赤ちゃんが黄色い!新生児黄疸の原因・症状・治療法と後遺症

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赤かった赤ちゃんが黄色に…

産まれたばかりの赤ちゃんは、勢いよく産声をあげて一生懸命肺呼吸をするため全身に血液がめぐります。さらに、赤ちゃんは皮膚が薄いため、全身をめぐる血液が透けて肌が赤っぽい色になります。

普段テレビなどで見ているにもかかわらず、初めて赤ちゃんを見たときは「ほんとに赤いな……。」と驚きます。

ところが、そんな真っ赤な赤ちゃんも生後2日目から色が落ち着いてきて、「ようやく肌色になってきたかな?」と思っていると、今度はどんどん黄色っぽく変わっていきます。

出産を終えたばかりのママはちょっとのことでは驚きませんが、赤ちゃんの白目まで黄色っぽく見えると、流石に何かあるのではないかと心配になってしまいます。

ただ、この赤ちゃんが黄色っぽくなる変化は、生後2日から2週間程度の赤ちゃんによく起こる「新生児黄疸(しんせいじおうだん)」という症状であり、多くの場合は過剰に心配する必要はありません。

ただし、時期を外れた新生児黄疸や新生児黄疸の症状が強い場合は、注意しなくてはいけません。

今回は、新生児黄疸の症状と新生児黄疸が悪化した場合の治療法などについてお話したいと思います。

新生児黄疸(しんせいじおうだん)とは

新生児黄疸とは、新生児の全身が黄色味を帯びる症状のことで、この症状は新生児の8割以上に見られます。

新生児黄疸の症状が見られると、赤ちゃんは肌だけでなく白目なども薄黄色っぽくなる場合がありますが、多くが一時的な症状であり、生後10日前後には通常の肌の色に戻ります。

新生児黄疸は、臓器が未熟な新生児特有の生理現象なのですが、新生児黄疸の一部は病気が原因で黄疸の症状が出ている場合もあるため注意が必要です。

赤ちゃんに新生児黄疸が起こる原因

赤ちゃんの肌や白目が黄色くなる新生児黄疸の症状は、血液中に黄色い色素の「ビリルビン」が過剰に増えることで起こります。新生児にビリルビンが増えるのは、以下の理由があります。

新生児黄疸の原因1.肝臓の機能が未熟なため

古くなった赤血球が破壊されると、脂溶性の間接型ビリルビンが生成されます。間接型ビリルビンは、肝臓でグルクロン酸と結合して水溶性の直接型ビリルビンになることで無毒化しやすくなり、その後胆道を通って胆汁に混ざって腸管や腸管に流れて排泄されます。

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引用|日本消化器外科学会 – 胆道の病気

ところが、新生児の肝臓は機能が未熟で間接型ビリルビンを処理しきれないため、血液中に間接型ビリルビンの量が増えてしまい、肌が黄色くなる黄疸の症状が出てしまいます。

新生児黄疸の原因2.赤血球が多いため

新生児は、胎児のころから酸素を効率良く取り入れるために血液が多く流れている多血な状態です。

新生児は赤血球の割合も多く、赤血球が血液中に占める血球の体積の割合を示す数値(ヘマトクリット値)は成人で40-45%ほどに対して、新生児の平均値は55-60%ほどとなっています。

このように赤血球の割合が多いため、処理できない間接型ビリルビンの割合も増えてしまい、黄疸の症状が出てしまいます。

新生児黄疸の原因3.赤血球の寿命が短いため

大人の赤血球の寿命は約120日ですが、新生児の赤血球の寿命は90日しかありません。

新生児は作られる赤血球が多いうえに、赤血球の回転が早いため、日々破壊される赤血球の数が多くなります。そのため、間接型ビリルビンの割合が増えてしまい、黄疸の症状が出てしまいます。

新生児黄疸の症状

新生児黄疸の主な症状には、以下のものがあります。

新生児黄疸の症状1.肌や白目が黄色味を帯びる

生後2-3日で赤味を帯びていた赤ちゃんが、黄色味を帯びていきます。新生児黄疸は顔や身体中心に症状が出ますが、手足の先に出ている方が全身の黄疸が強くなります。

そのため、顔や身体だけが黄色味を帯びている場合は大きな心配をする必要はなく、まずは新生児の経過観察を行い、10日前後で消えていくのを追うことになります。

新生児黄疸の症状2.白っぽい(ベージュ)うんちが出る

ビリルビンが増加し新生児黄疸の症状が出ている赤ちゃんは、白っぽい(ベージュっぽい)うんちが出ることがあります。

これはビリルビンをうまく体外に排出できていない「先天性胆道閉鎖症(せんてんせいたんどうへいさしょう)」の恐れがあります。

新生児黄疸の症状3.発熱

血液中のビリルビンが脳の神経細胞に影響を与えると、赤ちゃんが発熱をする場合があります。

もし新生児黄疸の症状が強く、発熱を伴っている場合は「核黄疸(かくおうだん)」の恐れがあるため注意が必要です。

新生児黄疸の病気の診断

新生児に見られる黄疸にはいくつかの種類があります。生理的に起こる新生児黄疸(生理的黄疸)であれば心配しなくても良いのですが、一部の新生児黄疸(病的黄疸)は治療が必要になります。

新生児黄疸は、症状が見られる時期、症状の強さなどによって、赤ちゃんへのリスクや病気の判断を行います。新生児黄疸の診断は以下の流れが一般的です。

新生児黄疸の診断1.黄疸の時期の見極め

新生児黄疸の発症時期によって、黄疸の原因が生理的なものか、病的なものかを見極めます。新生児黄疸は、発症時期によって以下の3つに分類されます。

・早発黄疸(生後24時間以内に発症する黄疸)
・生理的黄疸(生後2日以降に発症する黄疸)
・遷延性黄疸(生後2週間以降に発症する黄疸)

それぞれの違いは次項でお伝えします。

新生児黄疸の診断2.見た目での黄疸症状の見極め

新生児黄疸の症状は一般的に顔から出始め、身体、手足へに広がっていくのですが、白目に黄疸が強く出ている場合、また、手足の先や足の裏にまで黄疸の症状が出ている場合はビリルビン値が高いと予測できます。

そのため、ビリルビン値の正確な把握が必要になります。

新生児黄疸の診断3.ビリルビン値の計測

ビリルビン値の計測方法はいくつかありますが、計測後に新生児黄疸の治療が必要かどうかは、ビリルビン値によって判断されます。

基準として、成熟児(出生体重が2500g以上)の場合はビリルビン値が12mg/dl以上、未熟児の場合はビリルビン値が15mg/dl以上であれば、病的黄疸や新生児黄疸による後遺症などの影響を疑うことになります。

ビリルビンの基準値は以下を参考にしてください。

新生児黄疸のビリルビン基準値とは?病的黄疸の光線療法と副作用

時期による新生児黄疸の種類と原因になる病気

前述した通り、新生児黄疸は発症時期によって種類が分かれており、その時期の違いによって様々な病気を疑うことができます。

新生児黄疸の種類1.早発黄疸(そうはつおうだん)

出産時、または生後24時間以内に見られる早発黄疸の場合、母児間血液型不適合、敗血症などによって「新生児溶血性黄疸(しんせいじようけつせいおうだん)」が起こっている可能性があります。

母児間血液型不適合とは、妊娠中に母体と胎児の血液に不適合が起こることで、母体が胎児の赤血球に対して抗体を作って赤血球を壊してしまい、大量のビリルビンが発生することを言います。

新生児黄疸の種類2.生理的黄疸(せいりてきおうだん)

生理的黄疸とは、生後2日から生後10日前後に見られる新生児の生理的な身体の特徴のために見られる一般的な新生児黄疸のことです。

新生児にみられるほとんどの黄疸症状が生理的黄疸であり、ビリルビン値の値が高くなければ、特に心配をする必要はありません。

新生児黄疸の種類3.遷延性黄疸(せんえんせいおうだん)

遷延性黄疸とは、生後2週間以降に見られる黄疸症状のことで、「母乳性黄疸(ぼにゅうせいおうだん)」や「閉塞性黄疸」の可能性があります。

母乳性黄疸は、母乳育児の赤ちゃんが発症する新生児黄疸の種類のことです。母乳には、ビリルビンを水溶性に変える酵素の働きを弱める脂肪酸が含まれているため、赤ちゃんは母乳摂取によりビリルビンの処理に時間がかかります。

母乳性黄疸は生後2週間から生後1か月ほど症状が続くこともありますが、肝臓の機能が成熟してくると黄疸症状はなくなるため、特に心配する必要はありません。

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引用|新生児黄疸への対応|日本産科婦人科学会

また、閉塞性黄疸の原因として、「先天性胆道閉鎖症」が考えられます。先天性胆道閉鎖症とは、先天的な胆道の閉塞によって直接型ビリルビンが血液中に逆流することで起こる新生児黄疸のことです。

特に、白っぽい(ベージュ)うんちが出る場合は、胆汁の排泄がされていないことが考えられ、先天性胆道閉鎖症を疑う必要があります。

新生児黄疸による核黄疸と脳性麻痺の後遺症

新生児黄疸で一番怖いのは、核黄疸が起こり、その後に後遺症が残ってしまうことです。

核黄疸とは、肝臓で処理ができない間接型ビリルビンが大量に発生することで、間接型ビリルビンが脳の大脳基底核(特に視床下核、淡蒼球、アンモン角)を中心に蓄積されて起こる病気のことです。

このときのビリルビン値は25mg/dl以上あると言われています。

核黄疸は、間接型ビリルビンが脳の神経細胞を破壊することで脳性麻痺や死亡の原因になり、出生体重が少ない赤ちゃん、在胎週数が短い赤ちゃんほどその傾向が高くなります。

核黄疸は仮死、未熟児と並んで脳性麻痺が起こる3大原因の1つとして挙げられているため、ビリルビン値が高いとわかった場合は核黄疸を疑い、早急な治療を必要とします。

新生児黄疸の治療方法

ほとんどの新生児黄疸は、ビリルビンの処理が遅いながらも、徐々に肝臓の働きによってビリルビン値が減少していく生理的黄疸のため、治療よりも経過観察をすることが多くなるでしょう。

もし、ビリルビン値が高い場合は病的黄疸を疑い、それぞれの治療をするとともにビリルビン値の上昇を防ぐことで、核黄疸の発生を防止しなければいけません。

新生児黄疸の治療1.光線療法

光線療法とは、赤ちゃんを保育器の中に入れ、身体に光線をあてることでビリルビンを水溶性に変えて体外に排出しやすくする治療法のことです。

光線療法後にビリルビン値を計測し、その結果によっては再度の光線療法を行いますが、それでもビリルビン値が下がらない場合は、血液の交換を行います。

新生児黄疸の治療2.交換輸血療法

赤ちゃんのビリルビン値が高い場合や、光線療法によってビリルビン値が下がらない場合は、血液を交換してビリルビン値を下げる交換輸血療法が行われます。

交換輸血療法は、特に病的黄疸の症状が重い場合に、核黄疸を防ぐためにも行われる処置です。

新生児黄疸の治療3.閉塞部切除または肝臓移植

赤ちゃんが閉塞性黄疸の場合は、先天性胆道閉鎖症など閉塞の治療を行わなければいけません。

先天性胆道閉鎖症は、生後60日以内に手術をしないと黄疸は消えず、肝硬変に発展する可能性があります。そのため、すぐに手術を行い閉塞部分の切除術を行います。

もし、切除術を行っても胆汁が排出されない場合は、肝臓移植手術を行わなければいけません。

退院後に新生児黄疸が出た場合

新生児黄疸は症状の強弱があり、症状が強い場合は病気によって黄疸が起こっている可能性を考慮したり、核黄疸につながることを懸念しなければいけません。

新生児黄疸を起こすビリルビン値の計測は、新生児にとって脳性麻痺を予防するための重要なファクターであるため、母子の退院までは医師によって経過観察・管理がされています。

ただし、退院後も赤ちゃんの黄疸が治まらない場合、または母乳性黄疸が生後1か月でもまだ治まらない場合は、必ず医師に相談するようにしてください。

また、生後1か月程度で行う外気浴の際に、日光を浴びることで光線療法と同じ効果を期待することもできます。日光浴をする場合は足下を中心に行い、赤ちゃんに強い直射日光を当てないように注意してください。

もし黄疸が心配であれば、入院中にビリルビンの減少状況や赤ちゃんの経過観察方法などのアドバイスを医師から受け、自宅でも黄疸の状態を観察するようにしましょう。


参考|総ビリルビン – 血液検査の意味 l 肝機能の数値・肝臓の数値を調べる肝機能ナビ
参考|胆道閉鎖症 — 日本小児外科学会
参考|新生児黄疸への対応|日本産科婦人科学会
参考|黄疸について | 医教コミュニティ つぼみクラブ

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