断乳の方法やケアの仕方は?ママが卒乳より断乳を選ぶ理由

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この記事でお伝えしたいこと

それでも卒乳よりも断乳を選択する場合がある

「ようやく保育園が決まって職場復帰の目処もついたし、そろそろ卒乳してほしいな……。」

以前、断乳と卒乳の違いについてお話しましたが、現在の育児方法ではママの都合で授乳をやめる「断乳」よりも、子どもが自分の意思でおっぱいを飲まなくなる「卒乳」を推奨する流れがあります。

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ただ、断乳がうつぶせ寝の推奨や抱き癖のように、明確な「過去の育児方法」として定着するかどうかはまだわかりません。

なぜなら、断乳は家庭の環境やママの状態・状況によっては、必要になる場合があるからです。

ママが断乳を行なう必要性とはどのようなことでしょうか。また、どうすれば上手く断乳をすることができるのでしょうか。

今回は、ママが卒乳より断乳を選ぶ理由と断乳の方法についてお話したいと思います。

卒乳より断乳を選ばなければいけない理由

ママが卒乳よりも断乳を選ばなければいけない理由は色々考えられます。もちろん、子どもの心の成長や愛着形成のためには、自発的で自然な卒乳を待つ方が良いということを念頭に置いて、断乳の判断を行いましょう。

断乳の理由1.ママの職場復帰

ママが職場復帰を控えていて忙しく働かなければいけない場合は、自然な卒乳を待つことが難しいため、少しずつ慣れさせて断乳することを考えなければいけないでしょう。

断乳の理由2.2人目の子どもを作る

もし育休期間中に2人目の子どもを作りたい場合や、年齢を考えて早めに2人目に挑戦したい場合は、授乳を継続したままでは生理などの関係で難しい場合があります。

断乳の理由3.ママの体力が保たない

母乳の分泌が悪く搾乳に時間と体力を使っていたり、夜間授乳で体調を崩してしまっているママもいるでしょう。健康的な育児を続けるためには、断乳せざるを得ないかもしれません。

断乳の理由4.化膿性乳腺炎を起こしている

子どもの噛む力強くなり、乳首の化膿による乳腺炎などを起こすと、病気が治るまで授乳はできません。乳腺炎を繰り返すママもいるため、その場合は断乳の必要があります。

断乳の理由5.周囲から断乳の強要

もちろん、育児方針は家庭内で決めるべきですし、母乳を飲みたい子どもの気持ちも汲むべきだとは思います。とは言え、どうしてもママが思い描く育児を貫けない家庭環境も存在します。

断乳の理由6.子どものストレス

WHO(世界保健機関)では2歳までの授乳を推奨していますが、中には2歳でも卒乳しない子もいます。もし、年上のお友だちがいる場合、卒乳できないことをからかわれてストレスを受ける可能性があります。

断乳をするデメリット

ママが断乳をすることに明確な理由があっても、突然の断乳は子どもの環境を変える行為です。そのため、何らかの影響があることを懸念しておいた方が良いと思います。

断乳によるデメリット
・言葉で意思表現ができない早期の断乳は、癇癪を起こす可能性がある
・断乳に慣れるまで、夜泣きやぐずりがひどくなる可能性がある
・断乳をした罪悪感で、ママが余計にストレスを感じる可能性がある
・断乳との因果関係は分からないが、甘えが強くなる可能性がある
・断乳後しばらくの間、おっぱいが張って苦しくなる可能性がある
・子どもの情緒が不安定になり、離乳食を嫌がる可能性がある
など

断乳は子どもの精神面に影響を与える可能性があります。そのため、子どもの心のケアを1番に考えなければいけません。また、断乳は、ママの身体や精神面に影響を与える可能性もあります。

断乳を行うために最適な条件

上手く断乳するためには、ある程度子どもの成長と断乳できる環境が整っている必要があります。

断乳を行う条件
・しっかり3回食を行っている
・マグやコップを使うことができる
・多少の言葉を理解している
・母子ともに健康である
・真夏や真冬は避ける
など

まず、子どもが3回食を行っており、母乳をやめても離乳食で栄養が足りている必要があります。また、マグやコップを使って、母乳やミルク以外の水分補給も行えなければいけません。

断乳は子どもにストレスがある行為なので、ママの言葉を理解できる子の方がよりスムーズに断乳を行なえます。

もちろん、断乳を行う場合は母子ともに健康でなければいけません。また、感染症が多い冬、水分補給に敏感な真夏も避けた方が良いでしょう。

断乳の方法と流れ

では、実際に断乳を行うときは、どのように進めていけば良いのでしょうか。

断乳の方法1.断乳の理由を明確にする

まずは、断乳の理由を明確にしましょう。迷いが出るとなかなか断乳はできませんし、ママも気持ちの切り替えができません。

「理由は特にないけど、何となく断乳した方が良いかなぁ。」という場合は、子どもが2歳前後になってもおっぱいから離れないときに考えましょう。

断乳の方法2.断乳の日を決める

断乳を行う日を決めましょう。ただし、断乳にはある程度の準備期間が必要なため、1か月ほど猶予があると良いですね。

断乳の方法3.授乳回数を減らしていく

1日の授乳回数は、子どもの年齢や性格、生活習慣によって異なります。そのため、「○回に減らす」という決まりはありませんが、昼の授乳がなくなると断乳はしやすくなります。

1日3回食のときに毎食後の授乳をしている場合は、まず2回にするなど授乳回数を減らしましょう。1-2週間かけて1回ずつ徐々に減らすため、3回を0回にするときは、1か月以上時間が必要でしょう。

寝かしつけのときだけ授乳している場合は、回数を減らす必要はありませんが、何度か授乳なしの寝かしつけに挑戦しても良いですね。

断乳の方法4.夜の授乳をミルクに変える

断乳の準備期間中に、夜の授乳をミルクで試してみましょう。上手くいけば、まず子どもを母乳から離すことができます。

断乳の方法5.おっぱいから少し離す

授乳回数を減らしながら、少しずつ断乳に向けた準備を始めましょう。子どもは、ママのおっぱいが大好きです。そのため、ママのおっぱいを見ると執着が強くなってしまいます。

・お風呂はなるべくパパが入れる
・寝かしつけや夜泣き対応はパパが行う
・昼間に身体を動かして積極的に遊ぶ

ママのおっぱいへの執着が弱くなるように、少しずつパパの関与や昼間の遊ぶ時間を増やして、子どもをおっぱいから遠ざけましょう。

断乳の方法6.子どもに言い聞かせ始める

子どもが1歳以上なら、ママの言葉を少しずつ理解しているころなので、「もう少ししたら、おっぱいバイバイしようねー。」と言い聞かせます。

1日に何度も繰り返す必要はありません。寝かしつけの授乳のときなどに、明るく言うようにしましょう。そして、断乳決行の前日には、「明日はもう、おっぱいはバイバイだよー。」と伝えましょう。

断乳の方法7.3日間の断乳を決行する

固い決意をもって、スケジュール通り断乳を決行します。断乳は2日間、または3日間は子どもが泣いても我慢して取り組んでください。

断乳の方法8.断乳後のケアをする

断乳は子どもの性格によっては、すんなり上手く行く場合もあります。実際、わたしは息子も娘も2日目に断乳が完了して、すんなりおっぱいから離れてくれました。

もちろん、断乳時は今まで以上にスキンシップをし、パパや家族の積極的な関わりも増やして子どもの気を紛らわせます。ただし、子どもが泣き叫び続けたら、「はぁ……だめか……( ´Д`)=3」と諦めて断乳を中断することもあります。

このように子どもが断乳ができないときは、どう対処すれば良いのでしょうか。

子どもが断乳ができないときの対処法

なかなか断乳できない子は、ここにママがいて、おっぱいがあって、でもおっぱいを吸わせてくれない理由がわかりません。そこで、理由付けのためにいくつかの対処が必要です。

断乳できない対処法1.ニップレスを貼る

断乳中は、ニップレスを貼って「ママおっぱいなくなっちゃったー。」と対応してみましょう。子どもの理解度によっては、すんなり受け入れてくれるかもしれません。

断乳できない対処法2.乳首に苦味成分を塗る

子どもに「あっ、もうこれは咥えられない。」と思う苦い味付けを乳首にしてみましょう。たとえば、以下の商品でも良いですし、苦い野菜のペーストでも良いと思います。

子どもには、断乳前に「ママのおっぱい苦くて吸えなくなっちゃうんだよ。」と前置きをしておきましょう。

断乳できない対処法3.おっぱいに絵を描く

こちらもよく聞く断乳方法の1つです。おっぱいに絵を描いて、子どもにおっぱいが違うものになったと思わせます(正直効果があるかどうかはわかりませんが)。

おっぱいに絵を描く場合も「ママのおっぱいが○○になっちゃうから、もう吸えなくなっちゃうんだよ。」という前置きが必要です。

もちろん、塗料はボディペイント、ベリーペイントなどに用いる人体に安全な物を使いましょう。

ベリーペイントとは?時期や料金は?絵の具があれば自分で可能?

断乳できない対処法4.諦めて授乳を再開

どうしても子どもが泣きやまない、おっぱいの執着が強い場合は断乳を中止して、授乳を再開しましょう。時期をみて、また断乳に挑戦してください。

断乳後のおっぱいと身体のケア

無事に断乳が成功したら、次はママのおっぱいと身体のケアを行います。通常、日中の授乳を減らすと母乳の分泌は減少しきますが、断乳後におっぱいが張り、搾乳が必要になるママもいます。

断乳後のケア1.基本的には母乳外来

搾乳に慣れているママは良いのですが、慣れていないママは搾乳の刺激で、母乳分泌が良くなってしまう可能性があります。基本的には助産院や産婦人科の母乳外来に行き、断乳後のケアの仕方を聞いた方が良いでしょう。

断乳後のケア2.搾乳は1日1回

AMOMAの卒乳・断乳時のケアによると、搾乳は1日1回から始めて徐々に日数を伸ばすことになっています。

初めは1日1回のペースでお風呂上りに搾乳し、それを2~3日おきへと徐々に延ばしていきましょう。

おっぱいが張るから・溜まるからといって搾乳しすぎることは刺激になり、母乳を作る要因となってしまいます。

また、搾乳の際に乳頭やおっぱいの付け根を刺激することも母乳の分泌を促すことにつながるので、そうならないように両手絞りでゆっくりと搾乳しましょう。

引用|助産師が教える!卒乳・断乳時のケア|AMOMA

もし、おっぱいの張りが強く母乳分泌量が多い場合は、1日1回たっぷり搾乳するのではなく、張りをなくす程度に数回軽く搾乳するようにしましょう。

断乳後のケア3.3日-1週間に1度母乳を出し切る

おっぱいの張り具合によりますが、母乳は3日-1週間に1度しっかりと出し切って、乳粕などのつまりをなくす必要があります。

断乳後のケア4.搾乳は1-2か月後まで続く場合も

断乳後もしばらくは、おっぱいの張りがあります。母乳の分泌量は少しずつ減っていきますが、毎日作られる母乳を出し切るには、1-2か月ほどかかる場合があります。

断乳後のケア5.張って痛い場合は冷やす

もしおっぱいの張りが強く、痛みがある場合はおっぱいを冷やして血流を弱めましょう。母乳は血液から作られているため、血行が良くなると多く生成されてしまいます。

断乳後のケア6.しこりに痛みがある場合は病院へ

おっぱいのしこりに痛みがあり、柔らかくならない場合は乳腺炎を起こしている可能性があります。また、おっぱいの張りとともに発熱がある場合も乳腺炎の可能性があるため、すぐに病院で診察を受けてください。

断乳後の子どものケア

断乳が上手くいったのであれば特にケアの必要はないのですが、いくつか注意点はあります。

子どものケア1.脱水症状に気をつける

子どもはこれまで母乳メインで水分摂取をおこなってきました。そのため、授乳をしなくなる分の水分補給を怠らないようにしましょう。

子どものケア2.おっぱいの存在に気をつける

子どもは、しばらくの間は思い出したようにおっぱいを求める可能性があります。断乳時にニップレスを貼っていた場合は、しばらく貼り続ける必要がありますし、絵の場合も同様です。

また、触りたがることもありますが、上手くごまかして触らせないようにしましょう。

子どものケア3.家族の育児参加も継続

断乳準備のときに行った寝かしつけや、夜泣きケアなど家族の協力もしばらく続けてもらいましょう。特に、おっぱいに執着がある子ほど、お風呂は家族に任せられると良いですね。

子どものケア4.体調が変化したら

断乳後に子どもが体調を崩したり、発熱した場合はすぐに病院に連れていき、最近の状況として断乳したことを医師に伝えてください。

もし、子どもが体調を崩した理由が断乳によるストレスなどと診断された場合は、授乳を再開して断乳の時期をずらすようにしましょう。

断乳後の寝かしつけ、夜泣き対策はどうする?

おそらく、断乳をしたときに1番困ることは、寝かしつけや夜泣き対策だと思います。

1歳過ぎの子は積極的に母乳を飲むことはあまりなく、むしろおっぱいを咥えることが入眠儀式になっているため、ママのおっぱいに触りたい気持ちもよくわかります。

もし、断乳後の寝かしつけや夜泣き対策に苦労したくない場合は、早めに入眠儀式をつくるようにしましょう。

寝かしつけが楽になる入眠儀式5か条とおすすめ入眠儀式

また、子どもがこれまで以上にグズグズしたとしても、断乳をしたのはママです。イライラせずに、仕方がないことだと受け止めてください。

もう1つ大切なことは、ママが断乳したことを後悔しないことです。断乳開始前に、断乳をしなければいけない理由を決めて取り組んだはずなので、その事実を受け入れてママも納得するようにしましょう。

ママが申し訳ない気持ちになってしまうと、せっかく我慢している子どもがかわいそうですしね。

これで子どもはまた少し成長をしました。たとえ卒乳でなく断乳でも、子どもが成長する嬉しい出来事なので、家族みんなで喜び合うようにしましょう。


参考|2006年 春号より バックナンバー こうのとりくらぶ コラム&広報誌|順天堂大学医学部附属静岡病院

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