育休延長の3つの手続きとは?給付金の延長条件・申請方法は?

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育児休業の延長ができない!

一般的に育休とは、働く女性の出産において、産後休業明けから子どもの1歳の誕生日当日までの期間内で、育児に専念するために取得できる休暇のことを言います。

ただし、条件が揃えばこの育休期間を1歳から「1歳6か月」まで延長することが可能です。これを「育児休業の延長」と言います。

育児休業の延長はとてもありがたい制度です。特に、働く親は子どもの保育園問題を抱えているため、育児休業の延長を活用したい家庭はたくさんあるでしょう。

ところが、この育児休業の延長で躓いてしまう人がいます。延長条件もそうなのですが、必要な書類などの手続き漏れによって「育児休業給付金」の支給を受けられないのです。

その理由は、「育児休業の延長」には以下の3つの手続きがあると理解されていないためです。

育休延長の3つの手続き
1.育児休業期間の延長
2.社会保険料の免除期間の延長
3.育児休業給付金の受給期間の延長

そこで今回は、育児休業の延長に必要な3つの手続きと特に大切な育児休業給付金の延長申請方法について、ハローワークと厚生労働省の資料を元にお話したいと思います。

2016年7月現在の情報になります。

育児休業のおさらい

育児休業の延長手続きの話をする前に、育児休業について軽くおさらいをしておきましょう。

育児休業の取得条件

育児休業を取得できる条件は正社員であることですが、それ以外の雇用形態の場合の条件は以下の通りです。

1.現在の会社に1年以上雇用されていること
2.子どもが1歳になった以降1年の間で労働契約期間の更新が決定していないこと

育休を会社に申請した場合、条件に合う人は必ず育休を取得できます。

育児休業給付金の取得条件

育児休業給付金とは、会社に対して正式に育休を取得している人に支払われる生活保証のための給付金のことです。育児休業給付金が支給される条件は以下の通りです。

育児休業給付金の取得条件
1.雇用保険に加入している人
2.育児前の2年(24か月)の間で、11日以上働いた月が12か月以上ある人
3.育休期間中に勤務先から給料が支払われる場合、その金額が80%未満である人
4.育休期間中に勤務する場合、1か月の就業日数が10日以下である人

育児休業給付金支給額

育児休業給付金は育休の日数によって支給される額が異なります。詳細は以下リンク先を参考にしてください。

180日目まで
育児休業給付金賃金=育休日数×賃金日額×0.67

181日目以降
育児休業給付金賃金=育休日数×賃金日額×0.50

これで完璧!育児休業給付金の申請方法・条件と支給日、金額計算例

また、育休全般については以下の内容を参考にしてください。

産休と育休の取得条件の違いは?休暇中の給料・手当はどうなる?

育児休業の延長とは育児休業給付金の延長のこと

育休の基本を踏まえつつ、育休の延長について見ていきましょう。冒頭でお話した通り「育児休業の延長」には以下の3つの手続きがあります。

育休延長の3つの手続き
1.育児休業期間の延長
2.社会保険料の免除期間の延長
3.育児休業給付金の受給期間の延長

この中で注目したいことは、それぞれ延長を申請する先がどこかということです。

育休延長の申請先1.育児休業期間の延長

育児休業期間の延長の申請は、会社に対して行います。会社独自の様式がある場合は、指示に従って書面による育児休業期間の延長の申請を行います。

育休延長の申請先2.社会保険料の免除期間の延長

社会保険料免除期間の延長の申請は、年金事務所に対して行います。ただし、申請者は会社になります。

育休申請者が会社に対して育児休業期間の延長を申請し、会社は年金事務所に対して「育児休業等取得者申出書(新規・延長)」を提出することで、社会保険料の免除期間の延長が成立します。

産休・育休中の社会保険料免除の手続き方法と金額の目安

育休延長の申請先3.育児休業給付金の受給期間の延長

育児休業給付金の受給期間の延長を行うためには、別途必要書類を揃えてハローワークに提出し、延長を認めてもらわなければいけません。

では、必要書類は誰が認識していて、誰が申請者に通達しなければいけないのかというと、「特に決まっていない」というのが現状です。

そのため、ハローワークに申請を行った時点で必要書類の不備があった場合、必要書類はもう手に入らない可能性があります。これはかなり問題です。

育児休業の延長において、最も大切な「育児休業給付金の受給期間の延長」の申請を行えなければ、育児休業の延長の意味は半減してしまうことになりますよね。

それでは、「育児休業給付金の受給期間の延長」について詳しく説明します。

育児休業給付金の延長条件1.1歳以降も保育所に入所できない場合

市区町村役所に対して保育所での保育の実施を希望し、さらに申込みを行っているが、子どもが1歳以降の期間において当面その実施が行われない場合は、育児休業給付金の受給期間の延長を受けることが可能です。

延長条件が有効になる保育所の種類

育児休業給付金の延長条件が有効になる保育所は認可保育所のみです。

認可保育所とは、国が定めた認可基準(施設の広さ、保育士等の職員数、防災管理、衛生管理など)を備えており、かつ都道府県知事に認可された保育施設のことです。

認可保育所には、公立保育所も私立保育所もあり、自治体からの運営費補助を受けているため、利用者が負担する保育料も安く設定されています。

無認可保育施設(認証保育所等)は、育休延長条件が有効になる保育所に含まれません。

延長条件が有効になる書類や必要事項

認可保育所に入所申し込みを行い、断られた際には「保育所入所不承諾通知書」をもらわなければいけません(書類名は地方自治体によって異なる)。

ハローワークに育児休業給付金の延長を申請する際に、保育所入所不承諾通知書がなければ、育児休業給付金の延長は許可されません。

また、保育所入所希望日が記載された「入所申込書の写し」も必要ですが、入所申込書に記載された保育所入所希望日が子どもの1歳の誕生日の翌日以降になっている場合は、育児休業給付金の延長は許可されません。

そのため、保育所の入所申込書を提出する場合は、必ず子どもが1歳になる前の日付を記入してください。

育児休業給付金の延長条件2.子どもの養育を行えない場合

子どもの養育を行う配偶者等が、死亡、負傷、疾病、婚姻の解消、出産予定等により、子どもの1歳以降の養育が困難または不可能な状態になった場合は、育児休業給付金の受給期間の延長を受けることが可能です。

延長条件が有効になる書類や必要事項

配偶者等が子どもの養育を行えない場合、育児休業給付金の延長が有効になる書類や必要事項は以下の通りです。

・養育予定配偶者の死亡……世帯全員が記載された住民票の写しと母子健康手帳
・養育予定配偶者の疾病、負傷等……養育予定配偶者についての医師の診断書
・養育予定配偶者との別居……世帯全員が記載された住民票の写しと母子健康手帳
・養育予定配偶者の産前産後……産前産後に係る母子健康手帳

育児休業給付金の延長手続きと申請期限

育児休業給付金の延長条件に応じて必要書類を用意したら、会社に提出して、ハローワークへの申請をお願いしてください。

個人で延長申請を行う場合は、「育児休業給付金支給申請書」の提出が必要になります。

ここで注意すべきことは、申請期限です。育児休業給付金の延長申請期限は、ハローワークへの期限だけを意識すれば良いというわけではありません。

注意すべき延長期限
1.育児休業の延長申請の期限
2.保育所の申込期限
3.育児休業給付金の延長申請提出期限

育児休業の延長申請の期限の注意点

育児休業の延長条件が整っている場合、まず最初に会社に対して育児休業の延長申請を行ってください(希望を伝える)。

ハローワークへの育児休業の延長申請は会社に行ってもらえば良いため、ある程度余裕を持った日程で伝えた方が両者にとって都合が良いでしょう。

保育所の申込期限の注意点

前述した通り、保育所に入所できなかった場合は「入所申込書の写し」「保育所入所不承諾通知書」が必要になります。そのため、

・保育所入所希望日は必ず子どもの誕生日前で設定すること
・入所説明会などに行き、入所についての希望日設定の条件を知っておくこと

が大切です。入所条件や応募期限・締切日は各保育所によって異なるため、産休明けに資料を取り寄せるか、時間を作って市区町村役所で説明を受けるようにしてください。

保育所入所希望日が子どもの1歳の誕生日の翌日以降になっている場合は、育児休業給付金の延長は許可されません。

育児休業給付金の延長申請提出期限の注意点

育児休業給付金の延長申請をハローワークに提出する期限は、原則として育児休業終了予定日の1か月前までとされています。

前述しましたが、育児休業給付金の延長申請は会社に行ってもらうため、ある程度余裕を持って会社にお願いをしておかなければ、育児休業終了予定日の1か月前という期限が過ぎてしまう可能性があります。

また、パパママ育休プラスなどによって子どもが1歳を過ぎている場合は、育児休業終了予定日の2週間前の日までが申請期限になります。

ただしその場合も緊急でなければ、余裕を持って会社に伝えておくようにしましょう。

育休の3つの延長を忘れないよう

夫婦共働きの家庭やシングルマザー、シングルファーザーの家庭にとって育児休業の延長を行うことは、今後の生活を決めるとても重要なファクターです。

たとえ育児休業期間の延長ができても、勘違いやルーズな行動によって育児休業給付金の延長ができなければ、本当の意味で育休延長が助けにならないかもしれません。

育休延長の3つの手続き
1.育児休業期間の延長
2.社会保険料の免除期間の延長
3.育児休業給付金の受給期間の延長

これら3つの育休延長の手続きをしっかり把握して、不備がないように処理してください。

大切な子どものこと、そして今後の家庭を守っていくためにも、みなさんの育休が良い時間になるようにしましょう。


参考|育児休業給付の内容及び支給申請手続について|ハローワーク
参考|あなたも取れる!育休&育休!|厚生労働省
参考|第11章 育児休業給付について|厚生労働省

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