どもり、滑舌・発音の悪さ、言葉の遅れは病気?構音障害の原因とは

b31ebaff0d9c1a6456f0e488ed2ad0af

この記事の読了時間は約 8 分です。

赤ちゃん言葉・発音できないなど言葉の遅れは構音障害かも

・赤ちゃん言葉が治らない
・発音できない音がある
・滑舌が悪い
・しゃべると鼻に息が抜ける

など年齢によって原因は変わりますが、子どもの言葉がこのような状態の場合「構音障害(こうおんしょうがい)」の可能性があります。

構音障害は日常会話からは気付きにくい場合があり、5-6歳になっても舌っ足らずな話し方だったり、発音できない音があったり、言葉をずっと言い間違えていると感じたときにようやく、「あれ?うちの子の言葉大丈夫?」となります。

もちろん、多少ろれつが回らなかったり、言葉の発音に違和感があっても、家庭での日常会話に支障をきたすことは少ないもしれません。

ただし、多感な小学生になると、からかい半分のいじめの原因になったり、英語など新しい言語を学習するときのハードルになる可能性があります。

また、構音障害を放置することで、言葉の遅れだけでなく、その他の運動機能や発達に影響を及ぼしてしまうかもしれません。

そこで今回は、よくある構音障害の原因と構音障害の対応方法についてお話したいと思います。

なお、構音障害ではない場合に赤ちゃん言葉・言い間違え・おかしな発音を治す方法や対処法は以下を参考にしてください。

赤ちゃん言葉・発音の悪さ・言い間違いなど原因別の治し方

構音障害(こうおんしょうがい)とは

構音障害とは、口やのどの筋肉の運動障害があるため、発声や発音が正しくできない症状のことを言います。

子どもの場合は発音が正しくできないことで舌っ足らずな話し方が続いたり、言葉を間違えて覚えている(言い直せない)など、構音障害が言葉の遅れにつながり、会話などコミュニケーション不足に陥る原因になることもあります。

構音障害は原因によって、「器質性構音障害(きしつせいこうおんしょうがい)」「運動障害性構音障害(うんどうしょうがいせいこうおんしょうがい)」「機能性構音障害(きのうせいこうおんしょうがい)」の3つに分けられます。

器質性構音障害とは

器質性構音障害とは、構音器官の形態に障害を抱えている構音障害を言います。

口唇口蓋裂など、生まれつき唇、舌、口蓋(こうがい)、声帯(せいたい)などの器官の形に異常があるため上手に声を出せない・発音できない場合や、後天的な事故や病気によって器官の形が変わり、声を出せない・発音できない場合があります。

運動障害性構音障害とは

運動障害性構音障害とは、発声に関わる神経や筋肉の病気による構音障害を言います。

発声をコントロールする脳神経や発音を促す筋肉の硬直によって、思い通りに舌、顎、唇などを動かせないため上手に声を出せない・発音できない場合があります。

機能性構音障害とは

機能性構音障害とは、器質性構音障害、運動障害性構音障害以外の原因によって起こる構音障害を言います。

機能性構音障害は、個人差による言語発達の遅れや発音に対する誤った習慣によって、上手に声を出せない・発音ができない場合があります。

構音障害の原因と対処法1.舌小帯強直症(ぜつしょうたいきょうちょくしょう)

舌小帯強直症とは、舌の裏のすじ(舌小帯)が通常よりも癒着している状態を言います。そのため舌の動きが悪くなり、構音障害の原因になります。

4388e787e6eb8219afc438b675e56643

このように舌を上げたときに、舌先が凹んで舌全体がハート形になったら治療が必要な舌小帯強直症だと判断できます。

舌小帯強直症は、小児歯科、歯科口腔外科などで舌小帯の伸展術による処置が受けられます。乳幼児医療の対象になるため、まずは医師に相談してください。

摂食・構音障害の原因に!舌小帯強直症の症状と治療方法

構音障害の原因と対処法2.口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)

口唇口蓋裂とは、「口唇裂(こうしんれつ)」と「口蓋裂(こうがいれつ)」の総称を言います。

口唇裂とは、先天的に唇の一部が裂けて形が変形している状態のこと、口蓋裂とは、先天的に口蓋(口腔と鼻腔を分離している口腔上壁のこと)の一部が裂けて口から鼻にかけて変形している状態のことです。

c491f498f37111bf02dc210a1e2b7950

引用|Cleftlipandpalate – 口唇口蓋裂 – Wikipedia

口周りの先天性形状異常は話し言葉に影響を与えるだけでなく、哺乳も上手く行えない可能性があるため、複数回の口唇口蓋形成術によって、口唇口蓋の形を整える必要があります。

参考|口唇裂口蓋裂などの先天異常|口腔外科相談室|日本口腔外科学会
参考|富山大学附属病院歯科口腔外科 口唇口蓋裂

構音障害の原因と対処法3.鼻咽腔閉鎖不全(びいんくうへいさふぜん)

鼻咽腔閉鎖機能不全とは、言葉を話す際に鼻に空気が抜けてしまったり、咳払いのように詰まった破裂音がする状態のことです。

たとえば、「ば」という音は、軟口蓋と咽喉が鼻腔の入り口を閉じることで発音できますが、鼻咽腔閉鎖不全だと、軟口蓋が鼻腔の入り口を閉じることができないため、空気が鼻に漏れて「ば」の音が「ま」の音に聞こえてしまいます。

鼻咽腔閉鎖機能不全は、口唇口蓋裂の手術後に空気の鼻漏れが改善しない場合や先天的な原因で空気の鼻漏れがみられる場合に起こります。

鼻咽腔閉鎖機能不全の治療には、構音の補助装具、言語療法、手術があり、構音の補助装具をつけた言語療法で話し言葉の改善が見られない場合は、「咽頭弁作成術」や「再プッシュバック法」などの手術を選択する可能性があります。

もちろん、手術をしただけで構音障害が完治するわけではなく、術後も口周辺の使い方を覚えたり、筋肉を付けるための言語療法が必要になります。

参考|日本形成外科学会|鼻咽腔閉鎖機能不全

構音障害の原因と対処法4.幼児性難聴(ようじせいなんちょう)

幼児性難聴とは、先天的に耳が聞こえない病気のことで「先天性難聴」とも言われます。

子どもは、周りの人が話す言葉を聞いて覚えるため、耳の聞こえに問題があれば言葉の発達に影響が出てしまいます。

先天性難聴には中度から高度の難聴が多く、中度以上の難聴の場合は補聴器による聴能訓練をしなければ耳の聞こえはかなり悪くなります。

片耳の難聴であれば耳が聴こえないわけではないため、言葉の発達に影響が出ることは少ないのですが、正式な検査を行わなければ難聴だと気がつかない可能性もあります。

現在は、新生児期スクリーニングという聴力検査も一般的に行なわれているため、健診などで確かめるようにしましょう。

子どもの難聴は先天性難聴以外にも、中耳炎、外耳道閉鎖症、頭部外傷など多くの原因があるため、以下でチェックしておいてください。

赤ちゃん・子どもの先天性・後天性難聴15の原因と早期発見方法

構音障害の原因と対処法5.歯並びによる舌癖(ぜつへき)

舌癖とは、乳歯の生え変わり時期に抜けそうな前歯が気になって歯を舌でつつくなどの癖のことです。また、指しゃぶりなどで変形した歯並びが気になって舌癖がつく場合もあります。

舌癖が出ると、その影響で舌の位置が普段とは違う場所に定着してしまい、その結果正しい発音ができなくなってしまいます。

19a5c9826b8b9216bcc2bb60a0c0d2d6

子どもがしゃべるときに舌の使い方が不自然だと感じたら、小児歯科などで診てもらいましょう。小児歯科、または矯正歯科などで舌癖を治すためのトレーニングを行うことになります。

また、舌癖とともに子どもの歯並びが悪いと感じたら、歯の矯正も含めて早めの対策を行ないましょう。

歯並びが悪いと虫歯や歯周病が増える、発音が悪くなる、口臭の原因になる、顎関節症になる、顔が変形してしまうなどの影響を受ける可能性があります。

子どもの虫歯や口臭、顔の歪み原因に!歯並びや噛み合わせの悪さ

舌癖は歯並び意外にも、のどの病気(扁桃肥大、アデノイドなど)、鼻の病気(アレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、蓄膿症など)も原因と考えられます。

構音障害の言語療法

さて、子どもの構音障害の原因を取り除いたら、次は正しく言葉を話すことができるようにトレーニングをしていかなければいけません。

言葉を話すトレーニングのことを言語療法と言い、主に言語聴覚士が行いますが、構音障害の原因によっては発音を補う装置が必要になる場合があります。

参考|言語機能と構音障害 – 歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020

言語療法1.ブローイング訓練

言葉を話す際に空気が鼻に抜けてしまう場合は、ブローイング訓練によって口から息を出す練習をします。口から息を出す練習はおもちゃの風車を回したり、ろうそくの火を吹き消したり、以下のようにペットボトルに入った水をストローで吹くなどを行います。

以下は、日本訪問歯科協会が公開しているブローイング訓練の動画です。

言語療法2.口腔筋機能療法

話す時に舌が前に出る舌癖や指しゃぶり、頬杖、口呼吸の習慣が付いている場合は、口腔筋機能療法によって舌の筋肉の訓練、舌の運動訓練、舌の位置の矯正訓練、口唇の運動訓練などを行います。

口腔筋機能療法には、舌を尖らせたままスポット(普段何もしていないときに舌がある位置)を触るスポットポジション、口を開けてスポットに舌全体を吸い付けてから舌を打ち下ろすホッピング、上顎の犬歯の後にストローを咥えて舌の力でストローを押し上げるボスチャーなどがあります。

言語療法3.構音訓練法

言葉の発音に誤りがある場合は、音を聞かせて正しく真似をさせる聴覚刺激法、誤った言葉を修正して正常な言葉に近づける漸次接近法などを用いて、正しい音の発声方法を訓練し、正しく発音できるようにします。

音の発音が正しくできたら、単語単位で正しく発音できるように練習し、徐々に長文での発声、会話での発声ができるように訓練を行なっていきます。

子どもの発音・発声が正しいか観察

子どもの言葉の発達・発音の発達に悪影響を及ぼす病気や障害は意外と多いのですが、脳などの発達障害でなければ、正しい治療と発声のための器具、言語療法によって、徐々に正しい言葉の使い方に修正していくことは可能です。

まずは普段の子どもの言葉遣いを注意深く観察するようにしましょう。3-4歳の子どもで発音が悪い、滑舌が悪い、ろれつが回らない、どもりが多いからといって、すぐに構音障害だとは決めつけないでください。

ママは2歳、3歳、4歳と成長する子どもの言葉の使い方・発音を比べてみて、発音が悪い、滑舌が悪い、ろれつが回らない、どもりが多いなどが徐々に治ってきているかどうかを見極めましょう。

また、子どもの発音や滑舌に問題がある場合、構音障害以外にも原因も考えられます。ママは1つ1つの原因をつぶしながら、子どもの言葉が発達しているかどうかを確認してください。

4-5歳で赤ちゃん言葉…子どもの言葉の発達が遅い7つの原因

子どもの言語機能の発達は1日2日で改善されるものではないため、焦らないことが大切です。子どもの言葉の間違いを正すときも、子どもの心を傷つけないように優しく教えてあげてください。

何度も発音や言葉を正して、それでも子どもの言葉の様子がおかしいと感じたら、かかりつけの小児科で相談するようにしましょう。


参考|構音障害、発声障害とはどんな病気か|症状や原因・治療 – gooヘルスケア
参考|日本形成外科学会|顎口蓋裂について

記事のURLとタイトルをコピー