赤ちゃんどこで産む?統計による出産場所の割合と決め方のヒント

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赤ちゃんをどこで出産したいか

出産は女性にとって特別な行為です。そのため、出産状態や出産方法だけでなく、赤ちゃんをどこで、誰に、どのように取り上げてもらうかを重視する人もたくさんいます。

一般的には、産婦人科医に取り上げてもらうか、助産師に取り上げてもらうかをイメージする人が多いでしょう。つまり、病院か助産院(助産所)で出産を行うという選択です。

ちなみに、赤ちゃんの出産場所としては総合病院、産婦人科クリニックや診療所、助産院、自宅の4つが主で、一般的には病院、診療所では産婦人科医、助産院や自宅では助産師という違いがあります。

では、実際にこれら4つの出産場所で生まれる赤ちゃんの数はどれくらいいるんでしょうか。また、それぞれの出産場所でどのような特徴や違いがあるのでしょうか。

今回は、出産場所・施設で赤ちゃんが生まれる割合、またそれぞれの出産場所の特徴についてお話したいと思います。

出産場所別の出生数の割合と推移

出産場所の割合

厚生労働省の人口動態調査のデータから、赤ちゃんの出産場所の割合を見てみます。

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出典|助産師の就業状況と活用について|厚生労働省

2013年時点の出生場所は病院が53%(54万8744人)、診療所が46%(47万1419人)、助産院が1%(7959人)、自宅出産などは0.1%(1694人)となっており、助産院での出産が意外なほど少ないことがわかります。

出産場所の推移

同じく人口動態調査のデータから出生場所別の出産数の推移と割合を見てみます。

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  病院出産 診療所出産 助産院出産 自宅・他出産
1950年 2.90% 1.1% 0.5% 95.4%
1960年 24.1% 17.5% 8.5% 49.9%
1970年 43.3% 42.1% 10.6% 3.9%
1980年 51.7% 44.0% 3.8% 0.5%
1990年 55.8% 43.1% 1.0% 0.1%
2000年 53.7% 45.2% 1.0% 0.2%

1950年代に主流だった自宅出産は1960年代に急速に減少し、1970年代の第二次ベビーブームには最も少ない出産方法になっています。また、助産院での出産数も1970年台を境に減少しています。

出産場所1.総合病院

総合病院での出産は、緊急医療面において最も安心できる設備が整っています。

高齢妊娠、心臓・甲状腺疾患、多胎妊娠、Rh陰性、糖尿病、前置胎盤、帝王切開の既往などのハイリスク妊娠がわかっている妊婦にとっては、医療設備が整っている総合病院で出産に臨むべきでしょう。

ハイリスク妊娠の定義とは?妊婦や病気の危険要因とリスクスコア

とくに、NICUやMFICUが併設された総合周産期母子医療センターや地域周産期母子医療センターは各都道府県に存在しますが、それほど数は多くありません。

出産までの過程が心配な場合は、早めに出産する病院として決めてしまった方が安心できます。

MFICU・NICUを持つ全国の周産期母子医療センター一覧

ただし、総合病院では妊婦や家族の医師よりも出産の安全性が重視される傾向があり、その分だけ医療行為が増えます。帝王切開よりも自然分娩を望んでいる場合に、それが叶えられない可能性は高くなります。

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出典|平成26年(2014)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況|厚生労働省

出産場所2.産婦人科クリニックや診療所

評判の良い医師、院内サービス、入院対応など、評価に差が出やすいのが産婦人科クリニックや診療所での出産です。

「総合病院ほど効率化された出産の仕組みは嫌だけど、最悪の場合に安心できる医療行為を受けたい。」という人は、産婦人科クリニックや地域の診療所を選んで出産をすると良いでしょう。

ママ友が多い妊婦は出産場所の情報が入りやすいため、こちらを選ぶ人が多いのではないかと思います。

ただし、産婦人科クリニックや診療所の多くは、帝王切開などを行う場合は総合病院からのヘルプを呼んだり、NICUやMFICUなどの集中治療室がないなど、最大のリスクヘッジができる場所とは言えません。

NICU(新生児集中治療室)の役割と赤ちゃんの入院基準・費用

MFICU(母体胎児集中治療室)の役割と妊婦の入院基準・費用

また、いくら評判の良い医師、院内サービス、入院対応の良さが評価されていたとしても、総合病院との連携が取れていなければ、最大の目的である出産に安心感を持てないためバランスが重要です。

出産場所3.助産院

助産院での出産は、なるべく自然分娩をしたい妊婦、男性にあまり見られたくない妊婦、十分な心のケアを望む妊婦が出産をするために適した場所です。

分娩に際して、陣痛促進剤や会陰切開などの医療補助行為を嫌う人もいます。もちろん、その考え方は良いことで、出産に生身で向き合う自然分娩を行うことが親の自覚や子育ての自信につながる人も多いからです。

非効率的な出産と考える人もいますが、子供を生んでゴールではないため、育児で悩むママは少なくありません。そのため、自然分娩によって子供を育てていく自信を持てることは、結果として効率的とも言えるのかもしれません。

ただし、出産にはリスクはつきものです。助産院には、何らかのリスクがあったときのために医療設備が整った総合病院との連携は必要不可欠ですし、経験にあぐらをかかない助産師の見極めも大切になります。

助産院と病院どっちが良い?助産院の特徴とメリット・費用の違い

出産場所4.自宅など

自宅での出産は、出産全体の割合としてはわずかですが、自宅出産を望む人と結果的に自宅出産になってしまった人で構成されています。

自宅出産の最も大きなメリットは、妊婦が最も慣れた環境で出産できることです。また、家族も立ち会いがしやすく(というか絶対に協力が必要)、家族で出産を見守りたい、子供に出産を見せたいという希望を持つ人もいるでしょう。

もちろん、自宅出産でも妊婦健診を受ける必要があり、妊婦や胎児にリスクが生じる場合は総合病院などの出産に切り替えなければいけません。

また、自宅出産は分娩時のトラブルが起きた場合に、病院への搬送、スムーズな出産までの連携にタイムラグなど心配があることも確かです。

ちなみに、自宅出産は病院出産や助産院出産より気を使いますし、助産師や医師に自宅に来てもらい、万全を期して分娩に臨まなければいけないため出産費用が安いわけではありません。助産院での出産よりも少し高いくらいだと考えた方が良いでしょう。

本番は赤ちゃんが生まれてから

出産スタイルや出産場所にこだわる妊婦は意外と多いもので、男性からすると「何かあったとき1番安心できる総合病院で良いじゃん。」と思うものなのかもしれません(実際言われた)。

ただ、妊婦は常に「この子に何をしてあげられるだろうか。」「自信を持って子育てするにはどうすればよいだろうか。」と考えています。

そのため、旦那さんや家族は、妊婦が単なるお花畑な考えではなく、今後の不安に向き合うために出産スタイルや出産場所にこだわっていることを理解してください。

ちなみに、わたしは1人目が帝王切開だったため、2人目も帝王切開でした。結果として仕方がないのですが、勇気があればVBAC(帝王切開歴のある妊婦が経膣分娩をする)に挑戦してみたかったという思いは今でもあります。

一方、出産はゴールではなくスタートです。本番は赤ちゃんが生まれてからです。そのため、帝王切開でも無事に生まれてくれて良かったという気持ちもあります。

なかなか難しいところなのですが。

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