母子免疫の期間はいつまで?生後6か月間病気にならないは本当?

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生後6か月までは病気にかかりにくい?

「赤ちゃんはママの抗体をもらって免疫があるから、生後6か月前後まで病気にかかりにくい。」

というお話は、ママなら誰でも聞いたことがありますね。赤ちゃんが生まれたときに、ママからもらう免疫のことを「母子免疫」と言います。

この母子免疫を万能薬のように思っている人がいますが、生後6か月以内で病気にかかったり、生まれてすぐ風邪をひく赤ちゃんもたくさんいます。

赤ちゃんに母子免疫があるにもかかわらず、病気になってしまうのはどうしてでしょうか。母子免疫とは一体何なんでしょうか。

また、生後6か月を過ぎてしまい、ママからもらった母子免疫の機能を失ってしまった赤ちゃんは、その後何を気をつければ良いのでしょうか。

今回は、赤ちゃんがママからもらう母子免疫の仕組みと免疫の役割・機能についてお話したいと思います。

免疫とは

免疫とは、体内に進入してきた細菌やウイルスなどの異物を排除する機能のことを言います。免疫には2つの役割がありますが、一般的な細菌やウイルスの特徴を知るとわかりやすいでしょう。

細菌
糖などの栄養と水があり、適切な環境のもとでは、生きた細胞がなくても自分自身で増殖できます。

ウイルス
たとえ栄養と水があったとしても、細菌とは異なり、ウイルス単独では生存できません。ウイルスは、自分自身で増殖する能力が無く、生きた細胞の中でしか増殖できませんので、他の生物を宿主にして自己を複製することでのみ増殖します。

引用|細菌とウイルスとの違い? | 細菌とウイルス | お役立ち情報 | 株式会社 東邦微生物病研究所

ちなみに、細菌の増殖と人の細胞は関係がありませんが、細菌が増殖をする過程で細胞に侵入し破壊してしまいます。

免疫の役割1.抗体の生成

身体の中に細菌やウイルスが侵入した際に、免疫細胞のマクロファージが細菌やウイルスの情報をT細胞に伝えます。T細胞はB細胞に抗体(免疫グロブリン)を作る命令を出し、B細胞が抗体を作ります。

抗体は、細菌やウイルスに結合して、体内の粘膜や臓器への感染(細胞への侵入)を防ぎます。

免疫細胞は1度身体に侵入した細菌やウイルスを記憶して対象の抗体を作りやすくすることで、、2度目に侵入したときに病気の発症を効率良く抑えてくれます。

免疫の役割2.細菌やウイルスを排除

T細胞はB細胞に抗体を作る命令を出すと同時に、キラーT細胞にも細菌やウイルスを排除する命令を出し、感染した細胞を攻撃します。

また、抗体は補体と結合して、細菌やウイルスに感染した細胞を攻撃します。

その結果、細菌やウイルスを排除するために呼吸器が反応して鼻水、くしゃみ、咳が出たり、細菌やウイルスを繁殖させないために発熱を促します。

母子免疫とは

細菌やウイルスに感染したときに、抗体ができて免疫機能が働く仕組みはわかりました。

わたしたちの身体には普段から細菌やウイルスが侵入しているため、成長と伴に免疫力が高まり、病気に対する様々な抗体を持つようになります。

ということは、赤ちゃんが病気に対抗するためには、1度細菌やウイルスによって病気にかかった方が良いということでしょうか。

いくら抗体を作るためとはいえ、体力がない赤ちゃんが病気にかかると、重症化し命の危険がずっと続く可能性があります。

そこで、産まれたばかりの赤ちゃんには、ママから病気に対する「免疫グロブリンG(IgG)」と「免疫グロブリンA(IgA)」という抗体が渡されます。これを「母子免疫」と言います。

免疫グロブリンG(IgG)とは

免疫グロブリンG(IgG)とは、ママが感染した病気に合わせて作られた抗体で、妊娠後期から胎盤を通じて赤ちゃんに渡されます。これを母子移行抗体、または経胎盤免疫と言います。

免疫グロブリンG(IgG)は、細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫の機能を持っています。

免疫グロブリンA(IgA)とは

免疫グロブリンA(IgA)とは、細菌やウイルスが鼻、眼、肺、消化管や呼吸器など粘膜で覆われた部分から進入することを防ぐ抗体のことです。

免疫グロブリンA(IgA)は、赤ちゃんが産まれてから生後5日前後の間に授乳する初乳に多く含まれています。

初乳と成乳の違いとは?時期・栄養成分・色・味・カロリーなど

母子免疫はいつまで続くのか

母子免疫は、ずっと赤ちゃんの身体を守り続けるのではなく、効果の期限があります。

産まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分の免疫機能で細菌やウイルスと戦ったり、抗体を作る機能が未熟なだけでなく、病気と戦うための体力も備わっていません。

そのため、母子免疫があるうちに体力を付け、免疫力をなるべく高め、自分で少しずつ抗体を作る機能が発達しなければいけません。

母子免疫は一般的に生後6か月前後までと言われていますが、抗体の種類によって以下のように効果の期限が異なっていたり、免疫機能が期待できない病気もあります。

(薬業時報社発行:『予防接種なんでもブック』より抜粋)
・はしか:生後3月まではきわめて強い。まれに生後4~6月でかかることがある。
・風疹:生後6月まで有効(生後9~10月ごろまで抗体が認められることがある)。
・おたふくかぜ:生後10月ごろまで有効、乳児罹患は少ない。
・日本脳炎:免疫を持たない母親がいる。
・みずぼうそう:母子免疫があっても、生後1月ぐらいまで。
・百日咳:母子免疫が期待できない。新生児期から罹患しやすい。
・ジフテリア:免疫を持たない母親がいる。
・破傷風:新生児破傷風の防止に母子免疫が役立つ。

引用|七回 「母子免疫」「予防接種の意義」と「海外の予防接種事情」 – gooベビー※リンク切れ

母子免疫のうち、免疫グロブリンG(IgG)は生後4-5か月ごろまでに大半がなくなってしまい、赤ちゃん自身が少しずつ免疫グロブリンG(IgG)を生成できるようになっていきます。

また、含有量は少しずつ減っていきますが、免疫グロブリンA(IgA)は母乳から摂取できるため、母乳を飲み続けている限り免疫の効果継続が期待できます。

生まれてすぐに風邪をひく赤ちゃん

母子免疫は抗体の種類で効果の期限が異なりますが、それでも生後1か月-数か月ほど続きます。ところが、風邪をひく赤ちゃん(新生児)もたくさんいます。

「生後6か月までは病気にかからないと思ってたのに……。これじゃあ心配で仕方がない……。」というママには残念ですが、その認識が正しいと思った方が良いでしょう。

前述した通り、母子免疫の免疫グロブリンG(IgG)は、ママがかかったことがある病気でできた抗体が赤ちゃんに受け継がれます。

たとえば、風邪という病気には数百種類もの病原ウイルスがいて、大人でも全ての風邪のウイルスに対して抗体を持っているわけではありません。

「生後6か月までは平気、平気~~♪」と調子に乗って、赤ちゃんを外に連れ回すと、ママが未経験の細菌やウイルスに赤ちゃんが感染してしまいます。

そのため、少々心配性に思うかもしれませんが、赤ちゃんの体力が付き、ある程度自分で身体を動かしたり、離乳食を食べられるまでは外出を控え、十分に健康に気を付けなければいけないんです。

予防接種は非常に大切

免疫と抗体の重要性がわかると、予防接種の大切さも理解できると思います。

予防接種が必要な病気の抗体は、母子免疫としてママから赤ちゃんに渡される場合もありますが、ママが抗体を持っていない場合もあります。

また、母子免疫の効果の期間は短いため、赤ちゃんの体力が未熟なときにその病気にかかってしまうと、とても苦しい思いをしますし、万が一……ということも考えられます。

そのため、赤ちゃんが生まれたら、すぐにそれぞれの予防接種の時期を確認して、忘れないように受けに行かなければいけません。

予防接種のワクチンの種類は?定期接種と任意接種の違い

もう一度言いますが、「赤ちゃんは生後6か月までは病気にかかりにくい」というのは一部の病気に対してのお話で、生後6か月までは病気にかからないわけではありません。

ただ、粘膜から細菌やウイルスの侵入を防ぐ免疫グロブリンA(IgA)は、母乳で継続的に得られるため、可能であれば2歳前後まで母乳育児(混合育児)ができると良いでしょう。

このようなことが、「母乳育児が乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防」と言われる理由なのかもしれません。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因や確率は?予防法はある?

母乳育児の免疫以外のメリットについては、また別途まとめたいと思います。

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