離乳食前の赤ちゃんの母乳・ミルク以外の水分補給はいつ必要?

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離乳食前の赤ちゃんの水分補給

昔の育児では離乳食前の赤ちゃんでも、必要に応じて湯冷ましや薄めた麦茶を水分補給する方が良いことだとされていました。

ところが今は、赤ちゃんの水分補給は母乳やミルクで足りるため、離乳食が始まるまでは他の水分を飲ませる必要はありません。

産婦人科での指導や育児書を見ても、「離乳食が始まるころまでは、母乳やミルク以外はあげなくても良い。」となっています。

もちろん、いつでも好きなときに好きな量だけ母乳が出てくれたり、飲ませたいと思ったときにミルクを嫌がらずに飲んでくれれば良いのですが、そのようなわけにはいきません。

そのため、赤ちゃんには、場合によってミネラルウォーターや湯冷まし、ベビー麦茶などを飲ませることもあるのではないかと思います。

赤ちゃんが飲むミネラルウォーター・湯冷まし・麦茶の注意点

では、一体どのようなときに赤ちゃんに母乳・ミルク以外の水分補給をすれば良いのでしょうか。

今回は、離乳食前の赤ちゃんが母乳やミルク以外の水分補給が必要な場面について、お話したいと思います。

母乳やミルク以外の水分が必要ない理由

まず、基本的に赤ちゃんには、母乳やミルク以外の水分が必要ない理由を押さえておきましょう。

離乳食前の赤ちゃんには、正しい種類・温度の水分であれば適量を飲ませることは可能ですが、頻繁に水分補給をすることは好ましくありません。

なぜなら、母乳には赤ちゃんに必要な栄養素が十分含まれており、ミルクも母乳の栄養素に合わせて作られているからです

たとえば、脱水症状が怖いのは単純に水分が足りないことではなく、ナトリウムやカリウムなどの電解質を失うことによる低張性脱水症状です。

低張性脱水は、激しい運動や嘔吐下痢などによって、身体から水分よりも電解質の割合が減ってしまうことで起きる脱水症状です。低張性脱水症状を起こすと、身体の塩分濃度は低くなるため、のどの渇きはあまり感じません。

その場合、水分だけを補給し過ぎるとさらに身体の電解質の割合が減ってしまい、頭痛や手足のしびれが発生し、場合によっては動けなくなる恐れがあります。

年中起こる乳幼児の脱水症状が悪化する仕組みと応急処置の方法

母乳は時期によって栄養素に多少の差はありますが、赤ちゃんの低張性脱水を防ぐために必要なナトリウムは母乳100gに対して15mg、カリウムは48mgと十分な電解質が含まれています。

そのため、もし赤ちゃんに母乳・ミルク以外の水分を頻繁に与えてしまうと、赤ちゃんは授乳量が足りなくなるだけでなく、十分な栄養を摂取できなくなる可能性があります。

また、赤ちゃんにも好みがあるため、母乳・ミルク以外の水分に慣れてしまうことで、母乳・ミルクの飲みが悪くなったり、口に含んでも吐き出してしまう可能性もあります。

母乳は赤ちゃんの成長に必要な栄養源です。必要な水分はなるべく母乳やミルクで摂取して、ミネラルウォーター・湯冷まし・ベビー麦茶などの水分は、授乳の合間で水分不足を感じる場合のみにしてください。

ちなみに母乳に含まれる栄養素は以下を参考にしてください。

栄養素満点!母乳に含まれる重要な7つの成分の役割

母乳・ミルク以外の水分補給が必要な場合

離乳食が始まる前の赤ちゃんでも、母乳やミルク以外の水分が必要な場合もあります。基本的に、母乳であれば赤ちゃんが飲みたいだけ飲ませれば良いのですが、ミルクの場合はそうはいきません。

また、母乳でもなぜか嫌がって飲まないときもあります。そんなときに以下のシチュエーションが起こったら、水分補給も考えるようにしましょう。

水分補給が必要な場合1.嘔吐や下痢の場合

新生児のころは、母乳やミルクを吐き戻すことは何度もあります。ただ、ミルクを吐くたびに量を計算してまたミルクをあげ直して~~とやっていると、赤ちゃんもだんだん嫌になってしまいます。

そのため、もし赤ちゃんがミルクを嫌がって飲んでくれないと感じたら、脱水症状を起こさないように他の水分を摂取しておきましょう。下痢の場合も同様です。

赤ちゃんが吐き戻しをする原因と対処法は以下を参考にしてください。

授乳後に母乳・ミルクを吐く原因は?赤ちゃんの吐き戻し対処と予防法

水分補給が必要な場合2.ミルクで栄養過多の場合

完全母乳や混合の場合、ママの母乳の量が十分なら生後5-6か月ごろまでの水分補給は母乳とミルクだけで問題ありません。

ただし、完全ミルクの場合は赤ちゃんによっては栄養過多になってしまい、定期検診時に「ちょっと肥満気味かな。」なんて言われてしまう赤ちゃんもいます。

その場合は、ミルクの量を減らして他の水分を摂取する必要があります。

水分補給が必要な場合3.夏場や汗をかく季節

人間の体は約60%が水分でできていますが、赤ちゃんの場合は70%以上が水分です。赤ちゃんは汗をかきやすく、体格の比率で言うと大人の2倍程度の発汗量があるそうです。

そのため、夏場や汗をかく季節の場合、授乳の間隔が長くなってくる生後3-4か月ごろからこまめな水分摂取が必要になります。母乳やミルクで水分補給を試みて飲んでくれない場合は、他の水分補給も考えましょう。

水分補給が必要な場合4.発熱した場合

赤ちゃんは体温が高いため、発熱するとすぐに38度を超えてしまいます。体温が上がると汗をかいて脱水症状を起こしてしまうため、こまめな水分補給が必要になります。

もし、赤ちゃんが母乳を飲んでくれない場合は、スプーンなどで喉の奥に水分を流し込んであげる必要があります。

水分補給が必要な場合5.離乳食間近の場合

赤ちゃんは、生後4か月を過ぎたころに離乳食の準備として、味がついた水分(薄めた麦茶や薄めた果汁)の補給を行います。

ただしこれは水分補給に必要な理由ではなく、味に慣れるため、スプーンでの経口摂取に慣れるために行います。そのため、重要視する必要はありません。

水分補給の目安と注意点

離乳食前の赤ちゃんの水分補給には湯冷まし、薄めた麦茶、ミネラルウォーター、薄めた果汁などが考えられますが、どれも衛生状態と温度に気をつけてください。

赤ちゃんは脱水症状を起こすことが一番怖いので、水分補給をすることは間違ってはいません。ただし、水分の衛生状態が悪かったり、水分が冷たすぎると下痢を起こしてしまい、より水分が失われてしまう可能性があります。

母乳・ミルク以外の水分補給量の目安

母乳やミルク以外の水分補給量に決まった目安はありません。ただし、水分補給をすることで母乳やミルクを飲めなくなってしまっては困るため、1日の授乳量のおよそ10%ほどから始めると良いと思います。

1日のミルク授乳の目安は以下の通りです。ただし、新生児期はもっと細かく授乳量の目安が分かれているため、リンク先を参考にしてください。

・新生児期のミルク育児
1回あたりの授乳量は100-120ml前後で、1日の授乳回数は8回が目安です。

・生後2-3か月のミルク育児
1回あたりの授乳量は140-160ml前後で、1日の授乳回数は6-8回が目安です。

・生後3-5か月のミルク育児
1回あたりの授乳量は160-200ml前後で、1日4-5回程度が目安です。1日トータルの目安量は800-1000mlくらいです。

新生児・月齢別赤ちゃんの母乳・ミルク授乳量や回数の目安

脱水初期症状の見極め

赤ちゃんの水分量が足りているかどうかはママの肌感によりますが、以下の場合は軽い脱水症状を起こしている可能性があります。

赤ちゃんや小さな子の状態がいつもと違うと感じたら、脱水初期症状を疑って、自力で嚥下できるうちにスプーンやマグ、哺乳瓶を使って水分補給をしてあげてましょう。

・おしっこの量や回数が少ない
・おしっこの色が濃い
・泣いているのに涙が出ていない
・よだれが少ない
・肌や唇がかさかさしている
・口の中が乾燥している
・体が熱いのに汗をかいていない
・顔がやけに熱くて赤い
・顔の血の気が引いて青い
・めまいや立ちくらみをしている

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ママも普段から水分補給を心がける

もう一度繰り返しますが、離乳食前の赤ちゃんでも、必要に応じて湯冷ましや薄めた麦茶を水分補給する方が良いとされていたのは昔の育児のやり方です。

赤ちゃんがしっかり母乳やミルクを飲んでくれるならば、基本的には他の水分補給の必要はありません。

むしろ、ママ自身が十分な水分補給を行って、母乳の分泌を良くしておくように心掛けましょう。もちろん、カフェインを取り過ぎないなど、普段の飲食には気をつけてください。

カフェインが母乳や赤ちゃんに与える影響は以下をご参考に。

1日のカフェイン摂取量は?妊婦や授乳中の赤ちゃんへの影響

もし赤ちゃんが母乳やミルクの飲みが悪く、栄養補給に支障が出そうだと感じた場合は定期検診時に確認するなどして、医師のアドバイスを貰うことも忘れないでください。

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