産休と育休の取得条件の違いは?休暇中の給料・手当はどうなる?

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わたしが取るのは産休?育休?

待望の妊娠が発覚して、安定期(妊娠14-16週を過ぎるころ)に入るとようやく少しホッとできます。

働く女性にとっては身体も心も少し落ち着いたので、出産や出産後に備えて色々と準備を整えなければいけませんし、家庭環境を踏まえて今後の仕事や身の振り方も考えなければいけません。

もし働く女性が「出産後も働きたい!」と思ったら、会社にその意志を伝えて出産に備えた休暇申請もしなければいけません。

その際に、「えーっと、産休だっけ?育休だっけ?ま、どっちでも良いか。」という認識ではいけません。

産休と育休は全く違うものです。子育てと仕事を両立したい女性であれば、産休も育休も上手に取得して、今後の人生のためにしっかりと活用しましょう。

今回は、産休と育休の条件などの違い、休暇中の給料や手当はどうなるかについてお話したいと思います。

産休(産前産後休業)とは

産休とは、働く女性が出産のために取得できる休暇制度のことで、出産前後で合計14週間(98日間)会社を休むことができます。

産休の正式名称は「産前産後休業」と言い、育児・介護休業法で定められています。名前の通り産前の休業、産後の休業に分かれています。

産前休業とは

産前休業とは、妊婦が出産前の準備のために、出産予定日(出産当日含む)の6週間(42日)前から取得できる休暇のことです。

もし多胎妊娠(双子以上)での出産の場合、産前休業は14週間(98日間)前から取得できます。

産後休業とは

産後休業とは、出産後の妊婦の体調を回復をするために、出産予定日ではなく出産日の翌日から8週間(56日)取得できる休暇のことです。

ちなみに、産前産後休業の申請にかかわらず、出産した女性は出産後8週間は労働をしてはいけません(労働基準法第65条)。

出産後の体調が良く、出産した女性自身が早期に働くことを希望する場合、医師の承諾を得られれば産後休業を6週間に短縮することも可能です。

出産日が出産予定日からズレた場合

産休は出産予定日を基に休業期間を決めるのですが、出産予定日と出産日がズレることはよくあることです。というよりも、出産予定日通りに赤ちゃんが産まれる確率は5-6%程度しかありません。

何日ズレて良い?赤ちゃんが出産予定日通り生まれる・遅れる確率

その場合、産前休業と産後休業の日数はどう考えれば良いのでしょうか。

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たとえば上図の様に、出産日が出産予定日より3日間遅れた場合は、遅れた3日間が産前休業の42日に加算されます。その結果、産前休業は45日になります。

産前休業日数が増えても、産後休業の日数が変わることはありません。この場合の産前産後休業日数は、最大で45日+56日=101日になります。

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逆に、出産日が出産予定日より3日間早まった場合は、早まった3日間が産前休業の42日から減産されます。その結果、産前休業が39日になります。

産前休業日数が減っても、産後休業の日数が変わることはありません。この場合の産前産後休業日数は、最大で39日+56日=95日になります。

育休(育児休業)とは

育休とは、働く女性または男性が、出産後の子どもを養育するために取得できる休暇制度のことです。よく、育児休暇と言い間違えますが、正しくは育児休業です。

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育休の取得イメージは上図の通りで、一般的には産後休業が終わると翌日に育児休業に移行します。ただし、男性の育休を絡めることで、女性の産休と育休が連続しない育休取得パターンを作ることも可能です。

育休取得の条件

育休を取得する第一条件は、正社員として雇用されていることです。期間の定めのある雇用形態(契約社員など)の場合は、下記の条件に該当する必要があります。

育休取得の条件
・同一の事業主に継続して1年以上雇用されていること
・子の1歳の誕生日以降も継続して雇用が見込まれること
・子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了、かつ、契約更新されないことが明らかでないこと

また、会社側は労使協定を結んでいる場合に限り、以下の条件に合致する人を雇用形態関係なく育児休業の対象外にすることができます。

育児休業の対象外
・入社1年未満の人
・申出から1年以内に雇用関係が終了する人
・1週間の所定労働日数が2日以下の人

女性の育休取得期間

育休は、産後休業終了日の翌日から子どもが1歳になる日まで取得できます。つまり、うるう日の有無で以下のどちらかが育児休業日数の最大になります。

365日-56日=309日
366日-56日=310日

ただし、次のいずれかの事情がある場合は、子どもが1歳6か月まで育休を延長することが可能です。育休の延長の詳細は以下を参考にしてください。

・子どもの保育所の入所申込みをしているが入所できない場合
・子どもの養育者(配偶者など)が、やむを得ない事情で養育が困難となった場合

育休延長の3つの手続きとは?給付金の延長条件・申請方法は?

男性の育休取得期間

育休は子どもの養育を目的とするため男性も取得できますが、男性の育休は女性とは期間や条件が少し異なります。

女性が「産後休業終了日の翌日から子どもが1歳になる日まで」が基本的な育休期間であることに対して、男性は「出産予定日翌日から1年間(子どもが1歳になる日)まで」が基本的な育休期間になります。

出産予定日より早く生まれた場合

もし赤ちゃんが出産予定日より早く生まれた場合は、育休開始日の繰り上げ申請を行ないます。ただし、会社は育休申請日から1週間以内に育休開始の許可を出す決まりがあるため、育休開始日が出産の1週間後になる可能性があります。

出産予定日より遅く生まれた場合

赤ちゃんが出産予定日より遅く生まれた場合、育休開始日の繰り下げ申請の必要はないため、就業規則に定めがない限り、出産予定日から育休に入ります。

参考|育児休暇と有給使用について – 『日本の人事部』

夫婦で育休を取得する場合

夫婦両方が育休を取得する場合は、1歳までの育休が1歳2か月まで延長される「パパママ育休プラス」という制度を利用できます。詳細は以下を参考にしてください。

パパママ育休プラスとは?期間・延長条件・給付金・制度の具体例

パパママ育休プラスを使うことで、子どもが1歳までママが育休を取り、パパが子どもの1歳-1歳2か月まで育休を取る、夫婦が同時に育休を取る、パパが期間内で2回に分けて育休を取るなど、夫婦で様々なパターンの育休取得が可能になります。

産休と育休で支給される手当

前述した通り、産休は産前産後でおよそ98日間(14週間≒3か月ちょい)、育休は最大で309日間(10か月ちょい)、さらに育休延長によって出産に関する休業は最大490日ほどになります。

会社を休む間はひたすら出費を押さえ、耐え忍ぶ生活をするしかない……のではなく、産休も育休も取得日数に応じて一定の手当が支給されます。

産休取得日数に応じた手当のことを「出産手当金」と言い、育休取得日数に応じた手当のことを「育児休業給付金」と言います。

出産手当金と育児休業給付金の支給額の目安は、どちらも普段もらっている給料の50-67%ほどです。それぞれの受給条件や金額については、以下を参考にしてください。

産休で出産手当金はいくらもらえる?申請方法・支給日・金額計算など

これで完璧!育児休業給付金の申請手続方法・支給日と金額計算例

産休・育休を取得したいけど…

産休制度と育休制度は労働者に与えられた権利であり、条件に当てはまる労働者が権利を行使することは、どのような会社でも認められるものです。

「わたしパートだし……。」という女性も、条件に合えば産休・育休を取得できます。

もちろん、産休・育休を取得することで良い顔をしない会社もありますが、法律で決められていることなので、初めから女性の出産を考慮した経営をするべきですし、そのバックアップは国が行うべきものだと思います。

ただし、会社環境によって育休を取得しづらいことや、会社が育休を推奨をしていても人間関係などで職場復帰時にデメリットを被る場合があります。

そのため、自分が置かれている環境と育休のメリット・デメリットを比較して、育休期間を真剣に考えましょう。

ママの育児休業取得のメリット
 1.妊娠・出産で疲れた身体が休まる
 2.赤ちゃん優先の育児ができる
 3.体型を戻す猶予ができる
 4.職場復帰が約束されている

ママの育児休業取得のデメリット
 1.育児休業中の収入が減る
 2.仕事上の立場が悪くなる
 3.昇進や目標に影響が出る

女性の育休取得率と推移は?育休のメリットとデメリットを再考

男性が育休取得するハードルは?

さて、問題は男性の育休ですよね。男性も最長1年間育休が取得できるわけですが、問題がない…………わけがないです(^_^;)

男性の育休取得率は平成27年度で2.65%しかなく、育休取得期間は5日未満が56.9%と半数以上を占めています。パパママ育休プラスを活用することも難しい状況です。

男性の育児休業取得率や日数は?育休メリットと取得すべき理由

もちろん、男性の育休も労働者の権利として認められているため、会社に申請をすれば育休取得はできます。ところが、実際にはパタニティハラスメントを受けたがことがある男性は、10%以上も存在します。

パタニティハラスメントとは?男性の育休が妨げられる割合と事例

また、会社が男性の育休に積極的で、同僚にも理解され、過去に育休実績もあり、育休を取得しても仕事に影響が出にくく、復帰後の環境も整っている……というかなり狭き門をくぐり抜けなければ、男性自身が長期の育休取得に抵抗があるはずです。

そんな恵まれた環境の男性は一握りだけです。「権利を行使したため仕事に穴を開けて、会社が傾きました。」では元も子もないので、男性の長期の育休期間申請は職場環境によるかもしれません……。

個人的には、2か月ほどパパと育児ができれば、子育ての方針など気持ちが合わせられますし、パパも基本的な育児が覚えられるため、なんとか2か月を目標に育休を取得してもらえると良いかなと思います。

なかなか難しいですけどね……。

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