これで完璧!育児休業給付金の申請方法・条件と支給日、金額計算例

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育児休業給付金は割と難しい

育児と仕事を両立したい働く女性や、本気の育児に専念したいイクメン男性は、様々な兼ね合いの中でがんばって育休を取得しようとします。

では、いざ育休を取得できたとして、仕事を休んでいる間の生活はどうすれば良いのでしょう。

「会社が有給として給料を出してくれる?」……そんなわけ無いですよね。

育休は子どもを養育するために、以下のように長期休暇を取得できる制度です。お金が潤沢な大企業ならまだしも、中小企業で有給のようにお金を出したら会社が潰れてしまいます。

育休は、産後休業の翌日から子どもが1歳になる日まで取得することができます。つまり、うるう日の有無で以下のどちらかが育児休業日数の最大になります。

365日-56日=309日
366日-56日=310日

ただし、次のいずれかの事情がある場合は、子どもが1歳6か月になるまで育休を延長することが可能です。

・子どもの保育所の入所申込みをしているが入所できない場合
・子どもの養育者(配偶者)が、やむを得ない事情で養育が困難となった場合

産休と育休の取得条件の違いは?休暇中の給料・手当はどうなる?

そこで、国は育休取得者に対して、育児で働けない期間の生活費をサポートをするために、雇用保険から「育児休業給付金」を支給しています。

育児休業給付金は女性の育休だけではなく、男性の育休に対しても支給されるため、場合よっては世帯で400万円以上支給されることもあります。そのため、絶対に知っておくべき給付金制度なんです。

今回は、育児休業給付金の制度内容と申請方法、そして給付金支給額の計算方法などのお話をしたいと思います。

すべて2016年4月時点での情報になります。

育児休業給付金(いくじきゅうぎょうきゅうふきん)とは

育児休業給付金とは、雇用保険の加入者が育児のために取得した育休の期間(日数)に応じて、雇用保険から支給される給付金のことを言います。

育児休業給付金の支給条件

育児休業給付金の支給には条件があります。以下の条件をすべて満たした場合、育児休業給付金を受け取ることができます。

1.雇用保険に加入している人
2.育児前の2年(24か月)の間で、11日以上働いた月が12か月以上ある人
3.育休期間中に勤務先から給料が支払われる場合、その金額が80%未満である人
4.育休期間中に勤務する場合、1か月の就業日数が10日以下である人

雇用保険加入が条件なので、自営業者や会社の代表(一般的には役員も)は対象にはなりません。また、2は同じ会社である必要はありません。

これらの条件に当てはまる人は、男性・女性、契約社員、パート・アルバイトにかかわらず育児休業給付金を受け取ることができます。

反対に以下の条件に当てはまる場合は、育児休業給付金を受け取ることはできません。

1.雇用保険に加入していない人・できない人
2.妊娠中に勤務先を退職する人・予定が決まっている人
3.育休開始の時点で、育休後に会社を辞める予定の人

3は契約社員など期間の定めがある社員の期間満了がある場合も含みます。また、期間の定めがない社員で、やむを得ず辞めなければいけない人は除外します。

育児休業給付金の計算方法

では気になる育児休業給付金の支給金額ですが、計算方法は特に難しくはありません。ただし、以下はあくまでもおおまかな金額を知るための計算だと考えてください。

育児休業給付金額は給料の50-67%ほど

育児休業給付金の支給額は、育休開始日から180日目までは「賃金日額の67%×育休日数」、181日目以降は「賃金日額の50%×(育休日数-1日)」で計算された額を受け取ることができます。

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賃金日額とは、簡単に言うと月給の総支給額(残業手当、通勤手当、住宅手当などを含む)を日割りした金額のことです。

また、対象になる月給は育休に入る月の前月までで、賃金支払基礎日数が11日以上ある月(産休に入る月は11日以上働かないように調整が取れた方が良い)の6か月分の月給を合計し、180日で割って賃金日額を算出します。

賃金日額=過去6か月の賃金の総額÷180日

なお賃金日額は1円未満切り捨てです。

賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6か月分とは

「賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6か月分」という表現がわかりにくいのですが、以下のように考えます。

育休開始月が1月の場合、育休開始の前月から該当する月の6か月分の合計になります。ただし、育休前には産休があるため、通常は産休開始月の前月から対象になる月の6か月分が計算対象になります。

10月は産休開始月
9月|出勤日数15日で総支給額30万円
8月|出勤日数15日で総支給額30万円
7月|出勤日数13日で総支給額26万円
6月|出勤日数14日で総支給額28万円
5月|出勤日数15日で総支給額30万円
4月|出勤日数10日で総支給額20万円
3月|出勤日数15日で総支給額30万円

上記の場合、過去6か月で考えると「9月(30万円)+8月(30万円)+7月(26万円)+6月(28万円)+5月(30万円)+4月(20万円)」の合計で考えてしまいがちですが、そうではありません。

4月は有給以外での欠勤があり、賃金支払基礎日数が10日だったため該当しません。そのため、4月の代わりに3月分を含めて計算します。

9月(30万円)+8月(30万円)+7月(26万円)+6月(28万円)+5月(30万円)+3月(30万円)=174万円

174万円が「賃金支払基礎日数が11日以上ある月の6か月分」ということになります。

賃金に含めるものと含めないもの

なお、月給の総額を計算する場合、賃金に含めるものと含めないものがあるので注意してください。

賃金に含めるもの
・残業手当
・通勤手当
・住宅手当
など

賃金に含めないもの
・退職金
・ボーナス
・営業報奨金
・結婚祝い金、弔慰金
・解雇予告手当
など

育児休業給付金の計算例

例1)平均月額25万円のママが赤ちゃんが1歳になるまで育休取得した場合

賃金日額=1,500,000÷180日≒8,333円

 1日目から180日目まで|8,333円×0.67×180日=1,004,959円
181日目から308日目まで|8,333円×0.50×128日=533,312円

1,004,959円+533,312円=1,538,271円

育児休業給付金額は1,538,271円になります。子どもの1歳の誕生日は、育児休業給付金の支給対象日には含まれません。

例2)平均月額40万円のパパが8か月間(240日間)育休取得した場合

賃金日額=2,400,000÷180日≒13,333円

 1日目から180日目まで|13,333円×0.67×180日=1,607,959円
181日目から240日目まで|13,333円×0.50×60日=399,990円

1,607,959円+399,990円=2,007,949円

育児休業給付金額は2,007,949円になります。

育児休業給付金の支給日の目安

育児休業給付金は長期の育休期間の生活を支えるために必要なお金なので、結構大きな金額になりますね。ここで、もう1つ気になるのは育児休業給付金の支給日がいつになるかです。

育児休業給付金の支給は2か月毎に処理が行なわれるため、その度に支給申請が必要です。初回の支給申請は会社が行なってくれることが多いのですが、二回目以降は自分で申請する場合も多いでしょう。

そのため、育休開始日が4月5日だった場合、6月5日以降に2か月分の育児休業給付金の処理が行なわれ、それから1-2週間後に2か月分の育児休業給付金が振り込まれます。

育児休業給付金の処理から振込までは、その地域のハローワークによって多少違いがあるそうなので、気になる場合は問い合わせてください。

以上のことを加味すると、育休開始から育児休業給付金が支給されるまでは最短3か月、最長4か月程度をみておいた方が良いかもしれません。

育児休業給付金の支給申請方法

育児休業給付金を受け取るためには「事前の受給資格確認手続き」と「初回の支給申請手続き」が必要です。2つの手続きはバラバラに行うこともできますが、手間がかかるだけなので同時の方が良いでしょう。

事前の受給資格確認手続き

受給資格確認手続きは会社に行ってもらいます。受給資格確認手続き(+初回の育児休業給付金支給申請)に必要な書類は以下の通りです。

・雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書
・賃金台帳の写し
・出勤簿などの写し
・母子手帳の写し

それぞれ事前に会社から必要な書類への記載、また母子手帳の写しの提出などを求められます。賃金台帳や出勤簿などは会社が用意するものです。

会社は上記の書類をハローワークに提出し、育休申請者に育児休業給付金の資格があるかどうかを確認してもらいます。

ここで「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出するのですが、これは初回の育児休業給付金の支給申請手続きも兼ねています。

初回の支給申請は育休開始から4か月を経過する日の属する月の末日まで申請期限のため、受給資格確認手続きもそれに合わせて行うことが一般的でしょう。

また、会社が受給資格確認手続きを行うため、育休申請者はいつまでに会社に申請が必要かを押さえておきましょう。

会社への産休・育休申請の期限は?いつ妊娠を報告すべき?

「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」がハローワークに提出されれば、初回の育児休業給付金支給の申請手続きは完了しているため、2か月分の育児休業給付金は育休開始後3か月~程度で指定口座に振り込まれます。

育児休業給付金支給申請手続き

2回目以降の育児休業給付金の支給申請手続きを行います。育児休業給付金支給申請手続きは本人が行うことが多いのですが、会社が行ってくれる場合もあるため、事前に会社に流れを確認しておいてください。

会社がハローワークに「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出すると、「支給決定通知書」「育児休業給付金支給申請書(次回申請書)」を渡されます。

2回目以降の育児休業給付金の支給申請手続きは、会社からもらった「育児休業給付金支給申請書」に必要事項を記入して、会社に郵送、またはハローワークに郵送するだけです。

それ以降も「支給決定通知書」「育児休業給付金支給申請書(次回申請書)」を受け取り、2か月毎に申請を繰り返すことになります。

育児休業給付金の支給申請には期限があるため、忘れずに支給申請手続きを行うようにしましょう。

育児休業給付金に関する注意点

育児休業給付金にはいくつか注意点があります。

注意点1.給付金支給まで時間がかかる

初回の育児休業給付金の支給は、育休を開始してすぐに会社がハローワークに申請書類を提出したとしても、2か月経過するまでの育児休業給付金の処理は行なわれません。

育休が始まってから、最低3か月程度は育児休業給付金をあてにせずに生活ができる準備を整えておきましょう。

注意点2.給付金の支給申請には期限がある

育児休業給付金の支給申請は、1回の申請ごとに期限があります。初回の育児休業給付金支給申請の期限は、育児休業を開始した日から4か月を経過する月の末日までとなっています。

たとえば育休が8月10日から始まる場合、12月31日までが育児休業給付金の申請期限になり、この日を過ぎてしまうと2か月分の育児休業給付金の受給資格を喪失してしまいます。

また、次回以降の育児休業給付金支給申請の期限は、ハローワークから郵送される「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に記載されています。

上記同様、申請期限までに育児休業給付金支給申請を行わなければ、育児休業給付金の受給資格を喪失してしまいます。

本人が申請手続きをする場合ももちろんですが、会社が申請手続きをする場合も「忘れていた」では済まないことなので、会社に確認するなど十分注意してください。

注意点3.育休中に給料が出る場合は支給額が調整される

育休中でも給料が出るという素晴らしい会社もあると思います。その場合、育児休業給付金の金額が調整される場合があります。

育児休業給付金を受給するためには、支給される給与が賃金日額の80%未満でなければいけません。

例)給与月額40万円で育児休業中に月額20万円の給与が支払われる場合

賃金日額=8,333円
8,333円×80%=6,666円
8,333円-6,666円=1,667円

計算は大まかですが、1日あたりの育児休業給付金は1,667円まで支給されることになります。

注意点4.育児休業給付金には上限がある

育児休業給付金の支給額には上限があり、賃金月額にすると426,300円(14,210円×30日)と決まっています。

そのため、180日までは67%をかけた285,621円、180日以降は50%をかけた213,150円が支給額の上限になります。

育児休業給付金を賢く利用しよう

育児休業給付金は、あくまでも育児休業期間の生活を助けるための給付金に過ぎないため、しっかり働いていたときよりは、家計のやりくりを考える必要があります。これはパパの育児休業給付金が出る場合も同じですね。

ただ、ママ友と話をしていても、園で保護者ママと話をしていても、赤ちゃんの可愛さを知って「育休を取れば良かった……。」と後悔するパパは多いようです。

赤ちゃんのころは二度と無いので、特にパパはよーーく考えて育休を検討してみましょう。もちろん、パパの育休取得は2-3%程度とまだまだ少ないため、現実的にはなかなか難しいんですけどね(^_^;)

男性の育児休業取得率や日数は?育休メリットと取得すべき理由

育児休業給付金については、もう1つ「延長」のお話も知っておく必要があります。育休を延長した場合も1歳6か月までの間は、育児休業給付金の対象になるので、よく理解しておきましょう。

育休延長に関しては、以下を参考にしてください。

育休延長の3つの手続きとは?給付金の延長条件・申請方法は?

ちなみに、産休の場合は働く女性の生活保障として、健康保険から出産手当金が支給されます。こちらもかなり重要な給付金制度なので、支給条件や支給金額、申請方法などを押さえておきましょう。

産休で出産手当金はいくらもらえる?申請方法・支給日・金額計算など

また、産休・育休中は、社会保険料の支払いが免除されます。この話もとても大事なことなので、以下を参考にして押さえておいてください。

社会保険料の支払いがあるかないかで、生活費の予定が変わってくる場合もありますので。

産休・育休中の社会保険料免除の手続き方法と金額の目安

このように出産・育児を助けてくれる色々な制度を総合して考えているうちに、条件が合えば「あれ?育休とってもそこまで収入減らないんじゃない?」と気付くかもしれません。

出産・育児はお金だけの問題ではありませんが、お金も非常に大切な要素の1つです。育児休業給付金などを賢く利用して、パパといっしょに良い子育てができる環境を整えましょう。


参考|ハローワークインターネットサービス – 雇用継続給付
参考|育児休業給付の内容及び支給申請手続について|ハローワーク

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