予防接種のワクチンの種類は?定期接種と任意接種の違い

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予防接種受けてますか?

赤ちゃんには母親から病気の抗体を引き継ぐ「母子免疫」や母乳による免疫機能がありますが、免疫効果がある病気や期間は限られていますし、もともと体力がない赤ちゃんにはちょっとした病気でもリスクがあります。

また、普段から体調管理に気をつけていても、保育園や幼稚園で集団生活を始める子は、たった1人の感染症から何十人もの子どもが病気にかかってしまう可能性もあります。

そのため、予防接種は自分の子どもを守るためだけではなく、周りのお友だちを守るためにも必ず時期を守って定期的に予防接種を受ける必要があります(ただし、義務ではなく努力義務)。

ところで、予防接種以外に「ワクチン接種」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。ワクチン接種は、予防接種とは違うものなのでしょうか。

子どもの健康を守る予防接種の基本として、ママは予防接種の意味やワクチンの意味などを知っておいた方が良いですね。

そこで今回は、予防接種やワクチン接種の意味など、基本的な知識についてお話したいと思います。

予防接種とは

赤ちゃんや子どものころに1度かかると、2度とかからない病気はいくつかあります。

たとえば、水ぼうそうは10歳前後までに9割の子どもがかかりますが、1度水ぼうそうになると大人になって水ぼうそうにかかることはありません。

これは、1度水ぼうそうにかかることで、水ぼうそうの原因である「水痘帯状疱疹ウイルス(すいとうたいじょうほうしんういるす)」に対する免疫ができたためです。

免疫とは、ウイルスや細菌が身体に侵入した際に、免疫細胞がそれらを排除する働きを言います。免疫細胞はウイルスや細菌を記憶し、2度目に侵入したときに、そのウイルスや細菌だけに反応する抗体を作って感染を防ぎます。

この免疫機能を利用して、弱毒化した細菌やウイルス(ワクチン)を身体に取り入れて予め抗体を作り、病気にかかりにくくしたり、病気の症状を軽減する行為を「予防接種」と言います。

予防接種の役割

予防接種の役割は以下の4つです。

予防接種の役割
1.病気にかからないようにする
2.病気にかかっても症状を軽くする
3.周囲の人にうつさないようにする
4.抗生物質が効かない新種の耐性菌を防ぐ

「病気にかからない」「病気の症状を軽くする」「周囲への感染を防ぐ」ということは誰もが知っていることですが、必要な予防接種を受けることで「抗生物質が効かない新種の耐性菌」の出現を防ぐことができます。

免疫の詳細説明や母子免疫については以下を参考にしてください。

母子免疫の期間はいつまで?生後6か月間病気にならないは本当?

予防接種とワクチン接種の違い

ワクチンとは、予防接種で身体に取り入れる細菌やウイルスなどの病原体のことです。予防接種とは、ワクチンを身体に取り入れて病気の抗体を予め作っておく行為のことです。

そのため、予防接種とワクチン接種は同じ意味だと思って良いですね。もちろん、ワクチンが病原体ですが、摂取しても本当の病気にならないように加工されています。

ワクチンの作り方

全ての病気にワクチンがあるわけではありません。病気の症状が重く、加工が可能なものに限りワクチン化され、予防接種に使われています。

ワクチンの作り方は病気の種類によって異なりますが、以下の3つの方法があります。

ワクチンの作り方
1.病原体が出す毒素を無毒化する加工
2.病原体の力を弱くする加工
3.病原体の一部を取り出す加工

ワクチンの効果

もし細菌やウイルスによる感染症にかかってしまった場合、その病気に対応した抗生物質が処方されますよね。

ところが、抗生物質の投薬を繰り返すと、細菌やウイルスには抗生物質の耐性ができ、抗生物質が効かない耐性菌が誕生する恐れがあります。

そのため、ワクチンがある病気は予防接種をしっかりと受け、人間が持つ免疫機能によって抗体を作っておいた方が安心できます。

予防接種に必要なワクチンの種類

予防接種には国の方針で無料で受けられる「定期接種」と個人が有償で受けられる「任意接種」があります。

任意接種は基本的には全額自己負担ですが、地方自治体の助成金対象の場合もあります。予防接種を受けられることはメリットなので、自治体のホームページで確認しましょう。

以下、幼児の間に受けることができるワクチンの種類です。

定期接種ワクチンの種類

定期接種ワクチンは年齢や時期が決まっている予防接種で、年齢や時期に合わせて受けるよう努めなければいけません。時期によって予防接種を受けるべき病気を「A類疾病」と言います。

対して毎年受けるインフルエンザワクチンは、個人での予防目的に重きが置かれています。A型疾病ではない病気のことを「B類疾病」と言います。

それぞれ時期や摂取場所、受ける回数等は、小児科で確認することが一番わかりやすいでしょう。

麻疹風疹混合ワクチン(MR)

1歳から2回摂取|麻疹、風疹

BCG

生後5-8か月未満の間に1回|結核

四種混合ワクチン(DPT-IPV)

生後3か月以降で4回|ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ(小児まひ、急性灰白髄炎)

日本脳炎ワクチン

3歳で3回、9歳で1回|日本脳炎

水ぼうそう

1歳になったら2回|水ぼうそう(水痘)

小児用肺炎球菌ワクチン

生後2か月以降で4回|肺炎球菌感染症、細菌性髄膜炎、肺炎など

ヒブワクチン

生後2か月以降で4回|ヒブ感染症細(菌性髄膜炎、喉頭蓋炎)

※11歳で受ける二種混合ワクチン(DT)もあります。ジフテリアや破傷風を予防します。

任意接種ワクチンの種類

任意接種ワクチンによる予防接種の料金や時期、また受けられる場所は、事前にかかりつけ医で確認してください。

B型肝炎ワクチン

生後2か月で3回※母親がHBs抗原陽性の場合は生後12時間以内|B型肝炎

A型肝炎ワクチン

1歳以降で3回|A型肝炎

ロタウイルスワクチン

生後2か月で2or3回|ロタウイルス感染症(ロタウイルス胃腸炎+脳炎)

おたふくかぜワクチン

1歳以降で2回|おたふくかぜ

インフルエンザワクチン

生後6か月以降の秋冬で1-2回|インフルエンザ

※全年齢で受けられる狂犬病ワクチンや破傷風ワクチンもあります。それぞれ狂犬病、破傷風を予防します。

ワクチンがない病気とは

多くの子どもがかかる病気で、ワクチンがないものは以下の病気です。

・突発性発疹
・ヘルパンギーナ
・手足口病
・りんご病
・プール熱
・とびひ
・マイコプラズマ肺炎
・尿路感染症
など

ワクチンがない理由には、以下のことが考えられます。

特定の病気にワクチンがない理由
・ワクチンがまだ作れないため
・ワクチンの元になる病原体が特定できないため
・病気の特性上ワクチンを作っても意味がないため
・ワクチンを作るほどの病気ではないため

もし予防接種を忘れてしまったら…

予防接種を受け忘れる親は毎年必ずいるそうです。また、忘れたわけではなく、赤ちゃんが体調を崩してしまったり、諸々の事情で予防接種を受けられないこともあるでしょう。

予防接種は年齢や時期も大切ですが、必要な回数を受けることも大切です。複数回受ける予防接種は、必要な回数を受けなければ十分な抗体が作られない可能性があります。

予防接種に遅れてしまい後から受けようとすると、予防接種の種類や子どもの年齢によって定期接種でも有料になる場合があります。

もし予定通りに予防接種を受けられなかった場合は、気がついた時点でなるべく早めに、かかりつけの小児科や自治体の窓口に相談しましょう。

定期接種はある程度期間に余裕がある場合と、この時期じゃなければダメというものがあるため、先にスケジュールを見越しておいた方が良いですね。

赤ちゃんの健康のベースを作るためにも予防接種を予定通り受けて、ママの心配事を減らすように努めてください。

一部には予防接種を受けない方が良いという意見も…

余談ですが、予防接種は受けない方が良いという意見を持っている人もいるそうです。たしかに、子どもによっては予防接種にアレルギー反応を示す子もいるため、受けられない場合もあります。

ただし、子どもの身体に問題がないにもかかわらず、あえて予防接種を受けない選択をすることは間違っていると思います。

わたしたちが集団生活を営む上で、一般的に最適だと考えられる行為として予防接種が存在します。予防接種は受けた子どもを守るだけではなく、集団生活で病気が拡大することを防ぐ役割もあります。。

予防接種が義務ではなく努力義務になっているのは、個人の考え方を大切にしているわけではなく身体的に予防接種を受けられない子がいるためです。

子どもが健やかに集団生活を営むためにも、周囲の子どものためにも、予防接種が受けられる子には必ず受けさせるようにした方が良いと思います。


参考|Know VPD! – ワクチンで防げる病気(VPD)を知って子供たちの命を守る

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