ってしまうと、それがストレスになり、さらに指しゃぶりを激しくしてしまう恐れがあります。

指しゃぶりをやめさせる方法2.子どもと身体を動かす

子どもがママといっしょに遊んでいるときは、指しゃぶりをすることがほとんどないはずです。そのため、まずは子どもとたくさん遊んであげましょう。

一番良いのは、ママが子どもといっしょに外で運動をして身体を鍛え、ストレスを発散し、指しゃぶりをしなくなるように指から気をそらし続けることです。

指しゃぶりをやめさせる方法3.手や口を使った遊び・お手伝いをさせる

もし、外に出られずお家にいる場合は子どもとお話をしたり、お手伝いをさせたり、いっしょに本を読むなど、室内でできるコミュニケーションを行います。

子どもは手を使って遊んだり、お話をして口を動かしたり、ママと一緒にお手伝いをしていれば、指しゃぶりのことは忘れてしまうでしょう。

指しゃぶりをやめさせる方法4.寝かしつけ時は子どもの手を握る

4歳を過ぎても、眠る前に自然に指をしゃぶる子がいます。指しゃぶりを入眠儀式としてみれば、ママにとってはとても楽ちんなのですが……。

寝かしつけが楽になる入眠儀式5か条とおすすめ入眠儀式

ただ、眠る前の指しゃぶりの癖はなかなか抜けません。そのため、ママは寝かしつけの際に子どもの手を握ってお話しをしてあげるなど、眠りにつくまで子どもの気持ちが指しゃぶりに向かないようにしましょう。

指しゃぶりをやめさせる方法5.とにかくコミュニケーションをとる

ストレスを感じて指しゃぶりをしている子どもから、悩みや不安を聞き出すことは難しいことです。そのため、ママはできるだけ子どもと自然にコミュニケーションを取れる環境を作りましょう。

3歳、4歳、5歳は赤ちゃんではありませんが、物事を十分に理解できる年齢でもありません。そのため、不安の解消を追求するよりも、常に子どもとスキンシップを図ることで安心感を与えます。

指しゃぶりをやめさせる方法6.子どもに自覚を促す

誕生日や入園のタイミングで、子どもに指しゃぶりをやめるように自覚させてみましょう。

「指しゃぶりは小さな子がすることだから、これからはもうしないようにしよう。◯◯はお兄ちゃんだもんね。」という具合に。

ただし、ストレスの原因が弟や妹だった場合は、「お兄ちゃんだから」はプレッシャーになるかもしれません。また、赤ちゃん返りを起こしてしまい、余計に指しゃぶりの原因になるかもしれません。

子どもの赤ちゃん返りはいつまで続く?4つの原因と原因別対処法

どちらにしても、指しゃぶりをやめた方が良い理由を子どもに説明して、何かのタイミングに合わせて自分自身で「指しゃぶりはしない!」と子どもが思えるようにママが支えてあげてください。

指しゃぶりをやめさせる方法7.医師に相談する

すでに指に潰瘍ができている、歯並びに影響が出始めているなど、指しゃぶりが子どもに悪影響を及ぼしていると考えられる場合は、すぐに医師に相談をしてください。

場合によっては、小児科医、小児歯科医、臨床心理士などと連携した対応が必要になることもあります。

それでも指しゃぶりが治らない場合

これまでずっと指しゃぶりを続けてきた子が、明日からいきなり指しゃぶりをしなくなることはありません。

そのため、ママはトイレトレーニングと同じように、指しゃぶりをやめさせるには時間がかかると認識して長い目でつきあってあげましょう。

また、指しゃぶりをやめさせたいからと市販のおしゃぶりを検討するママもいますが、指からおしゃぶりに変わるだけなので意味はありません。

というか、おしゃぶりの使用は2歳ごろまでとされているため、おしゃぶりを検討しても仕方がないです(^_^;)

寝かしつけに必要…おしゃぶりはいつまでにやめれば影響がない?

ちなみに指しゃぶりの衛生面が気になるママもいると思いますが、どちらにしても生活をしている上で雑菌を避けることはできません。感染症の時期以外は気にする必要はないでしょう。普段と変わらず手洗いをしていれば問題ありません。

指しゃぶりは「ダメなこと」ではありませんが、指しゃぶりを長く続けて癖になると、子どもには悪影響があります。

そのため、ママは指しゃぶりを怒らずに、子どもの成長過程を楽しむつもりで、少しずつ指しゃぶりをやめられるようにしましょう。

記事のURLとタイトルをコピー