MFICU(母体胎児集中治療室)の役割と妊婦の入院基準・費用

6b9517965680c764901d08ee42a37186

この記事の読了時間は約 6 分です。

治療や生命活動補助に必要な隔離

以前、NICU(新生児集中治療室)の記事で「テレビドラマなどでよく見るシーン」というお話をしましたが、今回お話する「MFICU(母体胎児集中治療室)」もテレビドラマのイメージを持っている人はいるかもしれません。

NICU(新生児集中治療室)の役割と赤ちゃんの入院基準・費用

妊婦が突然倒れたり、急に体調が悪くなったときに救急車で搬送され、担架で運ばれるのがMFICU……という場合もあるでしょう。

ただし、MFICUに入院する妊婦の多くはそこまで切羽詰った状況ではなく、比較的落ち着いて高度な医療行為、管理された医療行為をうけるために利用することもあります。

では、MFICUとはどのような施設で、どのような妊婦が入院するための場所なのでしょうか。

今回は、気になるけどよくわからないMFICUの特徴や、MFICUに入院する基準、入院費の考え方などについてお話したいと思います。

MFICU(母体胎児集中治療室)とは

MFICU(Maternal-Fetal Intensive Care Unit)とは、妊娠から出産後まで病気などでリスクを抱えた妊婦が治療を行う施設で、妊婦に特化した集中治療室のことです。

MFICUを利用する妊婦の状況は、ICUやNICU利用に比べて落ち着いています。その理由は妊婦の病気の発症予測が困難であり、軽症から重症化する可能性もあるため、何らかの兆候が見られる場合に予防措置として利用されることが多いためです。

MFICUの施設基準は、ほぼNICUと同じ基準です。24時間体制で産科を担当する医師、助産師または看護師の配置(人数は床数による)の他に、必要な設備を整える必要があるため、ある程度大きな病院に限られています。

そのため、他の病院からも多くの妊婦が搬送されて治療を受けられるようになっています。

また、MFICU入院時の分娩の可能性もあるため、陣痛室、分娩室が設置されていることも特徴の1つです。

※新生児室、授乳室はNICUにもある。または併設されている。

MFICUの特徴1.バイオクリーンルーム

室内は気圧を上げてゴミなどの進入を防いでいるだけでなく、室内に入る場合は滅菌、消毒が必要になります。

MFICUの特徴2.各種設備

救急蘇生装置、呼吸順監視装置、分娩監視装置や超音波診断装置などの機材が常備されています。

MFICUの特徴3.自家発電装置

突然の停電など非常時でも、自家発電装置によって各種検査が行えるようになっています。

MFICU対象の母体・胎児の状態

妊婦がMFICUに入院するケースは、主に母体に高いリスクが生じているか、母体のリスクによって胎児の出産が困難である、胎児に生命のリスクが生じているなどが挙げられます。

母体の高いリスクとは、切迫流産、切迫早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、心疾患・甲状腺疾患・糖尿病などの合併症、前置胎盤や胎盤早期剥離などの胎盤異常などです。

また、胎児の異常や出産の際にリスクを生じるものとして、多胎妊娠、胎児発育不全などもMFICUに入院する基準として考えられます。

ただし、母子ともに切羽詰った状態ではなく、これらのリスクを予防するためにMFICUに入院する場合もあります。MFICUへの入院判断は、最終的には出産した病院の基準、または医師の判断によって変わる場合があります。

病院の環境と医師の判断

MFICUが設置されている病院の場合は、治療によって改善できそうな母体の病気や病気の恐れがある予防初期の段階の場合、または切迫早産など安静状態の維持が必要な場合などにMFICUを活用します。

反対に、MFICUが設置されていない一般的な病院の場合は、その病院の母体の病気などの対応方針により、MFICU設置病院に搬送する措置を取ります。

MFICUの入院期間と費用

妊婦がMFICUに入院する期間は、基本的に14日以内となっています。これは現在のところ病院に対するMFICU利用加算の最大が14日間のためであり、実際は14日以上の入院を必要とするケースは多いそうです。

気になる費用ですが、MFICUの入院費用は非常に高額で、1泊7-8万円も珍しくありません……。

ただし、保険適用で3割負担の上に、一定の自己負担限度額を超える場合は、高額療養費制度の対象になるため支払った医療費は部分的に返戻されます。

返戻される医療費は準報酬月額(給与など)の計算が関係するため、詳しくは以下を参考にしてください。

参考|高額な医療費を支払ったとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

また、後から返戻があると言っても、MFICUの入院医療費が何十万円にもなってしまうと一時的な仮払いも大きな負担になります。

そこで、事前に医療費が高額になることがわかっている場合は、「限度額適用認定」を申請しておくことで、自己負担限度額だけを支払い、返戻分と相殺することが可能になります。

限度額適用認定の詳細は以下を参考にしてください。

参考|医療費が高額になりそうなとき | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

MFICUに対する考え方

MFICUへの入院理由は様々ですが、緊急搬送される場合や手術の必要がある場合は、赤ちゃんの無事と自分の無事以外は考えられないはずです。

ところが、病気の恐れがある予防初期段階の場合、または切迫早産など安静状態の維持の場合などは、妊婦も比較的元気に過ごせます。

妊婦の状態によっては、病棟内を普通に行き来してトイレなどに行け、お風呂も体調次第で問題なく入れ、家族との面会許可が降りる場合もあります。

比較的自由なことは良いのですが、何日も過ごすことになるため、やはり費用のことが気になるはずです。

とは言えMFICUの利用ケースはバラバラなので、事前に費用を知ることは難しいですね。そこで、MFICUを利用した方の中には、実際にかかった費用をブログで綴っていたりするので、一度目を通してみると良いと思います。

もちろん、他人のお話なのであくまでも参考ということで。

参考|切迫早産で実際にかかった入院費用 – ちゃんとした父親になりたいサラリーマンのブログ
参考|29週0日 思いも寄らぬMFICU脱出・大部屋初体験 | ひまわりばたけ ~妊娠→切迫早産入院→退院→出産日記・ブログ~
参考|切迫早産の入院費のお話。(お金のお話) – かわいいから許す!
参考|実録!切迫早産の入院費用公開!MFICUや高額療養費制度について

前述した通りMFICUの利用上限は基本的に14日間のため、妊婦の多くはところてん方式に一般病棟にうつって入院を続けることがよくあります。そのため、心配なのは心のケアです。

たとえMFICUへの入院でも、一般病棟への入院でも、家族と離れて過ごすことに変わりはないため、妊婦は心細くなったり、ストレスを感じます。

妊婦が安心して妊娠生活を送り、良い出産をするためには、どんなときも家族の十分な支えが必要だということを周囲の人は認識してください。


参考|周産期母子医療センター整備の
現状等について|厚生労働省

参考|平成18年度全国MFICU実態調査報告書|厚生労働省

記事のURLとタイトルをコピー