寝かしつけに必要…おしゃぶりはいつまでにやめれば影響がない?

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赤ちゃんと言えばおしゃぶり!

子どもが産まれる前に「赤ちゃんのイメージは?」と聞かれると、おしゃぶりをイメージする人は多いのではないでしょうか。

マンガに描かれる赤ちゃんはおしゃぶりを咥えていて、「THE 赤ちゃん!」という感じがして可愛いですよね。わたしも、おしゃぶりを咥えた赤ちゃんと言うと、アラレちゃんのターボくんを思い出します(古いですね……)。

ところが日本の子育て現場では、赤ちゃんにおしゃぶりを使う家庭は少ないですよね。というのも、2006年に、おしゃぶりを使い続けて歯列や顎の変形などの障害が残ったとして、ベビー用品メーカーに対する訴訟が起こったためです。

その結果、2007年度の母子手帳より「おしゃぶりの長期間の使用によるかみ合わせへの影響について」の記述が追加され、おしゃぶりを長期間使用しない指導が徹底されました。

参考|おしゃぶり訴訟 – Wikipedia

もちろん、「赤ちゃんを寝かしつけるために必要!」というママも多く、おしゃぶり自体は悪いものではないのですが、使い方や使う期間によっては悪影響をおよぼす可能性があります。

では、おしゃぶりのメリット・デメリットとは何でしょうか。また、おしゃぶりは、いつからいつまで使って良いのでしょうか。

今回は、おしゃぶりのメリット・デメリットと赤ちゃんに使っても良い時期についてお話したいと思います。

赤ちゃんがおしゃぶりをするメリット

赤ちゃんのおしゃぶりには、以下のメリットが考えられます。ただし、メリットには科学的・医学的な根拠が無い場合があります。

メリット1.赤ちゃんのストレス解消

赤ちゃんがおしゃぶりを咥えてクチュクチュする行為は、ママのおっぱいを咥えることと似ています。赤ちゃんは、授乳によって安心感を得て、普段のストレスを解消しています。

そのため、おしゃぶりを咥える赤ちゃんも同じように安心感を得られ、ストレスの解消につながります。

メリット2.スムーズな入眠効果

赤ちゃんが入眠する際、指しゃぶりをする子は多いですよね。赤ちゃんは指しゃぶりで安心感を得られるため、睡眠がスムーズになります。

おしゃぶりも指しゃぶりと同じように、赤ちゃんの気持ちを落ち着け、スムーズな入眠効果が期待できます。

メリット3.指しゃぶりよりも衛生的

赤ちゃんは1歳近くまで、寝たり、這ったりする生活が中心です。家庭のハウスダストや多くの菌は床に溜まるため、赤ちゃんはほこりまみれ、菌まみれの中で生活するようなものです。

「床を撫で回して指を咥える赤ちゃん……。汚い……よりもアレルギー性鼻炎や病気が怖い……。」と思うママがいて当然です。

おしゃぶりは床に落ちても洗えば良いですし、2-3個あればローテーションで使い回せます。ハイハイ後の指しゃぶりが怖いと感じるママには、おしゃぶりの方が衛生的です。

メリット4.遊びの邪魔にならない

赤ちゃんにとっては、指しゃぶりは最も手軽で身近な遊び道具であり、心が落ち着く便利なアイテムです。

ところが、赤ちゃんが一人遊びをできるようになっても指を咥えていると、片手が使えないため行動が制限されます。指の代わりにおしゃぶりを使えば、赤ちゃんは両手が使えるため、遊びのじゃまになることがありません。

メリット5.鼻呼吸の矯正ができる

人は基本的に鼻で呼吸します。口で呼吸をするとほこりなどのフィルター機能(鼻毛・粘液)がありませんし、口の中が乾いて菌やウイルスが繁殖しやすくなります。

さらに、口呼吸をする子は口が開きっ放しになるため、下顎と舌の位置が通常よりも下がった状態になります。これは口周辺の筋力を低下させ、将来の歯並びや噛み合わせが悪くなるなど顎の成長に悪い影響を与えます。

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小さいころに口呼吸の癖がつくと、大人になっても口呼吸の癖が抜けませんが、おしゃぶりを使うことで、口呼吸から鼻呼吸に矯正することが可能だと言われています。

メリット6.顎の発達を促す

おしゃぶりを咥えていると、歯や舌など口の動きが増えるため顎の発達が促されると言います。ただし、おしゃぶりによる顎の発達や前述した鼻呼吸の矯正には、医学的な根拠は認められていません。

メリット7.乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防

乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因の1つに、赤ちゃんのストレスが関係すると言われていますが、おしゃぶりをすることでストレスを軽減でき、乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防できるそうです。

アメリカ小児科学会の研究結果によると、おしゃぶりをする赤ちゃんは、乳幼児突然死症候群の死亡確率が3割ほど少なくなるとのこと。

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メリット8.ママの安心感につながる

どれだけママと赤ちゃんがコミュニケーションをとっていても、赤ちゃんの全てがわかるわけではありません。そのため、ママはいつも緊張状態です。

赤ちゃんの機嫌が良くなるおもちゃ、ぐずったときのおっぱい、体力が続く限りの抱っこ、笑顔になるママの顔芸……おしゃぶりがそんな武器の1つになるなら、それはママにとって大きな安心材料になります。

赤ちゃんがおしゃぶりをするデメリット

おしゃぶりのデメリットは、指しゃぶりとほぼ同じです。おさらいも兼ねて見ていきましょう。

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デメリット1.歯並びや噛み合わせが悪くなる

おしゃぶりを長期間咥えていると上下の噛み合わせが悪くなったり、上顎前突(出っ歯)や開咬になる可能性があります。特に乳歯が生え揃う前後におしゃぶりをすることで、その影響は大きくなります。

最後の乳歯(第2乳臼歯)が生えてくる時期は、2歳過ぎから2歳半ごろ、遅めの子で3歳前が目安です。

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デメリット2.発音が悪くなる

おしゃぶりによって歯並びが悪くなると、歯の隙間の空気漏れによって発音が悪くなる可能性があります。

デメリット3.親子のスキンシップが減る

おしゃぶりを寝かしつけやあやしに使うママは多いのですが、おしゃぶりに頼りすぎると基本的なコミュニケーションやスキンシップが減ってしまいます。

デメリット4.認知行動や協調運動の機会が減る

赤ちゃんが常におしゃぶりを咥えていることで、手足や物を口の中に入れて感覚を確かめる認知行動の機会が減ってしまいます。また、認知行動の際に目で確認して、手を口に持っていく協調運動も阻害されることがあります。

デメリット5.発語の機会が減る

赤ちゃんは生後2-3か月ごろからクーイングを始めますが、おしゃぶりをすることで発語の機会が減ってしまいます。発語の機会が減ると、赤ちゃんのアクションに対するママのリアクションの機会も減ってしまいます。

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デメリット6.急性中耳炎が増える

2008年にMaroeska Rovers博士が0-4歳の乳幼児496人を対象にして、おしゃぶり使用の有無と急性中耳炎、反復性中耳炎の相関関係を調査しました。

その結果、おしゃぶりを使用している子の急性中耳炎の罹患率は35%、未使用の子の罹患率は31%となり、反復性中耳炎の罹患率は16%、未使用の子の罹患率は11%となりました。

このようにおしゃぶりの常用は、中耳炎の危険因子として報告されています。

参考|Abstract table|日本耳科学会
参考|BBC NEWS | Health | Dummy use link to ear infections

デメリット7.物をしゃぶる癖が抜けなくなる

おしゃぶりは赤ちゃんがしゃぶりやすいように作られているため、おしゃぶり癖がつきやすくなります。おしゃぶり癖がつくと、おしゃぶりに愛着が湧いてしまい、長期使用の原因になります。

デメリット8.育児の手を抜いているように見られる

今のおしゃぶりに対するアンチテーゼから、おしゃぶりを咥えさせていると、ママが育児の手を抜いていると感じる人も一部いるようです。

おしゃぶりはいつまでなら良い?

おしゃぶりのメリットとデメリットを見ると、上手に使って赤ちゃんの機嫌や睡眠をコントロールできれば……と思うはずです。

ただ、個人的には物の愛着の恐ろしさ(離すとぐずる)を知っているので、おしゃぶりを使わなくて良い状態がベストなのですが、使わざるを得ないこともあると思います。

赤ちゃんがおしゃぶりを始める時期の目安は、指しゃぶりの時期と同じく生後2-4か月ごろです。

赤ちゃんが指しゃぶりする理由は?いつまでにやめさせる?

一方、おしゃぶりをやめる時期(やめなければいけない時期)の目安は、指しゃぶりと同じく小児科医と小児歯科医の見解の違いがありますが、小児歯科医の方がおしゃぶり使用に対する慎重な考えを持っています。

噛み合わせの異常は2歳頃までに使用を中止すれば発育とともに改善される。従っておしゃぶりの害は乳臼歯が生え揃い、開咬や乳臼歯交差咬合などの噛み合わせの異常が存続しやすくなる2歳半から3歳過ぎになっても使用している場合といえる。

引用|おしゃぶりについての考え方|日本小児歯科学会

日本小児歯科学会では、乳歯が生え揃う少し前の2歳ごろまでがおしゃぶりの使用時期だとし、それ以降の使用は噛み合わせの異常が改善されにくくなる可能性があるとしています。

また、3歳までに80%の子どもが急性中耳炎にかかる事実と、前述したおしゃぶりによる中耳炎の増加を考えると、日本小児歯科学会が言うように、おしゃぶりは2歳までが良さそうです。

3歳までに8割!急性中耳炎の原因・症状・予防・治療法

赤ちゃんがおしゃぶりを始めるなら、時期は生後2-4か月ごろからで、2歳までにやめさせた方が良い

おしゃぶりは楽…でも後が大変かも

最近はおしゃぶりはダメ!という風潮が広がっているため、おしゃぶりをしている子は以前ほど見かけなくなりました。

ただ、おしゃぶりにはメリットもデメリットもあるため、その子の特徴や家庭環境に合わせて使用方法や使用時期を考える必要があります。

おしゃぶりのメリットを重視しすぎて、それほど指しゃぶりをしない子に無理やりおしゃぶりを使う必要はありませんし、指しゃぶりやおしゃぶりが必要な子にもかかわらず、強制的に止めさせる必要もありません。

もちろん、赤ちゃんがおしゃぶりを使っていても、ママが育児をがんばっていないわけではありません。ママの育児ストレスを軽減すれば、それだけ良いスキンシップもとれるので、育児道具を使いこなすことは良いことです。

ただし、おしゃぶりをやめる目安は、指しゃぶりよりも少し早い2歳までです。特に幼稚園や保育園では、おしゃぶりを禁止している園も多いと思います。

そのため、どうしても子どもにおしゃぶりを使わせたいママは、子どもの将来のためにも計画的にやめることを考えながら使わせるようにしましょう。

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